日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2016年07月

一昨日のことです。 夕方になってもまだなお蒸し暑さが続く中、汗びっしょりでヘロヘロになってウメとの散歩から帰ってきた時、自宅近くで近所の犬友達に会いました。 
ウメとそのアメリちゃんは、子犬の頃から一緒に遊んでいるいわば幼友達で、早速大喜びでじゃれ合い出しました。その嬉しそうな様子を見ている親(=飼い主)の私たちまで、幸せな気持ちで笑顔になります。かわいいのう。

ところでウメは人には愛想がいいのですが、よその犬にはすぐガウガウ、ワンワン吠えてしまい、仲のいい犬友達はアメリちゃんとゲンちゃんなどの2、3匹しかいません。 アメリちゃんとも散歩に出る時間がお互いまちまちなので、近所なのに1か月に1度偶然会えるかどうか、です。 
今回もすごく久しぶりに会いましたが、すでに1時間以上の散歩で疲れていた私は、朦朧とした頭で友達と近況報告し合っていました。 (暑い中の長時間の散歩は動物虐待だ、と叱られそうですが、ちゃんと日陰を歩くようにしていますし、草を食べたり、あっちをクンクン、こっちをクンクン、時々「行きたいのはそっちじゃない!」と駄々をこねリードの引っ張りっこになるウメとの散歩は、やたら時間がかかるのです。、ほかの犬とすれ違うと、飼い主同士挨拶したり、吠えてしまったことを謝ったり、でずっと歩いているわけではありません。)

と、その友達にはワッチと同じ年の娘さんがいますが(ワッチとその娘さんも、やはり幼友達。)、「今日、成人式の晴れ着の前撮りしてきたよ~。」と言うじゃありませんか。 え?

うちは、ワッチは成人式に振袖を着る(着たい)のかどうかも聞いていなくて、私は自分が着物が全然似合わないものだから、ワッチの着物にも興味なく今日まできました。 でも成人式のことはさすがに頭にあるので、(どうするのかな~。)、(でもまだまだ先だからいいか~。)、なんてのんびりしていたのです。

そう言うと、その友達は、「ええっ? もう遅いくらいだよ。もうどこのお店行っても、着物ないかも。早く行かなくちゃ。知っている友達の御嬢さんも、「成人式に振袖なんか着ない」と言っていたから、友達も用意していなかったんだって。そうしたら、御嬢さんの友達がみんな振袖着るというので、御嬢さんもやっぱり急に着たくなったんだって。でももうその時にはどこにもいい着物がなくて、諦めて泣いたんだって。」と言いました。

そういえば、ワッチは時々、「みんなもう前撮りしてる。」というようなことを言っていたような。上の空で聞いていましたが、ワッチも、もしかしたら振袖を着たがっている? 当然? でも、ワッチは着物似合うかなあ? 私は全く似合わないけど。 (→だから、私のことは関係ないって。 と、自分で突っ込みを入れたくなります。)

私は成人式に着物を着ませんでしたし、今も「着たかった」なんて1パーセントも、0.01パーセントも思っていませんし、結納で仕方なく着た着物姿の写真は、近所の美容師さんがセットしてくれた髪型がこれまた全然似合わなくて、とても見られない代物となり封印したままだし(どこかへいっちゃったし)、結婚式の着物姿はまだマシだけれど、でも別にすごくいいとは思わないし。(ちなみに、コウジさんの和服姿は、素敵でした♡)

はい、着物や髪型が悪いのではなく、モデルの私が悪いのは、わかっています。とにかく自分が着物を着ることに対してほとんど拒絶反応に近い気持ちを持っているので、娘のワッチに着物を着せよう、なんて普段からちっとも考えないのでした。 でも似合う似合わないや、私が好きか嫌いかは問題ではなく、ワッチが成人式に着物を着たいか着たくないか、が問題ですね。

そこでその晩、ワッチに聞きましたよ。「成人式、振袖着る?〇〇ちゃんは、今日前撮りしてきたんだって。」 (注:前撮りとは、成人式当日に記念写真を撮るのは、その日忙しくなるから、今のうちに写真だけ取っておくことです。)

すると、やはりワッチは着たいみたいでした・・・。 積極的には肯定しないものの、否定もしない・・・。こういう時のワッチって、自分はそうしたいのだけど、何か考えて遠慮していることが多い。ああ、きっとお金がかかる、と心配しているのかな。

1人娘だから(というか、子供は1人)、3人4人いるわけでもないので、できるなら振袖を用意してあげたいし、あとで「ああ、着たかったのに。」「着れば良かった」と後悔しても遅いので、それなら、とその日からパソコンで調べ出しました。 
ダイレクトメールは去年沢山来ていたけれど(個人情報保護法ってどうなってるの?)、受験していたし(ワッチは仮面浪人していましたので。注:仮面浪人とは、ある大学に通いながら、ほかの大学を受けるために受験勉強することです。通学していた大学の授業やテストも1月まで受けていたので、ワッチはかなりきつそうでした。)、見ないでポイしていました。 
でも、今年は待っていても、DMは全然来ません。 2、3通来ただけ。これから来るのかしら???そもそも、なんで去年(18歳)の時にDMがじゃんじゃん来たのか、理由がわかりません。送ってくるなら、今でしょ。

というわけで、ちょっと焦っているところです。 買うのもレンタルもそんなに価格は変わらなくなりそうですが(やっぱり高いな~)、持っていても邪魔なので、やはりレンタルしようと思うのだけど。
そのアメリちゃんのお母さんは、自分の着物を娘に着せたそうで、その娘さんの下に年子の妹さんもいるので、来年はまたその同じ着物を妹さんが着るのだそうです。 そうすると、母子が同じ着物で成人式の写真を撮るのね。 わあ、すごく素敵~。それに、3人で着るなら、一着買っていても得よね。

大学授業料、教習所、スマホ、成人式着物・・・ 子どもを育てるにはお金がかかりますね。(スマホはワッチもちね。) 

子育て費用を考えると、少なくとも、大学授業料の奨学金は給付にしなくてはいけません。社会人としてスタートした時点でいきなり数百万円から1千万(もっと?)の借金を、若者に負わせては絶対ダメ!高校授業料も無料にしてほしいし、小学校の給食も無料にして。1日1食、給食しか食べられていない子どもも多いと聞きます。この日本で、子どもの6人に1人が貧困だそう。給食のない夏休みが明けると、そういう子どもたちは痩せているそうです。そんなのダメだよ。可哀想すぎます。今、各地で「子ども食堂」という取り組みが行われているのを聞きますが、とてもいいですね。それに、富める者は、余っているお金を、貧しくて食事も満足にとれない子どもや大人に分けてあげてください。

昨日の都知事選候補者4人による共同会見で、宇都宮健児さんは、こう言っていました。
「8千人を超える全国最多の待機児童をゼロにする。」「特養に入れない4万人以上いる高齢者を入れるようにする。」「貧困家庭の子供が高等教育を受けられるようにする。」「小中学校の給食を完全無償化し、高校授業料も完全無償化する。」「都独自の給付型奨学金を実現する。」「東京の最低賃金は今、907円。月150時間働いても13万円。これではとても結婚して子育てできない。(ちなみに東京都の出生率は1.17で、全国最低です。)都発注の公共事業は、1500円以上の賃金を払う民間企業しか、受注できなくさせる。」

これだけ見ても、まさに私が望んでいることばかり仰る、宇都宮さん。
ほかにも反原発。 特定秘密保護法は国民の知る権利、報道の自由、取材の自由を侵害する憲法違反。 安保法制は憲法9条違反。 9条を改憲し、緊急事態条項で基本的人権を大幅に制限する内容の改憲草案は極めて危険。 オリンピックの開催時期を涼しくなる10月にずらす。 オリンピックとパラリンピックの同時期開催。 オリンピック招致に関わる2億円の裏金疑惑の徹底的解明・・・など(東京新聞7月14日参考)、同感、同感! ああ、この方が都知事になってくれたなら、どんなに嬉しかったことか。

昨日出馬をとりやめるという、苦渋の決断をされた宇都宮健児さんは、泣いていらしたそうです。そう話すボランテイアスタッフの女性も泣いていて、それをテレビで見ていた私も思わずぐすんぐすん。
自ら退くことにより、野党統一支援を受けた鳥越さんの当選を願う宇都宮さん。鳥越さんは、宇都宮さんの考えにすべて賛成し、もし都知事になったら、それらを参考にしていかれる、と約束されたそうです。では、なんとなく頼りないけれど、思いは同じ鳥越さん、選挙運動頑張って知事になってくれるよう、応援することにしましょう。
(「頼りない」だなんて、大先輩に対して言う言葉じゃないですね。スミマセン。でも、鳥越さんのことは今まで、一流ジャーナリストでとても近寄りがたく思っていたのですが、何度かの会見を通して、なんだかとても正直で飾り気なく、親しみやすい、いい方なんだということがわかってきました。一所懸命話される素顔に、支えてあげたくなるような気にすらなり・・・ 結構、私の中では好感度アップしています。)

(小池さんの、「女性目線」「オリンピックでは禁煙なので、都庁から禁煙を始めよう」という言葉には賛成ですけど、憲法問題については安倍さんと同じ考えですし、原発も容認していますから、ダメ。増田さんもその2点が同様なのでダメ。もちろん、色々いいこと仰っているけれど、宇都宮さんのように具体的に言っていない。少なくとも昨日の時点では。)

最近書きたいことが多いので、ブログを書くのに時間がかかってしまい、書くのは自分の頭を整理するのにもいいのですが、ほかの用事に支障が出てきてしまうので、またゆっくりペースに戻します。
亡くなった父関係でやるべきことが、色々まだ片付いていないので・・・ 早くも来月は、新盆を迎えます。東京のお盆は今月らしいですけど、今月はなにかと忙しくて来月にしました。 

昨日は鳥越さんの話に感動しましたが、今日の共同会見を見ていたら、やはりしっかり政策を考えている宇都宮健児さんへの期待が高まりました。 
共同会見の冒頭、知事になって目指す政策を、宇都宮さん、小池さん、増田さん、鳥越さんがボードに書いて発言されたのですが、宇都宮さんは、「「困った」を希望に変える東京へ!」。 小池さんは、「東京大改革」。増田さんは、「混迷に終止符」。そう書かれた3人は、それぞれ都政にかける抱負を熱弁されました。それぞれの話に頷いていた私は、宇都宮さんだけでなく、小池さん、増田さんもさすがよく考えている、と思いました。

けれど、鳥越さんが、「がん検診100%」と書かれ、がん検診の大切さを熱心に説かれている姿に、少々違和感が・・・。 たしかにがん検診も大切だけれど、冒頭にそれを言うのも変だな・・・、と。 逆に、正直で好感も持ちましたけれど。

それで、たとえ鳥越さんに票が集まろうと、やはり私は宇都宮さんがいいな、と思い直していたところです。もう出馬を決められてから、50万枚ものチラシも作られていて、準備に余念がないスタッフの方たちの姿も、テレビに映っていましたし。

でも、さっきの7時のニュースの最後で、武田アナウンサーが、「宇都宮さんが出馬を取りやめました。」、と言うじゃありませんか。
ショック! 野党にしつこくお願いされたのか、あるいはこのままでは票が割れて与党の都知事誕生になる、それよりはいい、とご自身で判断されたのか。

共同会見で、ご自身の考えを沢山述べられた宇都宮さん。 それはまだこれから政策を考える、と言われていた鳥越さんに聞かせる(教える)ためだったのでしょうか・・・。 さきほどコメントにやぎさんが書いてくれたように、圧倒的な知名度と野党4党の支持のある鳥越さんが知事におさまり、その片腕、ご意見番として宇都宮さんが副知事に、となったら、それはそれで最強のコンビになるかもしれません。

宇都宮さんの心のうちは、これからご自身からなにかしら発言があると思いますので、それを待ちたいと思います。 

「日本のサンダース」 と言われていた宇都宮さん。本当にサンダースになってしまいました。(クリントンと争っていたサンダースが、今やクリントン支持に回りましたから。)

宇都宮さんて、本当にかっこいいな~。 鳥越さんが任期を終えられたら(鳥越さんが知事になったとして)、その次はまだ若い宇都宮さんに、今度こそなって欲しいな~。

7時のニュースでは、もう1つ大きなニュースがありました。 天皇陛下が、生前に天皇の位を退く、「生前退位」のご意向を示されたとか(数年内に皇位を譲渡されるとのこと)。 

昔は半分くらいの天皇が、生前退位をされていたそうですが、明治以降は天皇が崩御されるまでは退位できなくなっていて、もし生前退位されたら200年ぶりだそうです。生前退位の規定は今の皇室典範にはないので、それから変更しなくてはならないそうですが、いつも拝見していて、ご公務が忙しくて大変そうだと思っていました。 ご自身も体調が悪い時もおありでしたし、もし天皇の位を退かれたら、美智子様も公務に出かけなくてもよくなりますから、美智子様のことを考えてのこともあるかもしれません。
どうかもう、身体をいたわられてゆっくり過ごされてほしいと思います。

私のことを書こうと思いましたが、今日の話題が大きなことばかりなので、恥ずかしくなりました。
また明日に回します。
 

低投票率の中、参議院選挙が終わりました。いつもコウジさんと2人で投票所へ行っていましたが、今回人生初投票となる19歳のワッチを連れ、家族3人で出発じゃ~。その前に、私が集めておいた新聞記事を読み、投票する人と政党を決めたコウジさんとワッチ。 コウジさんだけ投票所へ行く間に、その人と政党の名前を忘れてしまうから、メモを持たせました。無事責任を果たして、晴れやかな気持ちで帰宅しました。 

・・・けれど夜遅くまでテレビで見ていた開票結果に、私はがっくり。 なんで自民党はこんなに強いのか。 現状でいいと思っている人が多いのか。今の社会で利益を得ている人が多いのか。安倍政権は、社会的強者の政治だよね。社会的に弱い立場にいる人たちは、投票に行く力(意欲・体力)や、判断に必要な情報に乏しいのではないか。例えばホームレスの人たちやDV等で加害者から逃げている人たちのように住所(家)を持たない(持てない)人や、住所を転々と変えて宛先不明になってしまえば、投票用紙は手に入らないよね。

入院中や介護施設で意識なく弱っている人、意識はあるけれど意欲や判断力のない人も、沢山いるよね。そういう人たちは投票しないよね。 

第一、私の母も投票しませんでした。腰が痛くて、投票所まで歩いて行けなかったのです。私も自分の用事に追われ、うっかりしていました。母が投票所に行けないなら、期日前投票所に私が車で連れて行くこともできたのに。だから、投票日前夜に電話で「明日選挙だね」と言う私に、「選挙?投票所まで歩けないわ。もういいわね。」と答えた母にびっくり。しまったなあ。次回は母が投票できるよう、ちゃんと準備しよう。でも、きっと母みたいに歩くと疲れる高齢者は、投票しないよね。歩ける若い人だって、面倒臭がって行かないのだから。

結果は残念だけど、まだまだ諦めない。平和と自由と国民主権のある今の日本をおかしな方向に舵を切られないよう、見守り、阻止しないと。

都知事選も、今月31日です。与党は増田さんなんていう全然知らない(私は)人を担ぎ出している。この人は、東京一極集中を批判していたそうだけど、都知事になって「東京から地方へ」、という動きを作り出そうとするのか?とにかく与党のいいなりになりそうな人はご免だ。 

翻って野党。石田純一さんが出馬声明を出した時、「なんじゃ?」 と思ったけれど、今回男を上げた、と思うのは私だけ? 「野党統一なら出馬する。統一がないなら出馬しない。」という条件をアピールしたことで、野党4党は団結しないと都知事選を勝てない、ということを国民にも野党にもすごく印象付けたと思う。そしてもし統一してほかの候補を出すなら、自分は降りてその人の応援に回る、とまで言っていました。すがすがしいわ。今まで石田純一さんは全然好きではなかったけれど、見直し、好きになりました。 

さあ、こうなったら前回、前々回に出馬して、2度とも次点で落選した宇都宮健児さんの出番だ、と出馬をされるのを待っていました。猪瀬さん、舛添さんがお金の問題でアウトになったのだから、貧しい人の味方となり、長年悪と戦ってきたクリーンな宇都宮さんは、無投票で繰り上げになってもいいのでは、くらいに思っていました。その宇都宮さんが昨日出馬され、野党がまとまって推してくれたら間違いなく当選だ、と期待していたら・・・ 

え?鳥越さん? いきなり、鳥越さん? 反与党では宇都宮さんと同じ立場だけれど、これでは宇都宮さんと票が2分されちゃうじゃん。 宇都宮さんファンは大勢いる(毎回100万票近く集めている)から、2人大物が出てしまうのは、まずいよね。 毎日状況が変わるから、ここで悩んでいるより、またあさっての出馬締切まで様子を見ることにします(と、この時は思いました)。

土曜日はコウジさんの受診でした。すぐプッツンと切れ、テレビや私、ワッチ、犬のウメ、猫のハル、誰に向かっても口汚くののしる彼の興奮を鎮めようと、色々薬を変えてもらっていますが、全然効かないので、また新しい薬になりました。主治医の、「カッとなる時、自分でもわかりますか?」という質問に、「正直言って、気づきません。」と答えるコウジさん。そうなんだ。自覚ないのか。
倒れて12年、随分しっかりしてきた面もありますが、記憶障害とこの感情失禁が手ごわい症状です。記憶障害は困るけれど、命に関わることには余りなりそうにありません。けれど感情失禁は、コウジさんの障害のことを知らない人に向かって起こし、その相手の人も切れる人だった時、とてもコワイことになりそうで、心配です。この12年そこまで危険な目に遭ってはいないけれど、いつ遭うかわからないので、薬でカッとなるのが抑えられるなら、コウジさんの命を守るためにも、是非頼りたいです。

この日も、コウジさんとのちぐはくなやりとりがありました。私が「石田純一は男を上げたね。」 と東京新聞を読みながらうんちくを垂れていると、朝日新聞 (我が家は2紙購読しています) を取り上げたコウジさんは、「本当にそうだね。ここにも載っている。増田さん!偉いね!」と言いました。 増田さん?自公推薦の? 私は石田さん、と言ったんだけど、コウジさんは増田さんの顔写真を見ているので、私の話を全然聞いてない、ということだな。私の言うことに疑問を持たず追随しようとする態度は、やはり障害かな、と思うのです。いい加減なところは、元々ありましたが、私にこのように依存することはなかったのです。
「増田さんじゃないよ、石田さん。石田純一だよ!」と訂正しておきました。

翌日曜日は、渋谷アップリンクで上映が始まっている、宍戸大裕監督の 『風は生きよという』 を見にコウジさんと行きました。私は2回目、コウジさんは初めてです。満席でした。
1度目には気づかなかった色々な点に気づき、映画は少なくとも2度見るものだなあ、と思いました。

内容は前に書いた通りですが、呼吸器がなくては生きられないながら、ヘルパーさんに支えられごく普通に生活されている海老原さんの素敵な笑顔と笑い声。まだ呼吸器は使用していないけれど気管切開をしているため、奥さんに「あかさたな話法」(?)で通訳してもらっているALSの渡部さん。難病のため寝たきりの金子さん、出産時のトラブルでまばたきしか意思表示できない新居君(中学生)。筋ジストロフィーで、話せるけれどヘルパーさんに手足の代わりになってもらっている車椅子の小田さんのとぼけたユニークな語り口。その方々の生活が、光輝く映像の中、軽快で柔らかなギターの音色(末森さん)とともに描かれています。特に、海老原さんは障害や病気は、「見て、見て!」と表へ出て行って見てもらうことが大事だ、と仰っています。その通りです。色々考えさせられる、素晴らしい映画です。是非皆様ご覧ください。

上映後に出演者の小田さんと、ALS協会の川口有美子さんのトークがありました。お2人とも、生命の「尊厳」という言葉が嫌いだそうです。あえて「尊厳」というと、尊厳がないように思えるからで、障害や病気を持った人も、ふつうの人と同じようにふつうに生きているのだ、ということを力説され、なるほど、と思いました。
川口さんは明るい人ですから、会場を何度も爆笑させてくれました。挨拶に行くと、コウジさんに向かって、「やっぱり楽しくやらなきゃだめよね!」と笑いかけてくれました。
昨日亡くなられた永六輔さんも、「苦しい時つらい時悲しい時痛い時は、笑うことが大事。」と言われていたそうです(今朝のテレビを見ていた時聞いたので、うろ覚えです)。 私も自分の講演の最後に、「ユーモアが大事です」と決まり文句を入れますが、笑いというものは、最大の武器だと思います。

いつも肝心な時にトイレに行きたくなるコウジさんに引っ張られ、宍戸さんへの挨拶もそこそこに映画館を出、渋谷駅のトイレへ寄ってほっとしたコウジさんと帰ってきました(映画館のトイレは混んでいたそうです)。帰宅して冒頭に書いたように3人で投票に行ったあとは、今度はとうとうこの2週間直らなかったワッチの携帯を新しく買いに、ワッチと私で出かけました。 ひい、疲れる~。
勿論、新しいスマホ代は、壊した張本人のワッチのお小遣いを使います。 ワッチはがっかりしていますが、スマホって高すぎ。こんなのを持っている人たちいっぱいいるけれど、皆さんお金持ち。私もコウジさんもガラケーです。講演会後、「生活保護受けている障害者に携帯は必要だと思いませんか?」と尋ねられ、「緊急事態が起こる可能性が健康な人より高いから、必要だと思う。」と答えたのを思い起こしました。スマホは高いけれど、障害者や病人、貧困者やホームレスさん向けの安い携帯(使用料も)ができるといいですね。

説明やら契約書サインやら、なんやかやで3時間もかかり、くらくらして帰宅。(ワッチが20歳になれば、私が契約しなくてもいいのです。だからきっとこれが最後。) お風呂に入ってやっと落ち着いた深夜、コウジさんに、またいつもの質問をしてみました。これはゲームのようなもので、ちょっと楽しんでいます。

「ねえねえ、今日はどこか行ったっけ?」と聞く私。内心は、(渋谷に映画だよ~ん。)
コウジさんもくつろぎながら、「覚えてるよ。選挙!」 
ああ、選挙も行ったね。それは今テレビで開票速報を見ながら会話しているから、まあ覚えているよね。でも、それだけ? 
・・・いつまでたってもそれしか思い出せないので、色々ヒントを与えているうち、宍戸さんの映画を見に行ったことを思い出せたコウジさん。「ああ!そうだった!」と大声を出して喜んでします。
残念ながら映画の内容までは、先日見た「マネーモンスター」同様、思い出せないので、いちいち説明、復習しました。コウジさんは、宍戸さんの真面目さ、清潔さ、温かさ、優しさ、かっこよさが大好きなんだそうです。私もですよ。

ん? 今、鳥越さんの出馬声明を放送しています。ご自分の年齢が現在76歳、残りの命のうちの何年かを、都政に捧げたい、という言葉に、はからずも動かされました。命を懸けて何かを成し遂げようとする人、そういう姿には嘘はないだろうなあ、と。 ちょっと、テレビの前へ行って、よく聞いてみますね。

「参議院選挙の結果を見ていて、これではいけない、と思った。」 「今まで自分は権力をチェックするアウトサイダーで来た。けれど人生最後に一度くらい、インサイダーをやろうと思った。」 「大変な決断をしてここに座っている。」 「安倍首相は嘘をついた。福島原発の汚染水はアンダーコントロールだ、なんて。今もどんどん出て汚染水でいっぱいになったタンクの置き場所に困っている。」「実務経験がないと言われるが、誰でも最初は初心者。自分もテレビの仕事の最初は、キョロキョロしていたけれど、今はもうキョロキョロしないでカメラ目線で話せる。経験のないことも、誠心誠意やればいい。おざなりにやればおざなりの結果になる。」「自分の強みは楽天的なところ。なんとかなる、と。」「ガンのサバイバー(生き残り)として、元気に仕事をしていることを見せ、がんになっても都知事になれるんだ(なれたとして)、と思ってもらえたらいい。」 「ガンを切り抜け、めげなかったことを考えれば、都知事でこれからやってくる苦労は乗り越えられると思っている。」 「今、76歳だけれど人生の中で一番健康。週3回ジムに行っている。」「弱みは、好奇心が旺盛で気が多いことかな。けれどその性格を大事にしている。」「ユーモアが大事だ。みんな笑ってよ、全然笑わないけれど。笑わそうとするサービス精神が自分にはある。」「電力は自然に頼るべき。今すぐ原発をやめるというわけにはいかないかもしれないけれど、段々にやめる。北欧のデンマークやドイツのように。」・・・

会場の質問に答えながら、唇を震わせながら話す鳥越さんを見ていたら、なんだか感激してしまいました。
質問され、わからないことには「わかりません!」 「知りません!」と正直に答えられるこの人は、本心で言っている。聞く人の心を動かす力を持っている。考えにも共感できることばかり。
鳥越さんなら、いい都知事になってくれるのではないか。私たち都民も一緒に協力して、いい東京を作れるのではないか。そんな気になりました。ここへきて、こんな嬉しいことが起きるなんて。あとは、宇都宮さんと相談して、宇都宮さんの協力を得られるか、2人(ああ、ほかにも小池さんや増田さんがいましたっけ)とも出馬するのか、見守りたいと思います。






もう、外に出られないくらいの暑さでした。今日の東京。
都心で36.7度、練馬区では37.7度ですって!
梅雨も明けない今からこれでは、先が思いやられます。 

日中は色々読み物に追われ、ようやくしのぎやすくなった夕方5時半に、ウメの散歩に出ました。

木々のあるところを歩いていた時、聞こえてきたのは、「ジ~、ジ~」 というアブラ蝉の声。
ああ、今年初めてだ。 いつもより早い。 夏が始まったなあ。 

今日はワッチの1限があるので、朝は5時起き。昨日寝たのは午前1時過ぎ(もう今日でした)。
睡眠不足と暑さのせいで、もうヘロヘロ。

こんな猛暑の中、多摩川を猫餌など20キロ以上を積んで歩かれている小西修さん。
応援したくていつもブログを読んでいますが、目にするのは人間たちの酷い仕打ちにより、傷つき弱っていく猫たちの描写。今日など、何者かに殺された猫のことが書かれていて、怒りに震えました。

アニマルクラブ石巻のブログも読んでいますが、そこにも人間の勝手な都合により翻弄される、犬や猫たちの命の話が。 お世話されている阿部さんの、疲れ切った様子。でもその疲れを振り払って、今日も犬猫の世話に奔走される気高い姿。

私はこういう方たちを、本当に神様のようだ、と尊く思います。そして私もできることをしたい、と。

宍戸大裕監督の映画、『風は生きよという』は、あさって9日から渋谷アップリンクで上映です。

参議院選挙は10日です。

それではおやすみなさい。

コメント下さっている方がたに、まだフォローできていなくてすみません。

私が講演やこのブログで紹介してきた、児玉真美さん訳による「介護者の権利章典」ですが、それは2008年12月の改定版もので、そのあと2011年10月に再び児玉さんから再改定版が出されていました。 ですので、今日はその新しい方を載せます。

介護者の権利章典 (再改定版)

私には……

・自分を大切にする権利があります。自分をいたわり大切にすることは身勝手とは違います。自分を大切にしなければ、家族を介護する力も出ません。

・外に助けを求める権利があります。身内からは反対されるかもしれないけれど、誰にだって耐えられること、頑張れることには限界があります。どこまで耐えて頑張れるか、私自身の限界を知っているのは私です。

・介護者として以外にも様々な役割や立場を持った私自身の生活を、中断することなく続ける権利があります。家族に介護が必要となった時を境に私の生活は変わらざるを得なくなりましたが、できる限りの介護をしているのだから、時に介護者以外の役割や立場を大切にすることがあっても、バチは当たりません。

・腹を立てたり、落ち込んだりする権利があります。たまには、自分で持て余した気持ちをぶちまける権利もあります。

・罪悪感を煽ったり落ち込ませるようなことを言って、こちらを思い通りにさせようとする身内(わざとやる人も無意識にやる人も)がいても、その手には乗らない権利があります。

・気を配り、愛をそそぎ、許し難きを許し受け入れながら介護しているのだから、そういう私にも気を配り、愛をそそぎ、許し受け入れてもらう権利があります。

・こうして介護をやりおおせている自分を誇らしく感じる権利、時としてメゲそうなほど大きい介護ニーズにも踏ん張っている自分を褒めてやる権利があります。

・一人の人としての自分を失うことなく、私自身の人生を生きていく権利があります。私が介護している人には、いつか常時介護が要らなくなる日が来ます。その後にも私は自分の人生を生きていくのですから。

・この国の障害のある人々への支援が進み、そのための方策が新たに見出されていきますように、また介護者を助け支える支援も進んでいきますように、と望み求める権利があります。

原文は
http://www.zarcrom.com/users/yeartorem/rights.html
だそうです。

この「介護者の権利章典」は、もっともっと日本で知られなくてはいけない、と思います。
介護する人(それが高次脳機能障害者の介護であっても、認知症者の介護であっても、どんな病気や障害の介護であっても)は、まず自分が元気にならければ、いい介護ができません。
この権利章典を読まれて、(ああ、自分はこういう風に思ってもいいんだ。こう感じるのは自然で当たり前のことなんだ。)、と気を楽にされ、また新たな気持ちで介護に向かわれるといいと思います。そういう力を介護者に与えてくれる言葉の数々です。
このアメリカ人の書かれた「介護者の権利章典」を見つけて下さり、訳して日本に紹介して下さった児玉真美さんに心から感謝致します。 そして私にこの権利章典の存在を教えて下さった、広島県の元高次脳機能障害支援コーデイネーターSさんにも、深く感謝します。

皆さんもご自分だけにとどめることなく、どうかこの権利章典を、あちこちに広めて欲しいと思います。
(児玉さんは、「児玉真美訳、と入れてくれたら、どんどん広めてくれていいですよ!」 と仰っています。)

また、「患者の権利章典」というものもアメリカから出てきたもので、調べますと1973年のアメリカ病院協会というところが発表されたものが最初のようです。 その後リスボン宣言というものを経て、日本にも輸入されたようです。
佐久総合病院では1983年に、医療生協には1991年に、その後全国あちこちの病院で取り入れられてきているようです。

これを読むと、亡き父と私が病院で遭遇してきた諸々の疑問や不快感は、権利章典からはずれるものではないか、という怒りを今改めて感じています。
尚、「患者の権利章典」をまたここに書きますと、すごく長くなってしまうので、各自でご検索下さい。

最後に急なお知らせですが、本日と明日の2日連続で、NHKEテレ「ハートネットTV」において、「シリーズ 障害のある女性」が放映されるそうです。
7月5日(火)夜8時~ 第1回「知ってほしい!私たちの生きにくさ」 (再放送は12日午後1時5分~)
7月6日(水)夜8時~ 第2回「本当は生みたかった -強制不妊手術・54年目の証言」(同13日同時刻)

ハートネットTVのHPでは、障害のある女性の悩みや必要な支援を募集しています。書きたい方は、HPから書き込まれて下さい。

また、第2回放送について、立命館大学客員研究員/優生手術に対する謝罪を求める会の利光恵子さんが拡散希望をされているのを、児玉さんのブログで知りましたので、以下転記します。利光恵子さんは、『受精卵診断と出生前診断 その導入をめぐる争いの現代史』(生活書院) や、『戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術』メモ(前)(中)(後)を書かれています。 ・・・詳しくは、児玉さんの「海やアシュリーのいる風景」というブログの、本日分をお読みください。 → http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2


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7月6日(水)の第2回の放送は、「優生保護法」のもとで行われた強制的な不妊手術がテーマです。
現在、自らが受けた強制不妊手術について日弁連に人権救済の申し立てを行っておられる飯塚淳子さん(仮名)や、施設入所の際に月経の介助負担軽減を目的に、卵巣への放射線照射を受けた故佐々木千津子さんの証言が取り上げられます。

障害者や女性たちは、長年にわたって、強制不妊手術の実態解明および国からの謝罪と補償を求めてきたのですが、今年3月、国連・女性差別撤廃委員会(CEDAW)から政府に対する実態調査や被害者への法的救済と補償を求める勧告が出され、それを受けて、厚労省による被害当事者からの聞き取りが始まるなど、今、解決への兆しが見えてきています。

この流れをさらに進めるためにも、7月6日の放送を機に、不妊手術を受けた当事者の方々やそのご家族・友人・知人、あるいは、不妊手術に係わった医療・福祉・教育・行政関係者らからの情報提供を得る目的で、電話、ファックス、メール等を用いた「強制的な不妊手術に関するホットライン」を実施する予定です。

ぜひ、上記の番組をご覧くださるとともに、障害を理由とする不妊手術についての情報をお持ちの方は、下記ホットラインまで情報をお寄せください。

○7月7日(木)および8日(金)の午前10時から午後6時まで、「強制的な不妊手術に関するホットライン」を開設します。

*連絡先
・優生手術に対する謝罪を求める会 E-Mail: ccprc79@gmail.com
・DPI障害者権利擁護センター Fax:03-5282-0017 E-Mail:kenriyogo@dpi-japan.org
・CILたすけっと(仙台) Tel:022-248-6054 Fax:022-738-9501
・障害者生活支援センター・てごーす(広島) Tel:082-294-4185  Fax:082-294-4184
・女性のための街かど相談室「ここ・からサロン」(大阪) Tel/Fax:06-6646-3883

○上記のファックス・メールについては、7月9日以降も継続的に情報を受け付けます。ぜひ、情報をお寄せください。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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