日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2018年04月

今日も、暑かったですね。
今日は私の実家へコウジさんと行き、母とコウジさんが2局、母と私が1局囲碁を打ってきました。

私が母とまともに対局したのは初めてですが、1年石倉先生教室に通った成果が出てきたのか、最近なんとなく手ごたえを感じてきていた私が、なんと、母に勝ちました。といっても、5子置かせてもらったのと、母はずっと古い歌を鼻歌で歌いながら打っていたので、真剣じゃなかったみたい。・・・って、なんで囲碁を鼻歌まじりでするのか、不思議な母です。
コウジさんと対局する時にも、母はその古臭いなんだかわけのわからない歌を歌いながら打っていて、「おかあさん、なんですか、その歌は?」と笑っていたコウジさんが、2敗しました(やはり5子置かせてもらって)。

いつものように実家の片付けをしたり、お薬カレンダーに薬が入っているか確認したり、食料買い出しに行ったりして、また車を飛ばして帰ってきました。
気づけば今日は4月最終日なので、例のヤマダ電機の500円券を今日使わないと勿体ない・・・ということで、また夕方からヤマダ電機へ行って、金券も使って必要なものを購入。義務を果たしたような気分で、ほっとしました(笑)。

さて、来月以降の、高次脳機能障害関係のイベントのお知らせを。
(ご存知の方も多いと思いますが、「国立障害者リハビリテーションセンター」のホームページ中の、「高次脳機能障害情報・支援センター」の項をクリックされると、ある程度の情報は出てきます。

●5月19日(土) 14時15分~16時
「いちごえ会6年間の歩みと社会復帰にむけた課題」
上田敏先生 (日本障害者リハビリテーション協会顧問、元東京大学教授)
*講演に先立ち、13時~14時
「小金井市の障がい福祉施策について」 福祉保健部自立支援課 課長加藤真一氏

会場:小金井市市民会館「萌え木ホール」3階
参加費:1,000円(会員無料・当日入会の方無料)
主催:高次脳機能障害者小金井友の会いちごえ会
後援:小金井市
お申込み:ホームページ(http://ichigoe.org/)、メール(info@ichigoe.org)、TEL・FAX(042-401-0051)

●5月20日(日)13時~15時半(12時半開場)
はちおうじ高次脳機能障害者家族会「はっちゃん」 第2回総会・特別講演会「高次脳機能障害との上手なつきあい方」
講師は橋本圭司先生(はしもとクリニック経堂院長)
場所:北野市民センターホール(きたのタウンビル8階)(東京都八王子市北野町545-3)
対象:どなたでも
定員:150名
主催:はちおうじ高次脳機能障害者家族会「はっちゃん」
参加費:無料
お申込み: チラシをブログよりダウンロードいただき裏面に記入し、はっちゃん事務局あてにfax.いただくか  hacchan.koujinou@gmail.com まで
お問い合わせ:はっちゃん事務局(南多摩高次脳機能障害者支援センター内)担当・江村さん、西村さん。
TEL:042-666-5882、FAX:042-666-5881
Email:hacchan.koujinou@gmail.com
ブログ:http://blog.livedoor.jp/hacchan802/

●5月27日(日)10時45分~17時半(受付開始10時~)
第1回 高次脳機能障害実践的アプローチ講習会
主催: 特定非営利活動法人東京高次脳機能障害協議会(TKK)
場所: 東京慈恵会医科大学 西新橋校 大学1号館3階講堂 (東京都港区西新橋3-19-18)

座長:渡邉 修氏・山口加代子氏
プログラム
① 菅原 誠氏…東京都立中部総合精神保健福祉センター/副所長/精神科医
  [高次脳機能障害者の就労と復職に向けた精神科リハビリテーション]
② 廣實 真弓氏…帝京平成大学/言語聴覚科/言語聴覚士
  [高次脳機能障害のある方のコミュニケーション障害の特徴とその対応]
③ 中村 美恵子氏…東京中央障害年金相談センター/所長/特定社会保険労務士
  [高次脳機能障害の障害及び労災認定の流れとポイント]
④ 渡邉 修氏…東京慈恵会医科大学附属第三病院/リハ科/医師
[事例検討:困難事例について会場の皆さんと討論会]

<お申込みについての問合せ>
担当:藏方さん E-mail:kurakata@brain-tkk.com、 mobile:090-1734-5114
*お申込書は、TKKのホームページからダウンロードされて下さい。
事前申し込みが必要です。また、受講費5千円がかかります。

ほかにも、「港区相談会」(原則毎月第3木曜日)や、「TKK 医療及び家族相談会」などがありますので、詳細はTKKのホームページをご覧ください。

尚、ついでですのでこの場でお知らせしますと、今のところの私の今後の講演予定は、9月2日(日)茨城県、9月8日(土)墨田区の防災と囲碁と障害イベントのパネリスト・10月20日(土)調布市、11月6日(火)横浜市神奈川区、同11月18日(日)品川区、12月9日(日)千葉県柏市・・・ となっております。詳細がもっとわかり次第、改めてこの場でお知らせします。

今日は連絡事項で長くなりましたので、このへんで終わります。
ではまた・・・

あ! もちろん、5月6日(日)の、大森のさぽーとぴあ(大田区障害者総合サポートセンター)での、高次脳機能障害と囲碁の例会・心の唄バンドミニコンサートには、是非沢山の方のお越しをお待ちしています!詳しくは4月22日の私のブログをお読みくださいね。
 

珍しく朝の投稿です。

世の中はゴールデンウイークに入りました。
この連休中にこそ、愛犬ウメに初めての海を見せに連れて行ってあげたいのですが、昨日も今日も夏のような暑さなのでやめておきます。

犬といえば、12月5日のブログの「老犬たち」で書いた3匹の犬たちは、天に召されました。
1月にレン君(ガン)、3月にナナちゃん(高齢と認知症)、3週間前にミミちゃん(やはり高齢と認知症)。
ウメはそれぞれの犬がいた家の前を通ると、足を止めて犬たちの姿を探します。もう犬たちがいないことに慣れるまで、しばらくこういう日が続き、私も寂しく足取りが重くなります。

飼い主さんたちも、犬がいたら散歩で表へ出ないわけにはいきませんでしたが、いなくなるとそれがなくなり、社会との接触も減り、季節の移り変わりもあまり気づかなくなるのではないでしょうか。ミミちゃんの飼い主さんも、「ミミちゃんがいたから、こうして色々な人と知り合うことができ、ミミちゃんに感謝しているの。」と言っていましたし、ナナちゃんの飼い主も、ウメを遠い目をしながら見たり撫でてくれたりします。

犬を連れていない元飼い主さんたちの姿は、なんとなく寂しげで物足りなく頼りなさげに見えるのですが、それは決して外見だけではないように思えます。
動物病院で知り合った8か月の犬の飼い主さんは、「実は4年前まで犬を飼っていました。4年ペットロス状態が続いていましたが、もう耐えられずまた飼い出したんです。」と笑顔をほころばせていました。

そういうウメも11歳で、最近知り合う、2歳とか3歳とかその8か月とかの若い犬たちの飼い主さんたちからは、ウメの年を教えると、「わあ。」と言われます。「わあ、もう結構お年ですね。」という意味だと思いますが、せめて15歳、16歳くらいまでは生きてほしい、でっぷりしたウメの背中を、愛おしく切なく見ながら歩きます。まだ大丈夫そうですが、最近は家の中の階段上り下りや、ソファーやベッドへ上るのも大変そうなので、踏み台でも買ってあげようと思っています。階段を上ってくる時は、途中で私が抱っこして上らせてあげることも。知り合いの家では、犬が階段を降りられずに「クンクン」悲しげに鳴くので、やはり抱っこして下してあげているそうです。
私も自分がもっと高齢になったなら、平屋かマンションに移りたいな、と思います。今でもモップかけやら洗濯物干しやらの家事を含め、1日数十回?の階段上り下りは、かなり大変なんです。

今週は、ウメの健康診断とフィラリア検査と薬処方で動物病院へ行きましたが、先週も狂犬病予防接種と外耳炎と目の下にできたイボと足にある(多分良性の)腫瘍で病院へ行きました。待合室には色々な犬猫がいるので、おしゃべりな私は1人1人に「今日はどうされました?」と声をかけ、亡き猫おはぎちゃんを見送った体験談をしたり、相手の方の犬猫の話を聞いたり。そこで得た病気や介護の知識なども、今後役に立ちます。

ウメのイボと足の腫瘍は、今後も経過観察で、あまり大きくなるようだと、切除手術となるそうです。大きくならなければいいなあ、と毎日大きさを見ていますが、私の心配がウメにわかるといけないので、ウメが気持ちよさそうに目をつむるまで一所懸命撫でています。いつかは撫でられなくなるこのウメだと思うと、毎日思いっきり触って撫でたいのです。撫でているとまたコロッとした腫瘍に指先が触れることもありますが、これらも良性腫瘍だろうと判断し(大きくならないし、太った犬はあちこちにこういう良性腫瘍ができると聞きますし、腫瘍をぶらさげて歩いている犬達も見ます)、あまり気にしていません。でも人間よりずっと早く一生を駆け抜ける犬猫をそばに見ている毎日では、いつも自分たち人間の一生にも思いを馳せます。

昨日は囲碁教室でした。まだまだ下手ながら囲碁は面白いけれど、頭は疲れます。もっと「囲碁脳」ができてくれば、こんなに疲れないのだと思うのですが。

今晩23時25分からTBSテレビ「情熱大陸」では、「ハタチの情熱」として一力遼八段が出ます。見なくっちゃ(すみません、最初に投稿した時、時間を23時からと書きましたが、訂正します)。
また、明日4月30日の18時5分~18時43分はNHK総合テレビで、「さらなる高みへ~囲碁七冠 井山裕太~」が放送されます。これも見なくっちゃ。

今日のお昼からは久しぶりに、NHK総合の囲碁番組を見られそうです。このところ日曜日というと、私の実家へ行くことが続いていましたが、母の足の痛みも整骨院へ通って直り、1人でまた歩けるようになりましたので、週2回実家へ行くペースを、週1ペースに戻せるかな。いえ、何かと心配だったり用事があったりで、行ける時はなるべく行こうと思っていますけれど。それに実家では、コウジさんと母にとって囲碁をする時間が2人の楽しみになっているので、連休中は2回は行きたいと思います。

コウジさんは深谷の自分の実家にも行くようです。ウメの散歩があるので、なかなか2人そろって深谷へ行けません。どちらかが家に残って、可愛い寂しがりのウメの世話をしないとね。
両家の母たちもそれぞれ80歳を越えましたので、これからは2人のことを益々気にかけないと。ウメのことを大好きな優しい1人暮らしの叔父も、もうじき80歳ですので、そちらも気になります。

囲碁棋士の小林光一さんが、紫綬褒章を受賞されました。おめでとうございます。小林棋士は木谷道場の故木谷實門下で、木谷正道さんのお姉さまの故小林麗子さんのご主人でした。娘さんは小林泉美さんでそのご主人は張栩さんです。 
小林棋士の著書『棋士ふたり』は古い本ですが、亡き奥様への思いが込められた素敵な本です。小林さん受賞記事をコウジさんに読んでもらいながら、「こういう本が家にあるよ。いい本だよ。」と教えますと、早速コウジさんは今読み始めています。障害ゆえ飽きっぽく、なかなか1冊の本を最後まで読めない彼ですが(若い頃は読書家だったのに)、読みやすい本ですし、内容が心温まるものですので、彼にも読めるのではないでしょうか。

昨夜は2人で池上彰さんの北朝鮮やアメリカ、韓国を話題とした番組を見ていてとても勉強になりました。でも見終わるとコウジさんは、内容を忘れています。「いい番組だったとは覚えているんだけど。」という彼に、1つ1つまた教え直していたら眠くなって寝ました。けれど今朝もまたコウジさんは忘れているので、また教えました。こうしていつかは記憶に定着すると思いますけれど、はあ、疲れる(笑)。

娘ワッチも今日は家にいるようなので、不調のこのパソコンを直してくれるそうです。助かる~!

山極清子さん本



昨日からいつも使っているパソコンが不調になり、ずっとあれこれいじっていましたが、イマイチ直りません。
でも、なんとか今ブログ投稿できる状態になりましたので、投稿します。ああ、もう午前1時だ・・・。眠いです(笑)。

最近、福田淳一元財務次官のセクハラ問題が世の中を騒がせていますが、まずは声を上げられたテレビ朝日の女性記者の勇気に拍手を送りたいです。今までもきっと同様のことが、この日本社会のいたるところで延々と続いてきたのでしょう。
新聞を読んでいると、演劇界でもしかり、新聞社でもしかり、一般企業でもしかり。先進国でありながら、この国の女性への扱いは最後進国もいいところです。そのほか、女性は相撲の土俵に上がれないという「伝統」があったり、女性は会員になれないゴルフクラブもあったり、オドロキです。

セクハラが起きるのはなぜなのかを考えると、やはり女性管理職が少なすぎたり、女性の国会議員が少なかったり、日本が依然として男性社会であるからでしょう。もし国会議員、会社、演劇界、テレビ局、新聞社、その他どの世界でも、構成人数の半分以上が女性だったり、管理職の女性が多ければ、このような情けない男性によるセクハラなんて、起きないのではないかと思います。すぐ懲戒免職にされるものね。

大体、日本がこれほど女性後進国というのはおかしい、とそろそろ皆で思わないといけなことです。
かくいう私も、大学卒業後勤めたメーカーで、女というだけで初任給が男と違うのを目の当たりにし(同期入社の男性社員と給料明細を見せ合ったので。笑)、当然ながら面白くありませんでした。が、元々メーカーはお給料が安くて、私の5歳ほど上の上司のお給料も、あんまり私と変わらない額でしたので、すごく不満だというところまではいきませんでした(苦笑)。

以前にブログに書きましたが、私は定年まで働くつもりで入社したのに、直属の上司に不満で早々に嫌気がさして会社を辞めてコウジさんと結婚し、イラストレーターになったのでした。今は変なマンガ家になっていますけれど。元々イラスト仕事をしたかったので、最初からそうすれば良かったのに、大学卒業時点はまだ本当にやりたいことに目覚めていなかったのだといえます(遅い!)

イラスト仕事をしていた時は、男女差は感じませんでしたし、本や原稿を書いたり講演したりの現在も、感じません。なので、セクハラ被害に遭いづらい環境にいたといえますが、今回の事件をテレビや新聞で見たり読んだりしていると、こんなにも職場で嫌な目に遭っている私と同じ女性たちがいるのか、とショックと怒りを覚えます。そして今なお子供だましの言い逃れを続ける次官、擁護発言して恥じない大臣らに呆れて、こちらの方が恥ずかしくなってきます。

さて、今日は本のご紹介です。それは山極清子さん著『女性活躍の推進 ~資生堂が実践するダイバーシティ経営と働き方改革』(経団連出版)。山極さんは、資生堂の人事部課長として1997年以来、同社の女性活躍推進施策を進めて来られた方で、現在は株式会社wiwiwの社長でいらっしゃいます。そのご経験から書かれたこの本は、企業、女性、そして男性たちにも是非読んで頂きたいです。なぜなら山極さんが本の中で書かれているように、「女性のキャリア形成と育児や介護、家事との両立は、男性のそれらへの参画なしには進まない」からです。

ただ、次のくだりを読むと、われら女性は絶望的な気持ちになりますよ。

「世界経済フォーラムが2015年に発表したジェンダー・ギャップ指数をみてみると、日本のジェンダー平等度は、測定可能な145ヵ国中101位ときわめて低く、G7のなかでも最低である。また、内閣府の『男女共同参画白書』(平成27年度版)によれば、わが国の管理的職業従事者の女性比率は11.3%であり、アメリカ43.7%、ドイツ28.6%、イギリス34.2%などの欧米諸国と比較して、圧倒的に低い。さらに2009年に国際女性経営幹部協会が発表した、OECD加盟42ヵ国を対象とした女性取締役比率では、世界上位10ヵ国の平均が18.9%であるのに対して、日本はわずか1.4%にすぎず、意思決定ボードに参画する女性比率はきわめて低い。」

なんてこった、です。その理由について山極さんは、「日本企業には、個々人の職務内容が曖昧で、必要とされる能力や知識、スキル、業務の責任範囲が体系化されていない状況がいまだみられる。そのようななかで人事評価が行われると、労働時間の長さが評価基準にされる傾向があり」、「企業に対する忠誠心は長時間労働やサービス残業などの形で温存され」、高度経済成長が終わり、バブルが崩壊したあとでも、いまだにこうして男性正規従業員の長時間労働が続いているとのこと。

すると、先進国ではほぼ消失したM字型就労カーブ(女性の就業率が、出産・育児期にあたる30歳代で落ち込むことを示す)が、日本では40年以上も続いていて、このことが女性の就労、ひいては女性の管理職や国会議員の少なさに大きく影響しているといえます

私がそうだったように、女性社員は男性社員よりお給料が低いことに不満を持ちながらも(それは女性がすぐ辞めるからですが、卵が先か鶏が先か、でお給料が高かったり男性と平等なら、そう簡単には辞めないと思うのだけれど)、それが暗黙の了解となり、その諦めが慣れっこになります。そして将来、夫婦どちらが育児をするか、介護をするか、という問題となった時に、お給料の安い女性の方が勤めを辞めて、M字型になるのですよね。あるいはM字にすらならず、そのまま家庭にとどまってしまうのです。
これではいつまでたっても、女性は働く場で活躍できません。

ところで資生堂は、2016年1月時点で、資生堂グループの海外事業所のリーダー(部下をもつ管理職)に占める女性の比率は64.5%で、日本国内でそれは27.0%と、日本企業のトップクラスだそうです。社員の8割が女性という資生堂にあって、女性の活躍推進は必要だとはいえ、1995年時点では管理職はまだ3%しかいなかったそうです。

この20年の間になにがあったのか、どういう戦略が行われてきたのか、この私のブログではとても書き切れませんので、ここではご紹介にとどめますから、ご関心のある方はやはり本を読んでください。

ちなみにアメリカの企業が女性の管理職登用に本腰を入れたのは、1980年第後半から1990年代にかけてだそうで、その背景には、「アフリカ系やアジア系、ヒスパニック系等の移民が増加し、労働市場における白人男性だけでは人材確保が困難になったこと」「企業の競争力を維持するため、女性をはじめ少数民族、移民、マイノリティーといった多様な人材を組織に取り込まなければ企業の持続的発展が望めなかった」ことがあるそうです。これにより、アメリカでの女性の管理職や役員登用が促進されていったとのこと。なるほど。

一方ドイツでは、「1970年第半ば以降、急速な工業化により労働力が不足し、労働の質的変化などへ対応するため、女性の労働力を必要とするようになった」そうです。

日本も、山極さんが書かれているように、少子高齢化による生産年齢人口の減少を補うためにも、女性の生産活動への参加と女性管理職登用に道を拓くことがこれから益々必要となってくるのでしょう。

・・・ということで今日の話のまとめは、セクハラをなくすには、女性管理職や女性の国会議員数が増えること、女性がもっと社会進出することが必要で、そのための制度も勿論整えられていかなくてはならないでしょう、ということでした。

山極さんとは、犬を通して知り合いました。このご縁を大切にしながら、私ももっともっと社会に目を向けなくては、と思います。


5月6日(日)午後1時から、大田区障害者総合サポートセンター(さぽーとぴあ)の5階(多目的ホール)において、いつもの「高次脳機能障害と囲碁」の例会に加え、「心の唄バンド」のミニコンサートがあります。

【心の唄ミニコンサート】
日時: 2018年5月6日(日)午後1時~
場所: 大田区障害者総合サポートセンター(さぽーとぴあ) 5階多目的ホール
     大田区中央4-30-11  電話03-5728-9133
     JR大森駅西口より徒歩20分 、あるいは東急バス5分「大田文化の森」下車徒歩3分ほど。
出演:木谷正道と心の唄バンド
    ヴァイオリン奏者 高山仁志さん(高次脳機能障害者)
曲目:情熱大陸・時の流れに・アメージング グレイス・君をのせて・花束を君に・冬の蝉・チングヨ・ポンユー・ハナミズキ ほかにもピアノソロ、ヴァイオリンソロ、童謡メドレーなど盛り沢山!
お問い合わせ:栗城さん Email: kurishiro@live.jp Tel: 080-5450-0052
参加費:無料

尚、いつものように囲碁の例会も9時半~12時と13時~15時に、3階集会室で開かれています。
こちらは、お茶とおにぎり付きで参加費400円です。

障害があってもなくても、少し興味がある方、雰囲気を味わってみたい方など、どなたでもお気軽にどうぞ、とのことです (でもこのブログを読んで大勢いらっしゃると、おにぎりやお茶が足りないかもしれません。なので、来られる前に栗城さんに一応ご連絡頂けるようお願いします)。

高山仁志さんは、ご実家の盛岡から単身上京、現在世田谷で独り暮らしをされながら学校に通い、ヴァイオリン制作やヴァイオリン演奏をされるご生活です。心の唄バンドと一緒にコンサートに参加されるのは初めて。是非皆で応援しましょう!

先日、新宿のスタジオで行われた、心の唄バンドと仁志さんの初顔合わせと初練習を、見学してきました。
仁志さんが真剣に演奏される姿や、愉快で優しいバンドの皆さんに囲まれ、恥ずかしそうな嬉しそうな笑顔がとても素敵でした!

5月6日のコンサート、私もドキドキワクワクしながらコウジさんと聞きに行きます。
あ、その前に囲碁の時間がありました(笑)。こちらも頑張ります!

(心の唄バンドリーダーの木谷正道さんから、2つコメントが入っていますので、こちらも是非お読み下さい!)

今日の話は、思い出話が入るため、ちょっと長くなります。

30年近くずっと親交のあったアメリカ人の女性が亡くなられたという知らせを、娘さんから頂いたのは、10日ほど前のことでした。

突然の知らせに驚き、娘さんとメールのやりとりをしたり、日本国内で女性のことを知っている方に連絡したりの慌ただしい日々が過ぎ、今は在りし日の女性の写真を見ては、コウジさんと思い出話をしながら涙を流しています。写真はまとめて整理して、コピーを娘さんに送る約束をしました。もしかしたらビデオもあるかもしれないので、これから探すところです。

時々このブログでもその女性の方のことは書いてきましたが、アメリカ北部のニューハンプシャー州ハノーバーにある、「ケンダル・アット・ハノーバー」というところに1人でお住まいでした。

そこは「大学連携型ケアリング・コミュニティ」であり、主にダートマス大学の関係者がリタイア後に住まわれているそうです。女性の夫は元ダートマス大学の教授でしたが、6年前に亡くなりました。その時も涙に暮れました。ご夫婦は私達一家のことを気にかけてくれ、来日された時にはお会いしていましたし、毎年クリスマスカードなど手紙のやりとりをしていました。

お付き合いは、コウジさんが銀行員だった1989年に、MBA(経営学修士)取得のため企業派遣された大学院で始まりました。コウジさんが派遣されたのは、新潟県南魚沼市にある国際大学(大学院)というところでした。まだ娘ワッチが生まれる前で、私もコウジさんも20歳代。上越新幹線が止まる浦佐駅のそばにある大学の世帯寮に、2年住みました。そこは八海山のふもとの、清流魚野川が流れる自然豊かな土地で、多くの外国人留学生や、コウジさんと同じく企業派遣されてきた日本人学生との生活は、新しい出会いや発見、学びの場で、本当に素晴らしいものでした。

外国人ばかりなので、コウジさんの授業はもちろん英語ですし、私の日常生活も慣れない英語ばかりでした。私はもう1人の奥さんと、日本の歌を教えるクラブを作って外国人留学生たちに教えたり、世帯寮では「ポットラックパーティ」といって、それぞれの家が作って持ち寄った料理でパーティをよく開きました。学生寮や体育館では、アジアの学生が主体となって開く「アセアンナイト」や、アフリカの学生によるお祭りもあり、食べたことのない料理や、見たことのない踊りを堪能しました。私のこれまでの人生で、とても若く輝いていた2年間です。
欧米・中近東・アジア・アフリカ諸国の学生たちと友達になり、世界は皆兄弟、と思いました。

世帯寮で隣に住んでいた中国人夫婦の家で、奥さんのリュウさんが春巻きを私に教えながら作ってくれもしました。とても慎み深く美人で優しいリュウさんは、丁寧に繊細な料理を作られました。リュウさんのことを、よく思い出します。今、どうされているかな。

2年目に、「サマープログラム」という1か月近いアメリカ研修旅行があり、せっかくなので私ともう1人の奥さんは、自費で夫について参加しました。夫たちが大学で勉強したり企業訪問したりしている間、私と彼女は大学の町を歩き回ったり、美術館へ行ったりしました。その大学教授夫妻やほかの大学教授夫妻たちは、ご自宅に私たち学生と妻たちを招いて下さったりドライブに連れて行って下さったりしたので、普通の観光旅行では味わえない素晴らしい経験をしました。 それも、コウジさんと結婚したおかげなので、彼には本当に感謝しています。だからよけい、大事にしなくっちゃ!(笑)

亡くなられた女性が住んでいた「ケンダル・アット・ハノーバー」は、CCRC (Continuing Care Retirement Community) というそうで、「健康な間に入居し、人生最期の時まで継続してケアを提供する高齢者コミュニティーを意味する」 のだそうです。

私のブログの2015年3月16日、3月22日、4月20日に書いたことのくり返しになりますが、そのようなリタイアメント・コミュニティとは、米国において高齢者が定年後の生活を安心して満喫できるように1960年代から始まった街づくりで、入居されているのは、要介護者やその家族だけではないそうです。健常者棟、介護棟、認知症棟とあって、自分の健康状態に応じて移住できるので、引っ越しの負担がないとのこと。

実際、「ケンダル・アット・ハノーバー」では、8割以上の居住者が健常者で、明るくはつらつとした高齢者が多いそうです。元気な高齢者たちは、ダートマス大学の生涯学習講座を気軽に受講しています。

またそのコミュニティーでは、自分たちが何をやりたいかを居住者同士の委員会で決め、レクリエーションや行事の運営を自主的に行っています。

高齢者が元気になれば、医療費も抑制されるし、消費も増え、コミュニティーで働く人々の雇用も生み出し、地域が活性化します。
実際、このコミュニティーの平均年齢は84歳だそうで、アメリカの平均寿命の79歳を大きく上回っているのです。
もちろん、隣接するダートマス大学病院メディカルセンターと連携がとれていることも、居住者の健康状態を維持するのに大きな役割を果たしているでしょう。

・・・ 以上のことは、三菱総合研究所プラチナ社会研究センター主席研究員、松田智生氏が、実際に「ケンダル・アット・ハノーバー」を訪れてレポートにまとめられたものを、ネットから引用して書いています。

https://www.mri.co.jp/NEWS/magazine/journal/55/__icsFiles/afieldfile/2012/03/19/jm12031116.pdf#search=%27%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8F%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%27

松田氏は、CCRCは、「四方一両得になる」 と仰っています。
つまり、「シニアにとっては健康で生きがいある人生を送ることができ」 「大学連携型なら学生も多くのメリットを得ることができ」 「企業には住宅、ヘルスケア、学習、金融などの新規事業でビジネスチャンス」 「自治体にも雇用が生まれ税収が増え、地域が活気づきます」 と。

松田氏のご研究にとても共感するものがあるのと、「ケンダル・アット・ハノーバー」に私の知人女性が実際に住んでいらっしゃるのとで、直接松田さんにコンタクトしたのは、3年ほど前のことです。 以来、お会いしたことはありませんが、松田氏のご活動は注視しておりますし、松田氏からは時々CCRC関連の情報を頂くこともあります。昨年はNHKにも出演されていましたし、本も出されていますよ。http://platinum.mri.co.jp/recommendations/book-report/ccrc-book

政府は主に首都圏の高齢者の地方移住を促すことで、人口集中の緩和と地方の活性化を目指す「日本版CCRC構想」を掲げています。

ただ、アメリカの富裕層向けCCRCをそのまま日本に適用するということではなく(それは難しいようです)、日本の高齢者が年金でまかなえるようなCCRCを目指しています。でも、それまでの住み慣れた土地から見知らぬ土地へ実際移ろうという気になる人はやはり少ないようです。近所や友人知人との繋がりが途切れますからね。
ちなみに「ケンダル・アット・ハノーバー」に移られた知人は、ご自宅も元々そのすぐそばでした。

松田氏(三菱総研)は最近、「逆参勤交代構想」というものを打ち出されています。
それは、「首都圏の大企業が社員の数%を数週間、地方で勤務(参勤)させる期間限定型リモートワークのアイディアであり、働き方改革と地方創生を同時に実現させる可能性を秘めている。」というものだそうです(三菱総研HPより。あるいは「週に数日は本業、週に数日は地域のために貢献する」、という松田氏の言葉もあります。)
今のところ乗り気な自治体に対し、足踏みしている企業が多いようですが、とてもいい構想だと思うので、「一歩踏み出す勇気を」と松田氏が言われているように、企業側がその気になってくれるといいですね。

ご関心のある方は、以下もお読み下さい(松田氏から送って頂いたのが昨年11月ですので、ちょっと古い記事ですが)。

コラム「逆参勤交代で働き方改革と地方創生の両立を」(常陽産研News)
 http://platinum.mri.co.jp/sites/default/files/page/jir_201710.pdf

社説「逆参勤交代-働き方改革・地方創生の効果検証を」(日刊工業新聞)
 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00443460

知人女性が亡くなったことで、また日本型CRCCへの関心や、ご無沙汰していた当時の友人ら、そして知人女性の娘さんとの縁が復活しました。

娘さんから送られてきた資料により、お母様が夫の秘書的な事務だけでなく(大変著名な教授でしたから、そのサポートや関係者の接待だけでも膨大な仕事の量だったと思います)、地元の自然保護活動や博物館創設にも多大な尽力をされた方だということを知りました。
偉大なご夫妻でした。

アメリカはなぜあんなトランプさんのようなおかしな大統領を選んだのだろう、といつも不思議に思うのですが、そのご夫妻のことを思い浮かべると、「アメリカにもあんなに立派な、良識と慈悲と知性と優雅さと温かさを持たれた方がいるのだ。」と安心するのです。

亡くなられたのは寂しいですが、頂いたご恩とご厚意と素敵な数々の思い出を胸に、これから娘さんに送る写真選びをします。

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