父が老健に入所してから、5ヶ月が経ちました。

老健は3ヶ月リハビリして自宅に帰れるようになるのが目的の施設とはいえ、入所期間は3ヶ月以上になる人も多いそうです。

実際父がそこで知り合った入所者は、もう何年もそこにいるとのこと。

 

我が父の生活の場として、「父の生命が最も安全に守られる」 のは恐らく、今の老健においてだと私は思っています。

 

我が家での2ヶ月少しの生活では、パーキンソン病ヤール度5の父の介護のあまりの大変さに、私だけでなく夫 (コウジさん) や娘 (ワッチ) の精神状態も非常に不安定になり、皆毎日鬱々とした顔でしょっちゅう爆発していました。

 

一方、頭上を飛び交う怒号に父は無表情、無反応でしたが、とうとう肺炎で救急搬送されてからは、ここでの生活は父にとっても好ましくなく限界だ、と私だけでなく父も感じたようです  (何しろ、命が危なかったのですから・・・!)

 

 とはいえ、父との同居生活には勿論笑いもありましたし、父に好きな食べ物を沢山食べさせ、父の体重がどんどん増えていった時には、嬉しくも誇らしくもありました (でも肺炎は誤嚥性肺炎だったようなので、父に申し訳なく反省)。

 

また、コウジさんと父が毎晩楽しそうに晩酌する姿も、見ていて嬉しかったです (ああ、2人が晩酌できるなんて、父が我が家に来たからこそで、いい機会を持てたなあ。) と。

 

でも家事や仕事その他諸々の、日常的な用事をやりくりして父の介護をするのと、専門スタッフが純粋な仕事として父を介護してくれるのとでは、内容も質も差があります。

 

加えて、家族間では無遠慮 (失礼) な物言いも、介護スタッフには他人ならではの礼儀がありますから、父にとっては心地よさは老健の方が上でしょう (入所者の扱いがひどい高齢者施設のニュースも聞きますが、父の老健はスタッフ数も多く、手厚いです)。

 

感情的には、家族の介護は家族ができればそれに越したことはないと思いますが、現実問題としてそれができる家庭がどれほどあるでしょうか。

 

介護する家族がもう定年退職し、経済的にも時間的にも余裕がある家庭なら、心ゆくまで介護するのも可能かもしれません (それでも大変ですけど)。

 

けれど、介護する人が子育て中や働き盛りで、時間もお金も不足した家庭では、介護は厳しい作業です。

そういう立場を今 「ダブルケア」 と呼ぶらしいのですが、私のように夫までも障害者の場合は、「トリプルケアだよなあ。」、とつぶやいています(笑)。

 

なんとかやっていますけど、正直しんどく、「疲れた。」 「疲れた。」 が口癖のこの頃 (その口癖をワッチは嫌がってますが、それならウメの散歩くらい手伝ってくれたらいいのに、いつもゴロゴロ)。

 

老健生活が3ヶ月を過ぎ、市大病院で処方してもらったパーキンソン病の新薬ニュープロバッチが切れた頃から、父は 「調子が悪い」 と言い出しました。

「膝がカクカクして、杖でも歩けなくなってきた。」 と。

 

でも市大病院で新薬をもらうにしても、予約しても2時間待ち、院外処方で1時間待ちです。

父は腰やお尻が痛くなるし私も疲れるので、市大病院ではなく、ほかのパーキンソン病治療で評判のいい病院に電話しました。

 

けれど、老健に入所していると外部の病院で受診できないきまりがあるそうで (知ってはいましたが、病院によっては受診できるところもあるかと思って電話してみたのです)、「老健を出ないとダメ。」 と言われました。

 

しかも市大病院から出される、診療情報提供書も必要だとのこと。

 

すると、いったん介護付き有料老人ホームのようなところに父を動かし、市大病院からの書類を持ってその病院に行き、新薬をもらったらまた有料老人ホームを退所して老健に入所し直す、あるいはそのまま有料老人ホームに入ったまま ・・・ ということ?

 

それは父も大変だし私も大変です。  第一馬鹿げている。

 

でも一応、老人ホームにコンタクトしてパンフレットを送ってもらい、それを読み、父にも電話で考えを尋ねました。

父は、「なるべく移動はしたくないけど、どうしたものかねえ。」、と答えは出ない様子。

 

「パーキンソン病友の会」 にも入って相談しましたが、相談途中で私が忙しくなり電話を切り、また相手の都合のいい後日、相談することに。

 

今朝、老健のケアマネさんと相談しましたら、ケアマネさんが近所の病院やら薬局やらに聞いてくれました。

 

するとある病院が、老健を退所しなくても 「外出扱い」 で診察、薬を出してくれるというので、その病院に出す診断情報提供書を、市大病院にもうお願いしておこうかな。 申請しても、書いてもらえるまで時間かかるだろうし。  もちろん、申請と受け取りと、2回、私は市大病院へ行かねばなりませんが。

 

でもその老健近くの病院が、新薬ニュープロバッチを出してくれるかはわからないので、違う薬を処方された場合、父は納得しないかも。

 

そんなことを悶々と考えながら部屋を掃除していたら、なんと父の使ってないニュープロバッチが11日分出てきました!

 

早速老健と父両方に電話し、それを父が使って、今の症状が改善するならば、やはりニュープロバッチが必要だけど、変わらないならニュープロバッチをもらうためにわざわざ外出して病院に行くことはないのでは? と言いました。

 

父も老健も同意し、私はすぐニュープロバッチを老健に送ったところです。 ふう・・・。

 

ニュープロパッチも大事だけど、この先の父の介護をどうしていくか、さらに考えていかなくては。