日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2017年04月

世間ではゴールデンウィークが始まっていますが、コウジさんは明日明後日は、カレンダー通りに会社ですよ。

テレビを見ていると、海外等へ旅行へ出かける嬉しそうな人たちが映りますが、我が家は犬や猫を飼っているので、元々旅行はしません。もし旅行するとしたら、家族の誰か1人が家に残って犬猫の世話をし、ほかの2人が出かける、ということになりますので、それじゃあ楽しくないですからね。

仮に犬猫をペットホテルに預けて旅行したとしても、旅行中「ウメ、ハル、チーは何しているだろう?」「狭い檻の中に長時間入れられ、可哀想に。」「きっと慣れない場所では、ご飯も食べないしオシッコやウンチも我慢していることだろう。」と考えっぱなしになるのはわかっていますから、そんな思いまでして旅行へ行きたくないですし、ウメ・ハル・チーも実際可哀想ですからね。
そうやって人間の行動が制限されるのを最初からわかって、犬猫を飼っているので、旅行へ出かける人たちを見ても、全然羨ましくありません・・・私はね。
それに、旅行へ行くには、準備も帰ってからの洗濯なども大変で(それも旅行の楽しみといえばそうですが)、私はいつからか旅行が面倒になりました。だから、テレビで嬉しそうな旅行者を見ると、(元気だなあ!)と感心し、頼もしくて尊敬さえします。ホント。
コウジさんやワッチは、そうでもなさそうですが(笑)。やっぱり家族旅行は、行きたいみたい。

それでも、犬猫と一緒の暮らしは、とても楽しく心休まり、幸せなものです。「笑い」と「話題」が、格段に増えます。今もウメにちょっかいを出しながら、コウジさんとワッチが笑い転げています。

とは言っても、世話は結構大変で、この1週間は、動物病院ばかり4日も行ってました。3回はウメの狂犬病予防注射と外耳炎治療のため、1回はチーが下痢して目にしゅん膜が出ていたからです。
ウメはまた明日病院へ行って耳の治療をしてもらいますし、チーには朝晩薬を飲ませています。下痢の理由は色々あるようですが、早く良くなりますように。

ところで、今日の東京新聞に、例の「囲碁・高次脳機能障害プロジェクト」の話が掲載されました。とても大きく取り上げて下さったのでびっくり。この障害のこと、リハビリとしての囲碁の可能性など、広く知ってもらえたら嬉しいです。
でも、ここに貼りつけられたら良かったのですが、やり方がわかりません。スミマセン。
(もし貼りつけられるようになったら、貼りつけますね。)

今日は実家に冬物を置きに行きがてら、母の様子見をしてきました。
そして私が部屋の片付けやら、来ている手紙や書類等をチェックしている間、母とコウジさんは囲碁をやっていました。

楽しそうな2人を見ながら、私は(ああ、囲碁を始めて良かったなあ。)、と思いました。
まだまだ、私は全然囲碁をわからないのですけどね。
ただ、(わかってくれば、絶対に面白いだろう。)、ということだけはわかっているので、今はそれでいいです。






昨日、ウメの狂犬病予防注射のため、動物病院へ行った。今月中に受けないといけないので、毎日カレンダーを見ては焦っていたが、ようやくウメを連れて行けてほっとした。1つ用事が済むと、こんなに解放感を味わえるものか。

ついでにここ1週間ほど、ウメが頭を振ったり耳を掻いたりすることを医師に知らせると、外耳炎という診断だった。いつも草むらに頭を突っ込んでいるせいだろうか?原因を調べてもらっている。

動物病院へウメを連れて行くことで憂鬱なのは、ウメが怖がって、注射を打つ前や、耳の治療を受ける前から、キャンキャン、キュンキュン、ガーガー大騒ぎすることだ。注射は、キャンキャン言っているウメを私が抱きかかえている間に、医師がプスッと済ませてくれた。ウメは大騒ぎしているものだから、注射されたことにも気づいていない。

耳の治療の時は嫌がって口を開けて暴れるので、仕方なく噛まれないよう口輪をするが、それがなかなかできない。私がやっとはめることができて、医師が耳掃除や薬塗布をしてくれると、気持ちがいいのか大人しくなるウメ。やれやれだ。医師は、「和犬は大体こういう反応。犬も大変だし、飼い主も大変だし、私も大変。」と苦笑い。本当にその通りである

昨日で終われば良かったのだが、外耳炎の治療には、しばらく通うことになるという。

その治療のほかに、5月から12月まで服用するフィラリアの薬をもらったり、10歳になったウメの健康診断のため採血をしてもらったら、手持ちのお金では足りなくなった。なので、一旦家にウメを戻して、私だけ不足分のお金を支払いに戻る。動物病院へ行く前に、すでに1時間以上散歩していたものだから、結局午後はウメの用事で終わってしまった。

そして今日も外耳炎治療のため、ウメをさりげなく動物病院前を通るようなコースで散歩に連れ出す。と、動物病院が近づくとウメは急にダッシュして、病院前を通り過ぎるのかと思いきや、病院の中へ飛び込んで行く。そして病院内に入ってから初めて、(しまった!)と気づいて慌てて出ようとする。何を考えているのかわからないが、動物病院への恐怖心で、ウメの頭の中は混乱しているとしか説明できない(笑)。

けれど医師が出てきてウメを構ってくれると、ウメは喜んでおなかを出す。おなかを出しては(ハッ)と思い出して、逃げようとする。私にまた口輪をされたウメは、診察室の中へ連れて行かれ、またキュンキュン哀れな声を出しているのが聞こえてきたが、わりと大人しかった。治療を終えた医師も、「今日はお利口でしたよ。」と喜んでくれた。はあ、これをしばらく続けるのかあ~、とげっそりした私は、「もしこのまま治療受けず放っておいたらいけないんですか?」と聞いた。すると、「放っておいたら耳が聞こえなくなります。」と言われた。それは大変だ、頑張って通おう。

同じような質問を、数週間前に内科医にしたことがある。それは乳がん健診の時で、「自分で触診して異常がないと思ったら、健診に来なくてもいいですか?」と聞いたのだ。すると、やはり自分ではわからないところもあるので、来なくてはダメとのこと。

健診結果を聞きにまた病院へ行った時も、「マンモグラフィーでも見落とすガンがある。一度は超音波も受けた方がいい。」「2年ごとに健診を受けないとダメ。3年放っておいたらガンになった人を何人も知っている。」と言われた。そうかあ、ではきちんと2年ごとに乳がん健診を受け、時々は超音波も受けよう。

そして今日の午後は、子宮頸がん・体がん健診の結果を聞きに行ってきた。結果を聞くだけで、診察もないのに、1時間待ったほど混んでいた。この婦人科はいつも混んでいる。気さくで話しやすい女医さんなので、健診の時に私はまた聞いてみた。「この先、何歳まで子宮頸がん・体がん健診を受けないといけませんか?もうそろそろ受けなくてもいいですか?」と。だってめちゃくちゃ痛いし、面倒なので、できれば受けたくないのだ。

すると医師は、「ダメダメ、ずっと受けるのよ。70歳になっても受けるのよ。」と言う。「ええ?70歳の方も受けているんですか?」と驚くと、「受けていますよ。」と笑う。
そんな・・・ 2年ごとに、あと13回くらい受けないといけない?(80歳まで生きられたとして。) それは耐えられないことだ。老齢になったなら、ガンよりも、健診の痛さでショック死してしまうかもしれない。皆さん、そんな年まで実際受けているのだろうか。

明日は明日で、眼科へ行かなくてはならない。ドライアイと診断され処方された目薬が、もう数日前からないのだ。
ああ、もう病院ばかり。行くのも時間かかるし、待つのも時間かかる。考えただけで疲れを感じる。

それにしても、やはり当たり前だけれど、医師は有難い職業だ。こんなに人のために役立つ職業は、ほかにあるだろうか?でも医師になるには、ものすごくお金がかかるそうだ。知人は旦那さんが医師だけれど、大学(私立)、大学院(同)、医師になるための予備校?などで、医師になるまでに6千万円もかかったという。

そんなお金を払える人は、あまりいないよねえ。でも、お金持ちしか医師になれないなんて、変な話だ(国立を除き)。

ともかく、乳がん健診も子宮頸・体がん健診も異常なし、という結果だったのでほっとした。




満開となった桜があっという間に散ってしまったと思ったら、八重桜もさっと咲いてさっと散り、今やツツジと藤が咲いています。4月はこんなにも忙しく、花が咲いては散るものでしたっけ。ここのところウメとの散歩で通っていなかった、近くの中学校に沿った道路。久しぶりに今日通ると、植えられていた沢山のチューリップは、もう咲き終えていてがっかり。

暑さが大の苦手な私は、四季の中で冬が一番好きなのですが、春もなかなかいいものだ、という気に初めてなりました。なによりも、生命の輝き、喜びに溢れている。花も、虫も、鳥も、皆嬉しそうに見える。草むらにフンフン鼻を突っ込んでいたウメが、突然草むらから飛び立ったマルハナバチにびっくりして蜂を見送る姿がおかしくて、笑ってしまう。ツバメも飛んできて、せっせと巣作りを始めている。

つい心楽しくなる季節なのに、海外は不穏な動き。北朝鮮はミサイルを飛ばす用意ができている、なんて言っている。ええっ? いつから、世界はこんな恐ろしい状況になっていたのだ?
戦争はごめんだ。犠牲になるのは、一般市民、弱い子どもら、何も知らない生き物(動物、昆虫、鳥、魚・・・)たち。どうにか対話で、仲良くなってよ。

ブログを書けないまま、もう2週間近くたっていた。
実家で母の用事をしたり、健診結果を聞きに行ったり(乳がん健診結果は異状なし。子宮頸・体がん結果は、まだ聞きに行けていない)、講演打ち合わせに行ったり、囲碁教室に行ったり、親戚が遊びに来たり、すぐ日は経つ。

今月中に行かなくてはいけないのに、まだウメの狂犬病予防注射へ行けていないし。

そんな中、コウジ村の村民の方々へ、久しぶりにメーリングリストを送った。
今80名以上いる会員の、それぞれのプロフィールを眺めていた。
就労している人、していない人、もう定年退職の年齢を過ぎた人、休職中の人、亡くなられた人、離婚された人・・・色々だ。

就労している人の抱える問題は、夫を見ているから、まだわかりやすい。もちろん、1人1人状況は違うので、実際に聞き取りをしないと、夫にはない問題はわからない。

けれどもっとわからないのが、作業所や、デイサービスに通われている人たち、あるいは自宅に引きこもられている人たちの問題。

気になってきたけれど、その後詳しく聞いて調べてはいなかったので、最近の様子を知りたくて、メーリングリストを送ったのです。
ちょうど、6月にある講演会で、そういう方たちのことを話すことになったので。お返事待ってます。
講演については、また追ってお知らせします(日時は6月17日、場所は永田町です。でも交通事故被害に遭われた、障害の重い方に向けた話が主になります)。


ようやく私の家の周りも、桜が満開となりましたが、最近はお花見にはいまひとつの、ぐずついた天気が多いです。今日の東京も、気温6~7度で1日中冷たい雨。これでは、真冬ですね。

囲碁は2回目の石倉先生のクラスがあり、あまり自習できていないまま授業に臨みましたが、同じような全くの初心者レベルの方たちと打ったり(同じような方たちがいて、よかった~。)、石倉先生やほかの色々な先生に教わったり、石倉先生がされる色々なお話を聞いたりの、大変楽しい時間でした。

石倉先生のお話で知ったのですが、囲碁は世界に広がっているそうです。日本では囲碁と将棋が同じように考えられていますが、将棋は日本だけなんだそうですよ。世界は将棋ではなくチェスであり、中国には中国将棋というものがあるのだそうです。そんな中で、なんと囲碁だけ世界共通なんだそうですよ。知りませんでした!

現在4千万人以上の人が囲碁をやっていて、日本人は300万人くらいなんですって。多いのか少ないのかわかりませんが、もう少し多くてもいいような気がします(私も始めたばかりなので、大きなことは言えませんが)。実際、日本の囲碁人口は減ってきているそうです。ただ、石倉先生は東京大学で囲碁の授業を持たれているそうですが、定員40名のところに、受講希望の学生は100名集まったといいますので、結構囲碁も人気なんですね。(石倉先生だからかな?)

ともかく囲碁は、ここ30年の間に世界に広がってきていて、ネットで囲碁をやっている国は150か国もあるんだそうです。さらに、AI(人工知能)が、囲碁で人間に勝てるにはあと10年、20年かかると言われていたけれど、グーグルが熱心に研究したおかげで、人間を負かすようになったとのこと。趙治勲九段や、井山裕太棋聖がAIに負けたニュースは最近大きくメディアでも取り上げられましたから、囲碁に興味のない方でもその話は知っているのではないでしょうか。

今朝の朝日新聞37面には、来月23~27日に中国で、世界最強と評される中国の柯潔(かけつ)九段とAIの「アルファ碁」が、三番勝負をするという記事が載っていました。公の場でのAIと柯さんとの対局は初めてとのことで、決選に注目が集まっているそうです。しかも、持ち時間は3時間あるので、今までの非公式のネット対局での早碁よりも、人間に有利に働くそうです。楽しみ。柯さん、頑張れ!

話を戻して、石倉先生が教えてくれましたが、囲碁を自分で学ぶツールとして、「囲碁クエスト」や「パンダネット」というものがあるのだそうです(調べますと、ほかにも色々あるんですね)。でも「囲碁クエスト」は、スマホ等からやるゲームだそうなので、ガラケー派の私も、それやりたさにスマホ転向をちょっと考え始めました。私がやっている(しかも六路盤なのに全然勝てないほど、まだまだ初心者)「コスミ」は、コンピューター相手ですが、「囲碁クエスト」は、世界中の、生身の人間が相手なんだそうです!まさに国際交流ができますね。マンガの『ヒカルの碁』の世界だわ。相手がいない時は、ロボットが相手してくれるんだそうです。相手に応じて、弱いロボットから強いロボットまでいるそうなので、あ~、私もやってみたいなあ~。ロボットは、疲れずにずっと相手してくれる利点がありますしね。「パンダネット」では、石倉先生がご著書『ヒカルの囲碁入門』を、映像で説明しているそうです。

もちろん、実際に人間と向き合って打つこともいいそうなので、スクールや、家でコウジさんと打つのもいいのですね。私はスクールから帰ると、家でコウジさんに習ってきたことを全部教え(そうすると受講料が私とコウジさん2人分ということで、実質半分になり、ウシシ?)、ヘボ同志ながら対局するようにしています。でもヘボ同志なので、これで終局になっているのか、どっちが勝ったのかすら、まだわからないのです。なので、いつも、もやもやしたまま終わりにしています。トホホ。

ただ、私がお風呂に入る前に、コウジさんにネットの「コスミ」の六路盤をやっててもらうと、私がお風呂から出てきても、いつものようにテレビの下らないバラエティ番組を見て「このバカ助が!」と怒鳴っているコウジさんの声が聞こえなくなりました。はて?と見に行くと、相変わらずパソコンのコスミゲーム画面をじっと見つめ、考え込んでいる彼の姿が。

おお、これはいいですね!テレビを見ていても全然脳にいい気がしませんが、「コスミ」で静かに集中して考え込むコウジさんは、どことなく理知的に見えるじゃありませんか(ポッ♡)。しかも、テレビに暴言を吐く、余分なエネルギーを使わずに済むし、その暴言を聞いた家族がげんなりすることもなくなるし。

でもコウジさんはすぐ疲れてしまい、長続きしませんし、毎回負けるので、最後は怒ってやめてしまうのがちょっとねえ。勝てるようになればいいのだけど。いつか勝てるようになる日まで、焦らず頑張りますヨ。六路盤の次は、九路盤でもやってみよう。・・・もちろん、家事・用事・仕事で、囲碁をやってばかりもいられないので、時間が許す限りなのですが。

2日前の日曜日、初めてNHKEテレのお昼の囲碁番組を真剣に見ましたよ。コウジさんと。私が子どもの頃から、我が家では亡き父がいつも見ていた番組です。でも、今まで全然興味がなかった私は、昨日まで真剣に見たことがなかったのです。

いざ、興味を持って見ると、2時間ずっと凝視してしまいました。しかも、ずっと頭の中は忙しく考えていました。最初の30分は、ダイアナさんという外国女性の受け答えが面白くて、笑いながら見ていました。次の1時間半の九段と八段の人の対局は、(最初はどういう風に打っていくのだろう?←陣地の取り方)、(私なら次の一手はどこに打つだろう?)と、テレビにかじりついて見ていましたが、たまたま私の予想とプロ棋士の一手が一致した時には大喜びしてしまい、ソファーの上で飛びはねてしまいました。ハハ、まるで子ども。

コウジさんも一緒に番組を見ていましたが、私ほど真剣ではなく、すぐ眠そうな顔になり、私が喜んではしゃぐ時だけ、目がパッチリとして私を見て笑います。テレビより、私の様子の方が面白いようです。
うん、コウジさんに囲碁をやってもらうには、まずは私が楽しそうにしていることが大事なのかもしれません。

ところが、あまりにいつも使っていないところの脳を使うようになったからなのか、時々頭がクラクラするようになりました。頭を動かすと、船に乗って大波に揺られたようになるのです。この感覚(これが「めまい」、というもの?)は人生初めて経験しました。囲碁のほかはいつも通りの生活なので、クラクラするようになった原因は、もしかして囲碁? たしかに囲碁は私の実感として、かなり頭を使うゲームだと思いました。おまけに、さっき右目の白目が少し出血しているのに気づきました。う~ん・・・ 根を詰め過ぎでしょうか。

何も私は今からプロを目指すわけでもなく、そもそもコウジさんの障害症状改善のために始めた囲碁なので、こんなにクラクラするまで集中しないようにしないとネ。 家事その他に支障が出てきてまずいので、ほどほどにしないとネ。でも、結構面白くて、のめり込み始めている自覚があります・・・

木谷正道さんは、「琴棋書画は君子のたしなみ。棋は囲碁のこと。つまり、これをやらないと良いリーダーになれない、と言われていた。昔は皆、囲碁をやっていたんです。今、そこに戻ってきた、ということです。」と仰っていますが、たしかに良い趣味だなあ、と同意します。皆さんも、囲碁をやりましょう。

さて、今日は一つ、お知らせしたいことがあります。

高次脳機能障害や発達障害がご専門の、橋本圭司医師のことは、皆さんよくご存知と思います。橋本先生は昨年、世田谷区内に「はしもと経堂クリニック」を開かれましたが、そのクリニックのHPの中に、「はしもと経堂クリニックギャラリー」というものがあります。

そこに「しげもりきょうた」さんという高次脳機能障害当事者の方が、「カケルくんの高次脳機能リハビリテーション」というマンガを描かれています(ストーリーは更新中)。原作と監修は橋本先生がされていますが、その内容の詳しいこと、しげもりさんのマンガのおかげでわかりやすいこと!皆さんも、どうぞ覗いてみて下さい(作者のしげもりさんと、橋本先生のご了解を得て、ここで紹介させてもらいました)。
http://www.keiman.co.jp/gallery/kakeru-rehabilitation

尚、橋本先生のお顔が、時々別人のように色々変わってしまうのがご愛嬌なのですが、登場するドクターは、全部橋本先生ですよ。本当に、とてもためになるマンガですので、読まなくちゃ損ですよ~。


さっき、夜7時のNHKニュースを見ていましたら、アナウンサーが「東京の桜が、今日満開になりました。」、と言って、上野公園の桜が写りました。でも、満開なのは上野くらいじゃないの~? 今日、多摩川河川敷へ行きましたが、桜が全く咲いていないので、カップルや家族連れは、桃の花の前で写真を撮っていましたよ。今年の東京の桜は、咲くのが遅いですね。

3月は色々と忙しくて、なかなか囲碁の勉強ができないでいましたが、私もコウジさんもいつまでたっても囲碁がわからないままに甘んじていてはいけない、やはり私が先に熱心に勉強して、コウジさんに教えたりサポートしたりしなくちゃダメだ、と思うようになりました(といっても、数日前から)。

それで、『ヒカルの囲碁入門』というガイドブックを読んでいたのですが、70ページを過ぎた辺りから、どんどんわからなくなってきました。そんな時ふと、著者紹介の箇所に目を止めますと、なんと石倉昇先生は、私の家から歩いてすぐのところにあるカルチャースクールで、現在教えてらっしゃるじゃありませんか。しかも、スクールのHPを調べますと、4月からの生徒を募集中とのこと。

心が動きましたが、(毎週土曜日の午前に、欠かさず行けるだろうか? コウジさんの受診や私自身の講演がある時もあるし・・・) とためらっていました。

そして3月31日のこと、朝日新聞の別刷「be」で、私の好きな片岡鶴太郎さんの特集記事を読みました。ヨガのポーズなのでしょうか、おかしなポーズの鶴ちゃんに笑いながら記事を読みますと・・・唸りました。
鶴ちゃんは、「思いついたことは、すぐに実行するようにしている」そうです。「どんなに困難に見えることでも、思いついたということは、絶対にできるというサイン。その思いつきを一等賞と捉えて、とにかく着手してみるんです。」と。その結果、良い出会いに恵まれ、物事がうまく運ぶという体験を何度も重ねてこられたそうなんです。お笑いタレント、声帯模写、ドラマ、映画、ボクシング、絵、その多才ぶりにはびっくりですが、特に私は鶴ちゃんの絵が好きです。

なるほどねえ、と感心し、鶴ちゃんのその考え方が、その時私の頭の中に刻み込まれました。

さて翌日の4月1日、つまり昨日ですが、ワッチがアルバイトに出かけるので、私も朝6時に起きて食事を作ったり、雨だったので駅までワッチを送ったり(過保護ですね~)し、ほっとしたのが8時半頃。雨なので洗濯もするのをやめ、土曜日なのでウメの散歩はコウジさんに任せると、ふと囲碁教室のことが頭に浮かびました(というより、正しく言うなら最近は囲碁のことをよく考えているのです。マンガの『ヒカルの碁』が、非常に面白かったせいもあります)。

パソコンをおもむろに開くとカルチャースクールのHPをまた検索、石倉先生の初心者向けクラスを調べますと、なあんと、その4月1日の午前10時からが、第1回とあります。

驚いた私の頭の中は、シャカシャカ動き始めました。今からネットから受講申し込みをし、カードで決済したら入学できる、残席はあとわずかだがある、10時スタートなら、9時半に家を出ればギリギリ間に合うかもしれない・・・。そして鶴ちゃんの「思いついたことは、すぐに実行」という言葉が、あのヨガの変なポーズと共に浮かび・・・ 思い切って申し込みました。

申し込むとさあ大変、用意しなくちゃ!申込した証拠のメールを印刷し、身支度をし、コウジさんには「12時に終わるので、すぐ帰って来られるから。」と説明し、「行ってらっしゃ~い!」と笑顔で送り出してくれるコウジさんに手を振り、家を飛び出した私。なんと9時半過ぎには教室にいました(笑)。

教室には1番乗りだったので、やる気満々になっている私は、一番前の真ん中に座っていました。そのうち、次々教室に入ってくる人たち、スタッフの方々で混んできて、石倉先生も入って来られました(私は囲碁に今まで全然興味がなかったのですが、とても有名な先生なんだそうですね)。本当に初心者の私は、同じような初心者の方たちと6名で、端のテーブルに移動するよう指示されました。そして、講座の1回目が始まったのでした・・・。

長くなるのでクラスの詳しい話は書きませんが、初めて会う初心者同士、ああだこうだと話しながら碁石をいじり、石倉先生やほかの先生方に教わりながら、プリントを解いたり、石倉先生の面白いお話を聞いたりして、あっという間に時間が流れました。新鮮な経験でした。知らないことを教わるということは、やはり面白いことですね。わからないところがあるとすぐ質問する私に、先生方は喜んで丁寧に優しく教えて下さるので、なんだかちょっと囲碁がわかるようになった気がしました。

スクールの後、買い物して歩いて帰る私は、とてもさわやかな気持ちでワクワクしてきました。帰宅してからは、コウジさんに習ったことを教えようと思います。まだ初回なので、今まで1、2か月奮闘していた?貯金で授業についていけましたし、コウジさんに教えるまでもなかったのですが、次回からはそうはいかないでしょう。

そして今日4月2日は、「囲碁・高次脳機能障害プロジェクト」の3回目がありました。
今日は、囲碁が1時間、そのあと木谷正道さん率いる「心の唄バンド」のミニコンサートや、おしゃべりタイムでした。新聞記者が取材に来ていて、私やコウジさんもインタビューを受けましたので、特にペラペラ喋っていたおしゃべりな私は囲碁を打つ時間がなくなってしまったのがちょっと残念でしたが、記事になってこういう取り組みが始まったということが広く社会に知られてたら、嬉しいです。

コウジさんにとっても、このプロジェクトは色々な方と会ったり話したり、囲碁の勉強をしたり音楽を聞いたり、素晴らしい場になっていますので、木谷さんを始め、協力して下さる多くの方々に、とても感謝しています。

午後はウメを連れて、コウジさんと多摩川河川敷へ行きました。仲良しになったホームレスさんたちから誘われていた、花見の会があったのです。
ホームレスさんといっても色々ですが、その方たちは地域と積極的に交流され、地域と信頼関係もある特別なホームレスさんたちです。本当はゆっくり花見の宴会で話したかったのですが、ウメがいますし、桜は全く咲いていないので、差し入れだけして散歩して帰りました。桜が咲いたら、また行こうと思います。ホームレスさんたちを囲んで、地域の人たちが話に盛り上がっていて楽しそうでした。

それにしてもウメは、多摩川へ来るとすごく喜びます。リードをグイグイ引っ張ってハッハ言いながら歩くので、10歳とはいえ、まだまだ若いなあ、と嬉しくなりました。

高次脳機能障害と囲碁。
石倉先生も、やはり「囲碁は脳にいい。」と仰っていました。今は、35くらいの大学で囲碁の授業があるそうですね。今年の慶応大学の入試問題も、囲碁が取り上げられました。どういう効果があるか、これから囲碁をやっていくことにした夫コウジさんを近くで観察しつつ、ここにも記録していこうと思います。
皆さんも、お楽しみに!

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