日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2018年08月

今日も暑かったです。 ウメの散歩で、汗びっしょりになりました。
講演が10個入っているので、頭が少し混乱しながら、それぞれの担当者とのメールやりとりの日々です。
それと、家のあちこちを掃除してまわっています。

ウメの抜け毛が相変わらずすごい量なので、毎日粘着テープのコロコロや、モップかけ、床拭きは朝から晩まで何度もしていますが、月に1回、来客があるようになったので、余計掃除に時間かけるようになりました。

その来客とは、囲碁教室で仲良くなった方たちとの勉強会を、我が家でやるようになったので(8月17日のブログ参考)、そのおばさま方です。やはり人を招くとなると、物が多く雑然とした我が家が気になってきて、これをきっかけにもっとすっきりさせようと思ったのです。 また、トイレと思ってお風呂場を開ける方もいるので(笑)、お風呂場も天井までピカピカに磨いたり、トイレのスリッパを間違えてリビングまで履いてこられ方もいるので、(ああ、このスリッパもそういえばもう古いな。気分を替えて新しいものにしいよう。)と買ったり、、ほこりをかぶった壁掛けのフラワーアレンジメントも気になり、それを作ってくれた友人に家に来てもらい、新しいのを頼んだり・・・ 段々綺麗になっていく我が家。 来客効果です。 今日は、コウジさんとワッチの薬や、溜まった領収書の整理(古いものは捨て)、ワゴンの上の整理(古い食料品の処分)などやっていたら、数時間かかりました。

さて、今週末と来週末は、講演会とイベントがありますので、そのお知らせです。

9月2日(日)は、茨城県で講演会です。

http://www.org-domain2.plala.or.jp/rihakon/2018pdf/irts2018_01.pdf#search=%27%E8%8C%A8%E5%9F%8E%E7%9C%8C+%E6%9F%B4%E6%9C%AC%E7%A4%BC%27

13時から茨城県立医療大学の112講義室というところで始まり、参加費は無料、定員は150名で、当日受付あります。日本損害保険協会の助成事業です。

私は15時からの第二部で講演致しますが、13時10分からの第一部の講演の講師を務められるのが、小林春彦さんという当事者の方です。 私はお名前は存じていましたが、お会いするのは初めてです。

事前勉強に、どういう方なのか、ご著書『18歳のビッグバン』を買って読んでみて、驚きました。
私が知っている多くの高次脳機能障害の方々とは、随分様子が違います。
記憶力も良くて、細かなことまでよく覚えていらっしゃいます。意欲も非常におありで、企画したり行動したりが得意なようです。発信力が大きいです。 物忘れも多くなり、外出も億劫になっている私より、ずっと「できる」方に思えます。 やはりお若いからかなあ。

こういう方も、高次脳機能障害なのか・・・ と驚きながら、とにかく当日お会いできることを楽しみにしています。

9月8日(土)は、第6回首都防災ウイークです。ウイークなので、明日9月1日(土)~9日(日)の10時~17時まで開催していますが、私が関係するのは、8日13時半からの歌と、15時からのトークです。

場所は、東京都横網町公園と東京都慰霊堂です。(墨田区横網2-3-25)
10時~12時は 関東盲学校囲碁大会・障害者囲碁大会・ペア碁大会(南側室)
12時半~ Emalma 防災弾き語り
13時~ 「スマホ×消防団ネットワーク = 最強防災アプリを創ろう」 本所消防懇話会会長 久米信行氏
13時半~ 「鎮魂のピアノ&心の唄」 三木靖子・心の唄バンド・Coji脳Choir
15時~ 「フォーラム 囲碁と防災・福祉・まちづくり」
 「認知症への囲碁の効果」 東京都健康長寿医療センター飯塚あい医師 / 「世界のすべての人に囲碁を」 東北大学3年毛塚美希さん、特別支援学校教諭 中川剛志氏、全身性障害児 東海林晴也氏 / 「人のつながりをどうつくる?」 日本棋院九段王銘琬氏、結のまちづくり研究所代表 柴田いづみ氏、イラストレーター・コウジ村村長 柴本礼、さわやか福祉財団 阿部かおり氏、大船渡市災害復興計画策定委員 佐藤隆雄氏、 碁石海岸で囲碁まつり実行委員長 木谷正道氏

9日(日)は、私は行けませんが、大船渡のサンマ634匹が無料炭火焼で配られます。お1人様1匹、当日整理券が配られますが、荒天の場合は中止だそうです。 8日の「防災なんでもアリーナ」や、9日の「特別講演会」と「フォーラム」に参加された方には、10時からの行列とは別枠で、引換券が渡されるとのこと。

詳しくは、主催者(首都圏防災ウイーク実行委員会)のHPをご覧ください。
http://shutobo.jp







このところ夜になると、秋の虫が鳴き始めました。
まだこんなに暑いけれど、秋が近づいてきているのを知り、嬉しいです。もう今年の夏の暑さには、ほとほと疲れました。

今朝、朝食を食べている時、ニュースでコウジさんが乗る京浜東北線が人身事故で運転見合わせになっているのを知りました。

ああ・・・1時間前にはその人は生きていたのに、多分亡くなったのだろうと思うと可哀想でした。どんな気持ちで電車に飛び込まれたのか、想像するとつらいです。 9月1日を前に、学校へ行きたくなかった子どもだろうか、と思っていたのですが、夕刊で40代の男性だと知りました。

仕事上の悩み、健康上の悩み、そのほかの悩み、なにか思いつめていたのでしょう。でも死なないで、どこか別天地で新しく生き直すことは、できなかったのでしょうか。 それすらも考えられなかったくらい、つらかったのでしょう・・・ どうか次に生まれてくる時には、幸せな人生を歩んでほしい、と祈らずにはいられませんでした。

・・・ そんなことを考えていましたが、ハッと我に返ると、コウジさんに京浜東北線を使わないで会社へ行ける、別ルートをすぐ調べ、それをメモに書いてコウジさんに持たせ、コウジさんもいつもより早めに家を出ました。

コウジさんの会社に、人身事故のため遅れるかもしれない旨のメールをしました。
そのうち京浜東北線が動き出したというニュースを知り、コウジさんに何度も電話したのですが、全く出ませんでした。何か状況が変わったら、もしかしたら私から電話があるかもしれない、とはつゆにも思わないようです。がっかり。

結局10分遅刻で会社に着いたと上司からメールを頂きましたが、電車の遅れでの遅刻は、遅刻にならないので、普段通りのルートで来ていいですよ、とありました。そういえば、以前もそう伺った気がします。忘れていました。とにかく無事会社に着いたのを確認できたので、一安心しました。

私がそうやって気をもんでいた時、コウジ村の会員の方からメールを頂きました。 当事者のご主人が先週、送迎に来てくれる作業所の車に一旦乗ったのに、降りてどこかへ行ってしまった騒動があったそうです。

炎天下で目的もわからず道に迷っているに違いないご主人のことを案じ、作業所の職員や警察にも連絡し、皆で探し回ったそうです。そして3時間半後、1人でぼんやり歩いているご主人を作業所の職員が見つけてくれ、無事帰宅したそうです。でも首は陽に焼けていて、ずっと日向を歩いていたに違いないので、奥さんは可哀想で仕方なかったとのこと。ポケットにいつも千円を入れているのに、それで冷たい飲み物を買おうとなどは、思いつかないそうです。

とにかくどこかで暑さのために倒れ、人に気づかれなかったら危なかったと思うと、夜すやすや寝ているご主人の姿を見るにつけ、「生きていてくれて良かった。」と涙に暮れたそうです。

読んでいた私も、胸が熱くなりました。
ご主人のことをとても心配し、生きていてくれることに感謝する奥さん。
いい話だなあ、無事で良かったなあ、と思いましたが、ちょうどうちのコウジさんも今朝の人身事故で、いつもと違う事態にきちんと対応できているのか、トラブルになっているのではないか、と考えていた時だったので、共感もひとしおでした。

東日本大震災の時も、実際にコウジさんの顔を見るまで、連絡がつかず慌てましたが、今回の電車の遅延でも、彼と連絡がつかなかったことが、課題だと思いました。

もう少し私をあてにして、電話をかけてきて欲しいものです。
すごく私に依存している気がするわりに、コウジさんは、実はそんなに依存していないのかしら? と思いました。私がいないとダメだと思うのは、私の思い込みや思い上がりだったりして? いや、そんなはずは・・・
さて、どっちなのでしょうね。 もうコウジさんは寝てしまったので、明日の朝食の時にでも、質問してみましょう。

★でも重要なのは、本人に他者に依存している意識がないのに、実際は本人の力だけでは物事がうまくいかないことです。逆に、本人に意識があれば、物事を遂行するのに役立つのですが。ここが、高次脳機能障害の厄介なところです。 ← 昨夜この大事なことを、書き忘れましたので、追加します。

コウジさんは、明日誕生日で、57歳になります。
娘ワッチが、明日は出かけて夜いないかもしれないというので、今日ケーキを食べようということになり、近所のおいしいケーキ屋さんで、誕生祝のケーキを買ってきました。

3人で食べていると、犬のウメが匂いを嗅ぎつけてやってきたので、生クリームのついたスポンジをあげました。

今日も色々ありましたが、とりあえず平和な夜でした。
おやすみなさい。


お知らせです!
東大阪を拠点にされている、高次脳機能障害当事者会 「東大阪え~わの会」代表の、松永裕介さんが、本日クラウド・ファンディングをスタートされました。 「え~わ」は、地名の永和からきたものと思います。

https://readyfor.jp/projects/e-wa

松永さんは、15年前、20歳の時に脳梗塞から高次脳機能障害者になりました。軽度の身体障害はありますが、見た目はとても爽やかで素敵な青年(壮年?)です。 当事者同志が経験を話し合い相談し合う場所が必要だと感じ、2010年に当事者会「東大阪え~わの会」を作られました。 「わっトライ!」という支援センターほかによる支えがありました。私は2016年の1月30日に、「え~わの会」に講演にお招き頂き、松永さんや立花さんのほか、色々な方とお会いし、お世話になりました。有難うございます。

最初、私の文章でこのプロジェクトのご紹介をしようと思いましたが、松永さんご本人が書かれた文章の方が熱意がより伝わりますし、ずっと名文だと思いましたので、ご本人の許可を得て、以下に引用致します。

*****
【目には見えない障がい「高次脳機能障害」と闘う日々。】

ページをご覧いただき、ありがとうございます。「東大阪え〜わの会」の松永裕介と申します。私は15年前、20歳のときに脳梗塞になりました。無事に命だけは助かりましたが、後遺症として目に見えない障がいと言われる「高次脳機能障がい」と、軽度の身体障がいが残ってしまいました。

まさか自分が障がいを負ってしまうことになるとは思わず、それから2,3年は引きこもってしまいました。しかし、社会には自身の困った経験を話し合える場が必要だと感じ、ピア活動を行う高次脳機能障がい当事者団体「東大阪え~わの会」を支援者様たちによる協力のもとで、2010年に立ち上げました。

現在は15名ほどの当事者が集まり、お花見や障がい者マラソン大会への参加、神戸市ルミナリエの見物、BBQやお料理会など、これまでは参加費や自己資金でまかなって、いろんなイベントを行ってきました。しかし、今年はクリスマス会やバスツアー、歓送迎会などの実施費用が不足しています。そこで、皆様のお力を貸していただきたいと考えています。どうか、応援よろしくお願いいたします。

【 「多くの方にこの障がいを知ってもらおう」が活動のテーマ。】

自身の経験から、この障がいを負った人は、以前の自分とのギャップに苦しみ、他者との交流を絶ってしまい、孤立しやすいという特徴に気づきました。そこで、当事者たちの社会参加への第一歩として、普段は障がいのことを周りにわかってもらえないと感じている人たちの気持ちを少しでも楽にしてあげたいという思いでこの会を立ち上げました。

<高次脳機能障害の特徴>

①一度できたとしても、同じように次もできるとは限らないことが多い。記憶力の低下なども影響し、失敗を5回10回繰り返すことで、できるようになります。逆に、1度言われたらできることもあるので、その差に困ってしまいます。

②慣れないことをすれば、健常者の方より、すごく疲れてしまいます。

③集中することが難しいです。例えば、健常者だった頃は、隣の人の声、電話の話す声、子供の声などが聞こえていても、自分のしていることに集中できていましたが、それらが耳に入ることで、どうしても集中できなくなるのです。

「目には見えない障がい」と言われる高次脳機能障がいは、様々な症状が出るので、健常者には理解されにくいのです。そのため、自信を無くし、精神を病んでしまう方も多くいます。そんな方々の支えになりたいと願うとともに、お互いにわかり合える仲間をつくれる場を提供したいと考えています。そして、「高次脳機能障がい」のことを多くの人に伝え、理解してもらいたいです。

【孤独になりがちな当事者たちに、気軽に集える場を。】

私たちは、「え〜わの会」の活動を通じて、他者とのコミュニケーションをとる練習をし、自分ひとりでは実現できなかった非日常を味わうことで、脳の活性化と笑顔になってもらうことを目的としています。そして、健常者が当たり前にできることが、できにくくなっているため、障がいを負う前のように外出する機会として、役立てていただきたいと思っています。

今回は皆様からのご支援で、クリスマス会とバスツアー、歓送迎会などを開催したいと考えています。クリスマス会では、一人になりがちなメンバー同士を大勢集めて、景品を用意してのクイズ大会や食事を楽しんでもらいます。

バスツアーでは、関西国際空港へ行きます。普段は立ち入ることができない特別なエリアにある施設を、ガイドさんに飛行機や空港にまつわるエピソードをまじえながら案内してもらいます。また、カフェを貸し切って、新たなメンバーの加入や「え〜わの会」から巣立っていくメンバーたちの歓送迎会も実施予定です。

【当事者自身の負担を減らし、参加しやすい環境をつくるために。】

プロジェクトが達成した場合、当会のイベントも当事者たちの負担なく開催できます。また、経済的に余裕のない方々でも参加できるようになります。この挑戦は、高次脳機能障害当事者同士の交流における活動の輪を広げるための新たな一歩だと考えています。

健常者や当事者をサポートしている方は、まず、当事者の意見に耳を傾けてほしいと願います。そして、当事者の方は、一人で悩まないで、仲間のいる場所へ来てほしいです。

一人でも多くの当事者の孤立感を減らすために、どうか、私たちの活動を支えていただけないでしょうか。ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

*****

松永さんのこのお考えに共感しご賛同頂ける方は、是非ご支援、ご協力を宜しくお願いします。

それから、今夜のNHKEテレ番組のお知らせです。
今夜8時半~8時45分に、NHKEテレ「きょうの健康で」、高次脳機能障害が取り上げられます。教えて下さるのは、慶応義塾大学教授の三村将先生。

きょうの健康 サインを見逃すな!脳・神経の病気「高次脳機能障害」
http://www4.nhk.or.jp/kyonokenko/x/2018-08-29/31/12073/2137723/

「高次脳機能障害のリハビリ治療とは?症状別の対処方法」
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_764.html

再放送は、9月5日(水)の午後1時35分からだそうです。
是非見ましょう!

うつ病九段


将棋の先崎学九段の 『うつ病九段』(文藝春秋)を読みました。

この本を教えて下さったのは、なんと将棋ならぬ囲碁の世界の方でした。 あとで知ったことですが、先崎学九段の奥様は、囲碁棋士の穂坂繭三段なんですね。 プロの将棋棋士と、同じくプロの囲碁棋士のご夫婦がいらっしゃるのは初めて知りました。

そして私がこの本に特に関心を抱いたのは、先崎学九段のお兄様が、高次脳機能障害界で (ほかの分野でも)超有名な、あの精神科医の先崎章先生だからです。

このブログを読まれている方の中にも、埼玉県総合リハビリテーションセンターで先崎章先生にお世話になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。あるいは、どこかの講演会で、先生のお話を聞いた方も多いのではないでしょうか。先生は、東京福祉大学でも教えられています。

私は先崎先生とは、4年前の大分講演の時にご一緒して以来、(穏やかで優しい先生だなあ。)とひそかにファンになっていましたが、この『うつ病九段』の中に出てくる先生は、その柔和なイメージが吹き飛ぶようなシャープな凄腕の医師として登場されています。実際そうなんだと思います。

不安で仕方ない弟さん(学九段)に、「必ず治ります。」という短いメールを送られる先崎先生によって、弟さんが安心できている様子が何か所も出てきます。

私もこの本を読んで改めて知ったのですが、うつ病と、うつ状態(抑うつ状態)とは異なるもので、うつ病は立派な脳の病気なのだそうです。だから、学九段は先崎先生によってすぐ強制的に入院させられます。そうしないと治らないのだそうです。うつ病は、死にたがる病気なので、精神科医とは、究極的に言うなら、患者を自殺させないためにいるのだ、という一文が印象的でした。

私はうつ病に関する本は多分ほとんど読んだことがなく、ただ細川豹々さんの『ツレがうつになりまして』とその続編(マンガです)だけ読みました。 
けれどこの『うつ病九段』は、うつ病の当事者が書かれている本なので、そういう本が出版されるのは初めてみたいです。 (ほかに出版されているのは、うつ病ではなく、抑うつの本のようです。)

私は先崎学九段の本を読んだのは、初めてですが、とても読みやすく面白く、正直です。あっという間に読んでしまいましたが、うつ病とはどういうものなのか、どういう症状が出るのか、どうやって治っていくものなのか、どういうことをするといいのか、逆に悪いのかが、よくわかりました。まるでうつ病についての教科書のようで、わかりやすく具体的な例を挙げながら説明されています。

私もコウジさんが倒れて2年くらいは、うつ病まではいかないまでも、「抑うつ状態」だったと思われるので、共感できること、同じ体験をしたことも出てきました。また、今は「抑うつ状態」ではありませんが(多分)、それでも共感することや、気づきがあり、心を非常に動かされました。

さらに、先崎学九段が中学時代イジメに遭いながらも、それに負けるものか、と努力をされてきたこと、いつも将棋に救われてきたこともわかりました。

どなたにも絶対役立つ、良い本だと思いますので、お勧めします。

・・・ 今夜、漫画家のさくらももこさんが亡くなられたニュースに驚きました。 まだ53歳だったそうです。 詳しいことはまだわかりませんが、乳がんだったとのこと。闘病中だったなんて、全然知りませんでした。 知っている人はいたのでしょうか。 ちびまるこちゃん役の声優、TARAKOさんですら、ご存知なかったそうです。

私と同じような年で、同じように絵を描く人(全然スケールは違いますが)で、私と同じように絵本作家のエロル・ル・カイン氏が好きたったことで、親近感を覚えていました。 その方が突然亡くなられたことが、今まですごく元気なイメージがあっただけに余計、ショックです。早すぎます。 

でも、私もそれならもういつ死んでもおかしくないなあ、という気が益々してきました。 
また書きかけのまま中断している「エンディング・ノート」を、書き始めなくちゃ、と思いました。

ご冥福をお祈りします。





昨夜テレビでニュースを見ていたら、アマゾンで今まで確認されていない部族を空中からドローンで撮影した、として、その映像が流れました。大きな弓矢らしきものを持った、原始人のようないでたち(ぼうっとしか見えませんが)の人が数人。 

ええ~、この文明が発達した世の中に、まだこんな人たちがいるの?と驚きながらも面白くて、そのあとしばらくしてリビングに来たワッチにその話を教えました。

ワッチが「へえ?」と言った時、またそのニュースがコウジさんが見ていたテレビから流れたので、一緒に見ました。

さすがにワッチも、「ビルも見たことないのかな。」と目を丸くしていましたが、「もしかしてドローンで撮影してもらおうと思って、誰かが仮装していたりして。」と言いました。 要するに、世の中に「世紀の発見!」と放送してもらって皆を驚かせて喜ぼう、と思ったグループが仮装しているのかもしれない、と。

続けて、「あるいは、ホームビデオを撮っていたりして。」とも。つまり、ジャングルのようなところで、いかにも原始人の暮らしのような映画を作っている、と。

いやいや、さすがにいくらなんでもそのために、アマゾンの奥地まで行かないでしょう。危ないものね。

しかし、面白いな~、ワッチの発想って。

たしかにその可能性も否定できなくはないけれど、そういう目で見ると、頭上を飛ぶドローンを見上げている「新部族」と見られる人たちが仕掛け人に見えなくもなく、おかしくなりました。
いえ、きっと大々的に報道されたので、本当に新部族なんでしょうけどね。

今日はまたすごく暑かったので、私の元気もいまひとつです。

水槽に取り残していたプラナリア3匹を、無事バケツに移動し、水槽を洗い、またそこへバケツから100匹近いプラナリアを戻しました。 はい、これでまた来週までほとんど放置です。(時々覗いています。)

一昨日、コウジさんと夜10時からNHKで放送された、『太陽を愛したひと』を見ました。
始まった時間が遅いので、すでにコウジさんは眠くてつらそうでしたが、そばで見ていました。

ドキュメンタリーではなく、ドラマだったので、いまいち演出が「涙を誘う」場面に力を入れていて、それはそれでいいと思う人もいるのだろうけど、私は中村裕さんの生涯をもっと全般にわたって知りたかったなあ。「太陽の家」の様子とかも。

でもパラリンピックに焦点を当てていたので、仕方ないのかも。

ただ閉口したのは、隣で見ていたコウジさんが、「太陽を愛したひと」というタイトルを聞いた最初から、「太陽の塔か! 岡本太郎の話だね。」とヘンに思い込んでしまった点。

「ちがうよ、中村裕さん。「太陽の家」という障害者施設を作った人の話だよ。」と説明し、それでその場は「そうか。」と納得したコウジさんだったのですが・・・

中村裕さんに子どもが生まれ、「太郎」と名付けた瞬間に、ぼんやり見ていたコウジさんはパッと目を大きく開けて、「これは、岡本太郎の話だね!」とまた私に確認するのです。

「だから違うって。中村裕さんの話だよ。」
「だって、太郎っていうから、岡本太郎が生まれたんだろう?」
「違うって・・・ ああ、もういいよ!」と説明するのも面倒になる私。

また、奥さん役を、若い時は上戸彩さん、年取った時は岸恵子さん、という2人で演じたものだから、コウジさんは混乱してしまいました。「2人登場人物がいるのかと思ったよ。」 「年取ったのも、上戸彩さんを老けさせとけばいいんだよ。」と文句を言うのも、一理あり、と思いました。

時々コウジさんは、こちらがハッとするようないいことを言います。
あるいは、こちらが知らないこと(私が無知なだけですが)を言って、驚くことがあります。そういう時は思わず尊敬の眼差しでコウジさんを見る私。「すごいね。よく知ってるね。」と言うと、コウジさんも「ふふん。」と得意そう。 
でも、先日のコウジ村でも皆で盛り上がったのですが、「あれ、すごい!(高次脳機能障害の夫が)よく知ってるなあ、と思ったり、いい考え方をするなあ、と思わず尊敬することってあるよね。」「あるある!」「でも、そのあとまたドッカーン!とショック受けること言ったりしたりするんだよね。」「そうそう!」

時々「お!?」とこちらが嬉しくなるような立派なことを言ってくれ、喜んでいるその時にまたおかしなことを言って、こちらががっかりする。 その繰り返しを、どこの家庭でもしているんだな、と思ってほっとしました。

少しずつですが、コウジさんたちは、たしかに良くなる方向に向かって歩いているんだと思います。
けれどその道は、近くで見るとでこぼこしていて、遠くから見るとわりと平坦で、それでも少し上り坂(改善)になっているのでしょう・・・

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