「高次脳機能障害 第20回」。


 


  後でわかった事柄を集めて推測すると、こうなります。


 


    まず、コウジさんが1人で渋谷を歩いていた。


  → すると誰かに声をかけられ、判断力のないコウジさんは、その人と一緒に、どこか暗


        い所に連れて行かれ、いくつもの絵を見せられた。


    → どの絵が好きかを尋ねられ、適当に指差したものを買う契約書に、サインすることに


        なった。


    → 「家内に怒られるから。」 と言えども、ああだこうだと言ってくるので、逃げられなかっ


         た。


    → 携帯で私にかけたけど、地下かどこかで、繋がらなかった。


    → 帰してくれないので、とうとう諦め、契約書にサインすることに。


    → そこには、住所や銀行、口座番号など書かなければならないのに、なぜか全て思い


         出して書けた。  保険証も持っていた。


    → ようやく解放される。


 


  「疑問点」


     それらをいつも言えないコウジさんなのに、何故書けたのか? (ちなみに、今日も口座番号は言えません。)


 


  「推測」


   それは、きっとこういう理由です。


   つまり、勤務先名や役職を書く欄があり、そこにコウジさんは自分の会社名と、 「代表取締役」 というタイトルを記入。 →きっとそれを見た誰かに  「すごいですね〜、社長さんですか!」 と驚かれ、気を良くして、持てる以上の力が発揮された。


 


  「考察」


  スイスイと、口座番号まで書けたという、有り得ない事が起きたことを考えると、人の矜持 (プライド) に訴える方法は、意外と脳機能の改善 (リハビリ) に役立つのでは・・・?


 


  なんて、私は脳科学者じゃありませんから、わかりませんけどね。


  クーリングオフできて良かったけれど、その時の契約書類一式は、記念にとってあります。


 


  この話をしたら、「成年後見人制度」 の利用をどなたかに勧められました。


  私は、大金や保険証、カードなどを、コウジさんに持たせないことで、自衛策をとっていますが、 一応、その「成年後見人制度」 を調べてみたことがあります。


 そうしたら、それを利用するには、費用がかかるんですね。


 


  障害者や病人を抱えた家庭って、経済的に苦しいところが多いのでは。


  そんな家庭に、余分な支出は負担です。


  この制度を利用したくても、費用がかかるのなら、利用しない、っていう人も。


  無料なら喜んで利用するでしょうし、私もします。


  無料にしてくれたらいいのに。


 


  ここで訂正。 私は障害年金を申請する時、1年2ヵ月で準備を始め、ちょうど良かった位ですが、当時は、脳外科医が診断書を書いてはいけなかったせいで、精神科医に紹介、診察してもらう時間が2ヵ月ほど余分にかかりました。今はその必要がないので、発症後1年4ヵ月からスタートしてもいいのかな?でも、年金扱う部署は、当時よりかなり混んでいるようなので、やはり早めがいいのかも。


 


  ー第20回おわりー


 


 今日は、コウジさんが起業した会社に、最後まで残って下さったM氏が家に遊びに来ました。 あれこれ積もる話に花が咲きました。 今は大きな会社にくっついて実質カラ (利益なし) の会社ですが、 それでもコウジさんが作った会社の名前だけは残して下さっているM氏のそのお気持ちが嬉しいです。


 有り難うございます。


 


 コウジさんは風邪ですねえ。