日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2012年03月

 今日も、すごい風でした。

 そんな中、ちょっとだけ日比谷へ行って、人と会ってきました。

 4年前に交通事故に遭われたお父様が、数々の障害症状を抱えられている女性です。

 

 最近思うのは、うちのコウジさんのように、自分が脳卒中などの病気になったせいで、高次脳機能障害になった人と、交通事故や暴力などの被害に遭って、高次脳機能障害になった人とでは、「相手」 がいる後者の方は、裁判だとかの余計な心労が多いだろうなあ、ということ。

 

 勿論、相手に誠意があって、納得のいく補償をもらえればまだ良いのですが、そうでない場合は、その悔しさ・憤り・憎悪・悲嘆たるや、想像を絶します。

 

 もし相手の弁護士が、彼女のところのように、理不尽な対応をするようなら、それは傷口に塩を塗るようなもの。

 

 彼女の憤りはよく理解できますし、私も同じ立場だったら、同じように憤っているでしょうね。 (→ 立場は違いますが、同じように憤っています。)

 

 また、彼女のお父様は、「脳の損傷箇所が画像に写らない」 がゆえに、高次脳機能障害と認めてもらっていません。

 あるいは、最近メディアでもよく取り上げられるようになった、脳脊髄液減少症かも知れないのですが。

 

 ここでは諸問題は余りに多くて、書ききれないので、今日はやめますが、「相手」 がわからない被害者 (ともさんのように、逃げられてしまった場合) の方もいらっしゃいます。

 

 また、今日お会いした彼女の家族はお父様を支えていらっしゃいますし、我が家もコウジさんを私とワッチで支えているつもり (支えられてもいますが) です。

 けれど、支えてくれない、理解不足の家族を持つ障害当事者や、一人暮らしの当事者の方は、どんなにつらく、寂しく、大変なことでしょう (その方がまた、画像が写らない方なら尚更)!

 

 ともさんはそういう方のお1人ですし、きっとそういう方はまだほかにも、沢山いらっしゃるでしょう。

 

 そういう方の、家族のようにその方を支え、場合によっては味方となり、戦ってくれる存在が必要です。

 

 それは勿論、私たち障害当事者仲間でも、ある程度は力になれますが、自分の家のことだけでも大変な方々が多いので、やはり行政・医療・福祉その他の機関や担当者が、しっかり介入してきて、助けてほしいと思います。

 ものすごい風の中、いつものようにウメと、近くの大学キャンパスへ散歩に。

 

 目当ては桜の木。

 ここの大学の桜は、樹齢60(80?)年の大木が何本もあって、その枝は地面を這うように伸びています。

 

 私は毎年桜が咲く頃になると、それらがいつ開花するのか、見に行くのが楽しみなんですが、枝の先の蕾よりも、幹から直に生えている蕾の方が、いつも早く咲き出します。

 

 そして今日・・・

 「見〜つけた!」

 幹から、1つの桜の花が咲いていました。

 

 おお、ようやく春がきましたね〜  (でも、そばにはまだ、満開の梅が。 今年の梅は、開花がかなり遅かったですが、桜はそこまでは遅れなかったようです)。

 

 花は、咲く時期をよく知ってるなあ、と不思議。

 我が家の沈丁花も咲き出して、いい匂いが玄関周りに漂っていますし、アジサイも芽吹き始めています。

 静かで寒い冬が1番好きな私ですが、花々が咲き出す春も、やっぱり良いものですね。

 

 ワッチは朝、短くなった自分の髪を、「変だ!」、「おかしいでしょ?」 と、涙目になって嘆いては、騒いでいるので、最初のうちは 「そんなことないよ。」、「似合ってるし、おしゃれだよ。」 となだめていた私も、いい加減うるさくなってきて、無視していました。

 

 夜にはやっと落ち着いてきたワッチの嘆きは、「きのこみたい。」 というぼやきに変わりました。

 するとそれまで、「かわいいよ。 似合うよ。」 と同じようになだめていたコウジさんは、すかさず 「毒きのこだ!」 と言い、緊迫した空気が流れました。

 

 それで思い出すのは、退院後の何度目かの診察の時。

 弱々しいコウジさんが脳外科の先生に、何かジョークを言いました。

 すると先生は喜んで、「お!凄いじゃない! ジョークなんて、高次脳の働きだよ。 良くなってきたねえ。」 と、コウジさんを誉めてくれました。

 コウジさんも、嬉しそうに笑っていたっけ・・・

 

 それに味をしめたわけじゃないでしょうが、人を不快にさせる毒舌や、ちっとも面白くないブラックジョークばかり、口にして喜ぶように。

 

 たまにはユーモアたっぷりの、温かい、笑えるジョークを言ってくれないものかなあ〜!

 もう、かれこれ1週間、春休みでワッチがずっと家におりまして、なんだかんだと私にくっついて用事をくれるものですから、つい疲れてうたた寝し、今目が覚めたところです。

 もう夜10時じゃあないですか〜!

 まだ台所には、お昼ご飯からの食器が、洗う暇なく残っていますよ。

 

 というのも、お昼もそこそこに、急に 「塾に行きたい!」、と言い出したワッチと、塾めぐりに繰り出したからです。

 

 お金もかかりますし、行くかどうかはともかく、新高1年生の塾授業はもう始まる、ということに今朝ネットを検索していて気づき、慌てて6箇所ハシゴして、説明を聞いたりパンフレットをもらってきたりしました。

 

 そのあと今度は、「髪も切りたい!早く。 今日にでも。」 と言い出したワッチ (実はすごいせっかち) を連れ、美容院へ。

 

 すごく長かった髪を、わかめちゃんほどではないけど、まる子ちゃんくらいのおかっぱに。

 ちょっと生意気っぽかったワッチが、かわいくなりました。

 

 もちろん、ウメ散歩もして、クタクタ。

 

 会社から帰ってきたコウジさんは、おかっぱのワッチを見て、「明日学校で、みんな何て言うかな?」 とニコニコ。 明日も春休みで、学校ないのに。

 

 今夜はコウジさんが10個発言すると、10個ともこんな調子でおかしなことばかり言うので、私もワッチもその都度訂正、次第に私は無言に、ワッチはイライラして叫んで怒り、楽しいはずの夕食の時間がカリカリしたものに。

 

 で、疲れを覚えて入浴後、寝てしまった私ですが、考えてみたら今日は何にも自分の仕事が捗ってないし (テレビ番組制作会社と何度か長電話、家族会代表に話を繋げたくらい。)、今からもらってきた塾のパンフレットを読まなくてはならないし、食器も誰も洗ってくれないし (コウジさんは歌番組、ワッチはジブリのDVDと、2人とも別々にテレビを見ている)、トホホ・・・です。

 あ~あ、くたびれちゃったよ~。

 

 (・・・と、今コウジさんが、「よし!洗うぞ!」 と食器を洗い始めてくれました! ああ、コウジさん、やっぱり優しい!有難う!うう・・・。)

 

 今日はコウジさんの会社に電話して、社員の配偶者の健康診断について聞いてみました。 (いるかさん、Blueさん、アドバイスを有り難うございました)。

 

 すると、毎年4月1日付けの申請で、1年間有効の、基本健診の券を頂けるそうなんです (費用の一部補助)。

 

 やはりコウジさんを介さずに、直接聞いて良かった (コウジさんは、「そういうの、ないみたいだよ。」 と言ってましたから)。

 

 「ちなみに、それを申請されている奥様はいらっしゃいますか?」 と尋ねると、数名いらっしゃるとのこと。

 

 そうか〜、聞かないと知らないことでしたし、電話したことによって、「ご無沙汰しています〜。」 と、久しぶりに人事部の女性とお話できて、嬉しかったです。

 

 一応申請書類をお願いしたあと、今度は住んでいる世田谷区に電話してみました。

 

 すると、一般の健康診断は、やはり1万円弱なのだけど、区民対象の 「健康度測定」 という2日コースの健康診断があり、それだと基本健診に体力測定や問診 (相談) を混ぜて、5千円なんだそうです。

 

 私が気になっている動悸についても、平静時の心電図と、運動したあとの心電図を両方見比べるそうですし、ストレスや日頃の生活や食事についても、細かな問診があり、長い人だと3時間くらいかかるそうです。

 

 「素晴らしいですね! いいのありますね! 申し込みます!」 と即申し込みましたが、1日の定員数が決まっているため混んでいて、1番早くて4月18日でした。

 

 区報は読んでいますが、書いてあったかなあ。 気づかなかったけど。

 区のHPを辿っていくと、どうにか辿り着けましたが。

 

 聞いて良かったけど、聞かなきゃ知らない、というのも困りますね。

 もっと区はPRしてほしいです。 せっかく、こんなにいい健診があるのだから。

 

 実は1年くらい前に、区役所の窓口で、健診について同様の質問をしたことがありますが、「ご主人の会社に聞いてみて下さい。」 と言われ (コウジ : そういうのないみたいだよ。)、そのままに。

 その時、この制度を教えて頂けたら良かったのですが、その窓口の人が知らなかったのか、1年前にはない制度だったのか (多分、なかったようですが、行った時確認してこようっと)。

 

 いずれにしても、1度ではなく、物事は何度も聞いてみることですね。

 

 そのあと、また会社に電話して、区のこの 「健康度測定」 のことを話して、そちらに申し込んだことを伝えましたら、「ああ、そっちの方がいいですね! 私も今こちら (会社) の健診内容を調べてましたが、本当に最低限の検査のみで、そんな体力測定なんてありませんよ。」 とのこと。

 

 これをお読みになる方の、少しでも参考になれば幸いです。

 皆さんも、毎年健診は受けましょう。

 特に、介護者が倒れたら大変ですから、介護者こそ。

 

 いつまでも、皆様が健康でありますように。

 読みたい本、読まなくてはならない本が、山積みになっているのに、読む時間がないので、困っています。

 

 今日も朝からあっちに電話、こっちにメール。

 少し落ち着くとすぐ、講演先で撮影した写真を、コピー機で印刷。

 まだ11月の長野講演の写真で、写真と一緒に 「送ります。」 と約束した続編も送っていません。

 

 ウメ散歩に掃除洗濯、買い出しに料理すれば、もういくらも時間残らず  (食器洗いは、コウジさんがしてくれます)。

 

 そんなわずかな時間に今読んでいるのは、10日に高熱で行けなかった、オーストラリアからいらした脳損傷協会シナプスによる、講演会の資料。

 出席された方から1部頂き (有り難い!)、途中まで読んだところ。

 

 次に読む予定のものは、『脳外傷友の会全国大会の開催事業報告書』。

 これも送られてきたものですが (有り難い!)、読み応えがあり、時間がかかりそうです。

 

 高槻市のやまぐちクリニック院長、山口研一郎先生のご著書 『脳受難の時代』 も、途中まで読んだところで止まっていますが、アマゾンで取り寄せた落合恵子さんの 『母に歌う子守唄 わたしの介護日誌』、『母に唄う子守唄 その後 わたしの介護日誌』 は読み終え、感動と共感を覚えました。

 

 でも 『「孤独の力」を抱きしめて』 はこれから。

 ソローの 『森の生活』 もベッドサイドに置きっぱなしで、最初読んだだけで頓挫。

 非常に共感できそうで、面白そうなのに (本当は、大学時代に原書で読んでおかなくてはいけなかった本です)。

 

 母から送られてきている東野圭吾さんの 『ガリレオの苦悩』、藤沢周平さんの 『冤罪』、『逆軍の旗』、コウジさんが読んだ五木寛之さんの 『下山の思想』、私が取り寄せた矢作直樹さんの 『人は死なない』、中野孝次さんの 『風の良寛』 も、リビングで読まれるのを待っています。

 

 ああ、一体いつ読めることやら・・・

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