日々コウジ中

日々コウジ中 - クモ膜下出血により、さまざまな脳の機能不全を抱える“高次脳機能障害”になったコウジさんを支える家族の泣き笑いの日々

2021年01月

今日はヘトヘトです。
犬(ウメ)の話にあまり関心のない方は、長い話なのでスル―してください。

朝の気忙しい家事が終わり、昨日餌をあげたプラナリアの水槽が、餌の赤虫で汚れているのを、ぽかぽか日が当たる窓越しに至福を感じながら掃除し始めた時のこと。
ウメの散歩に出ていたコウジさんが慌てて帰ってきて、「ウメの首輪が抜けた! 逃げちゃった!」と叫びました。

その一言で一瞬に至福から奈落の底へ落ちる心境になった私は、手にしていたスポイトを放り出すと、予備の首輪とリードを手に家の外に飛び出しました。化粧もしていないし、髪もボサボサでとかしてないし、着の身着のままだし、マスクもしていませんでした。一刻も早くウメを捕まえないと、この辺は車も通るので、ウメの命が危ないからです。

ところが、「どっちに行ったの?」と聞きたい相手だったコウジさんの姿はどこにもなく、どこへ行ったらよいやら、360度ぐるりとあたりを見回し、適当な方向に自転車を走らせました。

(もう、一体何度ウメを脱走させたら気が済むの?)(ウメが逃げたと私に報告に帰ってくるよりも、ウメを捕まえに走った方がウメは太って年取って歩くのも走るのも遅いのだから、捕まえられたでしょうに!)とコウジさんに腹が立ったり、(コウジさんを信用してしまっていた私が悪いんだ!)と自分を責めたり、(今日がウメの命日になってしまうかも・・・涙)と、車にぶつかり血を流して横たわるウメの姿を想像したりすると、発狂しそうでした。もしそんなことになったら、こんなに可愛がって大切にしてきた愛すべきウメが、最後にすごく痛い思いをして死んでしまうことになり、なんて可哀想なことでしょう。それに相手の車にも迷惑かけてしまいますし。(あとでワッチから、犬を轢いたら車にも損害を与えるだろうから、賠償しないといけなくなる、と指摘されました。)

(もう嫌だ、これでウメが死んだら離婚だ!)、なんて思いながら30分ほど血眼で息を切らせながら探し、歩いている人計20人くらいに「茶色い柴犬見ませんでしたか?逃げちゃったんです!」と声をかけてまわり(「見た」という人は1人もいませんでした)、動物病院にも報告し(そこがウメは大好きなので、もしかしたら来るかもしれず)、仲良し犬の飼い主にも連絡し(彼女も自転車を出して必死に探してくれました)、寝ていたワッチも飛び起きて自転車で広範囲に探し回り、時々すれ違うコウジさんだけなんだかのんびり歩きながら探しているのが癪にさわりました。
そして、これだけ探してもいないし、事故にも遭っていないようなので、これは誰かがウメを捕まえてくれて警察に連絡してくれているのかもしれない、と思い出しました。

その頃にはウメが脱走してから、既に1時間くらい経っていました。もう息も切れ、汗だくです。
前にもウメが脱走した時、警官が捕まえてくれていたので、すぐこれは警察だと思って110番したのでしたが、それは緊急の場合とのことで、私も相当テンパっていたのでしょう。電話に出た人がこのあたりを管轄する警察署の番号を教えてくれたので、そこに電話し直しました。すると、私が電話口で一所懸命説明したウメの特徴を持った犬が、現在その警察署にパトカーで搬送されてくるところだとのこと。パッと光明が差した気もしましたが、もしかして違う犬かも知れないので、嬉しい気持ち半分、不安な気持ち半分でした。

けれど電話口の警官が、「いなくなった時間帯、地域、犬の特徴を考えると、搬送されてくる犬はほぼ間違いなくお宅の犬だと思います。」と言ってくれたので、心配してこっちを見ているワッチにVサインし、簡単な問答を終えた私は、すぐ身分証明書(運転免許証)と、ウメと私が一緒に写った写真を警察から言われるままに持って、ワッチと一緒に車に乗り込みました。そこへちょうどコウジさんが歩いて帰ってきたので、「多分ウメが見つかったから警察へ引き取りに行ってくる!でももしかしたら違う犬かも知れないから、あなたはベランダから、ウメが歩いてくるかもしれないから見ていて!」と告げ、喜んでいる彼を残して警察署へ急ぎました。 そしてそこで、まぎれもないウメと再会できたのでした。

どこにでもいる柴犬ですが、最近ウメに老化でできていた右目の下のイボが決め手になり、警官たちも「うん、間違いない!」と写真に写ったイボのあるウメと、ケージから出されて尻尾を振っているイボのあるウメを見比べて、喜んでくれました。 その後書類に色々記入し、優しく笑顔で見送ってくれた警察の方がたにお礼と、「もう絶対逃がしません。」と誓いを申し上げ、ワッチと帰ってきたのでした。うちのせいで、警察の方がた、友人、ウメを捕まえてくれた人に多大なるご迷惑をおかけし、本当に申し訳なかったです。

ということで、もうコウジさんはウメを逃がしてばかりなので、これからはコウジさんにはウメの散歩をさせないことにしました。コウジさんは、「いいよ、オレだって好きでしてたんじゃねえ!」なんて、どこか本音のような捨て台詞を吐きました。

友人にお礼のお菓子を持って行ったり、遅い昼食を食べたり、掃除の途中だったプラナリアの世話を再開したり、でもう夕方になっていました。ああ、1日終わっちゃった。

そして、夕方の散歩は私がウメを好きな方に歩かせてみたところ、ウメは私が滅多に行かない区域(我が家のそばですが)の道へ進み、とある家の前で止まりました。そして動こうとせずじっと門扉の中を見続けました。 そこは門扉が閉まっていましたが、庭には猫が座ってこっちを見ていて、家の中には大きなキャットタワーも見えました。

実は、ウメが見つかった経緯は、あるお宅の前をウロウロしているウメを見つけたそこの住人が、ウメを庭に入れて道に出ないよう門扉を閉め、近くの交番に通報してくれたそうです。そこから連絡を受けた警察署がパトカーでその家へ向かい、犬用ケージにウメを入れて警察署に連れてきたそうです。その住人が適切な対応を取って下さり、大変有り難いことです。おかげでウメは無傷で戻ってこられたのですから。その住人の住所は番地までしか教えてもらえませんでしたが(その方が教えるに及ばず、と言われたそうです)、ウメが私を連れて行ったお宅は、その番地にありました。 きっとここのお宅の方だったのだろう、と確信しました。ウメは、好きな猫をそのお宅の庭に見つけ、門扉から長い時間動かなかったのでしょう。そしてそんなウメに、住人が気づいてくれたのでしょう。あるいは猫がうなり声をあげて気づいたのかもしれません。

うちから歩いて5分もかからないお宅だったので、ほとんど歩いていないはずのウメでしたが、ストレスがあったのでしょう、今日は餌をほとんど食べず、ずっと寝ています。

コウジさんは、実は最近ほかにも色々しでかしてくれているので、私はしょっちゅう爆発していますが、結局はコウジさんは障害があるので仕方なく、非は私にあるのだという結論に落ち着いています。(そうすると、腹の虫もおさまるんです。)
今日のウメの脱走も、コウジさんにウメの散歩を任せてしまった私が悪いのです。

今日のところはこのへんで。
また「コウジさんは障害だから仕方ない、咎められるべきは私である」話を書きますね。

ではまた。

さくら警察署で

警察署で再会したウメ

さくら右目下のイボ

右目下にイボがあるウメ

お知らせが遅くなりました。

●鈴木大介さんとNPO法人Reジョブ大阪さんによるクラウド・ファンディングは、明日1月31日が締切です!
「高次脳機能障害者の切実な声を記事にした冊子、動画をまとめたサイトを作りたい!」

https://camp-fire.jp/projects/view/356989

当初の目標額は見事達成され、今はネクストゴールを目指しているところです。支援額が多ければ多いほど、ご活動も広がります。是非ご協力を!
詳しい活動報告は、そこにもありますが、https://camp-fire.jp/projects/356989/activities#menu をお読み下さい。

●もう1つ、今日入った情報です。島根の精神科医、高橋幸夫さん(エスポワール出雲クリニック院長)が、「認知症の人も、ひきこもりの人も、自信が持てず苦しんでいる人も、夢が持てない人も、みんなが一緒になっていきいきと働ける場所』を創るため、後継者不足の地元の荒畑農地を再利用し農業事業(約5,000㎡の大規模バナナ農園)を立ち上げ」たい、とクラウド・ファンディングに挑戦されました。

「精神科医が一大決心した山陰初バナナ農園への挑戦~誰もが安心して働けるまちづくり~」

https://camp-fire.jp/projects/view/333291

壮大なスケールのお話なので、とてもワクワクします。障害者は本当は働きたい、繋がりと文化を作りたい、わが国の食料自給率を高めたい、農業の後継者を作りたい、など、高橋さんの言葉には頷くことばかり。是非動画もご視聴ください。
こちらの締め切りは3月21日です。是非ご協力お願いします。私もご支援したのですが、やり方がよくわからず、変な番号で記載されています。

(ちなみに、私もバナナの木を2本育てています。何年経っても小さいので、収穫できる日が来るとは思えませんが、大きな葉っぱを見ると元気が湧きます。寒い今の時期は、室内に移動しているので、大きな鉢2つで、狭い部屋がさらに狭くなっています。早く暖かくなって、外に出したい・・・。高橋さんの農園で作られるバナナは、「奇跡のバナナ」といって、無農薬で作られ、皮まで食べられるそうです。食べてみたいなあ~。)

バナナの木

今日はクレヨンハウスさん主催の「朝の教室」で、キャスターの星浩さんのお話をzoomで視聴していました。とても勉強になり、夜の再放送もまた視聴しました。 コロナで日本にまたたく間に広がったzoomは、便利で有り難いです。このような講演会(勉強会)が、どんどんzoomで企画されたら、自宅から気軽に視聴、学べるので、進んでいくといいですね。当然、現在ネット環境にいない人へのサポートが必須な世の中になっていきます。

再来月に予定されている私の講演会(国分寺市)も、zoom に変更になりました。詳細が決まり次第、お知らせします。

それではまた!

●2020年12月10日 朝日新聞より

「コロナ重症者 13パーセントに血栓症」
~厚労省研究班など報告「頻度相当高い」~

 厚生労働省研究班などの調査チームは、新型コロナウィルス感染症の重症患者の13%で、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症がみられたとする報告書を公表した。調査チームは「重症例における血栓症の頻度は相当高く、予防すべき重要な合併症と言える」として対策を求めている。

 血栓症は血管に血液の塊が詰まる病気で、詰まる部位によっては命に関わる。新型コロナ感染症では血栓が生じやすく、症状の悪化に深く関わっていると指摘されている。

 チームは、399病院に8月末までに入院した患者の血栓症の発症状況などをたずねた。開頭は109病院から約6千人分。94%が軽症・中等症、6%は人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO エクモ)を必要とした重症の患者だった。

 血栓症がみられたのは、1.9%にあたる105人。発症者は軽症・中等症の患者のうち31人(0・6%)、人工呼吸器やエクモを使用中の重症者のうち50人(13%)だった。

 重複も含め、足などに起きる深部静脈血栓症が41人(39パーセント)、脳梗塞が22人(21%)、肺血栓塞栓症が29人(28%)、心筋梗塞が7人(7%)でみられた。

(野口憲太、松浦祐子記者筆)

●2020年1月29日に目にしたネット記事から。『週刊現代』2021年1月23日号より
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79691

「コロナで命を落とした4000人を分析して分かった、リスクの高い「持病と既往症」」

 糖尿病と高脂血症、そして高血圧。昨年12月27日にコロナで命を落とした羽田雄一郎参院議員にはこれだけの「持病」があったという。まだ53歳で働き盛り。
 そんな人が熱を出してからわずか3日で亡くなってしまったのは、持病のせいだったに違いない。
 昨年5月にコロナに感染して亡くなった力士、勝武士も糖尿病患者だった。28歳という若さでも、持病があればコロナで命を落とすのだ。

 コロナで死ぬ危険が高いのは、治療中の持病がある人だけではない。
 昨年3月、志村けんさんがコロナで亡くなった衝撃を忘れられない人も多いだろう。70歳だった志村さんの場合、事務所は「基本的に通院するような持病はない」と発表していた。
 だが、志村さんはもともと一日60本を吸うヘビースモーカーで、過去に肺気腫を患っていたようだ。最近は禁煙し治療もしていなかったが、一度壊れた肺は元には戻らない。肺気腫は、コロナによる肺炎が急激に悪化する要因となった。

 つまり過去にかかった病気、すなわち「既往症」がある人もまた、コロナで死ぬリスクが高いのである。

 有名人だけではない。日本国内ではすでにコロナによって4000人を超える人が亡くなった。
 旅立っていった人々が残した膨大な情報から学べることは多い。具体的にどんな病気や既往症を持っている人が、コロナで死ぬ可能性が高いのか。そしてどのような人が、コロナに特に注意すべきなのか。最新の統計データでようやくわかった真実を見ていこう。

 日本では国立国際医療研究センターが中心となって、コロナ患者の情報を収集したデータベースが作成されている。研究参加施設は844にのぼり、登録された症例は2万件を超える。
 無数にあるデータのなかで着目すべきは「死亡因子」についてのデータだ。ここを見れば、コロナ重症で入院した患者について、それぞれの持病ごとの死亡率が分かる。

 コロナに感染し、命を落とす危険度が最も高い持病は何か。堂々のトップとなってしまったのは腎機能障害だ。重症者のうちの実に44%(25人中11人)が死亡している。
「人工透析の患者さんは免疫機能が低下しています。ウイルスが入ってきた場合、そのまま増殖し重症肺炎となってしまうのです」(浜松医療センターの医師・矢野邦夫氏)

 意外な結果となったのは、この後の順位だ。
 次に亡くなる割合が高いのは心疾患を抱えるコロナ患者となった。重症者121人中49人が死亡した(40・5%)。

 そしてその次の3位は脳血管障害で、こちらは重症者114人中45人が死亡している(39・5%)。
 
 一方、慢性肺疾患の人は、102人中31人が死亡してはいるものの、割合にすれば30・4%に留まっている。

 なぜ肺より心臓か
 コロナは肺の病気であるにもかかわらず、なんと、心臓や脳の血管の持病がある人のほうが命を落としやすいというデータが出たのだ。
 いったいなぜなのか。東邦大学医学部名誉教授の東丸貴信氏が答える。
 「新型コロナ感染症は、単なる上気道炎や肺炎ではないからです。コロナの正体は、毛細血管を含む全身の血管に障害を引き起こす『血管病』なのです」

 最新の研究によれば、新型コロナは肺から血管に侵入し、血管の内側の細胞(内皮細胞)を攻撃することが判明している。
 内皮細胞は血が固まるのを防ぐ役割を果たしている。そのため、コロナによって破壊されると、血管中に血液の塊ができ始めてしまう。これが「血栓」だ。そこに追い打ちをかけるように、コロナによって「サイトカインストーム」という現象が引き起こされる。
 免疫細胞はウイルスを攻撃する際に「サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質を分泌する。このサイトカインには他の免疫細胞を活性化する効果があるが、過剰に生産されると免疫細胞が暴走し、正常な細胞まで破壊してしまう。
 サイトカインは血流に乗って他の臓器にも移動し、全身で血液凝固作用を高める。毛細血管から大動脈などの太い血管まで、身体中のあちこちで血栓ができていくことになるのだ。

 東北大学加齢医学研究所教授の堀内久徳氏が厚労省の研究班や日本血栓止血学会・動脈硬化学会の合 同チームのメンバーとして行った調査でも、コロナが血栓を作ることが裏付けられている。全国399の病院にアンケートをして、約6000人分の患者データを解析した。
「結果、60人に1人に当たる105人が血栓症を発症していました。人工呼吸器や人工心肺装置ECMO(エクモ)で治療中の重症患者に絞れば、なんと約13・2%が血栓症でした」(堀内氏)

 では、血栓ができると何が起きるのか。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授の石蔵文信氏が語る。
「足の血管で血栓が詰まれば、赤く腫れる程度の症状で済みます。しかし、脳の血管が詰まれば脳梗塞、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞が発生することになります」

 心疾患や脳血管障害の治療中の人は、血栓ができやすくなっているので注意が必要だ。また、過去に心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある人も、血管が傷んでいることに変わりはない。血栓ができやすく、血管も詰まりやすいため、コロナの死亡リスクが高い。

 コロナにかかると危険な持病4位につけたのは、慢性肺疾患だ。ウイルスはまず上気道(鼻・口・咽頭)で増殖し、血管に侵入して下気道(気管・気管支・肺)へと攻め込む。そのため喘息の人は重症化リスクが1・5倍になるというデータもある。だが、より深刻なのは肺気腫だと前出の堀内氏は語る。
「肺気腫の人は、コロナの死亡率が3倍近くに上がるというデータもあります。吸い込んだ空気を取り込む組織である肺胞が破壊されているため、肺炎に罹ると必要最小限の酸素も取り込めなくなるためです」

 慢性肺疾患と同率で4位に入ったのが、がんである。データでは、重症者79人中24人が亡くなっている(30・4%)。抗がん剤を使うと骨髄の機能が低下し、白血球の数が減少する。そのため免疫機能が低下し、コロナが重症化しやすくなると考えられる。
 ただし、がん治療をしているからといって、必ずしもコロナの死亡リスクが高まるとは限らない。
 昨年4月に女優の岡江久美子さんが亡くなった際、2月半ばまで乳がんの放射線治療をしていたことが、死亡リスクを高めたと報じられた。
 だが、日本放射線腫瘍学会が「一般的な放射線治療では免疫力が大きく低下することはほとんどない」と反論している。がん治療中の人は、自分の治療法でどれくらいコロナのリスクがあるのか、医師に尋ねておくといいだろう。

 重症者299人中77人が死亡(25・8%)しているのが、糖尿病だ。前出の矢野氏は語る。
 「血糖値が高くなると、白血球の機能が低下し免疫の働きも落ちます。糖尿病の人はウイルスに感染しやすいうえに、体内で増殖するウイルスに抵抗しきれずに、重症化するリスクが高いのです」
 糖尿病患者のコロナ重症化リスクは、通常の約2・3倍となっている(米CDCの調査より、以下同)。

 続いて重症者39人中10人が死亡(25・6%)した肝疾患が7位となった。がんや糖尿病の人であれば、普段医者から「免疫力が低下するので、感染症に注意するように」と忠告を受けている。
 しかし肝疾患は、自分でも気づかないうちに病気が進行しているケースが多い。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、肝疾患(肝機能障害や肝硬変など)が始まっていても、まったく症状が出ないこともざらだからだ。前出の石蔵氏は語る。
「肝臓には大食細胞(マクロファージ)と呼ばれる免疫細胞があり、身体に入ってきたウイルスなどを処理しています。また、免疫をコントロールする『司令塔』となるT細胞も肝臓にある。つまり肝臓は『免疫の要』であり、機能が低下しているとコロナも重症化しやすいのです」
 肝臓には、食物から吸収したアミノ酸をたんぱく質に変える「工場」としての役割もある。肝臓病を患っている人がコロナに感染すると、身体に必要なたんぱく質を十分に作れなくなって体力が低下し、重症化する可能性も指摘されている。

 8位には高血圧(19・5%)、9位には高脂血症(16・1%)が入った。どちらもいわゆる「生活習慣病」で、動脈硬化により血管の壁が脆くなり、血栓ができやすくなってしまっている。
 こうした人がコロナに感染すると、突然症状が悪化して短時間で亡くなる「エコノミークラス症候群」を発症しやすい。
「正式名称は『肺血栓塞栓症』といい、下肢の深い静脈にできた血栓が肺に飛んで詰まり、呼吸や血液循環が途絶える病気です。
 欧米ではICUに入院した人の3〜4割がこの病気だったという報告もあります。羽田雄一郎参院議員も容 体の急変からたった15分で亡くなっており、肺血栓塞栓症だったと考えられます」(前出・東丸氏)

 肥満の人は、83人中8人死亡(9・6%)で、ほかの持病ほど死亡率は高くない。持病がない人でも重症者の8%が亡くなっていることを考えても、過剰に心配する必要はない。
 ただし肥満の場合、重症化するリスクが高いことは明らかになっている。「脂肪で肺が圧迫され、肺炎になり人工呼吸器をつけても肺が膨らまない」(前出・石蔵氏)という理由もあるようだ。
BMI3 0(160cmで約77kg、170cmで約87kg)以上の人は、重症化リスクが健康な人の3倍となる。さらにBMI40(160cmで約103kg、170cmで約116kg)以上では、重症化リスクがなんと4・5倍に上昇する。

「高血圧×喘息」が怖い
 とはいえ、コロナが怖いからと無理なダイエットをすれば、免疫力が低下してかえって感染リスクが上昇しかねない。感染者数が急増したことで家にいる時間が長くなっているかもしれないが、体重を増やさないことから心がけたい。
 ここまで見てきた持病・既往症のある人は、コロナへの注意を怠ってはいけない。しかしこれから、さらに恐ろしい事実をお伝えしなければならない。
 複数の持病を抱えている人は、それだけで重症化リスクが高まることが分かっているのだ。米CDCの報告によると、2つ以上の基礎疾患を持っていると無疾患の人の4・5倍、3つ以上で5倍も入院リスクが高くなる。
 たとえば高血圧の人は重症化リスクが健康な人の2倍となるが、さらに喘息も抱えていれば重症化リスクが4・5倍に上がってしまう。
 その理由は、身体の中で不具合が複数起きると、連鎖するように症状が悪化していくからだ。

 コロナで重症化、死亡したAさん(60代・男性)の症例を元に見ていこう。Aさんには、2年前に心筋梗塞で倒れて病院に運ばれた経験があるほか、尿酸値も高く慢性腎臓病を抱えていた。
 Aさんは38℃台の熱を出し、意識が朦朧とするなか病院に運ばれた。およそ30分間にわたり人工呼吸器を装着したが、そのまま命を落とすこととなった。

 このとき、Aさんの体内では「症状の連鎖」が起きていたと考えられる。
「心筋梗塞があるため、コロナによる肺炎で呼吸不全と心不全を起こし、全身で酸素と血流が不足する状態になりました。持病を抱えていた腎臓はいわば『血の塊』のような臓器で、血流がないと腎不全状態に陥ります。
 腎臓が機能不全に陥ると、血管内の水分や塩分が排出できなくなります。その結果、心臓や肺にさらに大きな負担がかかり、心不全が悪化してしまったと考えられるのです」(前出・東丸氏)

 持病や既往症を抱えている人がコロナで命を落とさずに済むために、できることはないのか。前出の堀内氏が答える。
「糖尿病の人は血糖値をコントロールし、高血圧の人は降圧剤を正しく飲み続けることです。心疾患や脳血管障害の予防で血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人も、主治医と相談の上、飲み続けて欲しいと思います」

 コロナの危険度は人によって異なる。自分がどれくらい注意すべきかを頭に入れ、自分の持病の治療自体も、疎かにしないようにしたい。 

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とりいそぎ、ここまでは今まで私が目にした報道からの転載でした。
ほかにもきっと類似の報道は沢山出ていることと思います。

高次脳機能障害専門家や各団体は、患者に注意を喚起する必要があると思いますが、今のところ目にしません。なので今日、数箇所に問い合わせてみようと思います。
(日本脳卒中協会だけは、きちんとした情報をHPから発信されています。)

また、もしこれをお読みの方で、ほかにも何か新しい別の情報をお持ちの方はコメント欄でお知らせください。宜しくお願いします。

なにはともあれ、既往症を持つ方(我が家のコウジさんも含め)は危ないことがわかりましたので、コロナには益々、絶対かからないよう気をつけましょう!!












●2020年11月15日 朝日新聞から

「脳に障害 免疫暴走の影響か」
「脳へ直接感染の報告も」

 新型コロナウィルスは脳にも感染し、「深刻な脳障害を起こす恐れがある」という報告が相次ぐ。髄膜炎や脳炎、意識障害のほか、記憶障害が出る人もおり、後遺症が心配される。脳の中で何が起きているのか。

 3月、山梨県に住む20代の男性が新型コロナに感染した。意識を失ったままけいれんし、嘔吐したまま床に横たわっていたところを家族が発見。救急車で山梨大病院に運ばれた。

 脳を覆う脳脊髄液をPCR検査で調べると、新型コロナ陽性だった。頭蓋骨と脳の間の髄膜が炎症を起こす髄膜炎とみられ、脳のMRIでは記憶領域にあたる海馬に炎症があった。

 退院後は日常生活に問題はないものの、直近1,2年間の記憶があいまいになったという。新型コロナへの感染が関係していると疑われているが、明確な原因はわかっていない。

 英国では、発熱や頭痛を訴えた後に意識障害を起こした59歳の女性が、入院後に新型コロナに感染していることがわかった。MRIで脳の腫れや出血が確認され、急性壊死性脳症と診断された。集中治療を受けたが、入院10日目に死亡したと報告されている。

 ドイツのチームは7月、新型コロナの神経症状について、92本の論文や報告を分析した。感染者の20%に頭痛、7%にめまい、5%に意識障害があった。髄膜炎や脳炎、手足がまひするギラン・バレー症候群も数例ながら報告された。

 7月に英国のチームが発表した論文でも、新型コロナに感染、あるいは感染の疑いのある43人のうち、10人にせん妄などの脳機能障害、12人に脳炎、8人に脳卒中の症状があった。

 新型コロナウィルスはどのようなメカニズムで、脳に影響を与えるのか。

 専門家は、ウイルスが嗅神経や血管を通って脳の細胞に直接感染する場合と、脳以外の臓器への感染が引き金になる2パターンが考えられると指摘する。

 前者の場合、脳内で増えたウィルスが炎症を起こし、脳の中枢神経を傷つける。後者の場合、ほかの臓器への感染により「サイトカインストーム」と呼ばれる免疫の暴走が起き、全身に炎症が起き、脳の中枢神経にも影響を与える。

 脳炎に詳しい上尾中央総合病院の亀井聡・神経感染症センター長は、新型コロナによる脳の障害は「直接感染ではなく、サイトカインの方が説明が通る」と話す。脳脊髄液のPCR検査で陰性例が多いことや、髄駅中のサイトカイン増加が報告されているからだ。

 一方で、直接感染をうかがわせる研究もある。米エール大学の岩崎明子教授らのチームは9月、ヒトのiPS細胞に由来する神経細胞でできた脳のミニ組織を使い、ウィルスが神経細胞に感染することを明らかにしたと論文で発表した。 さらに、ウイルスが感染した細胞内で増え、周囲の細胞から酸素を奪うことで、周囲の細胞を死滅させていることも明らかにした。

 国内でも、慶応大学の岡野栄之教授らが、iPS細胞から神経細胞をつくって新型コロナの研究をしている。岡野さんは「iPS細胞を使うことで、新型コロナが神経にどう感染するかについて、体外で実験することができる」と話す。

 田口文広・元国立感染症研究所室長は「現時点では脳への影響のメカニズムを明らかにするのは難しい」と話す。脳への影響が分かるころには、すでにウィルスが全身に回っており、感染経路が特定できない場合が多いからだ。「ただ、どんなメカニズムだとしても脳への影響は起こりうる。できるだけ感染しないよう予防策をとることが大事だ」と話す。 (市野塊 記者筆)

(その3につづきます)

私がずっと気になっていることが、コロナと脳血管障害の関係です。既に起こした方がコロナで重症化することと、コロナから脳血管障害になることの2点です。

手元にある新聞記事と、今日ネットで拾った記事を記しますが、長くなるので、何回かに分けます。

●2020年8月18日東京新聞より

 新型コロナウィルス感染症は、特定の持病があると重症化しやすい。脳卒中を起こしたことがある人もリスクは高いとみられている。予防は大切だが、コロナを過度に恐れて受診を控えたり家に閉じこもったりすると、必要な薬や運動の不足により、脳卒中再発の危険を高める恐れがある。コロナ禍の長期化が確実視される中、脳卒中経験者が知っておきたいことを専門医に聞いた。

「新型コロナは重症肺炎だけでなく、全身の血管に炎症を起こし血栓(血の塊)をつくると分かってきた。脳卒中の患者さんには懸念材料です。」
 日本脳卒中学会でコロナ対策に取り組む平野照之杏林大教授はそう語る。

 ウイルスが人体に感染する際に足掛かりにする受容体は、呼吸器のほか、血管の内側の細胞にもある。「脳卒中経験者は動脈硬化で血管が傷んでいる高齢者が多く、感染や炎症が起きやすい可能性がある」

 脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞と、血管が破れる脳出血があるが、血栓をつくりやすいコロナの性質を考えると、より注意が必要なのは脳梗塞。再発予防のために処方される、血液をサラサラにする薬の服用や、血の巡りを良くする適度な運動が欠かせない。

 しかしコロナ感染を恐れるあまり、心配な傾向がみられるという。大阪市内でクリニックを開業する中山博文医師(日本脳卒中協会専務理事)は「自宅に閉じこもりがちな患者さんが目立つ。デイサービスに行くのを怖がり、運動不足になった人も多い」と話す。

 電話で診療や薬の処方に対応する医療機関は増えており、家でできる運動もある。「かかりつけ医との接触を保って」と中山さんは強調する。

 脳卒中医療の現場はコロナの”第一波”で影響を受けた。 平野さんら脳卒中学会は、緊急事態宣言発令の五月中旬、脳卒中患者を二十四時間三百六十五日受け入れて専門的な治療を行う施設と学会が認定した全国九百二十二の脳卒中センターを対象に調査を実施。

 解答した八百六施設のうち、コロナ感染者への対応などのため、救急患者の受け入れに何らかの制限をした施設が全体の21.5%あった。制限した施設の割合が多いのは関東(35.0%)、近畿(31.4%)、北海道(30.6%)などコロナ感染者が多かった地域で、特に東京都、埼玉県では、受け入れを制限した施設が半数を超えていた。

 平野さんは「コロナの感染拡大に歯止めがかからないと、本来なら助けられる脳卒中患者を救えない事態が起きてしまう」と話す。

 脳卒中の治療は時間との闘いだ。脳の組織は酸素や栄養の欠乏に弱く、血流が途絶えると壊死がどんどん進んでしまう。また、脳に詰まった血栓を溶かす薬は、安全に治療できる時間が限られている。

このため、脳卒中を疑う異変に気付いたら、直ちに救急車を呼ぶことが求められる。平野さんは「コロナ流行下でも、迷わず一一九番してほしい。本人も付き添いの家族もマスクを着けて救急車に乗れば、感染リスクは大幅に低減できる」と話す。

(その2につづきます)

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