日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

あと2時間半ほどで、元号が令和になります。

平成最後の今日は、コウジさんの受診の日でした。
予約を入れた時は気づきませんでしたが、「平成最後の日に、何したっけ?」とあとでコウジさんと思い出す時があったら、「玉川病院で和田先生の受診だったね。」とすぐ浮かぶことでしょう。

保険証や診察券、お金、先生にいつもこちらの勝手でお渡ししている最近のコウジさんの状況報告を書いて印刷したもの、最近私が載った新聞記事や関係するイベントのチラシ、コウジさんの着ていく服まで私が準備して、車で病院へ送り、受診も付き添い、帰ってくると、コウジさんはそのままリビングでテレビを見ています。

私は、保険証や診察券をしまい、もらってきた薬がそのまま玄関なのをリビングまで運ぶと、テレビを見ているコウジさんに文句を言いました。「自分の薬くらい、自分で持ってきなさいよ!」と。
「ああ、ごめん。」と一応は振り返るけれど、テレビを見続けるコウジさん。

昨日東京駅で私達の友達と会ったことは覚えていたけれど、そのあと皇居へ行ったことは、すっかり忘れているコウジさん。でも、テレビで皇居が写ると、「お、昨日行ったね!」と思い出します。
不思議な、まだらな記憶。

10時からの「退位礼当日賢所大前の儀」をテレビで見ていて、天皇が出て来られる姿が何度も繰り返されるのを見て、天皇がずっと廊下を歩いているのだと思うコウジさん。「同じ映像が繰り返されているんだよ。」と教えると、「そうなのか!」と驚きます。

溜息は出るけれど、どこか笑ってしまいます。

でも、やはり私は気忙しかったり疲れたり、注意散漫になっていたりしたのでしょう、帰宅してコウジさんが何かリビングで私に向かって大声で話すのに気が取られ、洗面所でコンタクトレンズを洗っていたのに、うっかり流してしまいました(涙)。

すぐに、いつも行っている眼科に電話すると、幸い今日はやっていたので、早速眼科へ行きました。
連休だし、やっていると思わない人が多いのか、私のほかに患者は1人もいませんでした。

右目、左目、と細かく視力を測り、眼球のカーブに合わせたレンズを選んでもらい、目の様子も詳しく見てもらい(やはりドライアイは変わらず)、レンズを注文して帰ってきました。

眼科でずっと裸眼でいられたので、ためしにメガネをかけずに歩いてみたら、意外と歩けるので驚きました。そこでそのまま得意になって家に歩いて帰り、これなら急に大きな地震が来ても、メガネを探さずに逃げてもいいかも、と、新しい発見でした。

・・・平成最後の日は、こうしてコウジさんの病院と私の病院で終わったのでした。

明日は、今度はウメを耳の治療に動物病院へ連れて行きます。
ウメの中性脂肪が、非常に高い話は書きましたっけ?(あれこれしていますが、時間がなくて書けていないことも沢山あります。)

かかりつけの獣医さんと、ウメの耳垢腺腫の手術をしよう、という話になってきていたのですが、事前に健康チェックをした結果、ウメの中性脂肪値は700もあり、手術以前の話だと言われました。

このままでは、ウメは突然急性膵炎になって、そのまま死んでしまってもおかしくない状況なんだそうです!
2週間くらい前にそう言われ、真っ青になった私は、心を鬼にしておやつをあげるのを辞め(病院から「これならいいですよ。」と言われている、低カロリービスケットのみあげています)、食べ放題だった猫餌も、ウメが届かない高いところに置くようにしました。
1か月後にまた血液検査をするのですが、その時中性脂肪値が下がっていますように。

ワッチも風邪から喘息になっていたのが、やっと治りましたが、先週は喘息薬をもらいに行ってきました。

うちで元気で病院いらずなのは、猫のハルとチーだけです。まだ5歳と2歳という若さだものね。

令和の時代も、病気や障害とうまく付き合っていきたいものです。

皆様にとっても、いい時代となりますように。
誰にとっても、暮らしやすい社会となりますように。

平成最後の皇居写真


今日は、大学時代からの、コウジさんとも共通の友人と会いました。

連休中のどこかで会うことは決めていたのですが、昨日、突然今日会うことにし、場所もとりあえず東京駅周辺にしました。彼女が連れて行ってくれた丸の内ブリックスクエアというところ(彼女も初めてだそうです)は、中庭のある雰囲気のいい一角でしたけれど、お目当てのお店は混んでいました。

テラス席ならすぐ座れるというのでそこにすると、今日は意外と寒い日で、北風が強く吹くわ、曇りで日は当たらないわ、で、コウジさんも彼女もジャケットや上着を着たまま、「寒い、寒い」と言いながらランチを取りました(私は暑がりなので、コート脱いでも平気)。

運ばれてきたピッツアの上に乗ったバジルという葉っぱが、強風で飛ばされてしまうので、慌ててハサミで12等分したピッツアを3枚も4枚も重ねてサンドイッチみたいにし、葉が飛ばないようにして笑いながら食べました。

デザートのパンナコッタが店内から運ばれてくると、お皿が温かいので、3人で「温かいデザートだ!」と思わずお皿を両手で囲んで暖を取りました。けれど食べてみるとパンナコッタはやはり冷たく、「ああ、店内が暖かいからお皿も温かいんだね。外はこんなに寒いのに。」とまた大笑い。

大学時代から、彼女といると何でもないことがとてもおかしくて、大笑いばかりしています。

そんな彼女は今は働くシングルマザーで、障害を持つお子さんがいますが、何事も大らかに受け止めていつも幸せそうです。見習わないとなあ。

ランチ後は、せっかく東京駅そばにいるので、平成最後の皇居(外苑)を見に行こうということになりました。行列ができている「エシレ」という店の前を通り、丸ビルの前も通ったので5分ほど中を覗きました。この丸ビルは2002年にできたそうですが、初めて足を踏み入れましたし、その隣には2007年にできたという新丸ビルもありました。両ビルとも飲食店が沢山入っていて、今パンフレットを見るとリーズナブルな値段でランチが食べられるので、今度のコウジ村はここでもいいな、と思いました。

有名ブランド店が林立する外国のような街並みを、驚いて見上げながら歩いていくと、東京駅前の広い通りに出ました。
ああ、この通りはテレビで馬が歩いているのを見た覚えがあります。

和田倉門という入口から皇居外苑に入ると、警備の人たちがいたり、警備のためのゴムボートを膨らませている現場に遭遇したり、上空にはヘリコプターが飛んでいて、明日の「退位の礼」備えて張り詰めた空気が漂っていました。

八重桜が咲いていて、花びらが落ちていたので、「平成最後の皇居の桜だ!」と大事に拾い、持っていた石倉昇先生の『ヒカルの囲碁入門』という本にはさんで、押し花にして持ち帰りました。

3人とも皇居外苑は初めてで、「広いねえ。」「皇居はどのへんだろう。」とキョロキョロ。コウジさんにいたっては、「一般参賀はどこでやるんだろう、聞いてくる。」と警備している人の方へ歩き出すので、慌てて引き止めました。そんなこと、帰って調べたらわかるし、ただでさえピリピリしながら警備している人たちを、煩わせたくないので。

二重橋前は、写真撮影する人がいっぱい。私もそこでコウジさんと撮った写真(彼女に撮ってもらいました)を、平成最後の写真としてここに載せます。私が自分やコウジさんの写真をブログに載せることは珍しいですが(もしかしたら、今までなかったかも?)、平成最後の記念に、お目汚しをお許し下さい(笑)。

皇居外苑は広くて、「座ろうよ」と歩き疲れたコウジさんの言葉に、「そうだね。」と沢山置いてあるベンチに腰掛けました。すぐこっくりこっくりし始めるコウジさんを横目に、「そうだ、今日は囲碁を教えようと思って、持ってきてるんだ。」と囲碁をしないその友人の前に、私は6路盤を出しました。

「え、こんなに小さいの?」と驚く彼女に、「最初から19路盤は大変だから、6路盤から始め、次は9路盤だよ。今はコウジさんも19路盤を打てるんだよ。」と教えました。「へえ~。」と関心を持ち、「こう?こう?」と碁石を置く彼女は飲み込みが早い才女なので、すぐうまくなりそうです。
最近神奈川新聞に掲載された、囲碁が認知機能低下を防ぐという記事もあげました。もしかしたら、彼女とも末永い囲碁友達になれるかも?

皇居外苑は日本外国を問わず観光客が多く、囲碁をしている私達の前を、中国人やインド人などもひっきりなしに通ります。芝生広場では、レジャーシートを広げてピクニックをしている人、寝転がっている人もいました。

とても広い皇居、初めて来ましたが、今度「「乾通り一般公開」があったら、またコウジさんや彼女と来てみたいな、と思いました。

帰りは馬場先門から帰りました。

さて、お知らせです。
明日の毎日新聞東京版に、先日20日に毎日ホールで行われたシンポジウム記事が掲載されるそうです。どうぞお読み下さいね。

190423神奈川


今日の神奈川新聞に掲載された、高次脳機能障害と囲碁に関する記事です。

私は、「囲碁は高次脳機能障害者と家族に良い!」、という考えですが、その考えをうまくコンパクトにまとめて下さったと思います。熊谷記者様、有難うございました。あとは、専門家の方に、私の言葉の裏付けをして頂けたらいいな、と思っているところです。

この中で私は、「(囲碁は)いろいろな人とつながり、脳トレもでき、人の役にもたてる」、と申していますが、(人の役にたてるって、どういうこと?)と思われる人もいるかもしれませんね。

コウジさんは囲碁を2年前に始めたのですが、なんと今では入門されたばかりの人でしたら、教えられますよ。この「高次脳機能障害と囲碁&心の唄」の会では、元々囲碁をされていた、お強かった高次脳機能障害の方たちもいらっしゃるんですが、そういう方は今でも囲碁を覚えていて、私なんてこてんぱんにやられます。そういう囲碁経験のある当事者の方だって、今なお進化されていますしね。
ですから、こういう囲碁の集まりでは、当事者の方たちはインストラクターにもなれるのです。

私は、視覚障害をお持ちのUさんに教えて頂くのが、楽しみです。
Uさんはとても囲碁が強いのですが、アイゴ(視覚障害をお持ちの方用の碁盤セット)の上を両手で撫でながら碁盤の様子を確認、次の一手を打たれますので、長考派の私には、とてもペースが合って有難いのです。いえ、Uさんの方が私より早いですし、対局しながら「こっちへ打つとこうなりますからね」「ここはもう入れませんね」というように、まるで目が見えているかのように、笑顔でてきぱき教えて下さるので、びっくりするやら尊敬するやら。なので、部屋へ入るとすぐUさんの姿を探す私です。

でも高次脳機能障害のSさんとは、この間5子置かせてもらって辛勝しましたので、その続きで今度は3子置かせてもらってまた対局してもらいたいな、とも思っています。

その間、コウジさんは小久保さんや、ほかの優しい囲碁ボランティアの方たちに、次々教えて頂いていますので、大忙しです。でも心の唄バンドのミニコンサートが別室で始まると、途中でも席を立ち、コンサートへ行ってしまいます。コウジさんは、歌も大好きなんですよ。

このバンドには、盛岡出身の高次脳機能障害者、高山仁志さんもバイオリンで参加しています。高山さんは今世田谷で一人暮らしされながら、学校へ通っていますが、幼いころからバイオリンを習っていて、彼の弾かれる「情熱大陸」は素晴らしいです!皆さんにも、是非聴いて頂きたいなあ。
来月大船渡で開かれる囲碁まつりや、12月に大田文化の森で開かれる、この会のイベントでは演奏されますよ。

このように、歌・囲碁という、障害を持つ人たちが楽しめる場所を提供下さっているさぽーとぴあ(大田区立障がい者総合サポートセンター)は、本当に有難い場所です。そして世話役として動いて下さっている大田区、目黒区の当事者家族の方々には、感謝しかありません。ハイ、世田谷区の当事者家族として、私ももっともっと動きます。スミマセン。つい、囲碁ばかりやってしまう私です。だって面白いんだもの。
50代を越えて、こんなに面白いものに出会えるとは!皆さんも騙されたと思って(思わなくても)、一度やってみてくださいよ。

私も最初、よくわからなくて、(面白そうなのはわかるけれど、やっぱり私には向いてない気がする)と思った時期がありました。

そんな時、視覚障害をお持ちのSさんが、私の横に座っていた時に、ポツリとつぶやかれたんです。「いやあ、本当に囲碁って面白いっすよ。」って。

私は(え?)と驚き、Sさんに聞き返したんです。「囲碁って、そんなに面白いですか?」と。
するとSさんは、「ええ、面白いです!」と重ねて、しかも力強く言われたんです。

その時からです。私が囲碁に真剣に向き合うようになったのは。

目が不自由なSさんが面白いと思われている囲碁って、一体どういうものなんだろう。どこが面白いんだろう。目が見える私が、それがわからないなんて、きっと努力や意気込みが足りないに違いない。それは情けないことだ、と。

元々負けん気が強い私なので、これはやるしかない!とやる気になったのでした。そして今、「とても面白い」、と思っている自分がいます。やった~! まだ下手ですが、下手は下手なりに、面白いんです。うまくなったらもっと面白いに違いないので、つまり囲碁は永遠に人間の友なのです。

だから、視覚障害のSさんには、感謝しているんです。

高次脳機能障害、視覚障害、聴覚障害、身体障害、難病(パーキンソン病など)、高齢者、学生、会社員、学校の先生、そしてプロ棋士の方々など、誰でも気軽にこられ、碁盤をはさめばたちまち友達です。

こういう会が、全国のあちこちにできればいいな、と思っています。

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