梅雨に入ったので、昨日も今日も雨です。
今日は娘ワッチを、夫コウジさんを、過保護な私はそれぞれ駅まで車で送ってあげました。2人とも濡れず済み、嬉しそうに改札を入って行くのを見て、私も嬉しくなりました。2人とも、勉強に仕事に、また今日から1週間頑張ってね!

さて昨日は,世田谷高次脳機能障害連絡協議会の総会へ行ってきました。会では区内の情報が沢山入り、資料ももらってきたので、これからゆっくり読みますよ。

この会は当事者やその家族で構成される普通の家族会とは違って、医師やケアマネさん、行政や福祉関係者、ボランティアの方がたによって構成されています。ご関心があれば、一般の方でも入れます。世田谷区民は現在約90万人、多分高次脳機能障害者は4千人くらいいると思われますが、この会の会員は支援者含めて50人ほど。当事者や家族がその半分としたら、ほとんどの当事者・家族は入っていないことになります。
自分の住んでいる地域の支援体制や状況がわかり、しかも近所に仲間ができるメリットが大きいのですが、この少なさは??? 年会費千円ですので、どうぞお気軽に入って下さいね。1人でも多くの方が会をサポートして下さったら、会の活動もより活発化し、区内で高次脳機能障害者とその家族がより暮らしやすくなりますので、宜しくお願いします。

私もせめて会の世話人になって、代表や副代表をされている医師、世話人の方がたのように、もっと区の高次脳機能障害施策に関われるよう動かないといけないという思いは強いのですが、なかなかそこまで手が回らず、心苦しいような寂しいような。申し訳なく思っています。
でも私は家族会コウジ村やこのブログ書き、講演(今年はあと7回入っています。詳細は後日お知らせします。)などによる相談業務や発信、各地域との繋がりづくり、情報収集などで結構いっぱいいっぱいなので、今は世話人にまでなれないなあ。スミマセン。
それどころか、コウジさんや母、娘、犬猫など自分のそばにいる人や動物たちのことや家事だけで時間がかかり、私が活動できる時間の8割くらいはそれらに充てている感じ。去年は自分の健康診断も受け損ねたので、今年こそ受けたいです。

第一、自分がやりたいこと全てができるわけがなく、どうしてもやらなくてはいけないことから優先順位をつけてやっていかないといけないのは、皆さんも同じだと思います。

先週はコウジさんと母の病院付添いをしたり、娘の薬もらいに書類とともに病院へ行ったりで、病院が入ると特に忙しくなるのデス。往復、待ち時間、受診時間があるので、1日がかりになりますよね。

いつも元気な娘も、ここのところ風邪をひいたり喘息発作を起こしたり。この不順な天気や大学のレポート作成や勉強で睡眠不足になっているせいだと思います。今まで都の助成があって無料だった喘息の薬が、この4月から21歳以上は6千円までの自己負担が生じるようになりました。大気汚染が減ったわけでもないだろうにな。喘息が慢性化している都民は、こうして切り捨てられていくのでしょう。かくして我が家では、医療費の負担があがってがっくり。

母の定期的な通院の方は、問題なしでした。薬をきちんと飲めているため、体調も安定し、信頼している医師に褒められて母娘ともに機嫌よく帰ってこられたので、良かった。80歳以上もの高齢ともなると、毎日無事に過ごせること、過ごしてもらえていることだけで有難い。もちろん、90歳でも100歳でも元気な方はいらっしゃるので、そういう方たちってスゴイですよね。それだけで尊敬します。

そして、コウジさんの話。
コウジさんも1人で病院へ行けたらいいのですが、それは無理ですね。
私が「目的=病院へ行くこと」「行き方」「病院に着いてから会計まで」「帰り方」など詳しくメモを書いて渡し、携帯でやりとりしながらでしたら、電車やバスを使ってどうにか1人で病院へは行けるかもしれません。でも彼は、自分が障害者だという認識がないから、医師との会話を絶対にメモしませんし(自分は忘れない、という間違えた、厄介なプライドのため)、自分のどこが悪いのか、困っているのかを医師に伝えられません。「はい、元気です。何も問題ありません。なんでここへ来たのか、わかりません。あ、妻だ。妻に来させられたんですよ。まったくアイツは・・・ はい、ではさようなら。」と帰ってきてしまうのがオチです。
しかも会計の仕方、薬のもらい方、全てわからずパニックになることでしょう。怒り出すかもしれません。いつもささいなことが我慢できず怒っている彼を私はそばで見て、嘆息したりイライラしたり、彼以上に怒ったり(笑)していますからね。

では実際、今回の受診はどうだったかを記しますと・・・(もちろん、私同行)。
朝から、「今日はT病院の日だよ。W先生だよ。」と何度も言い、インプットします。コウジさんは病院へ行く目的などそっちのけで車に乗れることを喜んで、いそいそと車内で聞くCDを選んでいます。ドライブじゃないんだよ、と突っ込みたくなりますが、とりあえず無視します。

診察券と保険証は、私が用意します。コウジさんは、いつも私任せで威張っています。服も私が選び(そうでないと、だらしない服装でも平気です)、いざ出発。コウジさんはすぐ「どのCD聞く?」と聞いてきますが、「こんな、人がいっぱい歩いている住宅街の狭い道路でCDなんて聞かない、って何度言ったらわかるの?お年寄りや子供がどこから飛び出してくるかわからないんだから、まだCDは聞かないよ!」といつものような会話。路駐している車にコウジさんは「邪魔なんだよ!コノヤロウ!」と口汚くののしり(もちろん車の閉めた窓の中から。弱虫なので、相手に聞こえるようには言わない。)、私から「うるさい!」と怒られて、「ママちゃ~ん。」と卑屈な笑い顔でこちらを見ますが、それもいつものこと、無視します。

幹線道路に出てようやく「CDつけていいよ。」、と私に言われたコウジさんは、待ってました!とばかりにCDをかけます。彼はとても音楽が好きで、それはいいことだな、と思います。でも家でも自分の勝手で大音量で音楽のCDやDVDをつけるので、私や娘に怒られています。

病院への道は助手席に何年乗っても覚えられず、「ここで曲がるのか?」「ここか?」と聞いてきます。(聞いて何の役にたつのか、自分で来ないのに。)、と私は訂正するのが面倒臭くてイライラしながら、ようやく病院に到着~。

はい、彼はどこで受付をするのかわかりません。病院内で首をひねってボ~ッと立ちすくんでいる彼に、私は診察券と保険証を渡し、「ほら、あの機械で受付するんでしょ。」と指で機械を差します。コウジさんは行く先がわかって「おお!」と勢いづいてそこへ向かい、画面を見ながらどうにか受付完了です。ちゃんと備え付けの緑色のファイルに、機械から出てきた受付票をセットした彼に、それだけで感激する私。(できるじゃん!)と嬉し涙もの。

でも、診察室が覚えられていません。ちょっと~、キミキミ、キミはもうこの病院に何年通っているのかね。はや13年以上だよ。にもかかわらず彼は、「こっちだな!」と地下へ降りて行こうとします。そっちは、リハビリ室へ続く階段。うんうん、ここのリハビリ室にも、1年半通ったねえ・・・ じゃなくて!(笑)。

「も~、こっちでしょ。」と1階にある神経内科の診察室の方へコウジさんを連れて行きます。でも、ここで今回初めて、私は大きなミスをしたのでした。それは・・・

診察室方向へ歩きながら、途中にある院内の売店に寄りました。その日はかなり時間に余裕を持って家を出たので、午後の診察時間開始までまだ30分あったせいで、飲み物やお菓子など見て回り、2人ともすっかりリラックスした気分になりました。へたな気まぐれから、余裕もって家を出ないことですね(苦笑)。
売店周りには木々が繁る開放的でおしゃれなちょっとしたスペースがあり、沢山設置されているベンチに腰かけて、何人かの人がのんびり休んでいました。その光景は、病院にいることを一瞬忘れさせるくらいで、コウジさんと2人でぺちゃくちゃしゃべったり、その話がおかしかったので2人で笑いながら、ようやく診察室に面した広いロビーにやってきました。

ここで、実は診療科の窓口に緑のファイルと一緒の受付表を出さないといけなかったのに、時間に余裕があるものだからつい気が緩み、私達は笑いながらソファーに座り、目の前にある大画面のテレビに気が取られました。美保純さんや船越英一郎さんらが司会する番組で、ゲストの人が登場したところでした。それを見て、(ああ、秀樹もこうしてゲストとして颯爽と現れても、全然おかしくない年だったのに。)と秀樹が亡くなられたことを急に思い出して悲しみに沈み、益々受付することを忘れました。コウジさんが隣でコックリコックリし始めたので、私は「詰碁の本読む?」と誘いましたが、首を振って寝てしまいました。私はこの待ち時間を有効に使おうと思い、1人で詰碁の本を真剣に読み、益々受付を忘れていきました。

そのうち30分経って13時になり、午後の診察が始まると、次々患者さんが名前を呼ばれて中に入っていきます。でも私達は呼ばれなかったので、「あれ、私達12時半の一番最初に受付したけど、午前の人がまだ残っていたのかな。」とコウジさんに言うと、コウジさんあまり関心ないようで目を閉じたまま。 でもその後もなかなか呼ばれず、13時半を過ぎたので、さすがに起きたコウジさんと「今日はすごく混んでるんだね。」と言い合っていました。段々コウジさんが、「まだ呼ばれない。」「遅いなあ。」とため息をついたりイライラし出しました。その時です、私が気が付いたのは!

コウジさんが手にしている、受付票の入った緑色のファイル。あれ、いつもそんなの、呼ばれるまで持っていたっけ?

ヒヤ~ッとした冷気に体の周りを取り囲まれた私は、「ねえ、そのファイル・・・、受付に出すんじゃなかったっけ?」と、プリプリしているコウジさんに小声で言いました。

それを聞いたコウジさんは目をカッと開くと、猛然と立ち上がり、「聞いてくる!」と受け付けまでスタスタ歩いて行きました。そして受付の人となにか言葉を交わし、ファイルを出して戻ってくると、「出すんだって!もう~!」と怒ったような疲れ切ったような顔でドスン、とソファーに座りました。周りの患者さんたちは、驚いた顔でこちらを見ていました。

「あちゃ~、なんで今日は忘れちゃったんだろう。色々しゃべって気が散っちゃってたねえ。」と私もがっかりし、そこから少し待って診察室へ呼ばれました。しょんぼりしながら診察室へ入ると、W先生に、予約していた診察時間を過ぎての受診になってしまったわけを話しました。先生は苦笑されながら、「そんなに長い時間待っている間、眠くなりませんでしたか?」とコウジさんに聞きました。「なりました!」と彼、「寝ていました!」と私。そしていつものように先生と3人で話したりメモしたりし、診察室を出るときにはコウジさんも私も笑顔に戻っていました。病院とは治療や薬により患者を元気にする場所ですが、こうして信頼している好きな医師と会えるだけ、話すだけで、コウジさんも元気になるものだなあ、とつくづく思います。特にコウジさんはW先生と話したあとは、ご機嫌で見違えるように元気になります。有難いことです。また次回の診察まで、今回充電された元気で過ごしましょう。

ということで、私のミスでいつもより1時間くらい余計に待ってしまいましたが、待っている間もずっとコウジさんとおしゃべりしていたり詰碁をしていたので、無駄ではありませんでしたからいいとします。ただ、コウジさんは疲れちゃったみたいで、ごめんね。

それにしても、私もこんなうっかりミスをするんだな、全然付添いの意味がないな、と猛省した出来事でした。
よく、「高次脳はうつるんですよ!」と家族や医師がふざけて言うことがありますが、本当かも、と思いました。

コウジさんができないことが多いからといって、私もふんぞり返り過ぎていたようです。
これからは、私ももっと謙虚になって、コウジさんと助け合って行かなくちゃ、と思いました。