日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

 今日の朝日新聞夕刊を読んだ私は、涙が止まりません。

 愛媛県動物愛護センターの記事ですが、殺処分される直前の犬達の写真が・・・。 柴犬らしき犬も2匹写っています。

 人間の都合で、このような愛すべき、頭のいい、気持ちもいっぱいある犬猫を殺している日本の現状が理解できません。

 年間合わせて30万匹近くもの、尊い命が奪われているのは、私は我慢できません。

 ドイツでは、殺処分ゼロだといいます。

 民間の500を越える施設が、犬猫ほかの動物を、飼い主が見つかるまで期限なしに保護しているといいます。 運営費は寄付や遺産などで賄っているとのこと。

 日本もそれを真似れば良いのです。 一体だれが、殺処分なんていう、残酷で野蛮なことを考え出したのでしょう?

 あった、あった! 今、ストックしていた新聞記事の中から、探し出しました。

 1カ月以上前の記事ですが、「民主 党の鳩山由紀夫前首相と小沢一郎元代表が、ペットの殺処分を減らすための法改正を検討する議員連盟の設立総会に出席した。」 とあります。

 「鳩山氏はゴールデンレトリバー 『アルフィー』 を首相就任の日に亡くしたエピソードを紹介。 ?『就任の喜びより悲しみの方が大きかった。』。 柴犬2匹を飼う小沢氏は 『犬やら鳥やら一生懸命飼っている。お互い命を授けられた動物同士、仲良く共存していくのは当然。もっともっと可愛がって大事にしたい』」 。

?なんとかこの問題に対する解決 (勿論、殺処分ゼロ、という解決) の動きが加速しますように。

?私は、高次脳機能障害のために活動していくつもりですが、それと同じくらい、この問題も大切に考えています。

 実は、ウメの散歩に行く毎日、ウメを見ながらいつも、そのことを考えて胸が痛んでいます。

 私にできることはないのか? 殺処分ゼロ活動をしている団体に、入ることから始めようか。

 前にも 「AERA」 でこの問題が大きく特集されたことがあり、暗い気持ちを実は毎日、ずっとひきずっています。 こうしているうちにも、毎日毎日、犬猫が殺されていることを考えるだけで、本当は倒れそうなくらい悲しい・・・

 暗い気持ちのまま、ともかく今日の投稿を。

 「高次脳機能障害 第43回」。

 本には書いていない、コウジさんの失敗エピソードを。

 その1 

 いつも終業時刻の6時前から、帰るのをソワソワ待っているらしいコウジさん。 時計を睨みながら、「6時になった!それっ!」 とパソコン操作 (今はタイムカード機ではなく、パソコンになったそうです。)、すると、時々5時59分の時があるそうで、そうすると修正しなくてはならないから、いつもより15分位遅い帰社になるらしいです。(同僚の方の話。)

 そんなに急いで帰って来たって、夕食がまだできていなかったりするのに。

 それに、普通はカッコ悪くて、6時ジャストよりも、6じ7分とか、6時15分とかにするんじゃないのかしらね?

 その辺の見栄とか体裁とか、全く構わなくなって、ただ早く家に帰りたい子供のようです。 それほど家が好きなのは、いいんですけどね。

その2

 「郵便物は、開封してから、それぞれの人に配って下さい。」 と言われているのに、開封しないで配るそうです。 「なぜ開封しないのか?」 と聞かれたコウジさんは、悪びれもせず、ただ平然と、「だって、面倒臭いから。」 と答えたので、注意された方は、唖然としたとか。

 でも、一所懸命仕事しているようですよ。

 何の仕事をしてきたか、お昼は何を食べたのか、相変わらず全然思い出せないのですが、今のところ会社からは 「困ってます。」 という連絡もありませんから、大丈夫なのかな、と思っています。 (大丈夫でしょうか・・・?)

?ー第43回おわりー

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 昨日、このブログに、ニューヨークから投稿が届きました。

 個人名でしたので、アップしませんでしたが、びっくりしました。 私のブログも国際的になったなぁ?

 それは、「三田評論」 の中の私の文章を、ニューヨークで読まれた方からでしたが、「参考になるかも。」 とご親切に教えて下さったのは、フェリス女学院大学の立神粧子教授が昨年11月に出版された、「前頭葉機能不全 その先の戦略」 (医学書院発行) という本です。

 ニューヨーク大学の、「RUSK研究所脳損傷通院プログラム」 という、高次脳機能障害の有名な機能回復訓練プログラムを受けられた、立神様ご夫妻の治療体験が述べられているそうです。 (ご主人が2001年、右椎骨動脈解離性動脈瘤破裂のあと、高次脳機能障害者になられたそうです。)

 おそらくかなり専門的な内容だと思われますが、アマゾンで注文しましたので、読んでみようと思います。

 はるかニューヨークから、貴重な情報を送って頂き、どうも有難うございました。

 パソコンが苦手な私は、長崎講演資料を作るのに時間がかかり、昨夜は疲れて机に突っ伏したまま、1時間ほど寝てしまいました。

 何もしない1日、あるいは読書三昧の1日が欲しいこの頃・・・。 あ、でもダメだ、ウメとのハードな散歩があるわ。

 ということで、今日の写真はウメと梅。 甘く上品な、いい香りが立ち込めていました。

 「高次脳機能障害 第42回」。

 色々問題があったコウジさんの勤務も、1年を過ぎた頃から落ち着いてきました。その頃のことを書いて下さっている、同僚の方のコメントを、ここに載せさせて下さい。

 「一年を経過した位から大分、業務や会社、人間関係にも慣れてきたようになり、入社当時と比較すると比べものにならないほど、事務効率があがった。マニュアルを見ずとも、ルーティンワークを記憶しており、来訪者の記録データ作成、メール便集配を習慣業務としてこなせるようになってきた。マンツーマンでつかなくとも、一人で業務を行うことが可能となった。

 これは、ご家族や同僚の援助努力もあるが、個人の負けない努力が一番であろう。

 最もいい方向に変化があり、彼が成長したのでらはないかと思うことは、嫌な仕事も率先してできる様になったことである。

 メール便集配業務や、社員証作成、しかも人から注意されたり、指摘されたりする事が嫌いな性格でもあり、以前は敬遠しがちであった業務を、現在は、誰から言われずとも行なっている。

 又、人が嫌がる雑巾洗いであったり、シュレッダーであったり、自分の立場を理解し、業務内、業務以外の事でも、自身でできることを率先して行っている。

 とても素晴らしいことだと思う。・・・ 」

 そう考えて下さる彼女の方こそ、素晴らしいと思います。

 こんなに夫のことを、詳細に見て下さっている会社に勤務できて良かったです。

 このように、働き盛りの高次脳機能障害者には、就労が大切です。

 会社で過ごすうちに、症状は良くなるようですし、その意味においては、会社には申し訳ありませんが、最高のリハビリの場であります。

 コウジさん?自身も、「社会と繋がっているという認識は、やっぱり嬉しい。」 と言っているように、働くことは、本人の生きる喜びと、生きる力になります。

 介護者も、日中の時間が持てて、自分も就労やリラックスができるとともに、 経済的にも非常に助かります。 

 いいことばかりなのです。

 コウジさんが、今もきちんと会社勤務を続けられていることは、きっとこれから就労を目指す同じ障害者の方の励みになるのでは、と思っておりますし、また、今この瞬間にも、絶望しているかもしれない介護者の方々にとりましても、少しでも希望になれば、と願っております。

 ですから、これからもコウジさんが勤務を元気に楽しくけられるよう、私は家族として体調管理に気をつけて支えていきます。

 最後に、先ほどの彼女のコメントの終わりに書かれてあった一言を、紹介しますね。 とても有り難く、またうなづけるものです。

 「私は彼に出会い、人間としても、自分自身の業務の幅も広がったのではないだろうか、自分自身も成長したのではないかと彼の存在に感謝している。 人間の生命力回復力に感動を覚え、又、彼個人の努力に対して、尊敬の意を表する。」

 私を含めた健常者は、障害者に寄り添うことによって、そこから感じ取り、学び取るものが必ずあります。 なくして初めてわかること、 人が助け合うことの大切さ、 私も日々勉強中です。

 ー第42回おわりー

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 これは、その頃 (今から3年前) に描いていた絵本と、それが完成して雑誌に取り上げられた (同2年半前) ものです。

 「パパが、こわれちゃった!」 というタイトルのこの絵本は、我ながら良くできたと思っていたのですが、2、3社あたってみたものの、「読む人がいない。」 ということで、結局出版されずじまいでした。

 たしかに、絵本ですと、ターゲットは子供になりますから、大人ですら 「高次脳機能障害?なにそれ?」 ですのに、ましてや子供じゃ面白くないでしょうし、「ああ、なるほど!」 なんてこと、あり得ないでしょう。

 でも、私としては、大人向けに描いたつもりでしたし、簡潔に描かれたこの絵本なら、この障害もわかりやすいかな、と思ったのですが、需要がなくボツでした。 あ?あ・・・

 「高次脳機能障害 第41回」。

 ?コウジさんは障害のせいで、口の悪さが輪をかけて悪くなり、同僚のHさんが漏れ伝え聞いたところによると、何人かの女性社員の方に何かを失礼なことを言ったり、カッとなりやすかったりしている様子でした。

 ちょうどコウジさんの仕事上のことで、いくつかの問題が持ち上がっていましたので、ジョブコーチさんと一緒に、私は会社に呼ばれました。

 ついでに女性社員の方々に謝って回ると、皆さん、「全然そんなことないですよ?。」 とニコニコして下さいましたが。

 コウジさんの実際の仕事ぶりを見せてもらいながら、コウジさんの困った問題点の説明を受けました。

 それは、郵便物を仕分ける時に、どうしてもマニュアルを見ないから間違えること、郵便物を渡しに行くのに、座席表を見ないから席がわからなくて、いつもその辺の人に聞いていること、などです。

 いくら会社の方々が注意しても馬耳東風で、一向に直らないため、途方に暮れて私が呼ばれた、ということです。

 けれど、これには面白い話がありまして、会社ではあんなにボロボロ間違えていたのに、その日の夜、私が持ち帰ったマニュアルで、コウジさんに1つ1つ確認すると、ほとんど全部覚えていたのです!

 ということは、コウジさんの頭には、どうにかマニュアルは入っているがゆえに、「もう見なくてもよい。」 という風に思ってしまっているのでは?

 けれど、実際に大量に郵便物がくると、なにかほかの要因が働き、コウジさんの頭の中にあるマニュアルの記憶が薄くなり、苦し紛れに適当な判断をし、間違えるのでは?

 たしかに、頭でわかっていても、実際に作業を行う時には誰でも、ストレスは増えますが、コウジさんの場合は障害ゆえに、そのストレスが大きく、正確な判断ができないのでは?

 平常心を保てず、能力が極端に低下するのでは?

 さらに元々のコウジさんの性格、面倒臭がりの、いい加減なところも、関わっているのでは?

 私も色々素人ながら分析しましたが、結局、辛抱強く注意するしか方法はないだろう、と思いました。

 それに、罰則をつけたらどうか、とも考えました。

 例えば、「マニュアル見ないなら、奥さんに電話するよう言われてるんだけど・・・。」 などの子供だましのような脅かしが、意外と効くかもしれません、と上司の方には伝えておきました。(コウジさんは、私の言うことならよく聞いてくれるので。・・・別に私が怖いわけではないと思いますが。)

 けれど、私が会社に行ったことで、コウジさんも少しは改めるようになったと思いますし、家でもいまだに、「マニュアル見てる?」 と私がしつこく言うようにしています。

 そしてその後、どうにか段々と間違えることもなくなってきた、と先日会社へ伺った時、聞かされてほっとしました。

 職場の方には申し訳ないのですが、やはり辛抱強く、繰り返し教えて頂くことに尽きるようです。

 どうか宜しくお願いします。

 ?ー第41回おわりー

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