日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2018年03月

さくらと桜2018


東京の桜は、散り始めました。
例年にない早さで咲き始めた今年の桜、暖かい日が続いたせいか、あっという間に散ってしまうんだなあ・・・。
この時期は、なんとなく、切なさや、はかなさというものを感じますよね。

来年までもう見られないので、ウメとの散歩もなるべく時間をかけて桜を見て歩いているのですが、ウメがこの笑顔で歩いているからか、よく人から声をかけられます。
「かわいいですね。」「太ってますね。」「大きいけど、秋田犬ですか?」などなど。
その都度足を止めて話すので、さらに時間のかかる散歩となっています(笑)。

でも、ウメも今11歳。人間でいったら、60歳を超えるそうです。中型犬は1年に6年くらい年をとるそうなので、来年、再来年もこうして一緒に桜の時期歩けていたらいいけれど、「年取ってますね。」と言われることもしばしば。
できれば柴犬の平均寿命と言われる15,6歳までは、元気でいてほしいな。

そういう目で、前を行くウメのでっぷりした背中を見ていると、お稲荷さんみたいでおかしい一方、太り過ぎで早死にしないか心配で、獣医さんから言われているように、心を鬼にしてご飯を少なく、おやつはあげないようにしないと、と思うのですが。

とにかく毎日ウメと一緒に歩く時間は、たしかに時間がかかって大変だけれど、色々な意味で有難い時間と思います。大好きな犬と楽しい時間を共有できる、1日最低2回は外へ出て、景色を見たり人と話せる、歩くのは、健康のためになる、気分をリフレッシュできる・・・ など。

でも、明日は囲碁教室なのに、この2週間全く碁石を触っていないという事実(泣)。買ってあるテキストも、開いていないし。このブログを書く時間があるなら、1ページでも読まないとね。ということで、今からちょっと読みます。 ちなみに囲碁歴20年の母に、「全然家で囲碁の勉強していない!」と言うと、「しなくていいのよ。そこにいって打っていれば。」と悠然と答えるので、ちょっとほっとします。・・・でも、それで本当にいいのだろうか?

昨日は叔父が来てくれたので、たけのこご飯で歓待しました。1人暮らしなので、心配であれこれ質問しましたが、78歳の叔父のところに、民生委員さんとか、市区町村の人とか、近所の人とか、誰も来ないし、電話もかかってこないそうです。1人暮らしの高齢者って、そういうものなのでしょうか。

優しい叔父は独身で、母親(私の祖母)と仲良く2人で暮らしていましたが、97歳まで生きた母親の介護をして見送ったあとは、1人です。姉である私の母や父が、よく叔父のところへ様子見に行っていましたが、母も高齢で行けなくなり、父も亡くなりましたから、辺鄙なところに住んでいる叔父のところへ行く親戚は(私も含め)いなくなりました。

ウメのことが大好きな叔父は、年に1~2度、片道2時間半近くかけて私の家へ来てくれるようになりましたけれど、今は元気な叔父が、この先心配です。
でも、1人暮らしの高齢者って、きっとすごく多い日本ですよね。子どもがいても先立たれる場合もあるし、子どもが障害者になる場合もありますし。

叔父には私がいますから大丈夫ですが、私やコウジさんの老後のことも、そろそろ考えなくちゃなあ、と思います。

私も、いつまでも健康とは限らないですし、その保証もないです。。
忙しさにかまけて、今年は健康診断受け損ねましたから、来年度は受けなくちゃ。
自分のためだけでなく、家族のためにも。

・・・どうでもいいことですが、写真のウメの口に、桜の花びらがついています(笑)。

昨日から季節はずれの暑さとなっている東京、今日は半袖でウメの散歩をしました。満開の桜を見上げても、青空とまぶしい日差しで目を開けていられないほど。日陰を探して歩くのは、まるで夏と同じです。家では私もコウジさんも半袖で、クーラーもつけています。急に暑くなって疲れるせいか、ここ数日は、すぐ眠くなってブログも書けませんでした。
しかも、いきなり冬から夏になったので、衣替えも急ピッチでしなくてはならず、冬物を洗ったりクリーニングに出したり、夏物をひっぱり出すなど、余計な家事が増えました。皆さんの家でも、同じだと思います。

明日、1人暮らしの叔父が千葉から来るので、今日は朝から張り切って大掃除したり買い出しに出たりしました(もちろん、ウメの散歩1回1時間以上を2回)。本当なら今夜のうちに筑前煮を作っておきたいところですが、この暑さで煮物がいたんでしまうといけないので、明日早起きして作ることにしました。メニューは毎年恒例の竹の子ご飯、筑前煮、酢鳥、かきたま汁、そしてこれは皆さんも作られるといいと思うのですが、にんじんサラダ(以前もブログで紹介したかもしれませんが、簡単でヘルシーで美味しいですよ)。

作り方は、まず、にんじんをスライサーで細い千切りに。4人家族なら、2本くらいあるといいかも。小女子1パックを、サラダ油でカリカリになるまで炒めます。灰色の小女子が、茶色く色づいたらそこでストップ。小女子がなかったら、ちりめんじゃこでもいいですよ。炒めた小女子を、山盛りのにんじんの上にパラパラ乗せます。そこに白いいりごまを好きなだけふりかけます。 たったこれだけです(笑)。
おいしくて、もりもり、いくらでも食べられますよ~。塩分は、小女子だけです。どうぞ作ってみて下さいね。
これは、友人から教わった料理ですが、その友人も本かテレビかで知ったそうです。カルシウムを沢山取れるそうですよ。

・・・23日に日本棋院へ行ったところで、話が途切れていました。
でもそこで特に私が何をしたわけでもなく、ただ行ってチラシを配るついでに支部代表者懇談会を見学しただけなのですが、印象としては、代表者の方々、参加者の皆様はご高齢の方がほとんどだった、ということです。木谷さんのお話によりますと、 全国の支部は高齢化が進んでおり、若い人がほとんどいないとのこと。10年後を考えるとゆゆしき状況で、そのことを皆が知っているとも。

去年29年9月23日に「囲碁サミット2017inさかいで」、「囲碁サミット宣言文」というものが出されました。そこに書かれてある文言を少し引用しますと、

「古代中国が発祥と言われる囲碁は4千年の歴史を持つと言われており、我が国においても、奈良・平安時代から広く親しまれ、江戸時代に隆盛への基盤が築かれた後、時代の発展とともに新しい布石や、より高度な技法が生み出されるなど、日本の伝統文化として発展してきました。  囲碁は脳を活性化し、創造性や集中力、判断力や忍耐力、コミュニケーション能力を高め、生きがい、ふれあいなどにも役立つことから、福祉、医学、教育界からも注目され、各界で囲碁の授業が取り組まれ広まりつつあります。 その歴史や伝統の理念を学び、教育の場、交流の場、コミュニテイの場等、あらゆる機会におい生涯学習の一環として囲碁文化の進展を図るとともに、囲碁の特性を最大限に活用した人づくり・まちづくりを推進していくことは極めて重要です。・・・」

以下略しますが、囲碁は老若男女を問わず効用が大きく、障害があってもなくても、国が違ってもコミュニケーションツールでとして楽しく使えるものですので、日本だけでなく世界でももっと囲碁をする人が増えるといいと思います。 
認知症予防に効果があるとされる囲碁ですが、やはり高齢者だけでなく、若い人やお子さんに囲碁をする人が増え、囲碁界を活性化して欲しいと思います。

配布された資料を見ますと、平成29年12月現在、学校では正課110校、非正課180校で囲碁授業・教室が実施見込みとなっているそうです。大学では39大学で囲碁授業が実施されています。石倉先生も、東京大学で教えていらっしゃるんですよ。実施大学は今後も増加する見込みだそうです。

子どもといえば、私が通っている囲碁教室に、この1月から小さな男の子が入ってきました。4月から小学生になるというその男の子は、子供向け教室ではつまらなくて、普段は近所のアマチュア5段のおじいさんに打ってもらっているそうです。そして今年からどうしても石倉先生に教わりたい、と入室してきました。手には、去年10月から石倉先生が朝日小学生新聞で連載されていた「囲碁の学校」という記事の切り抜きの束を持っていました(持っていたのは、付添のお父さんだったかな)。

すると、あれよあれよという間にその男の子は、上の教室へ行ってしまいました。やはり子どもは上達が早いなあ。いえ、元々その子が実力があるのだと思いますが。まだ私の腰くらいの背しかない、小さな子どもなのに、恐れ入りました。大体囲碁のプロになる方は、小学校にあがる前から囲碁を始められているようです。

私は、この年になるまで、年をとればとるほど、経験も知識も増えて、能力というものも磨きがかかっていくものだとばかり思っていました。でも、囲碁に関しては違うんですよ。子どもの方が上達が早く、54歳で始めた私はとてもかないません。

でも、石倉先生は、87歳で始めて99歳で3級になられた方や、70歳で始めて80歳で3段になられた方のお話をして下さったことがあるので、私も諦めず、コツコツ頑張ります。ただ、私はここのところ忙しくて、教室も半分しか行けず、家でも詰碁を少しするだけなので、カナシイ・・・。

翌日の24日(土)は、江東区で講演でした(囲碁教室は、またもや休みました)。 
主催は江東区障害者福祉センターで、ここではOT(作業療法士)さん、PT(理学療法)さん、ST(言語聴覚)さんらによるリハビリも行われているそうです。

講演会には、当事者、家族、支援者、そして会場近くの臨床福祉専門学校の学生さんたちが来てくれました(私はこの学校で、3年半前にお話ししたことがあります)。江東区高次脳機能障害者と家族の会の方々もいらしてくれました。
ちょうど東京の桜に満開宣言が出た日だったので、とても良い天気でしたし、皆さん講演会ではなく、急にお花見に行ってしまわれるかも、とちょっと心配したのですが、沢山の方が来て下さって、とても嬉しかったです。有難うございました。

講演会後の質疑応答でも、何人かの当事者の方や学生さんたちが熱心に発言して下さったのも嬉しかったです。

講演会が終わったのが16時過ぎでしたが、会場だった研修室の外で、当事者の方、家族の方、学生さんと4人で話し込んでいたら17時半を過ぎてしまいました。 

家で留守番しているコウジさんが心配になって電話すると、娘のワッチがどこへも出かけず家にいたそうなので、安心しました。
やはりコウジさん1人だと心配ですが、誰かそばにいれば安心なのです。しかもそれが、しっかりした最強のワッチなら大安心。
コウジさんがくも膜下出血で倒れた時、7歳だったワッチも、もう21歳です。自分の世界を持ち、友達も沢山。やれやれ、もう大丈夫だな、とほっとしています。

では、明日は朝早く起きてお料理を沢山作るので、おやすみなさい!








明日は、江東区で講演です。
場所は、東陽町にある、江東区教育センター、時間は14時~16時です。

明日の午前は石倉先生の囲碁教室がありますが(毎週土曜日の午前です)、講演の日なので最初から休むつもりでしたが、やはり行こうかな、と迷いが出ていました。行って囲碁をしますと、「普段使っていない頭の部分を使っている感じ」がし、「頭が鍛えられている感じ」がし、それが快感であり、とても楽しいのです。

だったら、普段家にいる時だって、囲碁を打っていればいいのですが、これが1人だとなかなか・・・(笑)。
あれこれ注意散漫になったり、家事や犬の散歩で中断し、とても落ち着いて囲碁を打てません。

囲碁教室へ行き、決まった2時間の間集中して、周りも囲碁の熱気でムンムンの空気の中、時々周りとおしゃべりしながら、わからない時はすぐ優しい先生に聞ける、これがいいんです。(初心者教室です。)

でも、頭を相当使う(多分1週間で一番、頭を使う2時間です)ので、頭がヘトヘトになり、その頭で講演へ行ったらきっといつものように話せません。なので、明日はやはり囲碁教室はお休みします。

と、こう決心するのに、今の今まで悩んでいたので、いつの間にか私は囲碁が好きになっていたんだなあ、と改めて思いました。まだまだ20級?ですが。わはは。

今日は、誕生日でした。
何歳か、別に隠す必要はありませんので申しますと、ゴー!ゴー! レッツゴー!です。はい、55です。
今年はゴー、ゴー、前進の年、と思って頑張りマス。

また、今日はなぜかいきなり市ヶ谷の日本棋院に行きました。行ったのは、初めてです。

木谷さんが大船渡で行われる囲碁まつり(5月12~14日)のチラシを配られるというので、ちょうど日中の数時間は時間がありましたから、お手伝いに行ったのでした。

市ヶ谷駅で降りたのは初めてで、手書きの地図を持って行ったのに、その手書きが汚すぎて読めないのと(笑)、駅の周りがビルや大きな道路ばかりで方向感覚がつかめず、日本棋院の場所がわからなくて右往左往、ようやく辿りつきました。大通りの両脇の桜は5分咲きくらいで、きれいでした。

この日本棋院には、亡き父(アマチュア8段)も、母もよく来ていたそうなので、感慨深いものがありました。
時間が早かったので、地下の囲碁殿堂資料館を少し見てからロビーに戻り、木谷さんやいつも大森の囲碁の会で教えて下さる中里さん、そしてプロ棋士九段の王銘琬先生らと合流し、2階の関東甲信越静地区支部代表者懇談会、という会場で、チラシを配って回り、席に着きました。

全国には、北は北海道、南は沖縄まですべての都道府県に支部があり、1つの都道府県の中にもいくつか支部があるんですね。

・・・あれ、もう今日が終わってしまうので、話の途中ですが、ここで投稿します。いきなりですみません。またここでの話は、後日書きます。

それでは、明日江東区講演でお会いできるのを、楽しみにしています!
宜しくお願いします。








春が来たと思っていたら、ここ数日急に寒くなり、今日はなんと雪です。
でも夕方にはみぞれから雨になり、積もることはなくてほっとしました。
なぜなら雪かきスコップを、もう必要ないと思い、邪魔なので先日実家に置いてきてしまっていたからです。

こんなに薄暗くて寒い日は、家で溜まったメールや資料などの整理や読書、その他もろもろの用事をしていました。

お知らせが2件あります。

①4月14日(土)に、脳損傷による遷延性意識障がい者と家族の会「わかば」と、全国遷延性意識障害者と家族の会・関東ブロックの共催による勉強会があります。

日時:4月14日(土) 13時半~小林先生の講演参加者受付開始
14時~17時 講演会(質疑応答含む)
場所:JA共催ビル カンファレンスホール(東京都千代田区平河町2-7-9)
参加費:無料
*当日は障がい当事者の方へ直接ケアすることはできないそうです。

講演:「生きている限り自立した生活」をめざして 小林宏先生(東京理科大学教授・工学博士)
    アクティブ歩行器のお話と実演をはじめとした、福祉分野のロボットについてお話だそうです。

http://wakaba-senensei.com/data/koenkai_20180414.pdf

「わかば」会員以外の方のお申し込みは、FAXで3月31日までだそうですが、人数がいっぱいになり次第締め切られるそうです。

また、その「アクティブ歩行器」については、昨年東洋経済誌で取り上げられましたので、こちらもお読み下さい。

【「歩行支援ロボット」が最新技術が凄すぎる】 ~「寝たきり」となった人への光明~
http://toyokeizai.net/articles/-/189824?page=2

実は私は、3月3日に京都へ行っておりました。
大阪府高槻市の山口研一郎医師が昨年12月に出版された、『高次脳機能障害 ~医療現場から社会をみる~』(岩波書店)の、出版記念会があったのです。

この本は山口先生の高次脳機能障害集大成といえる本ですので、是非皆様もお読み下さい。
前回のブログに私が書いた常石勝義さんのことも、詳しく書かれています。
私が2015年12月に京都市で講演した内容も引用されていますが、(何度も書いていますが)テープ起こしされたものをそのまま引用下さっていますので、山口先生の格調高い文章の中で、私のくだけた話し言葉が、とても浮いていて恥ずかしいです。でも、読んで下さいね!(笑)

ともかくその会で、色々な方と知り合ったのですが、その中に全国遷延性意識障害者・家族の会代表である桑山雄次さんがいらっしゃいました。
桑山さんと話していて、高次脳機能障害と遷延性意識障害と、家族の抱える問題には、やはり共通するものがあると思いました。これから遷延性意識障害についても、改めて勉強していこうと思います。
三池炭鉱事故のことも勉強中ですし、臓器移植やナチスのホロコーストのこと、そのほか色々なことを勉強中で、この年になってまだまだこんなに勉強しないことがいっぱいあるとは、人生いつまでも勉強ですね。勿論、勉強できることは、有難いです。でも、時間が足りない・・・ 

②日本脳外傷友の会の事務局長、東川悦子さんから送られてきたメールで、以下のお願いが記されていましたので、ここでも皆様にご協力して頂きたく、お知らせします。

*****
JDFの差別解消法の事例収集です。     

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が、2016年4月に施行されてからまもなく2年を迎えます。このたび日本障害フォーラム(JDF)では、障害者差別解消法に基づいて、どのように相談や問題解決が行われているかを、障害者またはその家族にお聞きするアンケートを実施することとしました。
アンケートの結果は、個人情報などが分からない形にして、今後のJDFの活動の中で広く活用・公表させていただく予定です。 ぜひ貴団体の会員など、関係する方にご記入をお願いしていただけないでしょうか。

返信は、下記のとおりよろしくお願いいたします。締め切りは、3月30日(金)です。

◆メールの場合 jdf.info2@gmail.com
       (件名を「障害者差別解消法アンケート」とご記入ください)

◆FAXの場合 03-5292-7630 添付をご利用ください。

◆WEBフォームを利用する場合 
 http://www.normanet.ne.jp/~jdf/seminar/20180130/index.html

※上記のURLにアクセスされると、質問事項が読めます。

差別を受けた経験があった場合、それを相談する窓口を知っていたか、その窓口に相談したか否か、した結果はどうだったか、障害者差別解消法の見直しに向けたご意見など、自由に書かれてください。

夜9時、まだ外は雨が強く降っています。
せっかく開いた桜も、凍えていることでしょう。
けれど、明日からは暖かい晴れの日が続くそうなので(東京は)、今週末以降はお花見が楽しめそうですね。満開は29日あたりのようです。
近所の八百屋さんにも、竹の子が並び出しました。

竹の子ご飯を作って、ウメのことが大好きな1人暮らしのおじを、お花見に呼ぼうと思います。



三池炭鉱爆発事故による高次脳機能障害の話の途中ですが、またここで今日は別の話題です。
(三池のことはこれからも書き続けていこうと思っておりますので、このように時々中断しますが、ご了承ください。)

今日の話題は2つありまして、1つが高次脳機能障害者のパラリンピック、もう1つは高次脳機能障害への囲碁療法(4月1日)、その関連として大船渡市での囲碁まつり(5月12~14日)のお知らせです。ちょっと長くなりましたが、最後までお読み頂けると嬉しいです。

ピョンチャンパラリンピックが閉幕しました(コウジさんと同じ深谷市出身の村岡桃佳さんが、5つものメダルを取られました。すごい!)

テレビを見ていて改めて思ったのは、やはり手足を失われた、見た目でわかる障害をお持ちの方はすぐその大変さがわかります。ただ、麻痺がある、という方ですと一瞬普通の方のように見えますし、欠損や麻痺がない精神障害の方は尚更、その障害が見ている人にはわからないですね。

今回高次脳機能障害をお持ちの方が出場されたかは知らないのですが、先日京都でお会いした方の話では、精神障害だけではパラリンピックに出られないようでした。障害者としては同じなのに、身体障害の方しか出られないというのは? でも、たしかに精神障害だけの方に出場資格が与えられるとなると、どの程度の障害の重さなのか、とても判断や線引きが難しいし、嘘の申告をする方が出てくる可能性もありますね・・・。

私はたまたま、高次脳機能障害をお持ちで、2020年パラリンピック出場を目指されている方を2人、存じています。その1人は、常石勝義さん(乗馬)、もう一人は、反町公紀さん(陸上)。反町さんについては、「パラスポ!」という障がい者スポーツの情報サイトの中の、「君の一歩は、未来に向けて」というシリーズで現在5回まで連載されています。是非お読み下さい。http://paraspo.info/ 
反町さんは、中学1年生の時に交通事故に遭われ高次脳機能障害者となり、右麻痺や失語その他の症状があります。

常石さんは、元々騎手でいらっしゃいますが、2度の落馬事故により、高次脳機能障害を負われました。

常石さんが出場を目指されているのは、馬術という種目ですが、これは馬に決まったルートをいかにきれいに歩かせられるかを競う種目だそうです。けれど常石さんは記憶障害があるため、そのルートを覚えられないそうです。出場選手枠は人数が決まっていますから、ほかの記憶障害のない軽い身体障害の方がルートをきちんと覚えられるとすると、常石さんは覚えられないので、これからの選抜にとても不利なようでした。
これは、生命保険の高度障害の項目と同じですね。

手がなかったり足がなかったり、あるいは目が見えなかったり等の身体障害の方は高度障害と認められますが、身体障害のない精神障害の方は、そう認められるのがとても難しいです。社会生活を送りづらいのは、精神障害者でも同じなのですが。いえ、乙武さんのような、手足がなくてもピカピカの頭脳をお持ちで意思疎通に全く困難がなければ、教師の職に就かれたり本を書かれたり社会生活を送れるという素晴らしい見本を前にすると、夫を始めとする高次脳機能障害者は、周りが理解し支えないと働くことができないので、同じどころか、全然違うと思います。

記憶障害が重く、たった今自分がやっていたことをすぐ忘れたり、作話や勘違いも頻繁、しかも本人は作話したり勘違いしているという認識がなく、感情コントロールが難しく、幼稚化し、意欲も低いなど(悪いことばかり書いてすみません)、こういう方たちは1人できちんと仕事ができません。周りに適切なサポートがあれば、仕事ができますが、そのサポートがなかなか得づらく就労できる人がいまだ少ないのは、この障害への理解と支援が、雇用して下さる側にまだまだ不足しているからだなあ、と思っています。
わかりやすい身体障害者と、すぐその障害が見えづらい精神・知的障害者の間には、溝があるなあ、とよく思いますが、パラリンピックでも同じ問題があることを知りました。

繰り返しますが、常石さんには軽い左麻痺があるので、それで出場資格を得られるようですが、軽い麻痺のため、障害の重さで区分されて出場すると、軽い身体障害のみの方たちと一緒の出場になり、記憶障害が重い常石さんは、とても不利なんです。

京都で私と話していた時の常石さんは、とても朗らかでおしゃべりな好青年ですが、普通にペラペラと私と話している途中でいきなり、「すみません。あなたはどなたでしたっけ?」と言うのです。
「柴本礼ですよ。」とその都度答えていましたが、常石さんは私の名刺を目の前に置いてくれるよう頼むので、そうしました。常石さんは、「これを見ながら話せば、ああ、この人は柴本礼さんだ、と確認しながら話せます。」と安心されていました。

こんなに重い記憶障害をお持ちの常石さんが、麻痺のある体で馬をコントロールし、見事出場枠に入れることを祈りますし、出場されても、途中でルートを忘れないよう祈ります。いっそのこと、パラリンピックに高次脳機能障害者だけの枠があるといいのに、とさえ思いました。

2つ目の話題にいきます。
囲碁が高次脳機能障害症状の改善に良いのでは?と思い出して、私が夫をサポートすべく、近所の囲碁教室へ通い出してもうすぐ1年になります。
でも私が忙しくて、囲碁教室を休んでばかりなのと、家で夫に教える時間がないのと、あってもその時夫は、「囲碁?やだよ。もう目がしょぼしょぼして眠いんだから。」と言って寝てしまうので、いまいち効果がわからない1年でした。

でも昨日も私の実家へコウジさんを連れて行き、母と2局打ってもらいましたが、そばで見ていると、なかなかの腕前なんですよ、これが。どう考えても、元々コウジさんには囲碁センス、才能があるとしか思えません。1年間、休み休み囲碁教室へ行っている私より、1度も行かずに大森の月1回の囲碁と高次脳機能障害の集まり(木谷正道さん主宰)と、月数度の母との対局しかしないコウジさんの方が、パッパといいところに碁石を置いていくのです。一般的な話としても、囲碁に向いている人、向いていない人はあると思いますしね。
きっとコウジさんが私のかわりに囲碁教室へ行った方が、絶対上達は早いと確信しますが、「囲碁教室?毎週土曜日に決まった時間へ行かなくちゃいけない、というのは嫌だね。家でゴロゴロしていたい。」と申します。がくっ。

たしかに月~金障害者枠での仕事に頭をフル回転しているコウジさんは、平日は帰宅後ぐったりしていますから囲碁の勉強は無理、土日はゆっくり脳を休めたいというのもわかります。聞くところによると、高次脳機能障害者は程度にもよりますが、普通の人の8割?6割?の脳で生きているそうですから、そりゃあ疲れますよね(不確かな情報ですみません。とにかく脳に損傷を受けているので、普通の人と同じ生活をしていたら、脳が働かされ過ぎてすごく疲れるのです。それを易疲労性といいます)。

ところでその月1回の大森の囲碁の会に、このたび東京都健康長寿医療センターの研究員である飯塚あい先生(脳神経内科医)がいらしてご講演下さることになりました!そのお知らせです。

日時:4月1日(日)午前10時~10時半
場所:大田区障害者総合サポートセンター(さぽーとぴあ)5階。 大森駅からバス5分くらい、下車して徒歩3分くらい。
内容:「囲碁と認知症」飯塚あい先生(脳神経内科医・東京都健康長寿医療センター研究員)

飯塚あい先生がプロジェクト主幹として関わられた、日本初の本格的な臨床研究「囲碁療法プロジェクト」の結果、「囲碁の認知機能への介入効果に関する論文」がアメリカの認知症に関する学会誌「American journal of Alzheimer's and Other Dementias」に、昨年12月に掲載されたそうです。

そこには、
●囲碁の学習を行うことで、施設入居者の注意機能、全般的認知機能が維持・向上する可能性が示された。
●認知機能が低下していても、囲碁の基本ルールの理解が可能であり、プログラムを完遂することができた。
●施設で実施するプログラムとして、本プログラムは効果的かつ幅広い認知機能の人を対象に実施できる可能性がある。

とありますが、このご研究は、きっと高次脳機能障害者にもあてはまると思いませか?。
高次脳機能障害の囲碁療法にご関心があってご都合のつく方は、是非4月1日(日)10時までに、さぽーとぴあへいらして下さいね。もちろん私もコウジさんと参ります。

囲碁の会はいつも通り9時半から同室で始まっていますので、そちらもどなた様でもいらして下さい。手ぶらで結構です。囲碁ボランテイアの方々が教えて下さいます。13時半からは、心の唄コンサートが1時間ほどあります。(おにぎり2個とお茶、お菓子が出ますので、1人400円の会費を入口でお支払い下さいね。)

この大森の高次脳機能障害と囲碁の会を始められた木谷正道さんは、5年前から被災地支援として、岩手県大船渡市で囲碁まつりというものを開催してこられました。今回は5回目となり、日程が決まったそうですので、お知らせします。

【第5回 碁石海岸で囲碁まつり】
5月12日(土)~14日(月)
行きは8時48分東京発やまびこ43号で11時23分一関着後、貸し切りバスで大船渡市内の会場へ。
帰りは14時50分一関発やまびこ50号で17時24分東京着。宿泊は大船渡温泉。
参加棋士は王銘琬九段、信田成仁六段、岡田結美子六段、村上深元アマ本因坊・5月に行われる世界アマ日本代表。
費用は東京発の方は5万円から5万7千円ほど、一関発の方は3万2千円ほどだそうです(交通費・宿泊費、、前夕祭、津波伝承館、碁石海岸ツアーなど込み)。

(また詳細は追ってお知らせします。)

どれくらいの方が参加希望されるかわからないので、とりあえず希望される方は4月2日くらいまでに、コメントで連絡下さい(個人情報なので非公開にします)。正式申込は4月10日までのようです。私もやることが多くて、昨年は行きましたが今回は行けない、と今まで思っていましたが、検討中です。

宜しくお願いします。



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