昨日の話の続きです。

三池炭鉱爆発事故による一酸化炭素(CO)中毒患者が入院や通院していた大牟田労災病院が廃止されたのが、平成17年のこと。
廃止に反対していた患者やその支援者、関係者たちは、「大牟田労災病院廃止反対連絡会議」をつくり、政府(厚労省労働基準局労災補償部)と確認書を交わしました。

今、私の手元には、一昨日もらったばかりのその確認書の資料がありますので、大体どのようなことが書かれてあるかを以下記しますと、

●CO中毒患者に係る特別対策事業費の予算の確保。
●問題が発生した時には協議の場を設け、厚労省が責任を負う。
●大牟田労災病院あとの土地と施設等をもって、新病院を設立する。
●病床は100床体制とする。
●新病院は分院ではなく、独立した医療機関とする。
●神経内科、内科、精神科、リハビリテーション科は最低確保し、各診療科に常勤医師を配置する。
●高次脳機能障害に専門的知見を有し理解ある医師を配置する。
●スタッフ、画像診断部門の充実、循環器・消化器に広く対応した内科、整形外科など必要な診療科にも措置を講じる。
●新病院はCO中毒患者および一般患者に対して安心して診療、リハビリが行える環境を整備する。
●大牟田労災病院の職員や整理解雇された職員で、新病院に再就職を希望する者については、雇用したり採用にあたっての配慮を行う。
●CO中毒患者のみの診療や療養に特化せず、広く一般に開放し、地域医療に貢献するため、高次脳機能障害の中核的医療機関を目指す。・・・    (平成18年3月9日)

これを読んで気づくのは、「CO中毒患者」と「高次脳機能障害」の2つの言葉です。

高次脳機能障害になる原因には、私の夫のようなくも膜下出血などの脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)や、交通事故や転落などの脳外傷、脳腫瘍のほか、低酸素脳症というものもあります。
それは水に溺れたり心臓発作などによって、脳に酸素がいかなくなって起こる病気です。

CO中毒については、動静脈中の酸素がCOと置き換えられ、低酸素脳症になるそうです。(山口研一郎著『高次脳機能障害~医療現場から社会をみる』(岩波書店)のP95や、そのほかの文献・サイトにも載っています。)

つまりCO中毒患者は高次脳機能障害とイコール(同じ)であるとして、この「確認書」を読んでいいと思います。

今回の集会では、廃止された大牟田労災病院が、長年のCO中毒患者への治療やリハビリ、カウンセリングその他で、高次脳機能障害に対応する診察、技術や経験の宝庫であるから、そこを引き継ぐ現在の大牟田吉野病院こそ、高次脳機能障害研究や治療、リハビリを行う「高次脳機能障害センター」となるべきだ、と山口研一郎医師が10分という短い制限の中、話されました。

ここで、もう今日が終わりますので、また一旦投稿します。続きは明日以降に。

明日は3月11日。 東日本大震災から7年になります。