ウメと散歩する近くの大学敷地に、タイサンボクの木が1本植えられています。
毎年この時期になると、大きな白い花を咲かせるので、私はそれを楽しみにしています。
いい香りがするというのですが、花が高いところにつくので、なかなか匂いをかげません。
けれど昨年は、低いところに花がついているのを見つけました。早速喜んで嗅いだのですが、あまり強い匂いではないのか、私の鼻がつまっていたのか、よくわかりませんでした。

さて今年。1か月ほど前に大雨と強風が吹き荒れた1日があり、タイサンボクの木の隣に植わっていた桜の枝が1本折れました。その枝はタイサンボクの1本の枝の上に覆いかぶさり、タイサンボクの枝は完全に折れこそしなかったけれど、地面に付くほど半分折れました。

大学の職員か植木屋さんは特にそれに対して撤去も何もしなかったので、半分折れた枝でもタイサンボクはけなげにつぼみをつけていました。私の膝下くらいの高さにあるつぼみを、いつ花が咲くかな、と楽しみにしていました。一昨日にそこを通った時、つぼみは大きくふくらんでいました。

そして、昨日のことです。たまたまウメの幼馴染犬のアメリちゃんと散歩途中で会ったので、「ねえ、タイサンボクの花がそろそろ咲くから見に行かない?」と誘い、2人+2匹でそこへ向かいました。

けれどタイサンボクの木のところに着いたものの、いつも見ていたつぼみがありません。(え?どこ?)と探しましたが、ありません。アメリちゃんのママも困って立ち尽くしながら、上を見上げて「あそこに咲いてるね。」と言います。たしかに上にはもう沢山咲いているのですが、私が見せたかったのは(嗅ぎたかったのは)、膝下の高さにあった花なのです。

まさか・・・、と目を凝らしますと、やはり枝が切られていました。誰かが切って、持って行ったのです。
アメリちゃんママも、「ひどいね。ここを通るみんなが楽しみにしていたのにね。」と、ショックを受けて怒っている私を慰めます。
タイサンボクの花だって、ここで咲きたかったよねえ、なんて自分勝手な人がいるものだ。自分さえ良ければいいのだな、と私はそのあと2時間ほど怒ったり、落ち込んだりしていました。

けれどふと、違う考えが浮かびました。
(もしかしたら、タイサンボクが好きな人がいて、その人が病気で寝たきりになっていて、その友達がその人を励まそう、喜ばせようとして、花を切って持って行ったのかもしれない。)と。(きっとそうだ。だとしたら、許してあげよう。その病気の人が元気になるなら、花だって嬉しいだろうし、私も嬉しい。)と。

という話なんですが、実際は違うかもしれませんよ。ただ、自分の楽しみだけに持って行ったのかもしれません。でも、そう考えることで、私の腹立ちもおさまったので、ものは考えようですね。

でも、今日もタイサンボクの前を通る時、胸がチクリと痛んだのは、仕方ないです。

次の話題です。タイサンボクの話に関係あるといえばあるし、ないといえばないのですが、心の持ち方によって、人は救われるものだと思います。特に、病気や障害の家族を介護している人にとっては、心の持ち方は、自分や家族が幸せになれるための、大きな鍵だと言えます。

大切な家族の介護の日々で、疲れてしまっている人たちに読んで頂きたいブログがあります。

その人は、ちぇぶさんという女性で、コウジ村の村民ではありますが、元々強さと賢明さを備えられた素敵な方です(コウジ村の村民は、みなそういう人たちばかりですが)。 あ、コウジ村というのは、私が主宰する家族会で、主にネットで繋がっています。高次脳機能障害については何にもなかったこの国を開拓し、種を蒔き、支援の木を大きく育ててきて下さった先輩達に続き、負けずと土地を耕して種を蒔き育てる姿をイメージして、「コウジ村」と名付けました。

そのちぇぶさんのご主人は、12年前に悪性脳腫瘍からの高次脳機能障害者になりました。、その後ご主人は何度も再発、手術を繰り返し、できないことが増えてきましたが、奇跡的に現在もお元気で過ごされています。
ちぇぶさんの心もアップダウンを繰り返してきて、きっとダウンの時にコウジ村に入られ何度かお会いしました。
最近少しご無沙汰していたのですが、ちょっと確認したいことがあって私から連絡した時に、「ちょうど新しいブログを始めたところです!コウジ村の皆さんにも教えて下さい!」と言う、元気なちぇぶさんにびっくり。

そのブログを早速読みますと、これが素晴らしいんです!私たち介護者(ケアラー)が到達すべき心の持ち方というのは、まさにこのブログに書かれてあることです。この心境に到達するために、暗中模索、試行錯誤、へこんだり泣いたり怒ったり、逃げ出したくなったりするのを我慢してきたのだ、と経験者ならわかります。

今、介護で疲れている人、孤独になっている人、投げやりになっている人、どうぞ読んでみて下さい。きっと元気になれますよ。肩の力が抜けますよ。目からうろこが落ちますよ。ブログのタイトルも、そのままずばり、「介護しながら幸せになろうよ!」です。
http://ameblo.jp/nikonikohappy365?frm_id=v.jpameblo&device_id=f5c03d10145d4c

そして、明日は講演会です。
配布資料には、ちぇぶさんのこのブログから、言葉を拝借しました(ちぇぶさんも喜んで了解してくれました)。コウジ村からも、2家族が参加されるようです。
私も明日、偉そうにお話しますが、まだまだちぇぶさんが書かれているように、あ~あ、やんなっちゃうな、と思う時も沢山あるんですよ(ちぇぶさんは、「死にたいな」という言葉で表現していますが、それは決して自殺したい、という意味じゃないんですよ。読まれるとわかります)。

毎日色々ありますが、とりあえず今日も大丈夫だった、5年後も多分大丈夫だろう。しかも今想像している5年後よりは、もっと良い状態になっているかもしれない。
ちぇぶさん、有難う。私たち人間は、希望を持って、それに向かって歩いて行ける生き物なんですよね。

でも、国会の様子を見ていると、希望のきの字もありませんね。 それに自分の言った言葉をクルクル変えて、与党はずるい人が多いヨネ。色々書きたいこともありますが、明日に備えてそろそろ寝ます。おやすみなさい。