日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2018年10月

3日の鹿児島講演、6日の横浜市神奈川区講演が終わるまでは、慌ただしくしています。そこへ、これから書くような色々なできごとがあり、忙しさに拍車がかかっています。
(なので、それまではなかなかここへ来られないかも・・・すみません。)

28日は新宿で、交通事故後遺障害者家族の会主催の勉強会があり、山口研一郎先生が講演されるので、行ってきました。けれど講演後の分科会の時に、留守番していたコウジさんから電話が入り、義母(コウジさんの母)が救急車で運ばれたというので、慌てて途中退席し、帰ってきました。そのため、山口先生やサークルエコーの田辺さん、北原代表にろくにご挨拶できなかったのと、お話もゆっくりできなくて、残念でしたし申し訳なかったです。
家にいたワッチの話では、コウジさんは「ママはどこに行ったんだ?!」と聞きにきたそうです。そういえば、5~6時間の外出で夕食には戻るので、口頭で伝えていただけでした。やはり口頭だけでは、覚えられないんですよね。一応、勉強会のチラシは説明して置いてきたんですが、見ないんですね。

(いつも丈夫で元気な義母が?) 万一を考えると心配でたまりませんでしたが、一人息子のコウジさんはすぐ家を飛び出したようで、実家へ一人で向かっていました。コウジさんは障害で道を覚えられなかったり迷ったりしますが、実家だけは一人で帰れるようになっています。(『日々コウジ中』を描いていた当時は、それはできませんでした。) →でも今回もちょっと間違えて、いつもの癖で、まずは会社のある東京駅へ行ってしまったそうです。

いつもコウジさんが出かける時は、服装や持ち物を用意したりチェックしたりする私ですが、新宿にいたのでそれができず、一体どんな服で行ったのか、義母の容態も心配でしたが、それも心配でした。
結局コウジさんは、私が朝洗ったGパンがベランダに干してあったのを、まだ乾いていない濡れたまま履いて行ってしまいました。風邪ひくってば。肺炎治ったばかりなのに。
コウジさんが深谷へ行って帰ってくるまでの間は、何か起きないか心配で、気が休まりませんでした。しょっちゅう電話やりとりして状況を確認したりサポートしたりしましたが、彼の携帯の充電が切れてしまって音信不通になってからは、(もしかしたら電車内で誰かとトラブルになり、殴られて死んでしまったのでは?)とまで心配になりました。親戚から、コウジさんが無事義母が搬送された病院に着いたことを知らせる電話をもらった時は、心底ほっとしました。

幸い義母は貧血だけだったようで、点滴を受けたあと、病院に駆けつけたコウジさんとともに実家へ戻って来られました。おおごとにならず、本当に良かったです。義母は、庭の草むしりを2時間して体に無理をしたようです。気を失って倒れたのを、草むしりを一緒に手伝っていた女性が気づき、向かいの家に教えにいったそうです。(そこからコウジさんに電話が入ったそうです。)義母は、「こんなことは初めてでびっくりした。もうこれからは無理しないようにする。」、と言っていました。

ところで、その翌日の29日(月)は、コウジさんの退院後の、検査が午後1時から入っていました。そのために12時には病院へ着いて、血液・尿・X線検査を受けなくてはなりません。

義母も大丈夫そうなので、コウジさんに朝9時頃深谷発の電車で帰ってきてもらい、途中駅で私が車でピックアップし、病院へ行きました。でも朝の降圧剤も飲んでいないし、そんな慌ててきたものだから血圧は高いわ、飲み物飲まないで来たせいか、尿が少ししか出なくてナトリウムの値が高いわ、脱水症状に近い状況でした。血液検査の値も悪く、「あれ・・・ これではもう一度検査しなくては。」と医師に言われました(医師に事情は説明しましたが)。

でもその医師を受診するには、また平日に休まなくてはならないのです。もう入院と検査ですごく休んでしまったコウジさんなので、近所のいつも行っている病院で検査してもらうことにしました。
病院での待ち時間が長く、帰宅した時は既に夕方。コウジさんも疲れたしょうが、私も疲れました。

そして翌日は、娘ワッチの物理の英語長文を訳す手伝いを5時間近くもしていて、午前1時半になっても終わらず、翌朝も6時からやっていました。おかげで寝不足です。

そして翌々日の今日は、犬のウメと猫のチーを、それぞれ動物病院へ連れていきました。ウメは外耳炎と肛門絞り、チーは3種混合ワクチン接種です。ウメはこの11年、肛門絞りというものをしなくても済んできましたが、最近すごく太ってしまい、自分では出づらくなっているそうです。

そのため、ウメがフローリングの床の上だけならまだしも、私の布団の上、ソファーカバーの上、絨毯の上ところかまわずお尻を舐めるので、(汚い話ですが)、至る所が臭くてたまりません。

毎日布団カバーや布団、ソファーカバーまで洗っているので、時間がかかって困っていました。
これからは1か月に1回、肛門絞りに動物病院へウメを連れていくことにします。ウメほど大きな体をした犬(18・6キロもある巨大な柴犬です)の肛門絞りを飼い主がするのは、難しいそうです。
それより、痩せさせないとね。

最後に、お知らせを。
●中野区高次脳機能障害理解促進セミナーが、11月8日(木)の13時半~15時半に、中野サンプラザ7階 第13研修室で催されます。

「高次脳機能障害者の居場所と就労支援」
第一部 基調講演 「高次脳機能障害とリハビリテーション」渡邉修先生
第二部 ミニシンポジウム 「支援者による体験談」
 当事者 田中策二氏 / 支援者 NPO法人VIVID代表理事・フレッシュスタートメジロ施設長 池田敦子氏 ★策二さんは、コウジ村村民のご主人で、私も何度もお会いしたことがあります。

定員: 80名(お申し込みが必要です)
参加費:無料
お申込み・お問い合わせ : NPO法人リトルポケット 中野区障害者地域自立生活支援センターつむぎ (電話03-3389-2375 FAX 03-5942-5811)

それでは、もう眠くて仕方ありませんので、このへんで。
(メールのお返事ができていない人も沢山いらっしゃいますが、ご勘弁を・・・。申し訳ありません。)

なかなかここへ来られないため、「どうしたのかしら?」、とご心配されている方もいるかもしれず、とりあえず元気でいることを伝えにきました。(最近、そんなことばかりの気がしますが。)

20日の調布市講演、その翌日の港区講演(当事者のSさんのご講演)の詳しい話はおってしますが、それより先にそのSさんの講演資料やブログを、是非皆様に読んで頂きたく、下記URLにアクセス願います。(Sさんの了解を得ています。)

https://asayume001.blog.so-net.ne.jp/

とにかく素晴らしいご講演、資料でした。これまでの10年の足跡とそのご苦労もさることながら、今後への要望には頷くことばかり。今日は時間がないので(もう午前1なので)、また詳しく書きます。

調布市講演のお話もまたおって書きますが、そこで知り合った方からのご相談を受けていたり、これからの各講演先とのやりとり(イラスト描き含む)をしていたり、コウジさん退院後の諸々の用事をこなしていたり(保険金請求等も)、久しぶり(数年ぶりかも?)のワッチのママ友とのランチがあったり(これは楽しかった!そして考えさせられたことがあったので、それもおって書きます)、山口研一郎先生からお借りしたDVDを見たり(脳死・臓器移植、クローン技術についてのDVD)、そのDVDを業者や家でダビングできないか調べたり(結局著作権問題があって断念。この話もおって書きます)、いつものことですが1回1時間以上のウメの散歩を1日2回以上したり、料理洗濯掃除の家事はしっかりしたり(これも当然ですが)、ワッチの授業で使う物理学関係の長文英語を訳す手伝いをさせられたり、あっという間の1週間でした。

そして今日は先週講演で休んだ囲碁教室でしたが、接戦の末勝てて、10級へ昇級! 頭をほどよく使った快感冷めやらぬうちに、帰宅後はしゃかりきになって料理を作りました(大した料理ではありませんが)。

というのは、なんと宮崎県のあの「いのちのはうす保護家」の代表やスタッフの方がたが、東京出張の合間に、拙宅に急遽来てくれることになったのでした(決まったのが一昨日の夜)。

私はちょうど今から2年前の宮崎講演の翌日に、タクシーで「保護家」さんへ行き、猫部屋の掃除ボランティアをさせてもらいながら、「保護家」さんの様子を見てきました。それ以来メールやりとりしながら、「保護家」さん支援を少しばかりですが続けてきました。
その「保護家」さんの方々と久しぶりにお会いできるので嬉しく、夕食を一緒に食べながら、「保護家」さんの話、特に今後について聞きました。高次脳機能障害の話もしました。コウジさんも、もちろん一緒に聞いていました。この話もおって書きます。

さて明日は、交通事故後遺障害者家族の会主催の「秋の勉強会」へ行ってきます。
山口先生のご講演「医療現場よりみた高次脳機能障害~地域生活や社会参加へ向けた試み~」を拝聴しに行き、そのあとの分科会では、「介護」の班に参加してこようと思っています。

ということで、駆け足でこの1週間のことを書きましたが、このように私は元気ですし、退院後初めての勤務1週間を、コウジさんも問題なく果たせました。
今、コウジさんは猫のチーを抱いてこっくりこっくりしています。

チーは臆病なので、来客があると姿を隠します。来客が帰ると出てきて、ほっとしたようにコウジさんに抱かれています。コウジさんも「かわいいなあ。」と、とても嬉しそうです。お互い、癒し癒されているようです。

以上、簡単ですが報告でした。

今日、コウジさんは無事退院しました。皆様には、大変ご心配おかけしました。
今回、なぜコウジさんが肺炎になったのか、原因はわかりませんでした。
でも、肺炎は誰でもなるものなのだそう(医師の話)なので、私たちも気を付けましょう。
とにかく、軽く済んで良かったです。

明日は調布市で講演です。
「高次脳機能障害の夫と共に生きる」 柴本礼
時間 : 13時半~15時半(開場13時)
場所 : 調布市総合福祉センター2階 201~203会議室
調布市社会協議会・杜のハーモニー♪共催
※お申込みは10月15日で締め切られています。
宜しくお願いします。

11月の講演会は、昨日お知らせした鹿児島のほかに、2つあります。

●平成30年度神奈川区中途障害者支援事業講演会
「高次脳機能障害の夫とともに生きる」 柴本礼
日時 : 11月6日(火)14時~16時(受付13時半~)
場所 : 神奈川区役所 本館5階大会議室
対象 : 高次脳機能障害を抱える方、御家族、支援者 先着70名
お申込み先 : 神奈川区役所 高齢・障害支援課 高齢者支援担当
        電話 045-411-7110、FAX045-324-3702

●平成30年高次脳機能障害講演会
日時 : 11月18日(日)午後1時半~午後4時
場所 : 品川区荏原第五地域センター2階 大集会室 (大井町線「下神明駅」下車徒歩2分)
参加費無料 先着80名

<内容>
1部 講演 「高次脳機能障害の夫とともに生きる」柴本礼
2部 家族会紹介 活動内容について・定例会の紹介(グループワーク・家族相談会)
 顧問:川手信行先生(昭和大学藤が丘リハビリテーション病院)
 グループワーク指導:伊藤唯PT(ケアセンター南大井)
 ※2部終了後に、個別相談のお時間を設けております。お気軽にお立ち寄りください。

主催:品川区高次脳機能障害者と家族の会
後援:品川区・品川区社会福祉協議会(共同募金配分金活用)
お申込み:渡辺さん(家族会代表)まで。 電話 03-3781-0921、FAX 03-3781-9126

それでは、今日はもう眠くて仕方ありませんので、このへんで。
コウジさんが退院になって、今まで張り詰めていた糸が切れ、疲れがでたようです。
でも明日は調布で元気にお話してきます!

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昨日、コメント欄に由美子さんからお問い合わせがありましたので、今日申し込み締切の鹿児島講演について、以下お知らせします。(以前お知らせしたのが、1か月以上も前のことだったようで、申し訳ありません。)

平成30年度「高次脳機能障害」理解のための講演会
日時:平成30年11月3日(土・祝)午後1時半~4時半 (受付午後1時~)
会場:ハートピアかごしま1階 多目的ホール
対象:一般県民・高次脳機能障害者の相談・支援にあたる関係職員等(180名)
※ 会場は駐車場に限りがありますので、公共交通機関をご利用ください。

プログラム
★講演「『高次脳機能障害』とは」 
講師 鹿児島県精神保健福祉センター 所長 竹之内薫氏
★講演「高次脳機能障害の夫とともに~本人に居場所・介護者に支え~」
講師 柴本礼

参加ご希望の際は、下記にお申込みください(10月18日まで)→ けれど、本日担当の方にご連絡したところ、締め切り後も申し込み受付されるとのことです。現在150名ほどのお申し込みを頂いているそうなので、まだまだ大丈夫です!

鹿児島県高次脳機能障害者支援センター(鹿児島県精神保健福祉センター)
電話 099-228-9568(平日9時~16時)
住所 鹿児島県小野1-1-1 ハートピアかごしま2階

昨日も、コウジさんの入院している病院へ行ってきました。
木曜日に入院したので7日連続毎日のため、私も段々疲れてきて頭痛がしたり、咳が出たり。今日は行くのやめておこうかな、と一瞬思いましたが、朝から「今日、来るんだろ?何時に来るの?」と電話してくるコウジさんを思い、さらに今日は医師からお話を伺うことになっていることを思いだし(忘れてはいけませんね)、行ってきました。

病室に入ると、元気に動き回っているコウジさん。表情も生き生きしていて、「早く家に帰りたいな。」「会社へも行けるよ。」とニコニコ。どこも悪くなさそうなんですが、まだ肺炎治療は続いています。でも医師からは、「順調に回復していますので、木曜日に最後の検査をして、金曜日に退院です。」と言われました。皮膚炎も肺炎とは関係ないとのこと。尿に血やたんぱくが出たのも、一時的なものだったので心配ないとのこと。良かったねえ、コウジさん!
(帰宅するとすぐコウジさんの上司に連絡し、月曜から出社できる旨を伝えました。上司も喜んで下さいました。)

9路盤での囲碁も、3局しましたよ。コウジさんが黒石、私が白石です。最初は私が手を抜いて負け、次は私が勝ち、その次はいい勝負でした。整地しませんでしたが、家に帰って、その時撮った写真(添付)を見てみると、どうも私が負けたようです。おかしいなあ、そんなはずないんだけど。 忘れたけれど、きっと私がコウジさんに教えながら打ったのかも。よし、今日は教えないで互先(たがいせん。置石もしない、互角の勝負)でやってみよう。

コウジさんに、「囲碁は高次脳機能障害にいいと思う?」と聞くと、首をひねって「わからないなあ。」と正直に答えるコウジさん。「囲碁は面白い?」と聞くと、「面白くない。」と、これまた正直な感想。「でも、負けると悔しい?」と聞くと、顔をあげて、「それは悔しい!」と声を大にして言うので、意欲を出す効果はあるようです。

私は12月2日の大田文化の森での講演で、囲碁は高次脳機能障害に良い、という話をするつもりですが、「高次脳機能障害者にどうしたら囲碁をやってもらえるか?」、がもしかしたら一番のハードルかもしれないと思っています。当事者の方たちには、是非囲碁をやってもらいたいのですが。

もちろん、元々囲碁をやっていた人なら、受障後でもやると思いますが(大田区のさぽーとぴあでは、そういう当事者の方が何人かいらっしゃいます)、夫のように全くやったことがなかった人にリハビリ目的でやってもらうには、①病院や施設、作業所、デイサービス等の場で「義務」にするか、②家族など当事者の近くにいる人が、囲碁をさせるか、③本人が「やりたい」という気持ちになるか・・・ が必要だろうと思います。

その講演の資料を作らなくては、と思いながら、まだ全然取り掛かってもいなくて、焦っています。
でも今日は香川講演(来年1月6日)に使うイラストを、描かなくちゃ。

もちろん、午後からはコウジさんの病院へ行ってきます。

そうだ、昨日面白いことがあったんですよ。
コウジさんが3時半頃、やっぱりおなかがすいて困っていたので、病院内のレストランへ行ったんです。コウジさんは海老ピラフ、私はナポリタンを食べました。私も忙しくて、ろくにお昼を食べられていなかったので。

私は食べるのがのろいのですが、食べ終わったコウジさんは、「トイレに行きたくなった。」と言います。でも、病室に戻るまで我慢すると。 ところが私は食べ終わると、コーヒーを飲みたくなりました。そこで私はコウジさんと2人分のコーヒーを注文、コウジさんは我慢できずに、レストランを出てトイレへ行きました。あとでわかったのですが、コウジさんがトイレに行きたくなかったわけは、病院内で迷うという心配があったそうなんです。すごいじゃない、病識(自分が障害者だという認識)のないコウジさんにも、少しはあるんじゃない。これは進歩だわ。

けれど案の定といいますか、コーヒーが来ても、いくら待ってもコウジさんは戻ってきません。
実は私も、コウジさんは迷うんじゃないか、と思っていました。けれど病院内から出ることはないでしょうから、なかなか帰ってこなかったら探しに行けば、すぐ見つかるだろうと思っていたのです

コーヒーを一口飲み、さてコウジさんを探しに行こうと思って、ふとレストラン外の廊下に目をやると、コウジさんが通り過ぎていくのが見えました。 (あ!)と思って呼び止めに行こうと席を立つと、またコウジさんが戻ってきて、きょろきょろしながら中に入ってきました。そして私を見つけると、(ああ!)と心底安堵したような笑顔で、席に座りました。

コウジさんは、トイレを出た後迷子になり、あちこち歩いていたら、総合受付まで運よく辿り着いたとのこと。そこで受付の人に、「今、病院内のレストランで食事していたんですけど、トイレに行きたくなってトイレに行ったら、食べていたお店の場所がわからなくなったんです。」と言ったそうです。 (この話も、私の誘導質問で、大体の様子がわかったわけで、コウジさんの口から総合受付へ行ったという話は、最初は出てきませんでした。でも、ちゃんと窓口に聞くという、適切な行動ができているコウジさんに、感動。以前は、そんなことできませんでしたよ。)

そして教わったルートでレストランの前まで来たはいいけれど、覗くと、派手なアロハシャツ?のようなお揃いの服をきた3人組の男性が座っていたので、(ああ、こんな人たちはさっきはいなかった。)と諦めて素通りしたそうです。

そのお揃いの派手な服の3人は、コウジさんがトイレへ出た後にレストランに入ってきたのですが、なんでこんな派手なシャツを着ているのかわかりません。ただ、その派手さが、コウジさんの頼りない記憶の中でも、「こんな人たちはいなかった。」という確かな事実として存在し、「だからこの店ではない。」とコウジさんは判断したのです。

でも通り過ぎた後、(やっぱりここの店の気がする。いいや、覗いて違ったら、すみません、間違えました、って出てくれば。)と意を決して入店したそうです。そしたら私がいたので、ほっとしたと。

記憶障害を持つコウジさんは、そんな不利な状況の中でも懸命に考えているんだなあ。
なんだか、胸がじいんとすると同時に、そこに座っている派手なお揃いのシャツの3人が、新たなハードルとしてコウジさんの前に立ちはだかったのだと思うと、メニューを選んでいる彼らを見ながらおかしくなってきて、コウジさんと笑い合いました。「普通の服だったら、すぐ入ってきたのにね。」と。→ すみません、どうやらこのシャツは、この病院のユニフォームのようです。失礼しました。

どんどん長くなってきました。イラストを描きますので、このへんで。
(もうすでに今朝は、ウメの散歩を済ませ、ハルの散歩も済ませ、プラナリアの世話も済ませ、ダスキンさんとの両替商役も済ませ、朝食も洗濯も掃除も済ませましたが、まだ朝食片づけができていません。でも絵が優先です。いや、その前に鹿児島と香川の講演担当者にメールを入れておかないと。)

ではまた。

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毎日病院へ行っているので、忙しいし疲れるし、ちょっとしたパニック状態です。
時間が足りなくて、家の中でも走っているので、ケガもしています。
例えば、ゆっくりゆっくり家の中の階段を上っているウメの後ろから、ダダダッと駆け上がってくる私は、ウメの大きな体にぶつかってこけ、階段のヘリにしたたか膝下を打ちつけました。
私は体中を突き抜ける激痛に床に倒れ込み、ウメは私に弾き飛ばされてどこかへ逃走。
みるみる腫れて青くなる足に湿布を貼りましたが、まだまだ痛みも腫れも青さも引きません。

毎朝の大猫ハルの散歩も、のんびりしているハルにしびれを切らし、思わず無理やり抱きかかえて家に入れようとして抵抗され、右腕には無惨に10センチにわたるひっかき傷が・・・これもひりひり痛みます。

ところで今日は、コウジさんの退院の話が医師から出されました。
肺炎の治療も順調で、ほかに悪いところもないので、このままなら今週金曜日に退院できるとのこと。
良かった!義母にも母にも連絡し、皆で喜びました。

これも最初にかかった病院の医師が、コウジさんの異変に気づいて血液検査をして下さったおかげです。退院したらお礼を言いに行こうと思います。

あとは、要所要所で、私の的確な判断があったおかげだわね(ほほほ・・・)
いえ、これは冗談ではなく、今回のことで何人かの当事者家族からメールを頂いたのですが、皆さん肝心なところで的確なサポートができて、それで大事に至らずに済んだという話が多かったです。
あなどるべからず、家族の力、といったところでしょうか。

コウジさんは入院2日目から、もう普通に近くて、食欲も旺盛で元気でした。(それも早く肺炎が見つかったからそれだけ軽症だったのかな、と思って今日医師に尋ねますと、そうでしょうとのこと。)

今日は3時なのにもうお腹が空いた、と困っているコウジさんと、病院内のレストランへ行ってラーメンを食べました。6時の夕食までは待てないと思ったんです。そのあと病院の中庭で夕涼みしながらおしゃべり。そのあと病室に戻り、なんと囲碁(9路盤)もしたんですよ。
いつもこんなに時間ありませんから、チャンスです。

前はコウジさんの方が強かったのに、「お前、やっぱり強いなあ。」と感心されるくらい、私も少しは上達したようです。
写真は、その時のものですが、後述のIさんが持ってこられた紙ナプキンの上に碁盤を置いたところ、紙ナプキンの水玉の大きさが、ちょうど碁石と同じ大きさだったので、アゲハマ(取りあげた相手の石)を私はこんな風に置いてみました(笑)。コウジさんが黒、私が白です。(ビニル袋は、石を入れています。どこでも気軽に打てるので、9路盤はいいですよ。ちなみに裏は6路盤になっています。平塚の進和学園の方たちが、工房で廃材を使って作られたものです。)

「楽しかったね。明日もしようね。」というコウジさんに、「その詰碁の本、読みなさいよ。」と言って帰ってきました。

病院のそばに住むIさんがまた来てくれて、黒豆豆乳や甘酒、おから、プルーン、白ごませんべい、ノリ、羊羹など、なんでも持ってきてくれて、病室で豆乳と甘酒を混ぜて飲ませてくれたので、「親戚のおばさんみたい。」と笑いました。でもとても美味しかったですし、とても有難かったです。

彼女は今はご主人(高次脳機能障害)のサポートに専念されていて仕事されていませんが、元々は食育指導士とかフードコーディネーターとかのお仕事をされていたそうです。道理で栄養満点のものをさっさと作られる手際が良いこと。そして、活き活きされていました。
また彼女が、元の仕事に戻れる日も来ることでしょう。いっそのこと、病院内に彼女の食育コーナーができたらいいのに、と思ったほどです。

帰宅するとまたウメの散歩。分離不安があるのか、ウメが散歩をせがんでばかりで、今までの1日2回から、1日3度に増えてしまいました。でもウメが嬉しそうにゆっくり散歩するので、私もそのゆっくりペースに付き合いながら、オーバーヒート気味の頭を冷やしています。

現在講演を12個も抱えてしまい、こちらもパニック状態で、どこに何を送ったか(資料やイラスト等)、送り忘れているものはないか、切符を用意するのはいつがいいか(鹿児島はもう取りましたが、岐阜はまだ。香川もまだまだ。)、などノートを作ってチェックするようにしています。それでもいつも混乱しています。

そして今月21日の港区講演(私は話しません)で当事者のSさんが話されるので、主に就労しているコウジ村会員に向けて、参加を呼び掛けるメールを一人一人しているところです。
でもアドレスが変わってしまったり、わからない人も出てきているので、「自分のところにまだメールが来ない」という方がいらしたら、ご連絡ください。

もちろん、コウジ村会員でない方でも、21日の講演会は、是非ご参加下さい。これだけ沢山の当事者の方が集まられる場も、そうないのでは?とワクワクしています。

http://www.brain-tkk.com/index/show_information.php?boardAct=view&readNum=208

あ、でもその前日の20日は、調布市で私の講演会がありますよ~。 こちらも是非いらしてください。

http://morihamo.com/pdf/mr_shibamoto.pdf

ということで、色々ご心配おかけしましたが、なんとかコウジさんは回復してきましたので、ご安心ください。

皆様も、ご自愛くださいね。

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