すっかり間があいてしまいましたが、アメリカニューハンプシャー州にある、「ケンダル・アット・ハノーバー」 の話の続きをします。

 

私がなぜこの話に固執するかと言いますと、父を始めとする高齢者 (介護が必要か否かに関わらず) が、どう暮らすのが理想的なのかを、つくづく考えてしまうからです。  それは私も皆さんもいずれ高齢者になるわけですから、無関係ではありませんよ。

 

情報は前回と同じく、三菱総合研究所の松田智生さんの文章を参考にしています (勝手にすみません。 ネットで検索すると出たので、有り難いです。)

 

アメリカで1960年代に始まった、高齢者の定年後の生活のための街づくり。

最初は温暖な場所でゴルフ、レクリエーション中心だったそうですが、若者の不在と知的刺激が少ないことが問題となってきて、今は大学連携型のコミュニティーが増えてきたそうです。

 

そのひとつが、私の知り合いの米国女性が現在住まわれている、「ケンダル・アット・ハノーバー」 で、1991年に開設されました。

 

その女性のご主人が元ダートマス大学教授で、お2人は元々大学近くのご自宅に住まわれていました。

けれどご主人が脳梗塞に見舞われ、ご夫妻はケンダル・アット・ハノーバーに住まいを移されました。

奥さんはそこのアパートに入居、ご主人はそこのヘルスセンターに入院されました。

引っ越しの通知を頂いた私は、その美しい風景に心奪われました。 森、山、コネチカット川・・・ に囲まれた夢のような場所です。

 

入居されているのは、要介護者やその家族だけではありません。

健常者棟、介護棟、認知症棟とあって、自分の健康状態に応じて移住できるので、引っ越しの負担がないそうです。

 

そういう仕組みを、CCRC (Continuing Care Retirement Community) というそうで、「健康な間に入居し、人生最期の時まで継続してケアを提供する高齢者コミュニティーを意味する」 のだそうです。

 

ケンダル・アット・ハノーバーでは、8割以上の居住者が健常者で、明るくはつらつとした高齢者が多いです。

 

元気な高齢者たちは、ダートマス大学の生涯学習講座を気軽に受講しています。

講座は政治・国際金融・環境・生活・歴史・執筆・文化など多岐にわたっていて、受講料も1講座あたり3千円〜5千円台だそう (4週間と8週間のコース)。

(エアロビクスや手芸、コンピューターや憲法、読書やハイキング、テニス、ゴルフなど沢山のサークルがあるらしいです。)

 

高齢者は生徒として学ぶだけでなく、自らの経験を講師として学生に教えることもあるそうです。

 

若い学生にとっても、高齢者の知識や経験を学べ、高齢者にとっても自分が役にたっている、という生きがいが生まれます。

 

サークル活動のほか、室内プールやコネチカット川で泳いだり、日曜大工に勤しんだり、コミュニティー雑誌の編集仕事をしたり、旅行したり、街のレストランに食事に行ったり、忙しく楽しく暮らしているようです。

 

またそのコミュニティーでは、自分たちが何をやりたいかを居住者同士の委員会で決め、レクリエーションや行事の運営を自主的に行っています。

日本では、施設が決めるのと対照的ですね。

 

高齢者が元気になれば、医療費も抑制されるし、消費も増え、コミュニティーで働く人々の雇用も生み出し、地域が活性化します。

 

実際、このコミュニティーの平均年齢は84歳だそうで、アメリカの平均寿命の79歳を大きく上回っているのです。

 

もちろん、隣接するダートマス大学病院メディカルセンターと連携がとれていることも、居住者の健康状態を維持するのに大きな役割を果たしているでしょう。

 

松田さんは、CCRCは、「四方一両得になる」 と仰っています。

つまり、「シニアにとっては健康で生きがいある人生を送ることができ」 「大学連携型なら学生も多くのメリットを得ることができ」 「企業には住宅、ヘルスケア、学習、金融などの新規事業でビジネスチャンス」 「自治体にも雇用が生まれ税収が増え、地域が活気づきます」 と。

 

日本も見習いたいですが、すでにその動きもあるようですよ。

 

もう長くなりますので、今日はこのへんで区切ります。

父のいる老健も、施設で高齢者が虐待されるニュースを聞くと、よほど恵まれていますが、それでもこの ケンダル・アット・ハノーバー みたいなところだったら、父もどれだけ幸せか・・・ と思ってしまいます。  どこかもっといいところないかな、と思ってしまいます。

 

ケンダル・アット・ハノーバーでは、重い介護状態だった入居者の中には、症状が軽くなって、健康を回復する人もいるそうですし。

 

今、外は夜なのにすごい強風。 台風のようですよ。

最近雨がちですし、変な天気が続きますよね。