せっかく毎週囲碁教室へ通っているので、この1週間はなるべく1日30分は碁盤と向き合うようにしていました。
先週もらっていた、詰碁のプリント(宿題)。うんうん唸って自分なりに解いて持って行きました。けれど、4問のうち3問間違えていました。

理由はわかります。
私が黒石で相手が白石としても、私が黒石の頭で思うように白石も動かすため、独りよがりの詰碁になるのです。
先生からは、「う~ん、なるほどね。白がここに打つと思うのは、黒の考えで、白はそこには打ちませんよ。」と言われました。例えば、白は1つ捨ててももっと大きな収穫を狙うのに、私はこの1つを捨てるわけがないと思い込むため(目先の利益を考えるため)、間違えるのです。勿論、相手も私レベルの人なら話は別ですが。ああ、難しいなあ・・・。 囲碁は細かいところも見つつ、大局も考えなくてはいけないので、頭を相当使うゲームです。

しかも、教室では色々な先生が教えて下さいますが、「メモしてはいけない」という先生がいらして、今日はその先生だったため、帰宅して復習しようとしても、メモもなければ覚えてもいないので、困ってしまいました。やはりメモさせてもらえるよう、来週は頼もうと思います。なにしろ、私は超初心者だし頭も固くなっているので、メモがないのは無理な話なのです。

頭が固くなっているとはいえ、今日、不思議なことがありました。
囲碁は普段使っていない箇所の脳を使うようで、ひどく疲れるのですが、先生が説明している時に、急に亡くなった母方の祖母の家が目(脳)に浮かんだのです。
何人かの親戚もいて、なつかしい祖母の家の匂いもしてきて、私だけそっちの世界にひとときワープしていました。

よく、人は匂いで昔の記憶を呼び起こされると聞きますが、今回はその逆で、昔の記憶から匂いが浮かびました。
囲碁が私の脳のどこかのスイッチを押して、昔の心地よい映像を引っ張り出し、その空気で私を包んだのです。
目の前には説明されている先生や生徒さんがいるのに、心(頭)の中は祖母の家でした。
私はなつかしさと幸福感でそっちにいたかったのですが、そういうわけにもいかないので、祖母の家から現実に戻りました。
けれどそのあと先生の話を聞いていて、また祖母の家を思い出しました。今度は、意識的に。いかん、いかん。集中しなくては。
その後は頑張って囲碁の勉強に戻りましたが、なぜ囲碁が私を子どもの頃に連れて行ったのかはわかりません。でもきっと囲碁のなにかが、私の脳に作用したのは確かなようです。不思議だな。

そういうことがあったせいで、私はなんだか子どもの頃の方が良かったような気が、今日はしてきました。
優しい親や祖母から守られて、安心して子どもでいられたあの頃。きっと私は幸せな子ども時代だったのだ、と今更ながら親や祖母に感謝の気持ちがわき起こり、心が温かくなりました。もうすぐお盆だものね。先祖が周りに来ているのかな。

それはそうと、明日は月に1回の、大森での「高次脳機能障害・囲碁プロジェクト」の日です。高次脳機能障害だけでなく、視覚障害、身体障害の人たちも集まります。障害があっても、老若男女、国に関係なく誰もが楽しみながら交流できるのが、囲碁なのだ、とわかってきました。すごい道具、ゲームですよ。
今日間違えたままわからない問題も持って行って、教わろうと思います。

いつも私とコウジさんに教えて下さるKさんという方がいて、明日も来て下さるようなので、コウジさんと喜んでいました。
ところが驚いたのは、私が今日囲碁教室から帰ってきて、それとは関係なくコウジさんにKさんのことを話しだしたら、「あれ?囲碁教室にもKさんがいるの?」「Kさんは、僕の友達だよね?お前も知っているの?」と言うのです。

「Kさんは、囲碁教室にはいないよ。明日の会に来てくれているんでしょ。」「それにKさんは元々はあなたの友達じゃなくて、木谷さんのお友達でしょ。」「私だってKさんのこと、あなたと同じくらい知っているわよ。」と訂正すると、「そうだっけ?」と。

さらに、「あれ、明日はコーラスだよね。」ときました。
私がさすがに、「コーラスじゃなくて、囲碁でしょう?」と段々イライラし出すと、コウジさんは慌てながらも、「あ、囲碁か!」と驚くのです。
こういうのは、見当識障害というのでしょうか。

もちろん、明日の場所(大森)も覚えていなくて、「どこだっけ?」とためしに尋ねますと、「自由が丘!」と答えます。
もちろんもちろん、1人では行けないので、私が電車、バス、徒歩、全てリードしなくてはなりません。もう7回目なのになあ。こういうコウジさんには慣れて当たり前になっているけれど、やっぱりどこかでため息をついている私がいます。仕方ないけれどね。仕方ないから仕方ない。考えても仕方ないことだから、明るくいこう!

幸い、練習はほとんどしないコウジさんだけれど(面倒臭がったり眠がったりで)、囲碁は好きなようなので、きっと脳のどこかに作用して、いい効果があるはず。

明日8月6日は、広島に原爆が落とされた日です。大森で黙とうしましょう。

ところで、私の知人に、ジャーナリストの中村尚樹さんという方がいます。
その方が、最近本を出されました。
『占領は終わっていない ~核・基地・冤罪 そして人間~』(緑風出版)というノンフィクションです。
http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1714-6n.html
 
広島、長崎、沖縄、福島をはじめ、冤罪や文学も含めた現代日本の課題をテーマに、それぞれの隠された真実を提示している本だそうです。

出版元は、アマゾンの学生会員向けに割引制度に抗議してアマゾンへの出荷を停止中とのことで、アマゾンに注文すると、入手するのにすごく時間がかかるそうです。
なので、今日、近所の本屋に注文してきました。届くのが楽しみです。

内容はきっと濃く重いものですが、私たち日本人が知っておくべき考えておくべき重要なことが沢山書かれてあります。中村さんの書かれるものは、精力的にきめ細かく取材された賜物なので、是非皆さんも読んで下さい。中村さんは元NHK記者で、数々の大学で講師を務められています。高次脳機能障害者をテーマにした『奇跡の人びと』(新潮文庫)など、著者多数。

ではまた!