日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2019年06月

明日、あさってと大阪でG20サミットが開催されます。

~2019年G20大阪サミット関西推進協力協議会HPより~
G20サミットとは、メンバー国や招待国の首脳、国際機関など、37の国や機関が参加し、経済分野を主要議題として毎年開催される国際会議です。2019年は日本が議長国となり、大阪で開催されます。日本がこれまで経験したことのない大規模な国際会議となります。

 メンバー国は、G7(フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダ・欧州連合〔EU〕)のほか、アルゼンチン・オーストラリア・ブラジル・中国・インド・インドネシア・メキシコ・韓国・ロシア・サウジアラビア・南アフリカ・トルコ(アルファベット順)となっています。
 また、招待国・国際機関は、オランダ、シンガポール、スペイン、ベトナム、ASEAN議長国(タイ)、AU議長国(エジプト)、チリ(APEC議長国)、セネガル(NEPAD議長国)、国連(UN)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)、国際労働機関(ILO)、金融安定理事会(FSB)、経済協力開発機構(OECD)、アジア開発銀行(ADB)、世界保健機関(WHO)となっています。
 近年取りあげられる議題として、世界経済、貿易・投資、開発、気候・エネルギー、雇用、テロ対策、移民・難民問題等があります。

あいにくの大雨(今夕6時に台風に変わりました)の中、各国の首脳が続々大阪に集合、警備も大雨の中大変そうです。学校も休みになり、町も閑散とし、高速道路も通行禁止となり、物流が影響を受けている模様。
私も昨日、高次脳機能障害者の方たちが通われる宝塚市にある就労継続支援事業B型、焙煎工房Hugさんに、コーヒーを注文したのですが、届くのにいつもより時間がかかりそうです。
このHugさんのコーヒーの話は、また来週に詳しく書きますね。

今日はプラナリアのお世話をしていました。
冷凍赤虫を自然解凍し、水槽に入れると、気づいたプラナリアたちがいそいそ寄ってきて食べ、灰色だった体が赤くなります。水が汚れるので、汲み置きして数日経った水と、今まで入っていた水を合わせたところに移してあげて完了。これを週に2回やっています。
それなりの時間はかかりますが、プラナリアが伸びたり縮んだりして動く様をじ~っと見ていると、なぜか心休まり癒されます。

プラナリアは、その胴体を2つに切っても、それぞれがまた1つの個体となる不思議な生き物です。
ここに画像をアップしようと写真を撮ったのですが、苦手な人もいるかと思い、やめました。かわいんですけどね・・・。

大雨が東京にも近づいてはいるものの、まだ大丈夫だと思って、ウメの散歩を済ませた後、急遽自転車に乗って多摩川へ向かいました。前カゴには、ホームレスさんに差し上げる猫餌を沢山積んで。

目指すは一昨年の台風で増水した多摩川に流され、奇跡的に無事、対岸で見つかったニコちゃんです。
今までもコウジさんとニコちゃんを探して多摩川へ行ったことはありますが、なかなか会えませんでした。それが今日はニコちゃんにも、ニコちゃんのおじさんにも会えました。

しかも、多摩川猫とホームレスさんのお世話を長年続けられている、写真家の小西修さんもちょうどその近辺にいらしたので、小西さんともお会いできました。たまたまその後、やはり多摩川近辺の猫のお世話をされている小西さんの奥様とも会えました。
わあ、なんて素晴らしい日!家を思い切って出てきて良かった~!
(ウメも多摩川が好きですが、ウメが行くとニコちゃんが出てこないと思い、ウメは留守番です。)

小西さんとニコちゃんのツーショットをパチリ!
小西さん、素敵ですね。猫をこよなく愛される優しくて強い小西さんと、河川敷の石段に座って、しばらく小西さんのご活動についてのお話を伺いました。

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小西さんのブログはこちらです。
http://www.top-virtual.com/kabuto/diarypro/

けれど雨がポツポツ降ってきたのと、コウジさんも帰ってくる頃なので、小西さんと別れて帰途につきました。

今日の最後は、お知らせです。
来月7月7日(日)は、「高次脳機能障害と囲碁&心の唄」の例会です。これまで東京新聞や毎日新聞、神奈川新聞などに取材して頂き、段々有名になってきたこの会に、なんと今回TKK(東京高次脳機能障害協議会)の細見理事長が参加されます。嬉しいです!
ご関心のある方は、どうぞいらして下さい。

日:7月7日(日)
場所:大田区立障がい者総合サポートセンター(さぽーとぴあ)
スケジュール:
9時半~ 囲碁の会(3階)*9時半に来られなくても、10時でも11時でも大丈夫。(囲碁をする時間が少なくなりますが。)
11時半~コンサート(5階)

お問い合わせ:高次脳機能障害と囲碁(栗城優子さん)
     E-mail:kurishiro@live.jp Tel:080-5450-0052

それではまた。

        

梅雨時の貴重な晴れ間を利用したく、結局家中のカーテンを洗ったのですが、狭い家なのにやたらと小さな窓の多い我が家では40枚以上になり、2日がかりでした(泣)。

普通のカーテンならいいものを(それでも大変ですが)、ローマンシェードというタイプのカーテンが多く、それは1枚につきフックが30個以上ついているので、洗濯前にそこからカーテン布をはずすのが一苦労。洗って干した布をまた取り付けるのにさらに一苦労。指の先がプラスチックのフックに痛められ、ガサガサになりました。

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まだ取り付けられていないカーテンも何枚か残っていますが、疲れてしまったし指が痛いし時間を取られるのでしばらく放置です。

バナナの木の植え替えもしたんですよ。
バナナの植木をもらったのは、2年ほど前のことでした。時々根元から子株が出てくるくらい元気だったので、(もっと大きな鉢に植え替えてあげなくちゃ・・・)と思いながらも面倒だったので、ずっと放置していました。

すると先月末、急に葉っぱが黄色くなり、枯れ出したではありませんか!
ああ、こんなことならもっと早く植え替えてあげたら良かった、このまま枯れてしまうのか、いや、まだ間に合うかもしれない、とすぐ大きな鉢に適当ですが植え替えたんです。

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(植え替えた直後のバナナ。沢山ついていた茶色い枯れ葉は取り除きました。また、今まで室内だったのを、表に出しました。)

植え替えながら、(病気もそうだ。治らないところまで放置して慌てて病院へ行って結局後悔することになるより、ちょっと心配なうちから早めに病院で治療を受けなくては。)なんて考えていました。

そういう時思い浮かべるのは、きまってコウジさんの顔であって、私自身ではありません。
コウジさんは子どもの頃からすぐ風邪ひく人だったそうで、くも膜下出血なんて大病もしましたから、私には「とても弱~い人!」というイメージがあるんです。

健康な人と結婚すれば楽だったかもしれませんが、自分が頑丈だと、わりと結婚相手が体が弱い人でも気にならないものなんですね(私だけ?)・・・おかげで、思ってもいない、想像外の人生になりましたけど。はい、良かったですよ。コウジさんのおかげで、それまでの狭かった自分の世界が広がり、人に感謝するようになりましたし、人と繋がることの大切さを実感しました。それまでは、狭いなんて思ってもいなかったですし、人との繋がりについてあまり考えたことなかったのですが、井の中の蛙でしたから、恥ずかしいです。

で、話を戻しますと、1か月経ってバナナはこんなに元気になりました。
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ね、比べてみると、木の背丈も延び、葉っぱの色も濃くなったのがわかりますよね。そしてなんと根元には嬉しいかな、子株ちゃんが! やっほ~! これからは、大切に育てますよ。今まで窮屈な思いをさせて、ごめんね。間に合って良かった。

一昨日は、ウメも脱走したんです。
柴犬は換毛期(1年中抜けていますが、特に春と秋の2回)にはすごく毛が抜けるので、それで首も細くなっていたんですね。でもウメはもう高齢(12歳)だし、おっとりしているので、油断していました。散歩で家を出た時に、私が連れて行こうとした方向が嫌だったのか、ウメは「そっちじゃないよ、こっちに行くんだよ。」とイヤイヤをして首を左右に振りながら後ずさりした時、スッポン!と首輪が抜けました。

その瞬間、私はこれから始まる捕り物帳を想像し肩を落とし、自由になったウメの顔はこれ以上ないほど輝き、「行ってきま~す!」と早速走り出しました。

ウメは車を気にせず道路を渡るので、車にぶつかって血だらけで横たわるウメの姿が脳裏をかすめ、肩を落としている場合ではなく、私はすぐ意を決して追いかけ始めました。
ウメは近所の家という家を覗きながら少し脱走の足をゆるめる時があるので、その時すかさず尻尾を掴もうとして手を伸ばすのですが、そうはさせじ、と腰を落として掴まらせないようにするとまた走り出します。

困った困った、車道に出ないうちに捕まえないと、と追いかけていると、車道手前の家のおばさんが、ちょうど水やりで家の前に出ていて、事情を察知して両手を大きく広げてくれました。

それを見たウメは、そっちには行けないと思い、ある家の敷地に逃げ込みました。
そこが袋小路なので、ああ、良かったと安堵しながら、行き止まりの塀の前で観念して私を見るウメに、無事首輪をつけられたのでした。
その時のウメの残念そうな顔。でも車にぶつかったら本当に危なかったので、捕まってあなたも私も幸せなんですよ。

おばさんも、ちょうど通りかかったほかのおばさんも「良かった良かった!」と喜んでくれました。
近所が仲良しなので、ここはとても暮らしやすいです。

でも、ウメはまだまだやんちゃなのがわかりました。
そういえば、家の中でもまだボールやぬいぐるみをくわえては放り投げてガウガウ遊んでいます。
犬は永遠に子どもなのかもしれない。いつかは死ぬんだ、ということは全く知らないのでしょうから。不憫な気もするけれど、その方が幸せなのかもしれない。「長生きしておくれ、ごめんね。」、ともう危険な目に遭わないよう、首輪の穴を1つきつくしました。

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(写真は、今日のウメです。)

大学生の娘ワッチの勉強で、いつも英語の和訳チェックを頼まれる私。ここのところその量がやたらと多く、来る日も来る日も訳しています(涙)。

面倒だけれど、私も英語の訓練になりますし、なにより内容が面白いものが多いのでやっています。たとえば太陽の話、シリコンの話、メタンクラスレート(温室効果ガス。これを資源として利用する取り組みが進むと、地球温暖化が進む可能性大)の話、禁止されたDDTの話や食物連鎖でトップにいる生きもの(人間ですよね)に有害物質が一番蓄積する話、今日はマイクロプラスチックの話を訳しています。まだ途中だから、どんな話なのか今はわかりませんが、やっぱり面倒だし時間取られるから、せいぜい1日1時間までにしたい。

そして、あと4日後に迫った囲碁の「勝負美人杯」。「美人」という名前がつくので、コウジさんもワッチもその話をするとすぐ大笑いするのですが、「囲碁をする姿が美しい、という意味なのよ!」とその都度説明(弁解)しています。 でもここのところあれやこれやで忙しくて集中力も低下しているためか、囲碁クエストやってもすぐ負け、私としては絶不調です。 
いいです、いいです、参加することに意義あり。 石倉先生教室の仲良し囲碁仲間4人で、日本棋院探訪する気持ちで行ってきます。
なにしろお弁当、おやつ付きで4局も打てて3千円、という安さなんですよ!(疲れそうですが…体力もつかな。) しかも3勝以上だと、景品が出るんですよ!楽しみ楽しみ♪1勝もできないかもしれませんけどね・・・。

最後に、近づいてきているイベント等のお知らせをしないと。

ああ、障害者試験の受付は今日までインターネットか郵送で受け付けです。もっと早く書こうと思っていたのに、すみません。でも関心のある方は、きっともうご存知ですよね。

中央省庁の雇用水増しを受けた対応で、人事院は障害者に限定した2019年度の国家公務員の受付を16日~26日まで受け付けます。採用予定数は省庁など31機関で計248人です(国税庁50人、法務省37人、出入国在留管理庁18人)。障害を示す手帳や診断書などを所持し、1960年4月2日以降に生まれた人が対象。9月15日に全国9都市で1次選考の筆記試験を実施。二次選考は省庁の面接、11月26日に最終合格者発表です。
受験者は1次選考時に志望先を3か所まで申告、人事院が面接日を決めます。
詳細はネットに載っているかな、調べて下さい。

6月29日(土)のシンポジウムのお知らせです。

~東京新聞より~
障害者の差別に結びつく優生思想と人権擁護をテーマにしたセミナーが二十九日午後一時から、東京都千代田区内幸町二のイイノホールで開かれる。障害者をはじめ社会的弱者と関わりがある人たちによる講演とシンポジウムがある。

優生思想を巡る議論は、二〇一六年に相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件をきっかけに盛んになっている。セミナーでは、日本を含めた世界の国々が福祉政策の名の下で優生思想をどう扱ってきたかを学びながら、これからの社会のあり方を考える。

第一部は日本障害者協議会代表でドイツなどの優生思想の歴史に詳しい藤井克徳さんが基調講演。第二部のシンポジウムでは、自立生活センターHANDS世田谷の横山晃久理事長、NPO法人東京都自閉症協会の中村文子副理事長、都の養育家庭里親として長年子どもを育てている坂本洋子さんが登壇する。コーディネーターは日本障害者協議会の赤平守理事が務める。主催は社会福祉法人武蔵野会(東京都八王子市)。

参加無料。事前の申し込みが必要。問い合わせは武蔵野会=電042(631)6341=へ。 

ではまた。

今日は、渡辺一史さんの本のご紹介です。
ご紹介するまでもなく、映画化もされて皆さんご存知と思いますが、『こんな夜更けにバナナかよ』。

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進行性筋ジストロフィーを患った鹿野靖明さんが、24時間介助者(ヘルパー)に支えられて、札幌のケア付き住宅で一人暮らしをされる話です。鹿野さんは残念ながら2002年に42歳で亡くなりましたが、体が非常に不自由なのに、それにめげずたくましく生きられる姿には、胸を突かれますし、教わることが多いです。まだお読みでない方は、是非読まれることをお勧めします。

鹿野さんが一人暮らしされていたケア付き住宅設立は、当時の横路知事の公約だったそうですが、その元で、当時厚労省から同庁障害福祉課長に配属されていらした浅野史郎さんが、その設立にご尽力されたそうです。

鹿野さんは痰吸入しないと窒息してしまうため、24時間ずっと介助者が必要でした。そのため公的な介助者だけでは足りず、ボランティア介助者や有償介助者を探さなくてはならず、それは並大抵の大変さではありません。なにしろ命がかかっているのですから、絶対必要で必死なのです。

そうして来てくれたボランティアの学生さん、社会人、主婦の人達に、鹿野さんは決して受け身ではなく、介助の仕方を指導したり、したいことを遠慮せず要求(それがタイトルにもなっています)され、ボランティアの人たちは、介護を終えて帰る時、「有難うございました。」と言い、鹿野さんは頷く、というのですから、介助される人のイメージが覆されますね。実際そこでボランティアされた方たちは、その経験を活かしてその後各分野で活躍されますから、鹿野さんは先生のような存在だったのですね。

この本にも付箋を沢山つけましたが、中でも私が一番心動かされたのは、片桐さんというボランティアの方の言葉です。少し長いですが、引用させて頂くと、

「自分の人生を考えても、結局は、どれだけどういう人たちと出会って、つき合うか、なんだなあという感じはなんとなくしてるんですよね。社会的に偉くなるとか、お金持ちになるかなんて、あまり大したことではなくて、突き詰めると、どんな人と出会って、つき合うかー。で、人生を振り返ったときに、いろんな人と一緒に喜んだり、一緒に泣いたり、そういうことがちゃんとあったなあと思えれば、まあ幸福だったということになる・・・」(P513)

この言葉に私はすごく共感を覚えました。うんうん、そうそう、私もそう思う!と。
社会的に成功することとか、お金持ちになることとか、有名になることなんかどうでもいいことで、色々な人と一緒に笑ったり泣いたりしたことがちゃんと、一度でもあったなら、幸せだったんだと。(この、「ちゃんと」がいいですね。あまり普段使わない言葉ですが、いい言葉だと思います。)
だから、鹿野さんはとても幸せ者だったんだと思います。

この片桐さんの言葉に出会えただけで、この本を読んで良かったと思ったくらいですし、片桐さんや作者の渡辺さんに感謝しています。

皆さんも、「ちゃんと」笑ったり泣いたりしていますか?

また、渡辺さんが昨年新著を出されていることをたまたま知ったので、早速買って読みました。『なぜ人と人は支え合うのか』(ちくまプリマ―新書)です。

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この本も素晴らしかったです(愛猫チーと写真を撮ったあと、また付箋が沢山貼り付けられましたよ)。この「ちくまプリマ―新書」というのは、「主に高校生や大学生などビギナーを対象としたシリーズ」(渡辺さんの「あとがき」から)だそうですが、いやいやどうして、内容が多岐に渡りしかも深く、読み応えがありました。

「人は誰かを「支える」ことによって、逆に「支えられている」のです。」(P125)という言葉がこの本全体に流れている著者の考えですが、「障害者は高齢社会の水先案内人」というジャーナリストの大熊由起子さんの言葉が紹介されていたり、「障害」「障がい」「障碍」という言葉についてその言葉が生まれた背景と、その言葉についての著者の考えが述べられていたり、興味深い話が盛り沢山です。

2017年に「東京都女性活躍推進大賞」を受賞された海老原宏美さんが都知事宛てに書いた文章の一部も紹介されていますが、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。

海老原さんは、脊髄性筋委縮症Ⅱ型という難病を負われ、呼吸器を使って生活されていますが、その生活を追った素晴らしい映画「風は生きよという」の監督、宍戸大裕さんもこの本の中に出てきたので、驚きました。
私も来月、渡辺さんとお会いする機会がありますので、楽しみにしています。

話は変わりますが、今日はコウジさんの定期的な受診日でしたので、コウジさんには有休を取ってもらい、私が車で玉川病院まで連れて行きました。

主治医の和田先生とお会いし、私が「コウジさんがこんなことしました」「あんなことしました」と、最近起きた事件を話しますと、それに対して先生はアドバイスを下さったり、それが高次脳機能障害を負った人にはよくあることなのだ、と教えてくれたりします。

ああ、いい先生に巡り合えたなあ、と喜んでいる私の隣で、「え~?そんなことあった?」とそういう事件を自分が起こしたこと自体を忘れているコウジさん。ぼ~っと私と先生の話を聞いていると突然思い出し、「ああ!あの時か!」とか、「あの時はびっくりした!」と思い出せたことに喜びます。ただ、どうして自分がそういう行動を取ったのかは、わからないようです。

例えば、愛犬ウメが家を脱走したのに探しにいかなかった理由もわからないし、囲碁の会で迷子になったのに、戻ってくる努力よりも、帰ってしまう方を選ぼうとした理由などもわからないようです。

先生は、「いい加減なんでしょう。」と苦笑されていました。
いい加減なのはコウジさんの元々の性格ですが、障害症状でもあるようです。

昨日も今日も忙しくて、囲碁は全然できませんでした。

6月30日(日)に、日本棋院で行われる「勝負美人杯」というものに参加申し込みしたので、囲碁勉強を頑張らなきゃいけないのに~。
囲碁をされる18歳以上の女性の皆さん、申込み締め切りは6月21日です。いかがですか?

http://syobubizin.main.jp/






すっかりご無沙汰してしまい、すみません。
3日に書いたっきりでした。

その間、我が家に来客2回、外出1回、囲碁教室2回、実家1回、愛犬散歩30回くらい(笑)、ワッチの用事がいっぱい、本読みかけや再読が数冊、メールは数えきれないほど、明日はコウジさんの病院付き添い・・・

正直、家事だけで1日終わりますよね。ああ、本当は家中のカーテンも洗いたいし、ウメをお風呂にも入れたいけど、今週は無理そう。それにそういうのは、梅雨明けしてからがいいかも。

色々ありました。
8日(土)夜には、山口研一郎医師を囲んで会食があり、私が幹事。昼間のシンポジウムは行けなかったけれど、夜のこのこ東京駅まで出て行きました。山口先生が10月に大阪で生命倫理をテーマにした大きなイベントを企画中で、その打ち合わせも兼ねていたので(私は遠いから多分行けませんけど)、講演予定のジャーナリスト斎藤貴男さんとその席で初めてお会いしました。

著名な斎藤さんに、高次脳機能障害のこともせっせとご説明、拙著もお渡ししてきました。後で伺ったところ、笑いながら読んで下さったそうですし、この障害のことをわかって頂けたようで嬉しいです。その通り、『日々コウジ中』『続・日々コウジ中』は、笑いながら読めて、読み終わった時にはこの障害のことがわかっている、という優れものです(ちょっと自慢と宣伝)。

斎藤さんは数えきれないほどのご著書がありますが、全然読んだことなかったので(スミマセン)、早速帰宅してから最新作の『平成とは何だったのか?』(秀和システム)をアマゾンで注文、読み始めたところです。平成約30年間の色々な出来事が、わかりやすく解説されていてしかも面白く、これは皆さま必読ですよ!
 
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本といえば、先月大船渡でお世話になった浅野史郎さんのご著書『明日の障害福祉のために』(ぶどう社)、これも読んで頂きたい本です。浅野さんは厚労省から宮城県知事、大学教授というご経歴の持ち主ですが、お会いするととても気さくなお人柄、お笑いタレントさながらのジョーク連発で周りは爆笑の渦です。ずっと障害福祉をライフワークとされてきた浅野さんの回顧録ともいえる本だそうですが、まだまだこれからもずっとご活躍される方です。囲碁と高次脳機能障害関連イベントにもご協力賜り感謝しています。12月1日(日)には、大田文化の森で、浅野さんと木谷正道さんと夫コウジさんがトーク予定です。 まだ先ですが、皆さまいらして下さいね。

この『明日の障害福祉のために』は私はいっぱい付箋をつけましたけれど、その中で特に好きな箇所があり、それは53ページの「走りながら考える」という言葉です。 とにかくやってみて、困ったらその時どうすればいいか考える、「行動が先、思考は後」というのが、浅野さんの仕事のスタイルなのだそうですが、この言葉に非常に共感を覚えた私は、以来それをポリシーにしてしまいました。うじうじくよくよ考えているよりは、まず行動してみる。軌道修正が必要になればすればいいから、とにかく、走り出す。そうしないと、なんにもしないで人生終わっちゃいますよ、勿体ない。

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児玉真美さんの『死の自己決定権のゆくえ』(大月書店)も、渾身の作です。たまたま付箋はあまりつけていませんが、本の中は引いた線だらけです。

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「尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植」という副題にあるように、諸外国のそれらの事例を取りあげつつ、重症心身障害者の親として発せられる重い言葉が沢山詰まっています。生命倫理問題を考える入口となる本ですので、是非お読み下さい。先日話題になったNHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」で取材されたスイスの話も書かれています。英語が達者な児玉さんは、外国の最新情報を翻訳されてはブログに載せられています。

児玉さんのブログはこちらです。
https://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2/66314369.html

最新記事は、宍戸大裕監督の「道草」が尾道で上映されたのですが、その上映後のトークでした。読みごたえありますし、児玉さんと宍戸さんのお人柄もよくわかりますよ。

長くなってきましたので、本の話はまた明日に続けます。

愛犬ウメを毎週病院へ連れて行き、耳の治療を続けていますが、やはり手術は避けられなさそうです。でも最近ウメは散歩の時、リードをぐいぐい引っ張るほど元気で、先週の涼しかった日、ほとんど多摩川近くまで行きましたよ。

私は、(ウメがすごく若かった頃、このあたりまで来たこともあったなあ、もしかしたらウメは(歩ける今のうちに、あそこに行っておきたい!)と思っているのかもしれない。)、なんて勘ぐってしまって、おセンチな気持ちに押され、遠足のように遠出してしまったのでした。
でもきっと何も考えていなかったウメ。途中からだらだらし出し、私も、(ここまで来たはいいけれど、また同じ距離を帰らなくてはいけない・・・)と途方に暮れました。
車でピックアップに来てほしい(誰も来ないけど)くらいでしたから、犬専用のタクシーが走っていたら助かるのになあ、とブツブツ言いながらどうにか帰ってきたのでした。

案の定、その日はウメもずっとのびていて、翌朝まで寝ていました。私にいたっては、疲れが取れず翌日もぐったりしていました。
また、太ったウメには長時間の散歩は足に負担かかるからあまり良くないので、これからは変な勘ぐりを捨てて1時間以内に戻ってこられるようにします(苦笑)。

ではまた。
ウメが催促しに来ましたので、今からまたウメの散歩です。今日はこれで4回目です。ひい~。
(注:犬の散歩は、朝夕2回と決まっているわけではありません。ウメは最低2回ですが、5回行くこともあり、夜中の零時や2時に行くこともあります。体調がすぐれなくて落ち着かない時、頻繁に散歩を催促するんです。でも全く行かない犬もいますよ。トイレも家の中で済ませるそうなので、猫みたいですね。)





昨夜、NHKで安楽死についての番組がありました。
再放送が明日深夜にありますので、ご覧になっていない方はご覧になった方がいいかもしれません。

NHKスペシャル(再放送)
「彼女は安楽死を選んだ」
6月5日(水)0時35分~1時24分(4日深夜)

NHKのHPから引用しますと、
「安楽死が容認され海外からも希望者を受け入れている団体があるスイスで、一人の日本人女性が安楽死を行った。3年前に、体の機能が失われる神経難病と診断されたAさん。歩行や会話が困難となり、医師からは「やがて胃瘻と人工呼吸器が必要になる」と宣告される。その後、「人生の終わりは、意思を伝えられるうちに、自らの意思で決めたい」と、スイスの安楽死団体に登録した。
安楽死に至るまでの日々、葛藤し続けたのが家族だ。自殺未遂を繰り返す本人から、「安楽死が唯一の希望の光」だと聞かされた家族は、「このままでは最も不幸な最期になる」と考え、自問自答しながら選択に寄り添わざるを得なくなった。そして、生と死を巡る対話を続け、スイスでの最期の瞬間に立ち会った。
延命治療の技術が進歩し、納得のいく最期をどう迎えるかが本人と家族に突きつけられる時代。海外での日本人の安楽死は何を問いかけるのかを見つめる。」

私はコウジさんと見ましたが、なんともいえない気持ちです。
回復が見込めないどころか、どんどん悪化していく難病を抱えてしまった女性の、「死ぬことは生きることと同じくらい大事なんだ。」という言葉はとても重たく、それを否定できるかというと、簡単なことではなく・・・。

彼女は何度も自殺未遂をされたほど、もう生きたくはなかったようですので、それほどその病が大変なものだったのでしょう。彼女は、安楽死という道があることを伝えたい、という気持ちから、取材を受けられたそうです。彼女の選択を尊重しなくては、という気になります。それでも・・・。

同じ病気を抱えながら、生きることを選択した別の女性も取材されています。

私ならどちらを選ぶか、あなたならどちらか。
その人のそれまでの人生、その人の置かれた環境によっても決断は分かれるかもしれませんが、私はできることなら、苦しくても最後まで命をまっとうしようとする女性と同じ道を選ぶだろうなあ・・・。せっかく授かった命だもの。それも、安楽死を選ぶのと同じくらい、強い精神力が必要だと思いますが。

とても考えさせられる番組ですので、どうぞ録画などされてご覧下さい。夜遅い時間の放送なので。

・・・昨日は、月に1回の、「高次脳機能障害と囲碁」の会でした。
また、色々なことがありました。

・まず、電車に乗る時から、コウジさんは上りか下りかわからず、「どっち?」と私に確認。毎月行っているのに。
・電車に乗ると混んでいて、すぐ目の前に男性がいるのに、コウジさんは私に向かって、「明日の朝のパン、買わなくちゃな!」と大声(我が家は朝はパン党です)。・・・家庭の朝食の話など、こんな混雑した電車の中でしないでほしい(怒)。
・別々に座れたので、私が詰碁の本を読んでいると、私の頭をツンツンつつく指。見上げると、コウジさんが、「どこで降りるの?」・・・なんかさあ、やっぱり恥ずかしいんですよね。大の男が、知らない人たちがいっぱいいる中で、子どもみたいな質問してくるの。それに乗る前に降りる駅名はちゃんと言ってあるのに。

そして、極めつけは・・・
家を出るのが遅くなったので、乗り換えでは私が先に立って急いで歩きました。でもコウジさんが心配なので振り返ると、5メートルくらい後ろを一所懸命私のあとを追ってくる彼の姿。コウジさんは私が振り返ったので片手を挙げて、周りを見ずに私めがけて嬉しそうにズンズン歩いてきました。

そして私が(あ!危ない!ぶつかる!)と慌てて注意しようとする間もなく、コウジさんは若い女性とぶつかりました。その女性は、すごく驚いて、かつ険しい顔をして、コウジさんを睨みつけていました。

おかまいなしに私のところに来たコウジさんに、「女の人にぶつかったじゃない!」と怒ると、「ぶつかってきたから、「痛えな!この野郎!」って言ってやった。」と答えるコウジさん。だから彼女はあんな表情をしたんだとわかり、申し訳ないやらコウジさんに腹が立つやら。

「ぶつかったのはあなた。あなたが斜めに歩いて、まっすぐ歩いていた女の人にぶつかったのよ。あなたが謝らなきゃいけないのに、なに言ってるの。」と諭すけれど、コウジさんはわからないようでした。いつも相手が悪いと思ってしまうコウジさんなので、相手がもしヤーさんとか、カリカリしだ男性で刃物を所持していたりしたら、とても危険です。いつも会社の行き帰りに、こんなことが度々あるのではないかと思うと、心配です。コウジさんは、「そんなことない。」と言うけれど、忘れているだけかもしれない。

囲碁は、元院生のNさんに懇切丁寧に教わり、コウジさんも喜んでいました。
囲碁の会に入った当時は、すぐ疲れて午前で帰っていましたが、今は慣れたのか体力がついたのか、お昼ごはんを皆で近くのお店に食べに行くのにも、一緒に行けるようになりました。

で、また事件が起きました。
おなかいっぱい食べたあと、打ち合わせのためまた会場のさぽーとぴあに戻ってイスに座った時、コウジさんがカバンを持っていないことに私は気づきました。(もっと早く気付けば良かったのだけど。)

「コウジさん、カバンは?」と私が聞くと、ハッとするコウジさん。「忘れてきた!どこだろう。お店だ。」と、お店でご飯を食べたことは覚えていたので嬉しいけれど、私はこれから大事な打ち合わせがあるので、近所だし、コウジさん一人で取りに行かせました。

コウジさんは、「わかるかなあ。」と不安そうでしたが、なにしろすぐそばの店だから・・・
Nさんが心配して、春奈さんにコウジさんについて行ってくれるよう頼みましたので、「大丈夫です、1人でやらせてみます。」と私が言うと、木谷さんも「奥さんが言うのだから、それでいいでしょう。奥さんに任せましょう。」と、皆でコウジさんの挑戦を見守ることにしました。

でも、全然帰ってきませんでした。携帯も、そのカバンの中なのです。

皆も心配し出し、私も段々心配になってきた頃、ようやくコウジさんから携帯電話がかかってきました。
携帯が使えるということは、お店に行けたということですから、ほっとしました。やっぱり心配でしたから。皆も、コウジさんがお店に着けたことを喜んでくれました。

でも、コウジさんは今度はここ、さぽーとぴあの場所がわからなくなり、迷っていました。どうやら逆方向に歩いているようだったので、一度お店に戻ってもらいました。「戻れるかなあ。よし、やってみる!」と電話の向こうで不安げながら決心しているコウジさん。

随分時間が経って、「お店に戻れた!」と喜びの声。こっちのみんなも、ハラハラして気にしていましたが、お店に戻れたことで笑顔に。
私がお店からさぽーとぴあへの戻り方を電話で教えると、時間はかかりましたが、戻ってこられました。その後3階の私たちがいる部屋までが、また時間かかりましたが、恐る恐る部屋を覗くコウジさんの姿を私は見つけ、手を挙げました。やれやれ、という表情で部屋に入ってきたコウジさんを、皆が拍手で出迎えたので、驚き恥ずかしがるコウジさん。

私が「ああ、良かった。まるでテレビの「はじめてのおつかい」みたいだ。」と言うと、みなも「そうだそうだ!」と笑いました。

携帯電話があったので、なんとかなりましたが、なかったら私はコウジさんが部屋を出て20分くらいしたところで探しに行ったことでしょう。大ごとにならずに済んで、本当に良かったです。

その後コウジさんも含めた皆で打ち合わせを続けましたが(12月1日にイベントを開くので)、やっぱりコウジさんは体力がついたなあ、と思いました。囲碁をし、昼食を食べ、かばんを取りに行って戻ってくるだけでも、彼はきっとものすごく体力と頭を使ったと思うのに、そのあとの打ち合わせにも参加できたのですから。

丸一日たった今でも、まだ私は思い出すとドキドキし疲れますが(笑)、非日常のもろもろは、いい頭のリハビリになるなあ、と改めて思いました。

それも、囲碁の会に入ったおかげです。
囲碁を始めて良かった~!

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