最初に、明日に迫ったテレビ番組のお知らせを。

 

明日12日午後1時5分から、NHKEテレの 「ハートネットTV」 で、「シリーズ 戦後70年 第1回 障害者はどう生きてきたか」 が放送されます。

1月5日に放送されたものの再放送ですが、私もうっかり見損ねましたので見なくては。  JD (日本障害者協議会) 代表の藤井克徳さんのコメントが素晴らしいそうです (日本脳外傷友の会の東川悦子理事長のお言葉)。

 

ところで、昨日は夫コウジさんの高次脳機能障害主治医の受診でした。

 

ここ数年特に変わりないコウジさんですが、会社上司から 「記憶低下が進んだのでは?」 というご連絡を最近頂いたので、先月ナカポツさん (障害者就業・生活支援センター) にも同行頂き、久しぶりに受診したところまではここに書きました。

 

その日の問診でも主治医のW先生は、「おかしい (とコウジさんの上司が言われる) 症状は、性格ではなく障害です。」 と診断下さいましたが、念のために昨日はCTを撮って下さいました。

その結果、特に脳萎縮も認められなかったので認知症ではなく、まずはほっとしました。

 

W先生はCT画像を見せながら、詳しく説明してくれました。

くも膜下出血手術のクリップや、水頭症手術のバルブやシャントも勿論写っていますか、脳が損傷を受けた箇所が結構あちこちにありました。

 

特にコウジさんの記憶の悪さを説明できる海馬のあたりの損傷のほか、記憶に関する別の箇所の損傷も教えて下さいました。

 

そこは脳の真ん中へんですが、そこの 「脳がなくなっている」  そうで、コウジさんの脳室が大きく見えるのは、そのなくなった部分に引っ張られているからだとのこと。

 

(脳がなくなっているのかあ。) と、言葉を失い静まる私とコウジさん。

でも私は、(ああ、コウジさんは本当にひどい損傷を負ったのだなあ、それなのに死にもせずここまで元気になったのは、ものすごいことだ)、と彼の隣で改めて感動し、息をのんでいました。

 

また、脳の底面も損傷を受けていますが、そこが損傷すると、自分が思うことを最優先にやってしまうそうです。 つまり損得に走ると。

 

うん、たしかにコウジさんは受傷後、自分本位になりました。

前は思いやりの強い人だったのに、毎回の食事では相変わらずワッチの食べ物を横取りしています。 (それでも段々父親らしく、我慢したりワッチに分けたりもするようになってきましたよ。)

 

またコウジさんは脳の内側もやられているそうですが、そこは理性に関係するところなので、そこが損傷すると、理性で抑えられず、やりたいことをやってしまうとのこと。

 

私はブログにコメント下さったみきさんの言葉を思い出し、「コウジさんは会社勤めをしていてかなりリハビリになっていますが、それ以外にも病院でリハビリをした方がいいでしょうか?」と 尋ねました。

 

それに対しては、W先生は 「いや、病院でリハビリするより普段の生活でする方がいい。」 「メモをとって活用することを習慣づけるとか」 「今日何をするか朝確認するとか」、そういうことがリハビリになると仰いました。

 

コウジさんは、何も考えず行き当たりばったりだものなあ。

勤め出した最初の頃は私も躍起になって、あれやこれや世話をやいていましたが、最近は放任状態、会社に全てお任せ状態でした。

 

W先生の、「慣れてくると忘れてしまうのは、私たちも同じ。 慣れると集中しなくなるからミスが起こる。」 というお言葉に初心に返りました。

 

また、コウジさんは会社でも 「わからなかったら〇〇さんや△△さんに聞くこと」、と言われたり書かれたりしていますが、「悔しいから聞かない。」 そうです。もう・・・

 

それに対してもW先生は、「わからなかったら、ではなく、困ったら、聞くように。」 とのこと。

「わからない」 というのは、コウジさんのプライドが傷つきますが、「困った」 というと、たしかにニュアンスが違いますね。

コウジさんも、それなら受け入れられるような顔でした。

 

ほかにもW先生が言われたことで印象的だったのは、 「お金をもらっている以上、ちゃんとする。」  「仕事は人のためだけではない。 自分のためでもある。」  など、どれも有り難いアドバイスばかりで、コウジさんもしきりに頷いていました。

 

今後CT撮るとしたら、ぼうっとするなど、変わった症状が出た時でいいそうです。

 

さあまたコウジさんは悪いところを直すよう努力しながら (させながら)、新たな気持ちで走り出します。

 

ちなみに、W先生が教えて下さった脳の部位とそこの機能 (損傷を受けると出る症状) は、秀和システムの 『リハビリスタッフ・支援者のためのやさしくわかる高次脳機能障害』 というご著書に詳しく載っています。

私も帰宅してから思い出して、その本を読み直しますと、先生に指摘されたことが書かれていました。

 

私がイラストを担当したその本は、専門家の方がたの評価が高く、特に脳の画像写真が沢山載っているところがいい、とある方が仰っていましたが、たしかにその通りですね。

 

今まで定年退職された脳外科医の先生にCTを撮って頂いていましたが、高次脳機能障害症状についてのご説明はそんなに頂いていなかったので、W先生のご説明はとても新鮮で有り難かったです。 他出版社の宣伝になってしまいますが、皆さまも是非この本をお読み下さい。 とてもいい本ですよ。