日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

なんだか毎日忙しくて時間がないのですが、ちょっとだけ来ました。

囲碁の練習も全然できていないし、確定申告もしていないし、健康診断も行けていないし、母から頼まれた書類も作れていないし、できていないことだらけで、出るのはため息ばかり。

さらにあさっての日曜日に、コウジさんが習っているコーラスの発表会があるというのに、彼は何を歌うのか、曲の順番はどうなのかもわかっていなくて、急遽昨晩、近所のコーラス仲間のおば様に拙宅へ来てもらいました。

そして歌う歌、パート、順番などを教わり、今日はそれに合わせて楽譜作りをしました。そしてさっき、2人で練習しましたが、これじゃあさって仲間の方、先生にご迷惑おかけすること間違いなし。明日は猛練習です(私は昼間出かける用事がありますが)。

ここのところ、高次脳機能障害者のご家族から立て続けに相談を受けていて、お返事ができていない方もいます。スミマセン。スミマセン、と言っても、パソコンを使われない方も多いので、そういう方は、このブログも読めていませんが。

講演で知り合った方が直接お電話をかけてこられたり、メール送ってこられたり。こちらも食事中だと、ファックスで相談内容を送ってもらったり。このブログにコメント寄せられた方とは、コメント欄ではなく、直接メールでやりとりしていたり。

九州の方は当事者のお母様、甲信越の方は当事者の奥様、関東の方は当事者の妹さん・・・ と、悩まれているご家族の立場も色々です。

『ノーマライゼーション』(日本障害者リハビリテーション協会発行)の3月号が、出たようです。その中の「1000字提言」コーナーに寄稿していますが、今回のタイトルは、「妻たちの悲鳴はネットの中にある」です。
でも、妻だけでなく、母も妹も、父も兄も、ですね。

本当はもっといろいろ書きたいのですが、また明日。
明日は、東日本大震災から6年です。

今日は、大森へ囲碁の集まりに行ってきました。コウジさんは例のごとく、服を着て出かける段になってから、心細げに、「今日、どこへ行くんだっけ・・・?」と私に聞きました。そして、「病院だっけ?」とも。
昔は、ガクッとしましたが、今は「ワハハ!」と吹き出してしまいます。出た、コウジ節!と、おかしくなります。

さて、普段使わない(ところの)頭を使ったせいでしょうか、コウジさんは帰宅後も疲れた様子で、「眠くて仕方ない。」、と早寝してしまいました。8時台に寝るのは、珍しいことです。

私とコウジさんは、この1か月ほど簡単な囲碁のガイドブックを木谷さんやほかの先生から2種類頂いて読んでいたのですが、よくわからない・・・というか、実際打っていかないと、本を読んでいるだけでは、全然わからないですね~。トホホ。

一方、木谷さんからアニメの『ヒカルの碁』を見るようにも勧められていて、第15話くらいまで見てきているのですが、こっちは面白いです!マンガ好きな私は、早く次の話が見たい、と焦るのですが、隣で一緒に見ているコウジさんが、疲れてくると居眠りしてしまうので、なかなか進みません。 

それに、テレビに向かっていつも「このバカすけ野郎!」「チッ!」など、口汚くののしるコウジさんへの対処法として、主治医が「テレビを遠くから見るようにしたら?近いから同じ世界にいる、と思ってののしるけれど、遠かったら違う世界だと思って、暴言吐かなくなるんじゃない?」と素晴らしいアイデアを下さっていました。
なのに、『ヒカルの碁』は、パソコンの動画を見ているので、テレビよりさらに近い・・・ ということは、私のすぐ横で「このバカすけ野郎!」「お前のせいだ!」など、ヒカルに向かって頻繁に毒づくことになり、うるさくてたまりません。

とはいっても、私は真剣に見るあまり、つい、「でもさ、これ、こうじゃない?」「でもさ、ああすればいいんじゃない?」などと、いちいちマンガの登場人物に突っ込みを入れたり、助言したり、先を読んだりしてしまうのです。
するとコウジさんが、ニヤニヤしながら、「マンガですから。(マンガだから、話がうますぎたり、おかしくても仕方ない、という意味)」と言うのが、お決まりのパターン化してきて、そういうのも結構楽しいです。

まだ、画面に出てくる碁盤上の碁石の意味は全然読めません。1年くらいして、少しは読めるようになっていたらいいのですが。

ただ、ヒカルはたった1年くらいでプロになれたように描かれているそうですが(まだそこまで読んでいません)、それはありえなくて、プロになれるには普通10年はかかるそうですよ。『ヒカルの碁』を読んで、3万人の子どもたちが囲碁を始めることとなったそうですが、すぐプロになれるほど上達しないので、辞めてしまう子どもたちも多いとか。

ともかく、夫コウジさんにとって、思いもよらぬ世界が訪れましたね。囲碁ですよ、囲碁。
私も昔から興味はあったのですが、実際自分がやるようになるとは、正直なところ、思っていませんでした。
やるとしても、あと20年くらいしたら?と思っていましたが、20年後にまだ生きているとは限らないですし、「いつかやろう」と思っていることがあれば、すぐやった方がいいですよね。

帰宅してワッチに、「ねえねえ、囲碁って面白いのかなあ、とやっぱり疑問に思ってるから、今日囲碁を教えてくれた人に、「囲碁って面白いですか?」って聞いたら、「面白いです!」って力強く即答されたんだよ。だからやっぱり囲碁って面白いんだね。」と言いました。

するといつもクールなワッチはぐふぐふ笑いながら、「囲碁をやっている人は面白いと思ってやっているんだから、そう答えるに決まってるじゃん。面白くない人は、やめてるよ。ぐふぐふ。」ですって。たしかにそうだわね。

けれどコウジさんは、よくこう言います。「自分は、囲碁に向いていると思う。」と。
(へえ、随分珍しく自信持って言うものだな。)と思っていた私は、今日も自己紹介の時に、「夫は「僕は囲碁に向いていると思う。」と申しています。・・・」と言いました。するとコウジさんは隣で、「え、そんなこと言った?」とすっとんきょうな声をあげました。

「言ってるじゃん。なに、向いてないの?」と聞くと、言葉を濁しました。なんなのよ。

そのあと、遅めの昼食を食べている時、またコウジさんは、「でも、僕は囲碁に向いていると思うんだ。」と言いました。なので、「ほら。私が今日、「夫は囲碁に向いていると思う、と申しています。」と言った時に、「え、そんなこと言った?」って言ったくせに。」と文句を言いますと、また「え、そんなこと言った?」ですってよ。

あの~・・・、これって、囲碁の言葉で「コウ」の状況じゃない? つまり、繰り返しでエンドレス・・・ 

まあ、ぼちぼちやっていきます。楽しみながら。 それが肝心ですね。



私は、今まで囲碁をやったことがありません。
別に威張れることではないのですが、私の父や兄は結構強く(亡くなった父は八段、もう今は囲碁をしていないという兄は4段)、父から教わった母は今も、囲碁教室や囲碁友達との集まりにいそいそと出かけて行きます。

私が小学生の頃から、父は日曜となるとNHK教育テレビ(今のEテレ)の囲碁番組を見ていました(将棋番組も見ていました)ので、私もいつも後ろからぼ~っと画面を眺めていました。つまり、子どもの頃から私は、囲碁をやれる環境にはいたわけなんですが、全然関心がありませんでした。私の関心は、もっぱら犬や猫などの動物、絵でした。ハイ、今と同じです。

夫コウジさんも似たようなもので・・・、と書こうとしましたが、本人に確認すると、「少しはやったことがある。」と申しています。けれど、「好きになる前に自然消滅」してきたとのこと。

こんな2人ですが、なんと囲碁を始めることにしました。
「ええ~?なんで~?」という声が聞こえますし、私や夫も同じ気持ちです。でも、母がいつも「囲碁をやるといいわよ。老後の楽しみになるし、面白いわよ。いい友達も沢山できるわよ。」と昔から私に呪文のように囁いてきていたので、元々いつかはやろうとは思っていた時に、木谷正道さんと出会ったのでした。

木谷さんは「心の唄」コンサートの場で、数年来高次脳機能障害者支援をして下さってきていました。出会うのは必然だったとは思いますが、歌が好きな夫と私が、「心の唄」コンサートでヴォーカルの木谷さんのお声や、ダンディな姿にすっかりファンになっていたことも大きいです。CDやDVDを買ってきて、家で何度も聞いたり見たりしていました。木谷さんは私たち夫婦にとって、あくまでもギターの弾き語りをされる渋いヴォーカリストであり、囲碁の世界を背負ってらっしゃる方ではありませんでした。

けれど木谷さんは、かの有名な故木谷實九段(プロの九段というのは、アマとは違います)の三男でいらっしゃって、ご自身も木谷道場で幼少期を過ごされたものの、その後囲碁はあまり好きでなかったようでやめられて東京大学へ進み(それもすごいですが)、都庁で定年まで勤められました。現在は地元平塚で「NPO暮らしと耐震協議会」の理事長として、防災や耐震補強の重要性を唱えつつ精力的に活動されています。(先日はNHKにもご出演されました。)その一方、「心の唄」コンサートで披露され、聴衆の心をわしづかみされるその歌声で、障害者、高齢者支援もされてきました。しかもその活動はとどまるところを知らず、子ども、環境、市民活動、フルマラソンその他もろもろに及び、今は東京オリンピックが開催される2020年に向けて、囲碁と音楽、障害を融合したフェスティバルを企画されているところです。
木谷さんのHP → http://kokorono-uta.net/kokorono-uta/


その木谷さんが、「高次脳機能障害の症状改善に、囲碁は効果があるのではないだろうか?」と問いかけられ、「きっとある!」「あるに違いない!」と期待し、集まった当事者・家族たち(大体が、「心の唄」コンサート関係で、品川や目黒、大田区の方たち)と、先月から囲碁教室がスタートしたところです。
私とコウジさんは世田谷区ですが、木谷さんいわく、「どなたでも関心のある方はお誘い下さい」とのことなので、近くの方で関心のある当事者・ご家族の方は、コメントで連絡下さい。次回は3月5日(日)、場所は大田区障害者サポートセンター。時間は10時半からです。

ちなみに、私は前回の集まりの時までは、黒白の碁石は、ますの中に入れるのだと思っていました。オセロのように。テレビを見ていても、きっと上の空だったのでしょうね。恥ずかしい。

今日はさわりだけ、お話しました。これから「囲碁と高次脳機能障害」シリーズで、進捗状況などちょっとちょっと書いて行こうと思います。

最後に、この間の相模原市講演会の様子が、2月23日号のタウンニュースさがみはら中央区版に掲載されています。
コウジさんが講演会に来てくれたのは、5年ぶりで珍しいことなので、このツーショットも珍しいのです。
http://www.townnews.co.jp/0301/2017/02/23/371093.html


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