『週刊碁』は、日本棋院が発行している囲碁新聞で、毎週月曜日に発売されています。
私の家のそばでは、セブンイレブンで売っています。1部、280円です。

その来週月曜日、23日に発売される号で、なんと光栄なことに、私の寄稿文が掲載されることになりました。有難うございます!

記事の内容は、現在大森で行われている「高次脳機能障害と囲碁の会」についてや、高次脳機能障害の説明、夫コウジさんの様子などです。そして認知機能の低下を防ぐ効果があるという囲碁が、高次脳機能障害にもきっと効果があるだろうと私が思っていることも、書きました。きっとそのうち、その効果が研究され、立証されるのでは、と思います。

囲碁愛好者が読まれるこの新聞に、高次脳機能障害という言葉が載るのは初めてかもしれない、とのこと。
是非囲碁愛好者の方々にも、この障害への関心をお持ち頂きたい、と思います。

皆様も、来週23日発売の『週刊碁』を、どうぞ読んで下さいね。

思えば、『週刊碁』は、亡き父も毎週買って読んでいました。
アマチュア8段だった父と、1度も囲碁をしなかったことが、かえすがえすも私は残念です。
父が存命中は、私は囲碁に全然関心がなかったので、今の私を天国の父が見たら、驚き、そして微笑んでくれることでしょうね。今も実家の床の間には、父がもらった高尾紳路九段のサイン入り扇子が飾ってありますよ。

ところで、私から是非書きたいことがあります。
私は去年囲碁を始めた頃はよくわからなくて、(難しいなあ。)(自分には向いていないみたい。)と戸惑い、(いつか、わかる日が来るのだろうか。)と気が遠くなったりしました。そして、(自分はきっと囲碁に向いていないだろうから、上達するわけがない。)、という「思い込み」に逃げ込んで、わからない状態に無理に安心しようとしていた気がします。ただ、夫コウジさんの高次脳機能障害症状改善への期待があるので、なんとか続けてきました。私って、なんていい妻(笑)!

石倉昇先生教室へ通い出しても、講演などの仕事で休むことも多かったり、その思い込みがあったせいで、しばらくは低迷していました。しかも、その状態をやはり、「不器用な自分らしくてよいではないか。」と自嘲しつつも面白がって容認していたのです。ただ、クイズ好きな私は、詰碁の本が好きで、それだけは何冊もやっていました。

そしてそうやってのんびり、けれどはや1年が過ぎた頃、突然、(あれ?)という瞬間が訪れたのでした。
(あれ?わかる気がしてきた。)(あれ?もしかして、囲碁って簡単?→ そんなわけないけれど。)(もしかして、私もやればできたりして?)と、頭の上に自ら乗せていた重しが取れたような、急に視界が開けたような気がしました。 

そうしたら、囲碁が面白くなってきて、あれよあれよという間に大教室(20級以上の人たちの部屋)へ移され、またあれよあれよという間に、12級まで上がってきたのでした。今は、「囲碁はやればやるほど、わかるようになる。」「努力は裏切らない。」「囲碁って、やっぱりすごく面白い!」という気持ちです。 今は、このまま調子に乗って、年内にはシングル級、そして来年には初段になれるかもしれない、と能天気に思っている自分がいます。いえいえ、なかなか初段にはなれない、とよく聞くので、そこまでは無理かもしれませんけれどね。

そして多分またそのうちスランプの時期が訪れ、初段ははるか遠くになりにけり・・・となるかもしれませんが、、とにかく自分で「できない」と思い込んでしまっては、何の得にもならないということを皆さんにお伝えしたいと思いました。それより、「できるかも!」「できるんじゃないの?」と自分にはっぱをかける方が、上達するのではないでしょうか。

そして上達も大事ですが、もっと大事なのは、「楽しいこと」ですね。石倉先生は、いつだったか私に、「せっかく教室に来るのに、楽しくなくちゃ。」と仰ったことがありますが、そここそが肝心なんだと思います。脳をいっぱい使って、勝っても負けても、「ああ、楽しかった!」と思えることが、脳の活性化に繋がり、自分を成長させるように思いますし、生活に張りがでる気がします。なんか、毎日生き生き、潤ってきます。
まだまだ道は始まったばかりですが、それが囲碁の醍醐味なんじゃないかなあ、と思い、そういう気持ちにさせてくれるものはあまりほかに見当たらないので、囲碁に出会えて良かった、と思うのでした。

これを読んで、(へえ、そんなものなの?)と囲碁に関心が湧いた方は、是非囲碁を始めてみて下さいね!囲碁の本はいっぱいありますし、ネットでも無料でできるものが沢山ありますから、1人で始められます。
安い囲碁セットを買えば(私は子ども向けのセットを使っています。実家には父が使っていた足つきの高価な碁盤と、いい碁石がありますが。)、ほかの道具は不要ですし、場所も取らずお金もかからず、それで脳のトレーニングができて認知症予防できるとしたら、こんなにいい趣味や遊びは、ないですよ~。

もっと安い囲碁セットだってありますし、始めるならいきなり19路盤ではなく、6路盤や9路盤から始めるといいですよ。私も6路盤から始めました。

そしていざやり出してくると、「終局がわからない。どうしてここで終わりなの?」と思う時が必ず来ます。私など、今でもありますよ。まだ碁盤の半分近くスペースが残っているのに、、そこで勝負がついていると言われると、驚きます。プロの対局でも、「中押し勝ち(ちゅうおしがち)」と言って、最後まで打たずに相手が投了して(降参して)勝負がつくことも多いですね。 もちろん、私たち初心者はそんな域まではまだまだ到達しませんが、「終局(つまり勝負がつくこと)」しているかどうか、判断が自分ではできないことがあります。

その悩みを解消するのが、王銘琬九段が提唱、勧められている「純碁」というものです。
囲碁とほぼ同じなのですが、これだと終局がはっきりわかるので、入門者はまずそこから始めましょう、というご活動に、王九段は現在取り組まれています。

いつか、そのお話も書きたいと思います。

ではまた。