日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

寒いですね~。
今日はとりあえずお知らせだけです。

9月10日の金沢講演の報告が、石川県リハビリテーションセンターのHPから読めるようになりました。
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/koujinou/kouenkai.html

講演会の様子や、「高次脳機能障害者と家族の会つばさ」さんによるコメント、私の感想などが読めますので、どうぞアクセスされて下さい。こうして講演者があとでフォローできる機会を頂けると、とても助かります。有難うございました。

今発売中の『ネットワーク』12月号(東京ボランテイア・市民活動センター発行)は、高次脳機能障害の特集です。私と、未就学児~中学生の当事者と家族の会の「ハイリハキッズ」、中高生の当事者と家族の会の「ハイリハジュニア」さんと、低酸素脳症による高次脳機能障害者の家族会「サークルエコー」代表の田辺和子さんが取材され、それぞれインタビュー記事が載っています。良かったらお買い求めになって読んで下さい。
https://www.tvac.or.jp/nw/

また、『月刊ノーマライゼーション』12月号(日本障害者リハビリテーション協会発行)の、「2017私が選んだ今年の5大ニュース」というコーナーにも、私は寄稿しています。こちらも良かったらお読み下さい。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n437/index.html


1月7日(日)は大森の大田文化の森で、「高次脳機能障害と囲碁」というイベントがあり、そこの座談会と歌に私と夫コウジさんが出演します(詳細はのちほど)。

2月10日(土)は、11日から始まる静岡の徳川記念世界囲碁祭りのプレイベントで、パネリストとして登壇する予定(これも詳細はのちほど)。

2月14日(水)は、栃木県宇都宮市で講演です。こちらは栃木県在住の当事者・ご家族が対象です(こちらも詳細はのちほど)。

3月24日(土)は、江東区で講演です。(こちらも詳細はのちほど)。

ほかにも、3月4日(日)は東京秋葉原で大きな講演会、5月のどこかにはまた八王子で講演予定です。8月半ば(お盆休み)には、また町田市で講演するかもしれません。

また、今日12月13日には、大阪府高槻市のやまぐちクリニック院長、山口研一郎医師著 『高次脳機能障害(医療現場から社会を見る)』(岩波書店。2200円+税)が出版されました。私も少し登場するようです(まだ手に取っていません)。是非、皆さんお読み下さい。

以上お知らせでした。(まだあった気がしますが、とりあえず本日中に間に合うよう投稿します。)

遅くなりましたが、去る11月19日(日)に町田市民ホールで行われた講演会の話を。
企画が斬新で、私にとってはとても楽しく、また考えさせられた会でした。

普通、講演は行政や医療機関、福祉機関、家族会などが主催してくれますが、今回は当事者家族の「個人」主催によるものでした。もっとも、その方、さとうひできさんは当事者家族を支援するNPO法人(三愛会)をお住まいの町田市内に設立される準備に奔走されています。さとうさんは、月1回、相模原市にある「橋本障害者地域活動支援センターぷらす★かわせみ」を訪問して、相談していらっしゃるそうですが、相模原市は町田市のすぐそばとはいえ神奈川県。町田市は東京都。やはり町田市内に家族会を作る必要を感じたそうです。町田といえば、人口43万人の大都市なのですけれど、家族会がないのですね。ちなみに私は「ぷらす★かわせみ」さんから依頼を受け、今年の2月に講演させて頂いていますし、町田市からも依頼を受け、昨年12月に講演させて頂いています。

会場は広かったのですが(862人収容)、市の広報に掲載されるとかはなかったようなので、いらした方はとても少なかったです(笑)。しかもその日たまたまあちこちで、高次脳機能障害関連の講演会もあったようなので、町田市の職員の方もそちらで用事があり、来られませんでした。

打ち合わせもほとんどできないまま、迎えた当日。町田市民ホールはとても立派な建物で、その日はほかにも色々イベントが催されているようで、賑やかでした。ここの大ホールを、さとうさんはすごく早くから抑えて下さっていました。私の講演は1時間ほどで、その前にさとうさんと「さるびあ亭かーこ」さんという紙芝居師による寸劇があるというのが、実はとても楽しみでした。かーこさんが司会から声優(私役、ワッチ役、義母役、ナレーション)をこなされ、さとうさんがコウジさん役なんだそうです

かーこさんは、依頼を受けた紙芝居を自分で作り、自転車に乗って依頼先へ向かい、紙芝居をされるようです。まさに、自作自演。女一人で生きてらっしゃる、という意気込みを感じてカッコイイ!HPもありますよ。
http://kakomaru.com/

さとうさんは地元町田市でソフトボール連盟、クレインライオンズクラブなどに入られながら不動産のお仕事をされていらっしゃる方で、3年前に息子さんが医療ミスから高次脳機能障害者になられたそうです。
そして底抜けに明るく見えるかーこさんも、実は息子さんが6歳の時喘息発作で病院で点滴を受けたところ、それが合わず寝たきりになってしまい、10年入院後亡くなられたそうなんです。

打ち合わせの席で、ケーキとコーヒーを前にそれを聞いて驚きました。元気に頑張ってらっしゃる方がたの後ろには、大きな悲しみや怒り、奮起に至るまで様々な戦いがあったのです。それに負けないどころか、ほかの人たちを勇気づけ、助けて行きたいという、強く優しい心をお持ちの方々なのです。

さて寸劇ですが、『日々コウジ中』からいくつかのシーンを前のスライドに映し出し、さとうさんとかーこさんで読み進めるという形でした。それが、お2人ともうまいこと、うまいこと。さとうさんは、コウジさんのとぼけた感じやコミカルな感じをよく表現してくれたので、思わず私は何度も客席で吹き出しましたし、かーこさんに至っては、子どもからお年寄りまで、幅広い声を使い分けられ、しかもソフトなナレーションまでこなされ、聞いていてワクワクしました。

このやり方は、とてもいいですね!企画されたさとうさん、すごい!『日々コウジ中』は、語り部によってさらに面白くわかりやすく伝わるんだ、とわかりました。時間にして30~40分くらいだったと思いますが、あっという間に終わってしまい、(え~、もう終わり?ちょっとちょっと、あと1時間くらい聞いていたかったなあ。)と残念なくらいでした。

また来年8月18日(土)にも、同じ試みをさらにバージョンアップして同じ町田市民ホールにて催されることになっていますので、今から宣伝しておきます。どうぞ今度こそ沢山の皆さんのお越しを、お待ちしています。

先日の八王子東京パイロットクラブさん主催講演会も、いらした方は障害当事者・家族ではない方々が多かったのですが、この町田での講演会も、いつも見かけないような方がいらしていました。それはボクサーの方たちとか、ソフトボールをされる方たちとか、つまりとても健康そうな、若い男性たちです。さとうさんが親しくされている方々のようですが、派手に頭髪を染められた、ちょっとこわもての男性、ちょっと派手目の女性に混じり、ソフトボール関連で議員さんらもいらしていました。なんだか私は、いつも自分がいる池とは違う池の中で歌うカエルのような気分でした(笑)。

でも、実はこういうのっていいんですよ。同じ高次脳機能障害者や家族、高次脳機能障害のことに詳しい医療・行政・福祉関係者、高次脳機能障害のことを学びたいと思われている方々の中でお話するということは、元々高次脳機能障害世界の中にいらっしゃる方々に向けて話しているわけです。

けれどこんなボクサーの方ですとかソフトボールをやられている方ですとかに話すことは、高次脳機能障害の輪を広げていくことになるのです。この障害への認知を、この社会に広げていくには、とてもいい方法なのです。
色々な世界にいらっしゃる方々に、徐々にこの障害への認知が浸透していけば、高次脳機能障害者や家族は、とても生きやすくなります。説明しなくてもわかってもらえる、必要な手助けもわかってくれている、おかしなことをしても、わかってくれる。いつかはそういう世界が来るのでしょうか。確実にそういう社会へ向かっているとは思いますが、なにしろ時間がかかるものですね。

ちなみにそのボクサーは、山崎秀晃さんというとても著名な方なのだそうです(スポーツ音痴な私は、スポーツ界のことをほとんど存知なくて申し訳ありません)。そんな方が、高次脳機能障害支援を壇上で訴えて下さって、嬉しかったです。有難うございました。


かーこさんとぺちゃくちゃ楽しく話しながら途中まで一緒に帰り、町田駅に着いたときには、町田と言う街が自分にとって温かなものに感じられていました。

さとうさん、かーこさん、いらして下さった方々(コウジ村のヨメヨメさんご夫妻も3回、ミトミトさんは2回目)、どうも有難うございました。

ウメの散歩は午前に1回、午後に1回、(場合によってはそれに数回プラスすることもあり、深夜のこともあり)、1回が1時間半ほどかかるので、気楽なものではありません。けれど犬を飼っている以上、散歩はしないとね。ウメにとって散歩は、ご飯と同じくらい好きなのです。

ウメは現在10歳で、子どもの頃から顔なじみの近所の犬達も、皆同じような年を重ねてきて、そろそろ老犬になってきました。ウメは最近良性腫瘍、外耳炎くらいしか病院のお世話になっていませんが、ほかの犬達の中には、もっと大きな病を得ている犬もちらほら。ウメの友達は、親友のジャックラッセルテリアのアメリちゃん以外は、なぜかたまたま柴犬ばかりです。

そこで最近は、そういう老犬友達の様子が気にかかり、1回の散歩は彼(彼女)らを見回りに行くようになりました。

ナナちゃんは14歳の柴犬。認知症になって昼夜構わず鳴くようになり、ぐるぐる同じところを回り、足もふらふらで歩けなくなったり、ご飯も食べなくなった、と飼い主さんは憔悴していました。近所迷惑にならないよう、ナナちゃんを玄関内の小屋の中に入れ、上から防音のため毛布をかけていました。
何も食べないというので、ためしに私が持っていたおやつをナナちゃんに与えると、食べました。
「おじさん食べますよ。おやつなら食べるんじゃないですか?このおやつあげて下さい。」と少しおじさんに手渡したけれど、おじさんはそれをポケットに入れてしまい、「食べないよ。」と言いました。(ヘンだな、おじさんの疲れは想像以上なのかもしれない。)、と危惧を抱きました。

心配でその後頻繁にナナちゃんちの前へ行き、耳を澄ますけれど、吠えている様子はありませんでした。けれどたまたま吠えていない時だったようで、時々会うおじさんは、相変わらず憔悴していました。「人間の方が先にまいっちゃうよ。」と。

ナナちゃんも心配だけれどおじさんも心配で、ここ1か月は、より頻繁に様子を見に行っていました。
ところが今日、ナナちゃんちへ行くと、おじさんとナナちゃんが散歩に行くところにバッタリ出くわしました。

「ナナちゃん、その後どうですか?」と恐る恐る聞く私に、おじさんは晴れやかな顔で、「治った!」と笑いました。安定剤を飲ませたら、食べるようになり、吠えなくなって、元の元気なナナちゃんに戻ったというのです。

私は「良かったですねえ!」と万歳をし、散歩に出た元気そうなナナちゃんとおじさんを見送りました。認知症になっても、薬でまた治ることもあるのだなあ。

もう1匹、認知症になったミミちゃんという柴犬がいます。やはり10歳くらいでしょうか。
ミミちゃんは元々おばあさんが飼っていたのですが、おばあさんが亡くなり、息子さんが世話をしていました。けれど息子さんは勤務が不規則で、帰宅は深夜。夏の暑い日もずっとミミちゃんを日陰のない外に出していました。雨の日は、屋根のないところに繋がれたミミちゃんは、濡れたままでした。

私ともう1人の「Nさん」というおばさんが気にして、私はミミちゃんにおやつや水をあげ、Nさんがミミちゃんを1日2回散歩に連れて行きました。雨の日にミミちゃんが濡れないよう、手作りの屋根も作りました。
その後Nさんは飼い主さんに頼んで、ミミちゃんを室内で過ごさせるようにしていました。(私は父のパーキンソン病が重くなってきたので、手伝うことができなくなり、ミミちゃんの世話はほぼNさんがしていて、私はNさんにミミちゃんの様子を聞くだけになりました。)

世話ができないなら、だれか里親を探すとNさんが申し出ても、1人暮らしの飼い主さんは、ミミちゃんが好きで手放しませんでした。
夏の猛暑、冬の極寒からは避けられたけれど、ずっと1匹で家の中にいる暮らしだったせいでしょう、ミミちゃんは刺激がなく認知症になってしまいました。夜通し鳴いたり、同じところをぐるぐる回るようになったそうです。

夜遅く仕事から帰る飼い主さんは、夜中鳴くミミちゃんに手を焼き、ある日Nさんが様子を見に行くと、バケツをひっくり返した中にミミちゃんは閉じ込められ、バケツの上には重しがしてあったそうです。
Nさんは驚いてバケツを持ちあげると、ミミちゃんは、小さく丸くなっていたそうです。
Nさんは飼い主さんに、「こんなことしたら、ミミちゃんは死んじゃうわよ!」と怒り、飼い主さんは反省してそれ以降バケツの中に閉じ込めることはなくなったそうです。

今、私がミミちゃんを見に行くと、玄関内をぐるぐる回っているミミちゃんが、曇りガラス越しに見えて切なくなります。でも飼い主さんが手放さない限り、ミミちゃんはこのままなのです。ただ、毎日散歩に連れて行ってくれるNさんがいてくれることが、とても嬉しいです。(Nさんと飼い主さんの間には、信頼関係ができあがっているようです。) 今度ナナちゃんの飼い主さんに会ったら、その安定剤を処方してくれる医師を聞いてみようと思います。ミミちゃんにも効くかもしれない。

そしてもう1匹、今とても心配している犬がいます。それは11歳のレン君で、ウメがレン君の家の前を通ると、庭を横切って駆け寄ってきてくれる仲良し犬です。飼い主さんの了解を得て、門扉越しにおやつもちょっとあげていましたし、ウメと私が帰ろうとすると、柵越しに追いかけてきてくれる、とても穏やかでかわいい白い柴犬です。

ところが先月半ばころ、おやつをあげたら、レン君は食べようとしませんでした。
ヘンだな、と思っていたら、飼い主さんから、レン君がガンであることを聞きました。
11月初めに、レン君が目をつむるので、飼い主さんも変だな、と思って病院へ何度か行き、血液検査などしたそうです。けれど原因がわからないまま、今度は足取りがふらふらし、食べなくなってしまったというのです。

そこで別の病院へ連れて行くと、レントゲンを撮られ、肝臓と脾臓のあたりにソフトボール大のガンが見つかったといいます。大きいのと年なのとで手術はせず、苦しむことなく残された犬生を送らせよう、と家族で話し合ったといいます。

私はショックを受け、ネットでガンが治った犬を検索したり、本を買い込んで読んだり、得た情報を飼い主さんに教えたりしました。それから行ける日は毎日、レン君の様子を見に行き、どんなおやつなら食べるだろうか、と色々試してみているところです。どうもレン君は魚っぽい、柔らかいおやつならすごく食べることがわかりました。また、おやつだけでなく、主食の餌もどうしたらいいのか、時間さえあればネットで調べているところです。

これはもちろんレン君のためでもあるけれど、ウメだっていつかはガンになるかもしれないので、勉強しておくべきだと思うからです。

こうしてウメと散歩している時間が、いつもより長くなりました。今は日も短いし、日中の明るい時間はウメと外を歩いていることが多いです。

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