今日は皆既月食でした。
午後から曇ったので、見えないかな~、と思っていたら、夜は晴れました。
夜7時のニュースを見ながら夕食を食べていた時、ワッチが突然、「望遠鏡で見たい!」と言い出しました。
「え~、奥にしまってあるから、出すの面倒だよ。まだ色々夜は用事あるし。」と最初嫌がった私ですが、こういう時こそ望遠鏡で見ないと、いつ望遠鏡を使うの?と思い直し、クローゼットの奥の方からやっとこさ、大きな望遠鏡を出しました。
これは私が高校生だった頃、科学部の天文班と地学班に所属し、夜の高校の屋上で天体観測をした時に使っていたものです。別に持っていなくてもだれかほかの部員の望遠鏡で星空を見られたのですが、何を思ったのか両親は車で板橋区にある有名な高橋製作所まで、望遠鏡を買いに行ってきたのでした。私がある日高校から帰ると、木製ケース入りの立派な望遠鏡が私を待っていたので、仰天しましたが、嬉しかったです。教育熱心なのかもしれませんが、きっと両親も望遠鏡で星を見てみたかったのかもしれません。
それは当時部員の間で話題だった、「TS式65mm屈折赤道儀V-1」という望遠鏡で、俗に「V1(ブイワン)」と呼ばれていました。月のクレーターは、爪ではがれそうなくらい近くにリアルに見えましたし、土星の輪も見えました。高校で合宿がある度にそれを持っていき、大活躍してくれました。家でも、よくそれで星を見ていました。でも高校卒業後は、2、3度くらいしか出番はありませんでした。
ともかくその「V1」を引っ張り出してきて、30分くらいかけてワッチと組み立て(久しぶりですが、組み立て方を覚えていました)、寒いベランダに出して、ワッチやコウジさんと月を見ました。夜に騒いでいるので、猫のハルとチーが喜んでベランダを走り回っていました。犬のウメは、関心なさそうにソファで寝ていました。写真は、皆既状態になる10分前のものです。
でも残念なことに久しぶりなので接眼鏡が古くて汚れているのか、覗いてもぼんやりして見えなかったのです。かえってファインダーの方がよく見えたので、それで見ました。あ~あ、今後接眼鏡は、新しいのを買わないと・・・。 (→ しまう時に明るいところで接眼鏡を見ましたが、特に異常なさそうなので、なにかほかに原因があるのだと思います。)
皆既月食の状態が1時間17分と長かったので、赤い月を存分に楽しめましたが、ベランダですっかり体の冷えた私はその間にお風呂に入りました。皆既月食中にお風呂だなんて、なんだか贅沢な気分になりました。
もう月はもとの輝きを取り戻しつつあります。コウジさんはとっくに寝てしまいました。猫たちも寝ています。
明日は夜から雪が降るそうなので、午前のうちに望遠鏡をまたしまいます。
なんてことのないささやかな観測会でしたが、きっと今夜のことは覚えていることでしょう。
・・・でも、おかげで夜しようと思っていた講演資料作成や、何人かの方に送る予定だったメール、読書ができずじまいでした。まあ、たまにはいいでしょう。
皆さんも、皆既月食を見ましたか?
私はそろそろ寝ます。
おやすみなさい。