日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2019年04月

あと2時間半ほどで、元号が令和になります。

平成最後の今日は、コウジさんの受診の日でした。
予約を入れた時は気づきませんでしたが、「平成最後の日に、何したっけ?」とあとでコウジさんと思い出す時があったら、「玉川病院で和田先生の受診だったね。」とすぐ浮かぶことでしょう。

保険証や診察券、お金、先生にいつもこちらの勝手でお渡ししている最近のコウジさんの状況報告を書いて印刷したもの、最近私が載った新聞記事や関係するイベントのチラシ、コウジさんの着ていく服まで私が準備して、車で病院へ送り、受診も付き添い、帰ってくると、コウジさんはそのままリビングでテレビを見ています。

私は、保険証や診察券をしまい、もらってきた薬がそのまま玄関なのをリビングまで運ぶと、テレビを見ているコウジさんに文句を言いました。「自分の薬くらい、自分で持ってきなさいよ!」と。
「ああ、ごめん。」と一応は振り返るけれど、テレビを見続けるコウジさん。

昨日東京駅で私達の友達と会ったことは覚えていたけれど、そのあと皇居へ行ったことは、すっかり忘れているコウジさん。でも、テレビで皇居が写ると、「お、昨日行ったね!」と思い出します。
不思議な、まだらな記憶。

10時からの「退位礼当日賢所大前の儀」をテレビで見ていて、天皇が出て来られる姿が何度も繰り返されるのを見て、天皇がずっと廊下を歩いているのだと思うコウジさん。「同じ映像が繰り返されているんだよ。」と教えると、「そうなのか!」と驚きます。

溜息は出るけれど、どこか笑ってしまいます。

でも、やはり私は気忙しかったり疲れたり、注意散漫になっていたりしたのでしょう、帰宅してコウジさんが何かリビングで私に向かって大声で話すのに気が取られ、洗面所でコンタクトレンズを洗っていたのに、うっかり流してしまいました(涙)。

すぐに、いつも行っている眼科に電話すると、幸い今日はやっていたので、早速眼科へ行きました。
連休だし、やっていると思わない人が多いのか、私のほかに患者は1人もいませんでした。

右目、左目、と細かく視力を測り、眼球のカーブに合わせたレンズを選んでもらい、目の様子も詳しく見てもらい(やはりドライアイは変わらず)、レンズを注文して帰ってきました。

眼科でずっと裸眼でいられたので、ためしにメガネをかけずに歩いてみたら、意外と歩けるので驚きました。そこでそのまま得意になって家に歩いて帰り、これなら急に大きな地震が来ても、メガネを探さずに逃げてもいいかも、と、新しい発見でした。

・・・平成最後の日は、こうしてコウジさんの病院と私の病院で終わったのでした。

明日は、今度はウメを耳の治療に動物病院へ連れて行きます。
ウメの中性脂肪が、非常に高い話は書きましたっけ?(あれこれしていますが、時間がなくて書けていないことも沢山あります。)

かかりつけの獣医さんと、ウメの耳垢腺腫の手術をしよう、という話になってきていたのですが、事前に健康チェックをした結果、ウメの中性脂肪値は700もあり、手術以前の話だと言われました。

このままでは、ウメは突然急性膵炎になって、そのまま死んでしまってもおかしくない状況なんだそうです!
2週間くらい前にそう言われ、真っ青になった私は、心を鬼にしておやつをあげるのを辞め(病院から「これならいいですよ。」と言われている、低カロリービスケットのみあげています)、食べ放題だった猫餌も、ウメが届かない高いところに置くようにしました。
1か月後にまた血液検査をするのですが、その時中性脂肪値が下がっていますように。

ワッチも風邪から喘息になっていたのが、やっと治りましたが、先週は喘息薬をもらいに行ってきました。

うちで元気で病院いらずなのは、猫のハルとチーだけです。まだ5歳と2歳という若さだものね。

令和の時代も、病気や障害とうまく付き合っていきたいものです。

皆様にとっても、いい時代となりますように。
誰にとっても、暮らしやすい社会となりますように。

平成最後の皇居写真


今日は、大学時代からの、コウジさんとも共通の友人と会いました。

連休中のどこかで会うことは決めていたのですが、昨日、突然今日会うことにし、場所もとりあえず東京駅周辺にしました。彼女が連れて行ってくれた丸の内ブリックスクエアというところ(彼女も初めてだそうです)は、中庭のある雰囲気のいい一角でしたけれど、お目当てのお店は混んでいました。

テラス席ならすぐ座れるというのでそこにすると、今日は意外と寒い日で、北風が強く吹くわ、曇りで日は当たらないわ、で、コウジさんも彼女もジャケットや上着を着たまま、「寒い、寒い」と言いながらランチを取りました(私は暑がりなので、コート脱いでも平気)。

運ばれてきたピッツアの上に乗ったバジルという葉っぱが、強風で飛ばされてしまうので、慌ててハサミで12等分したピッツアを3枚も4枚も重ねてサンドイッチみたいにし、葉が飛ばないようにして笑いながら食べました。

デザートのパンナコッタが店内から運ばれてくると、お皿が温かいので、3人で「温かいデザートだ!」と思わずお皿を両手で囲んで暖を取りました。けれど食べてみるとパンナコッタはやはり冷たく、「ああ、店内が暖かいからお皿も温かいんだね。外はこんなに寒いのに。」とまた大笑い。

大学時代から、彼女といると何でもないことがとてもおかしくて、大笑いばかりしています。

そんな彼女は今は働くシングルマザーで、障害を持つお子さんがいますが、何事も大らかに受け止めていつも幸せそうです。見習わないとなあ。

ランチ後は、せっかく東京駅そばにいるので、平成最後の皇居(外苑)を見に行こうということになりました。行列ができている「エシレ」という店の前を通り、丸ビルの前も通ったので5分ほど中を覗きました。この丸ビルは2002年にできたそうですが、初めて足を踏み入れましたし、その隣には2007年にできたという新丸ビルもありました。両ビルとも飲食店が沢山入っていて、今パンフレットを見るとリーズナブルな値段でランチが食べられるので、今度のコウジ村はここでもいいな、と思いました。

有名ブランド店が林立する外国のような街並みを、驚いて見上げながら歩いていくと、東京駅前の広い通りに出ました。
ああ、この通りはテレビで馬が歩いているのを見た覚えがあります。

和田倉門という入口から皇居外苑に入ると、警備の人たちがいたり、警備のためのゴムボートを膨らませている現場に遭遇したり、上空にはヘリコプターが飛んでいて、明日の「退位の礼」備えて張り詰めた空気が漂っていました。

八重桜が咲いていて、花びらが落ちていたので、「平成最後の皇居の桜だ!」と大事に拾い、持っていた石倉昇先生の『ヒカルの囲碁入門』という本にはさんで、押し花にして持ち帰りました。

3人とも皇居外苑は初めてで、「広いねえ。」「皇居はどのへんだろう。」とキョロキョロ。コウジさんにいたっては、「一般参賀はどこでやるんだろう、聞いてくる。」と警備している人の方へ歩き出すので、慌てて引き止めました。そんなこと、帰って調べたらわかるし、ただでさえピリピリしながら警備している人たちを、煩わせたくないので。

二重橋前は、写真撮影する人がいっぱい。私もそこでコウジさんと撮った写真(彼女に撮ってもらいました)を、平成最後の写真としてここに載せます。私が自分やコウジさんの写真をブログに載せることは珍しいですが(もしかしたら、今までなかったかも?)、平成最後の記念に、お目汚しをお許し下さい(笑)。

皇居外苑は広くて、「座ろうよ」と歩き疲れたコウジさんの言葉に、「そうだね。」と沢山置いてあるベンチに腰掛けました。すぐこっくりこっくりし始めるコウジさんを横目に、「そうだ、今日は囲碁を教えようと思って、持ってきてるんだ。」と囲碁をしないその友人の前に、私は6路盤を出しました。

「え、こんなに小さいの?」と驚く彼女に、「最初から19路盤は大変だから、6路盤から始め、次は9路盤だよ。今はコウジさんも19路盤を打てるんだよ。」と教えました。「へえ~。」と関心を持ち、「こう?こう?」と碁石を置く彼女は飲み込みが早い才女なので、すぐうまくなりそうです。
最近神奈川新聞に掲載された、囲碁が認知機能低下を防ぐという記事もあげました。もしかしたら、彼女とも末永い囲碁友達になれるかも?

皇居外苑は日本外国を問わず観光客が多く、囲碁をしている私達の前を、中国人やインド人などもひっきりなしに通ります。芝生広場では、レジャーシートを広げてピクニックをしている人、寝転がっている人もいました。

とても広い皇居、初めて来ましたが、今度「「乾通り一般公開」があったら、またコウジさんや彼女と来てみたいな、と思いました。

帰りは馬場先門から帰りました。

さて、お知らせです。
明日の毎日新聞東京版に、先日20日に毎日ホールで行われたシンポジウム記事が掲載されるそうです。どうぞお読み下さいね。

190423神奈川


今日の神奈川新聞に掲載された、高次脳機能障害と囲碁に関する記事です。

私は、「囲碁は高次脳機能障害者と家族に良い!」、という考えですが、その考えをうまくコンパクトにまとめて下さったと思います。熊谷記者様、有難うございました。あとは、専門家の方に、私の言葉の裏付けをして頂けたらいいな、と思っているところです。

この中で私は、「(囲碁は)いろいろな人とつながり、脳トレもでき、人の役にもたてる」、と申していますが、(人の役にたてるって、どういうこと?)と思われる人もいるかもしれませんね。

コウジさんは囲碁を2年前に始めたのですが、なんと今では入門されたばかりの人でしたら、教えられますよ。この「高次脳機能障害と囲碁&心の唄」の会では、元々囲碁をされていた、お強かった高次脳機能障害の方たちもいらっしゃるんですが、そういう方は今でも囲碁を覚えていて、私なんてこてんぱんにやられます。そういう囲碁経験のある当事者の方だって、今なお進化されていますしね。
ですから、こういう囲碁の集まりでは、当事者の方たちはインストラクターにもなれるのです。

私は、視覚障害をお持ちのUさんに教えて頂くのが、楽しみです。
Uさんはとても囲碁が強いのですが、アイゴ(視覚障害をお持ちの方用の碁盤セット)の上を両手で撫でながら碁盤の様子を確認、次の一手を打たれますので、長考派の私には、とてもペースが合って有難いのです。いえ、Uさんの方が私より早いですし、対局しながら「こっちへ打つとこうなりますからね」「ここはもう入れませんね」というように、まるで目が見えているかのように、笑顔でてきぱき教えて下さるので、びっくりするやら尊敬するやら。なので、部屋へ入るとすぐUさんの姿を探す私です。

でも高次脳機能障害のSさんとは、この間5子置かせてもらって辛勝しましたので、その続きで今度は3子置かせてもらってまた対局してもらいたいな、とも思っています。

その間、コウジさんは小久保さんや、ほかの優しい囲碁ボランティアの方たちに、次々教えて頂いていますので、大忙しです。でも心の唄バンドのミニコンサートが別室で始まると、途中でも席を立ち、コンサートへ行ってしまいます。コウジさんは、歌も大好きなんですよ。

このバンドには、盛岡出身の高次脳機能障害者、高山仁志さんもバイオリンで参加しています。高山さんは今世田谷で一人暮らしされながら、学校へ通っていますが、幼いころからバイオリンを習っていて、彼の弾かれる「情熱大陸」は素晴らしいです!皆さんにも、是非聴いて頂きたいなあ。
来月大船渡で開かれる囲碁まつりや、12月に大田文化の森で開かれる、この会のイベントでは演奏されますよ。

このように、歌・囲碁という、障害を持つ人たちが楽しめる場所を提供下さっているさぽーとぴあ(大田区立障がい者総合サポートセンター)は、本当に有難い場所です。そして世話役として動いて下さっている大田区、目黒区の当事者家族の方々には、感謝しかありません。ハイ、世田谷区の当事者家族として、私ももっともっと動きます。スミマセン。つい、囲碁ばかりやってしまう私です。だって面白いんだもの。
50代を越えて、こんなに面白いものに出会えるとは!皆さんも騙されたと思って(思わなくても)、一度やってみてくださいよ。

私も最初、よくわからなくて、(面白そうなのはわかるけれど、やっぱり私には向いてない気がする)と思った時期がありました。

そんな時、視覚障害をお持ちのSさんが、私の横に座っていた時に、ポツリとつぶやかれたんです。「いやあ、本当に囲碁って面白いっすよ。」って。

私は(え?)と驚き、Sさんに聞き返したんです。「囲碁って、そんなに面白いですか?」と。
するとSさんは、「ええ、面白いです!」と重ねて、しかも力強く言われたんです。

その時からです。私が囲碁に真剣に向き合うようになったのは。

目が不自由なSさんが面白いと思われている囲碁って、一体どういうものなんだろう。どこが面白いんだろう。目が見える私が、それがわからないなんて、きっと努力や意気込みが足りないに違いない。それは情けないことだ、と。

元々負けん気が強い私なので、これはやるしかない!とやる気になったのでした。そして今、「とても面白い」、と思っている自分がいます。やった~! まだ下手ですが、下手は下手なりに、面白いんです。うまくなったらもっと面白いに違いないので、つまり囲碁は永遠に人間の友なのです。

だから、視覚障害のSさんには、感謝しているんです。

高次脳機能障害、視覚障害、聴覚障害、身体障害、難病(パーキンソン病など)、高齢者、学生、会社員、学校の先生、そしてプロ棋士の方々など、誰でも気軽にこられ、碁盤をはさめばたちまち友達です。

こういう会が、全国のあちこちにできればいいな、と思っています。

神奈川新聞2019.4.16


遅くなりましたが、先週4月16日(火)に、神奈川新聞に掲載された「認知機能維持向上で注目の囲碁<中>」を添付します。

ここでは、東京都健康長寿医療センター研究所の飯塚あい医師らが行った研究で、囲碁には「注意機能、ワーキングメモリ(作業記憶)を維持・向上させる可能性がある」ことがわかり、それが最近国際的な学術誌に掲載されたことが書かれてあります。

ほかのゲーム、将棋やマージャンとの違いについては、「駒ごとに動きが違う将棋や、多くの役を覚える必要があるマージャンは難易度が高いが、囲碁は認知機能に応じて、石取りゲームなどの簡単なゲームから、対戦や詰碁、手筋の勉強など高いレベルまで楽しめる」と記事で説明されています。囲碁は難しそうですが、最初から19路盤でやるとなると、たしかにどこに石を置いたらいいか、躊躇しますよね。

・・・ここで質問です。皆さんは、囲碁は19路盤(19×19)だけしか使わない、と思ってらっしゃいませんか?
実は囲碁の碁盤には、入門者向けに6路盤や9路盤などもあるんですよ。
私は9路盤が好きで、無料で楽しめるネットゲームの「囲碁クエスト」では、専ら9路盤で対局しています。石倉先生教室では9級の私も、「囲碁クエスト」の9路盤では7級。えっへん!(なんて、威張れる棋力では全然ありませんが。) 

家事の合間、ちょっと気分転換したい時など、アイパッドを手に取って、1局でも「囲碁クエスト」をやる癖がついています。今日は5局やって、4勝1敗。持ち時間はたったの3分なので、気軽にリフレッシュできてお勧めです。

飯塚先生は、「地域で囲碁をすることによって、社会的交流が期待できる、と話されていますが、まさに大森のさぽーとぴあ(大田区立障がい者総合サポートセンター)で毎月第1日曜日に行われている、「高次異能機能障害と囲碁&心の唄」の集いもそうですよ。

高次脳機能障害者だけでなく、難病の人、視覚障害の人、聴覚障害の人、身体障害の人、そして普通の健常者の方が老若男女集まって、楽しく囲碁をしたり、心の唄バンドの歌や演奏を聴いたりしています(なんて贅沢なひととき!)。

私とコウジさんがこの会に参加し続けている理由は、何も囲碁をして脳を使うことだけが目的ではありません。どちらかというと、色々な人と会って話したり、笑ったり、歌を聴いたりしてみんなと一緒に時を過ごすことが楽しいのです。これからの社会は、「繋がり」が大事だと思います。囲碁を通して、人と繋がりましょう!

次回は5月5日です。ご興味のある方、参加されたい方は、是非コメント欄でご連絡下さい。

今日は、プロ入りした10歳の仲邑菫ちゃん(初段)が、初めての対局試合をしましたね。
惜しくも負けましたが、相手の大森らん初段も16歳。みんな若いなあ!
でも現役最高齢の杉内寿子八段は、なんと91歳!ですが、未だに若い棋士を打ち負かしていらっしゃるんですよ。何歳になっても囲碁を楽しめますので、皆さんも、今からでも遅くはありません。是非やりましょ~!世界が広がり、脳も鍛えられること間違いなし!

※明日の神奈川新聞には、私とコウジさんも取材された記事が載ります!是非お読み下さいね!

昨日は良い天気に恵まれ、竹橋にある毎日ホールでのシンポジウムにも多くの方が集まってくれました。有難うございました。

そもそもこのシンポジウムは、5月11日、12日の2日間に大船渡市で行われる囲碁の本因坊戦に関係しています。(本因坊戦の井山さんの対局相手は、河野臨九段に決まりましたね!)
ここで何度もお知らせしてきましたが、その本因坊戦をはさんだ5月9日~13日に「第6回碁石海岸で囲碁まつり」というイベントがあり、イベントの中には本因坊戦の大盤解説もあれば、囲碁ファンだというジャズピアニストの山下洋輔さんのコンサートもあります。詳しくは、実行委員長の木谷正道さんのHPをご覧ください。http://kokorono-uta.net/kokorono-uta/

そして5月12日には、「高次脳フォーラム&高次脳機能障害囲碁大会」が開かれ、私が僭越ながら基調講演「囲碁は高次脳機能障害を救えるか?」をさせて頂いた後、パネルディスカッション「高次脳機能障害と囲碁」があります(これも木谷さんのHPに掲載されています)。
このフォーラムの中で、急遽王銘琬九段による囲碁指導も特別催されることになりました。やった~!是非お越し頂ける方はお越し下さいね。王先生にかかれば、10分で囲碁を覚えられるそうですよ。

そしてその「高次脳フォーラム&高次脳機能障害囲碁大会」のプレイベントが、毎日ホールでの昨日のシンポジウムだったんです。

でも、囲碁と高次脳機能障害の話というよりも、高次脳機能障害そのものの話、特に松本方哉さんという男性介護者と、私という女性介護者が、それぞれ思っていることを、時に比較しながら、時に共感しながらお話させて頂いたのでした。
男性介護者というのは、概して会社には家族の障害や病気のことをなるべく教えないものだそうで、教えることはマイナスになるのだそうです。え~、そいつあ~大変だ。しんどいですね。私なんて、元々おしゃべりなせいもありますが、誰にでもコウジさんの障害についてオープンに話しています。勿論、会社ともコウジさんについて密に連絡し合える関係です。男性介護者もそうだったらいいのに。そうできる環境、社会だったらいいのに。

松本さんは奥様や息子さんのお話のほか、介護保険制度についての疑問や、このままでは2025年にはクライシス(危機)が来ますよ!高次脳機能障害者組は、今みんなで協力してふんばらないと!というお話をされました。

私もいつものように、「当事者には居場所を 介護者には支えを」というお話をする中で、夫コウジさんの居場所は、家庭、会社のほかに、2年前から囲碁が加わったということもお伝えしました。

最前列に座っていたコウジさんに前に来てもらって、彼にとっての囲碁について、少し話してもらいました。コウジさんは、「囲碁、いいですよ!皆さんも、囲碁をやりましょう!」と満面の笑顔で二言三言話すと、すぐ席に戻ってしまいました(笑)。もっと長く話してよ~。

それから、私からの提言として、今どことも繋がれていない、埋もれている当事者が沢山いらっしゃるはずなので、そういう人たちを見つけて支援に繋げる必要を訴えました。一言で言うなら、「コージ―をさがせ!」。(ウオーリーをさがせ!のパクリです)。
ちょっとふざけた文言ですが、キャッチ―で明るくて、いいでしょう?
その言葉には、病院で高次脳機能障害と診断してくれる医師の必要性(まだまだ専門医が少ないので)、不便な土地に住んでいたり、悪意のある家族に邪魔されたりで情報に届いていない当事者を救い出したい思いが入っています。

そして2008年の調査(もう随分前ですね)で50万人と推計された高次脳機能障害者数が、実はもっと多いことがわかれば、それこそ支援法制定へ向けてはずみがついたり、松本さんが要望されていらっしゃるような、介護認定調査にも高次脳機能障害に関する項目が追加されることでしょう。この障害を取り巻く制度が充実化してくることでしょう。

・・・講演にいらして下さった方々から、ブログへのコメントや、メールを頂いていますが、今日はお返事できずすみません。

昨日講演から帰宅してすぐ、愛犬ウメを病院へ連れていったり、娘ワッチが大風邪から喘息発作を起こしていたり、ずっとバタバタしております。

最後に、シンポジウムの場を提供して下さいました、毎日新聞社様に、心よりお礼申し上げます。
今後も、高次脳機能障害へのご理解とご支援を賜り、社会に向けて引き続き啓発して下さいますよう、宜しくお願い致します。

大船渡での本因坊戦第1局を、楽しみにしています。
(私は別室で行われる、大盤解説会が大好きです。前回大船渡で行われた棋聖戦では、一力遼さんの次の一手を当てて、大盤解説をされていた宮崎龍太郎七段のサイン入り色紙をゲットしたのです!わ~い。)

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