日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2011年01月

 長崎・・・ 今まで一度も行ったことのなかった土地 (長崎に限らず、まだ30県くらい行ったことありませんが) への私のイメージは、「港」、「異国情緒」、「原爆」、「カステラ」 くらいで、余りなじみのない、遠い県でした。

 ところが、実際訪れてみると、そのドラマチックな地形に驚き、たちまち魅了されました!

 海と山が、街のすぐそばまで迫っていて、その山の斜面の急なことといったら、私の実家のある横浜以上かも。 あんな山の上の家まで、上っていくのは、さぞや大変でしょうね。

 でも、この風光明媚な土地に生きられる方々は、実に力強く、生き生きとし、目標に向かってまとまる団結力に、富まれているよう見受けられました。

 日本損害保険協会の助成事業ということなので、元々は、交通事故などによる脳外傷からの高次脳機能障害者が対象であったかもしれませんが、コウジさんのような脳血管障害からくる高次脳機能障害者も、心肺停止などによる低酸素脳症からくる高次脳機能障害者も、重さの違いこそあれ、症状としては共通です。

 長崎で、この障害者の就労を支えようと、動いていらっしゃる方々とお知り合いに

なれたことが、とても嬉かったです。

 家族会代表は、私の隣で、「長崎は動いていくでしょう!」 と感心していました。

 私や、代表の住む東京は、人が多く、街が大き過ぎるので、なかなかまとまらないみたいです。 (まとめよう、というより、とりあえずは各々の地域ずつから・・・。)?

 講演にも、若い方が沢山いらしてくれましたが、それも嬉しいことです。どんどんこの障害に対する理解が広がっていけば、障害を持っている人はずっと住みやすくなりますよね。

 今日は掃除や、ウメの散歩 (ウグイスが鳴いていました!) に2時間引っ張り回され、グロッキーで、家事だけがやっとでした。

 眠いです。

 先ほど、長崎から東京に戻りました。

 長崎での話は、明日に致ししますが、さっそく反省したり、自己嫌悪に陥ったりしています。

 ?といいますのは、どうも話が長くなってしまって、40分のところ、1時間くらい話したようだからです。

 なんでかなぁ~。 急いで話したつもりなんですが。

 しわ寄せがいった家族会代表からは、「前振りが長かったんだわよ。」 と、忠告を受けました。

 すみませ?ん。

 でも、長崎は、とても素晴らしいところでした。

 大好きになりました!

 ?取り急ぎご報告まで。

 帰ってみると、沢山作ったカレーが、残ってるんですけど・・・。 もうっ。

 家の中も散らかってますし・・・

 でもコウジさん、ワッチ、おはぎ、ウメ、皆元気でした。 それが何より。

 私のおみやげの、桃太呂のぶたまんと、岩崎本舗の角煮まんじゅうを、コウジさんもワッチも、大喜びで食べていました。 長崎は、美味しいものが沢山ありますね。 

 熊本から、お友達と来て下さった、ターボママさん、雪の中わざわざ、有り難うございました。 片道5時間? もご主人に車を運転してもらっでまで、来て下さって、感謝しています。

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 今夜は、カレーをたっぷり作りました。

 私がいない明日の朝と、お昼か夜にも、コウジさんとワッチが食べられるくらい。 (そんなに毎食カレーばかりじゃ、嫌だと思うけど。)

 あとの私がいない間の食事は、コウジさんが冷凍食品チンしたり、お弁当買ってきたり、ラーメン作ったりです。

 考えてみると、私はコウジさんとワッチを2人残して外泊したことは、コウジさんが倒れて以来、これまで1度もありません。

 でも、ワッチももう中2で14才なので、しっかりパパを見張れるくらいになりました。

 (もしパパ = コウジさんが、1人で留守番するなんてことでしたら、心配なので、絶対義母に来てもらうか、義母のいる実家に行っててもらっていました。)

 ところで、留守番してもらって、1番心配なのは、勧誘の電話なんです。

 ?ワッチには、もし電話で何かの勧誘に、コウジさんが引っかかっていたら、すぐ切らせてね、と頼んでおきました。

 たまたまコウジさんが電話の近くにいる時に、電話がかかってきてとってしまうと、やれ太陽光発電だとか、やれ投資用マンションだとかの勧誘が、最近多いのです。

 私ならすぐ断って切りますが、コウジさんはずっと話を聞き、質問したりもするのです。

 私が怒ってギャーギャー騒ぐと、慌てて切りますが、私がいなければ、あの調子ではきっと承諾し、私の知らないうちに、ソーラーパネル設置業者が、来てしまいかねませんよ。 冗談でなく。

 ワッチは何回も、そういうやりとりを見てきていて、勧誘電話に対しては神経質なので、ワッチが頼りなんです。

 明日とあさっての、私と、コウジさん&ワッチの、タイムスケジュール表も、楽しいイラスト入りで作ったので、机の上に置いていきます。 2人が、それを見て行動するように。

?義母も、私の母も、私も、やはり心配で何回も電話すると思うので、きっとワッチはこの2日間は、うるさいと思いますよ。

 (ワッチは、祖母達が心配して 「来る。」 と言うのを、面倒臭がって 「大丈夫だから。」 と断りました。 それにしても、全然信用のないコウジさん。)

 昨日も今日も、頼まれている急ぎの仕事、地域マップのイラストの下書きにかかりっきりで、長崎行きの用意はまだ皆無!

 今から、服や書類他を用意しますけど、どうしよう、スピーチも一度も練習していません。

 資料作って、安心してしまっていました。

 ?寝る前に、さすがに1度練習しておかなくちゃ。

 というわけで、明日あさってと留守にしますので、ブログは2日お休みします。 すみません。 (できたら、長崎から投稿しますけど。)

 今日の写真は、昨日投稿頂いた、のこのこさんのお話に対応したものです。

 今回の講演資料の、ワンカットですが、医師が高次脳機能障害と診断してくれなきゃ、始まりませんね。

 全く、どうなっちゃってるんでしょうね。

 では皆様、行って参ります!

 ちなみに明日は事前打ち合わせ、講演本番はあさってです。

 私が敬愛する作家、故中野孝次さんは、 「一度も苦しみに遭ったことのない人生は、価値がない。」 と、その著書の中で仰っています。

 例えば、 「太平洋戦争を体験した世代は、食糧難、物質不足、貧困、住居難などおよそ人が一生に出会うほどの災難はあの数年間に全部体験したので、あの苦しみを耐え抜いたからちょっとやそっとのことではぶっ倒れない性格の強さを得たのだといえる。」 (文春文庫 「人生の実りの言葉」 より。)

 中野さんが、その本の中で紹介している2人の哲学者の言葉が、またいいので、ここに引用の引用をさせてもらいますと、

 「運命はわれわれに幸福も不幸も与えない。ただその素材と種子を提供するだけだ。それを、それよりも強いわれわれの心が好きなように変えたり、用いたりする。われわれの心がそれを幸福にも不幸にもする唯一の原因であり、支配者なのである。」 (モンテーニュ 『エセー [1] 』 )

 「苦しみは人間を強くするか、それともうち砕くかである。その人が自分のうちに持っている素質に応じて、どれかになる。幸福なときには苦しみにどれだけ耐えうるか、かいもく自信がない。苦しんで初めて自分を知るのである。」 (ヒルティ 『幸福論』 )

 たしかに、たんぽぽさんが投稿下さった通り、私達はにわか哲学者か、はたまたにわか宗教家になっちゃいそうですよね。

 さらに、私のアメリカ生活の長い年上の知人の言葉も、私達を励ましてくれるものなので、それもご紹介します。

 「何の心配もない主婦、子どもだけの人生の人もいる。 けれど、何か大きな困難にぶつかった人だけにしかわからないことがあって、そういう人でないと、それに関係した活動はできない。 そして、そういう人たちこそ、視野や世界が広がり、「面白い」 人生を味わえる。」 んだそうですよ。

 でも私がメソメソ、 「病気で人生変わりますね。」 と、ついぼやいたら即座に、 「人生は色々なことがあって、全てまとめたものが人生。 人生が変わる、というのは間違いです。」 と叱られました。

 私はこうした、(じ?ん・・・)、とする数々の言葉を励みにやってきました。

 皆さんも是非こうした、自分を導いてくれる言葉だけを、「いいとこどり」 して、頑張っていきましょうヨ!

??それが、私からのアドバイスです。

 え?と、このブログを読んだKさんという当事者奥様から、「是非たんぽぽさんに伝えて下さい。」、とメールが届いていますので、原文のまま、ここに載せますね。 (パソコンが弱いようです。私もですが。)

 ?たんぽぽさんに 【意味あって生きてる】 とお伝えください。 この障害で真っ暗闇の時期を、支え合って生きてる人は、みんな経験者! 独りではない! ブログ見てるなら前向きに悩んでいる証拠、小さな灯が見える時は来る! その時 【障害あるなしにかかわらず経験を活かして寄り添う!】 ・・・代わりの居ない自分自身の身体と心が壊れる事なく、元気であります様にと願っていますが!??

 とのことです。 Kさん有り難うございました。

??いつの日 か、皆さんと一同会して、肩を叩き合える日が来たらいいな?、と思っています。

 (さて、今日は何を書こうかな・・・。) と思った、夜8時過ぎ。

 その前に一応、投稿が来ているかを確認しました。

 すると、「たんぽぽ」 さんから1通届いていましたので、拝読した私は、考え込んでしまいました。

 ?いつもユーモアたっぷりで、力強く才知に富んだコメントを下さる彼女が、「自分1人で全部背負っていく自信がない。」 とおっしゃられていました。

 私は目を閉じてしばらく考え、(ああ、そうか。) と、自分の言い足りなかった部分に気づきました。

 私が、「この障害を乗り越えるには、家族力が大事なキーだ。」、と思うようになったのは、実はつい最近のこと、数ヶ月前のことなんです。

 たんぽぽさんのうちはまだ7ヶ月。 私もその頃はどっぷりと、トンネルの中も中、まさに 「右も左も、真っ暗闇じゃあございやせんか・・・(古い?)。」 の頃でした。とても、「家族が力を合わせて」、なんて状態じゃなかったです。

 当のコウジさんは、要介護3で、歩くのもふらつき、1人で病院へも行けず、病院内でもリハビリ室が一向に覚えられず、壁伝いに歩いては、いつも迷子になっていました・・・

 たんぽぽさんちも今はそんな、ユウレイのような感じでしょうか?

 もしそうでしたら、障害を乗り越える自分達の姿は、まだ全然イメージできず、毎日が暗く憂鬱、私の話も、「なんじや、それ?」 と、受け入れられなくて当然です。

 すみませんでした。

 家族力というものは、トンネルを抜けた後、しばらくたってから当時を振り返ってようやく、(そうなのかな。) と感じるものだと思います。

 ですから今は、(まあ将来、そう思える日が来るのかな。) ぐらいにとどめ、私の言葉は気になさらずに、とりあえずはポジティブに進んでいってほしく思います。

 この障害で大変なのは、支える家族。 しかも、将来が見えずにトンネルの中にいる時が、最もつらかった時期。

 たんぽぽさんも、いつもコメント下さるその他沢山の方々も、今が一番つらい時期だと思います。

 私はその頃、励みになる諸々の言葉を、よく思い浮かべては、発奮していました。

 そのうち本に書いた言葉は、 「朝の来ない夜はない」、「冬来たりなば春遠からじ」、「雨降って地固まる」、の3つでしたが、 字数の関係で書けなかった言葉は、また明日に。

 それほど、自分で自分を慰めていたんですね。

 (でも、今もそうした言葉は、相変わらずよく考えますよ。)

 先人たちも、苦労されたのですね。

 明日は長崎への荷造りと、スピーチ練習しなくちゃ。

 今日はなぜか用事や電話が多く、ウメの散歩でエネルギー使い果たしてしまい、何も捗らない1日でした。 (しかも、頂いたお手紙の返事、まだ書けていません。すみません。)

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