台風21号で、多摩川河川敷がひどい被害を受けた話は、前に書きました。
いまだ見つからないホームレスさんや、猫たちがいるということも。
テレビや新聞では、こういう話は、全然報道されませんね。なんでだろう???
そんなに被害がなかった、と思われているのでしょうか???
ともかく、多摩川河川敷の様子を毎日偵察され、ホームレスさんや猫たちのお世話をされている写真家の小西修さんのブログを、いつも読んでいる私は、ニコちゃんという1匹の猫のエピソードに、ひどく心動かされました(お読みになった方もいらっしゃるかもしれません。)
ニコちゃんは、ニコちゃんを大切に可愛がってくれるホームレスのおじさんと一緒に暮らしていました。
ところがあの台風21号が吹き荒れた夜中(多分明け方5時半くらいのことだろう、と小西さんは書かれています)、急激に増水した川の水に流されてしまったようなのです。この急激な増水というのも、台風の雨による増水なら天災ですが、上流のダムの放流による増水のせいだとしたら、人災です。仕方ないのかもしれませんが、一気に放流するのではなく、前からちょっとちょっと放流していたら、今回のような急激な増水、氾濫にならないのではないでしょうか?
23日に河川敷を見に行った私は、河川敷全てが濁流の下になっている様を見て、言葉を失い、体が震えました。心が重くなり、胸が苦しくなりました。河川敷でほそぼそと命を繋いでいた多くの生き物の命が、茶色の濁流とともに流されてしまったのですから。そして、ニコちゃんも、そうして流された猫の1匹でした。
かろうじて助かったおじさんは、来る日も来る日もニコちゃんを探していました。
小西さんも、ブログでニコちゃんの写真をアップして、その様子を読む人に知らせていました。
ニコちゃんが流されて13日経った今月5日のこと、小西さんのブログを読んだ人から小西さんの元に、「ニコちゃん似た猫を見かけた。」という情報が、写真とともに寄せられました。小西さんが見ると、まぎれもなくそれはニコちゃんだったそうです。ただ、それは10月28日に撮影されたものですから、その時からすでにもう8日も経っています。
しかも・・・ その撮影場所は、なんとニコちゃんがいた川崎市側ではなく、川をはさんだ大田区側で、しかも3・5キロも下流のところだったそうです!つまり、ニコちゃんは濁流に流され、対岸に辿り着いたということなのです。川幅は、かなり広いので、これはまさに奇跡と呼べます。
もう夜中でしたが、小西さんは自転車に飛び乗ると、ニコちゃんのおじさんの元へ走ったそうです。
その日の捜索は諦めて寝ていたおじさんは飛び起きると、小西さんと一緒にニコちゃんを探しに出ました。その時のおじさんは、どんなに胸躍っていたことでしょう。けれど一方で、どんなに心配だったことでしょう。一刻も早くニコちゃんを探さなくては、せっかく10月28日の時点で生きていたニコちゃんが、衰弱や飢えで死んでしまうかもしれないからです。そして、考えたくないことですが、もしかして、もう死んでしまっているかもしれないのです。
その日も、次の日も、ニコちゃんは見つかりませんでした。
けれど、その次の11月8日の朝のこと、目撃情報のあった地点よりさらに1キロ下流のあたりを、ニコちゃんの名前を呼びながら探していたおじさんの前に・・・ ニコちゃんが現れたそうです!いつも鳴かないニコちゃんが、その時は鳴きながらおじさんに向かって歩いてきたそうなんです。 もう、その記事を読んだ時は、私も嬉しくて涙が出ました。
どんなにニコちゃんは心細い日々を送っていたことでしょう。
おじさんの声を聞いた時、どんなに嬉しかったことでしょう。
おじさんも、大切なニコちゃんが生きていてくれたのを見て、どんなに嬉しかったことでしょう。
ニコちゃんは、おじさんと帰ってくると、猫餌を何杯もおかわりしたそうです。(急に食べ過ぎたので、おなかを壊したそうです。笑)
そして今、ニコちゃんは再び、愛するおじさんと一緒に安心して暮らしているのです。
ニコちゃんのことを心配していた人たちも、寄って来てはともにニコちゃんの生還を喜んでくれているとのこと。
この話をコウジさんに興奮しながらした私が、「よく沈まずに泳いで渡れたよねえ!」と言いますと、コウジさんは、「猫の小さな体では無理だよ。きっと何か木にでもつかまっていたんだろう。」ともっともなことを言いました。すごいな、コウジさん。私よりよっぽど理にかなったことを言います(時々ね)。
だとしたら、今行方不明の猫たちも、ニコちゃんのように何かにつかまって、対岸なりずっと下流のところで生きていてくれたらいいのですが。小西さんが把握している猫たちで、まだ行方がわからない猫たち、それにホームレスさんがいるというので、心配です。
話を元に戻して、たとえ木につかまって対岸に辿り着いたとしても、辿り着くまでニコちゃんはどんなに必死で木にしがみついていたことでしょう、大波と大雨の中で、「死ぬものか!絶対生きるんだ!」とどんなに歯をくいしばっていたことでしょう。
その姿を想像すると、感動で涙が出てきます。(偉かったね、ニコちゃん!)と、小西さんのブログの中のニコちゃんの写真に、何度も話しかけてしまいます。・・・コウジさんはコウジさんで、ニコちゃんが木にしがみつく様子を実演しながら、感極まって泣いていました。
ニコちゃんのこの話は、絵本なり映画なりにできそうなくらい、感動的です。
皆さんにもお伝えしたく、ここに書きました。
ほかの猫ちゃんたちも、こうして無事に生きていてくれますように。
小西さんのブログでは、10月23日の台風通過当日から、多摩川河川敷の被害状況が詳細に記されています。ニコちゃんについての記述は、11月4日から始まっています。どうぞ皆様もお読み頂き、今回の台風被害を知って頂きたいです。(時々コメントで「れい」とあるのは、もちろん私です。)
http://www.top-virtual.com/kabuto/diarypro/
いまだ見つからないホームレスさんや、猫たちがいるということも。
テレビや新聞では、こういう話は、全然報道されませんね。なんでだろう???
そんなに被害がなかった、と思われているのでしょうか???
ともかく、多摩川河川敷の様子を毎日偵察され、ホームレスさんや猫たちのお世話をされている写真家の小西修さんのブログを、いつも読んでいる私は、ニコちゃんという1匹の猫のエピソードに、ひどく心動かされました(お読みになった方もいらっしゃるかもしれません。)
ニコちゃんは、ニコちゃんを大切に可愛がってくれるホームレスのおじさんと一緒に暮らしていました。
ところがあの台風21号が吹き荒れた夜中(多分明け方5時半くらいのことだろう、と小西さんは書かれています)、急激に増水した川の水に流されてしまったようなのです。この急激な増水というのも、台風の雨による増水なら天災ですが、上流のダムの放流による増水のせいだとしたら、人災です。仕方ないのかもしれませんが、一気に放流するのではなく、前からちょっとちょっと放流していたら、今回のような急激な増水、氾濫にならないのではないでしょうか?
23日に河川敷を見に行った私は、河川敷全てが濁流の下になっている様を見て、言葉を失い、体が震えました。心が重くなり、胸が苦しくなりました。河川敷でほそぼそと命を繋いでいた多くの生き物の命が、茶色の濁流とともに流されてしまったのですから。そして、ニコちゃんも、そうして流された猫の1匹でした。
かろうじて助かったおじさんは、来る日も来る日もニコちゃんを探していました。
小西さんも、ブログでニコちゃんの写真をアップして、その様子を読む人に知らせていました。
ニコちゃんが流されて13日経った今月5日のこと、小西さんのブログを読んだ人から小西さんの元に、「ニコちゃん似た猫を見かけた。」という情報が、写真とともに寄せられました。小西さんが見ると、まぎれもなくそれはニコちゃんだったそうです。ただ、それは10月28日に撮影されたものですから、その時からすでにもう8日も経っています。
しかも・・・ その撮影場所は、なんとニコちゃんがいた川崎市側ではなく、川をはさんだ大田区側で、しかも3・5キロも下流のところだったそうです!つまり、ニコちゃんは濁流に流され、対岸に辿り着いたということなのです。川幅は、かなり広いので、これはまさに奇跡と呼べます。
もう夜中でしたが、小西さんは自転車に飛び乗ると、ニコちゃんのおじさんの元へ走ったそうです。
その日の捜索は諦めて寝ていたおじさんは飛び起きると、小西さんと一緒にニコちゃんを探しに出ました。その時のおじさんは、どんなに胸躍っていたことでしょう。けれど一方で、どんなに心配だったことでしょう。一刻も早くニコちゃんを探さなくては、せっかく10月28日の時点で生きていたニコちゃんが、衰弱や飢えで死んでしまうかもしれないからです。そして、考えたくないことですが、もしかして、もう死んでしまっているかもしれないのです。
その日も、次の日も、ニコちゃんは見つかりませんでした。
けれど、その次の11月8日の朝のこと、目撃情報のあった地点よりさらに1キロ下流のあたりを、ニコちゃんの名前を呼びながら探していたおじさんの前に・・・ ニコちゃんが現れたそうです!いつも鳴かないニコちゃんが、その時は鳴きながらおじさんに向かって歩いてきたそうなんです。 もう、その記事を読んだ時は、私も嬉しくて涙が出ました。
どんなにニコちゃんは心細い日々を送っていたことでしょう。
おじさんの声を聞いた時、どんなに嬉しかったことでしょう。
おじさんも、大切なニコちゃんが生きていてくれたのを見て、どんなに嬉しかったことでしょう。
ニコちゃんは、おじさんと帰ってくると、猫餌を何杯もおかわりしたそうです。(急に食べ過ぎたので、おなかを壊したそうです。笑)
そして今、ニコちゃんは再び、愛するおじさんと一緒に安心して暮らしているのです。
ニコちゃんのことを心配していた人たちも、寄って来てはともにニコちゃんの生還を喜んでくれているとのこと。
この話をコウジさんに興奮しながらした私が、「よく沈まずに泳いで渡れたよねえ!」と言いますと、コウジさんは、「猫の小さな体では無理だよ。きっと何か木にでもつかまっていたんだろう。」ともっともなことを言いました。すごいな、コウジさん。私よりよっぽど理にかなったことを言います(時々ね)。
だとしたら、今行方不明の猫たちも、ニコちゃんのように何かにつかまって、対岸なりずっと下流のところで生きていてくれたらいいのですが。小西さんが把握している猫たちで、まだ行方がわからない猫たち、それにホームレスさんがいるというので、心配です。
話を元に戻して、たとえ木につかまって対岸に辿り着いたとしても、辿り着くまでニコちゃんはどんなに必死で木にしがみついていたことでしょう、大波と大雨の中で、「死ぬものか!絶対生きるんだ!」とどんなに歯をくいしばっていたことでしょう。
その姿を想像すると、感動で涙が出てきます。(偉かったね、ニコちゃん!)と、小西さんのブログの中のニコちゃんの写真に、何度も話しかけてしまいます。・・・コウジさんはコウジさんで、ニコちゃんが木にしがみつく様子を実演しながら、感極まって泣いていました。
ニコちゃんのこの話は、絵本なり映画なりにできそうなくらい、感動的です。
皆さんにもお伝えしたく、ここに書きました。
ほかの猫ちゃんたちも、こうして無事に生きていてくれますように。
小西さんのブログでは、10月23日の台風通過当日から、多摩川河川敷の被害状況が詳細に記されています。ニコちゃんについての記述は、11月4日から始まっています。どうぞ皆様もお読み頂き、今回の台風被害を知って頂きたいです。(時々コメントで「れい」とあるのは、もちろん私です。)
http://www.top-virtual.com/kabuto/diarypro/