昨日は、睡眠不足や、溜まった疲れから頭痛がひどく、とうとう絵を描くのはやめて、休んでいました。
本好きな母から、よく読み終わった本が送られてきますが、積んだままになっているのに、ふと目がとまり、1冊手に取りました。
湊かなえさんの 「告白」 です。 2年ほど前に出て映画にもなっていたんですね。
私が読む本と、母が読む本は傾向が違い、 母は歴史小説や古典、 推理小説から話題の本と、 幅広く読むのに対し、 私は同じ作家ばかり読みます。 ( ここ1年以上は中野孝次さんです。 この先も、ずっと読み続けます。)
この 「告白」 は非常によくできていて、 一気に読みました。 そして色々考えさせられたのですが、 その1つに、 最近よく考えるところの、 「想像力」 の問題があります。
人は想像力を働かせれば、 他人の苦しみを多少なりとも理解することはでき、 中にはまるで、 自分のことのように感じることができる人もいます。
もし、世の中がそういう人ばかりなら、 障害や病気、 貧困、 差別その他様々な困難への理解不足も減り、 この本のような殺人すらなくなるのかも知れません。
けれど残念なことに、 そうした弱者への想像力の欠如した人も、 世の中にはいるように見受けられます。
自分さえ良ければ、他人はどうでもいい、 そういう人は、 もし困難が我が身にふりかかった時でも、 都合のいいように逃げようとするかもしれません。
けれどそこに解決はありません。
私は、自分のことを客観的に 「想像」し、 他人のことを主観的に 「想像」する、 という 「想像力」 にこそ、 実は 自分を救い、 他人を救い、 社会をも救う力が隠されているのではないか、と思っています。
また、 湊さんがあえてA君、B君という、 13歳に被験者(?)を設定したのは、13歳はもう、1人の人間としての物の考え方、 感じ方の大本が出来上がっている、 というお考えからなのかもしれません。 (ということは、 ワッチはこのまま、 少しエキセントリックなワッチのままか・・・)
今朝、編集人のI氏から、 「日々コウジ中」の重版が決まった、 とご連絡頂きました。 有難うございます!
書店に本がなくて、私の親戚間でも貸し借りしていたくらいでしたので、 ほっとしました。
皆様に読んで頂ける幸せを感じています。 有難うございました。
コメント
コメント一覧 (3)
本の重印おめでとうございます(*^_^*)
私も本屋さんで一冊購入しました。
サイン入りのは大切にとっておきたいので・・・
私も本屋さんに行ったら ワッチのように 本を少しだけ出してきますね!(^^)!
『日々コウジ中』を読ませていただきました。高次脳機能障害と共に生きるご本人、そして共に生活するご家族の方々の声・生活を漫画というアプローチしやすい形で知らせていただけたこと、感謝いたします。
旧日本軍が残した化学兵器(マスタードガス)によって皮膚や呼吸器だけではなく、神経も被害を受け、高次脳機能障害に苦しんでいる人々が中国にいることを、仕事で知りました。初めて耳にした「高次脳機能障害」という言葉になじめないまま、被害者が訴える記憶障害や疲れやすさをぼんやりと想像していましたが、『日々コウジ中』を読んで、もう一歩踏み込んだ想像ができるようになったと思います。どうもありがとうございました。
ワッチちゃんの子どもらしい反応を描いてくださったことも、とても参考になりました。子持ちの被害者も少なくなく、また私にも同じ年頃の娘がおりますので。。。
勝手ながら職場のブログで本を紹介させていただいています。