ご心配下さっている方も多いかもしれないと思い、とりあえずのご報告だけに来ました。

昨日朝、コウジさんの熱がまた8度台になったので、会社を休ませ、いつも行っている近所の病院に朝一番(9時の受け付け前)に行かせました。風邪薬をもらってきて治せば、翌日は会社へ行けるだろうと、私もコウジさんも思っていたのです。

すると10時頃コウジさんから電話があり、「なんかさあ、血液検査になって、結果が出るのに40分待つんだって。」とのこと。驚いた私は、コウジさんが医師の話を覚えてっこないし、コウジさんも不正確なことを言うだろうし、私が同席しないわけにはいかないと思い、家を飛び出して病院へ向かいました。ロビーには、コウジさんがぼんやり座っていましたが、私を見ると、喜びました。

名前を呼ばれて2人で入って行くと、医師はびっくりしたように私を見ました。「夫は高次脳機能障害なのです。14年前にくも膜下出血を起こしました。記憶障害があるので、私がいないと先生のお話も忘れますし、作り話したり不正確なことを申しますので、来ました。」と言いますと、医師は「ああ、道理で・・・」と言いました。やはり問診で何かコウジさんがおかしな返事をし、怪しまれたのでしょう。

医師は、「9度の熱が出ていることがおかしいので、念のため血液検査をしたら、白血球の値(WVC)も(炎症を示す)CRP定量の数値も異常に高いので、これは入院レベル。大きな病院ですぐ診てもらった方がいい。すぐ紹介状を書くので、11時半の午前の受付終了までに行きなさい。」と言いました。
私が「敗血症ではないでしょうか?」と言うと、「その可能性もあります。」と。

そこで入院になった場合、私が通いやすいところがいいし、私も亡き父も入院したことがあって様子がわかっているTセンターに紹介状を書いてもらいました。そしてコウジさんが会計を待っている間、車を取りに戻り、出てきたコウジさんを乗せてTセンターへ急ぎました。11時25分に受付できましたが、紹介状を書いて下さった医師がTセンターに電話して、11時半を過ぎてもコウジさんを受け付けてくれるよう頼んで下さっているのを知っていたので、安全運転できました。この医師は、とてもきびきびして、できる医師でいらっしゃる!という気がしました。この医師の直感のおかげで血液検査をしてもらい、異常が見つかったので、とても有難かったです。

Tセンターでは体温、血圧、CT,胸部レントゲン、尿検査や、血液検査、前立腺の検査になりました。問診でも私が医師の問いかけに全て答え、「敗血症ではないでしょうか?」とまた私は言いました。医師は、「最悪の場合を考えて処置していますから、その可能性も考えています。」と答えました。この医師も、とても穏やかで優しく温かい感じの医師でした。

また、血液を朝から何度も取ったので、コウジさんは顔面蒼白になり、「目の前がくらくらする・・・」と言いました。医師に、「血液を取ったせいで顔が青くなったのですか?」と尋ねますと、「そうではないです。ご主人は血を見ると気分悪くなったりしますか?」と尋ねられたので、義母(コウジさんの母)の血液検査の血を見て、子どもだったコウジさんが倒れた話をしますと、じゃあそういうタイプなのでしょうとのこと。 でもベッドに寝かせられたコウジさんの血圧が低くなり、酸素濃度も低くなってきたので、さすがに私も焦りました。医師も緊迫した表情になって看護師さんに何か指示をし、酸素チューブがコウジさんの鼻に差し込まれました。

たまたま私はその日、コウジ村の会員に、21日に港区でSさんが話される講演会へのお誘いを朝から1人1人に向けてしていたところでした。3人目くらいでコウジさんの緊急事態となって、あとの方には連絡できていないままですが、たまたまその3人の中に、Tセンターそばに住むIさんがいました。メールやりとりしているうちに、コウジさんがTセンターで検査していることを知った彼女が心配して来てくれました。驚きましたが、とても心強かったです。

胸部レントゲン結果から、コウジさんは肺炎を起こしていることがわかり、入院が決まりました。その頃からコウジさんは咳が出始めました。それまでは出ていなかったのです。さらに頭痛まで始まりました。頭や耳の皮膚炎がひどいのは、もしかしたらシャント(水頭症手術の際に入れた)から炎症を起こしているのかもしれない、そこから頭痛が起きているのかもしれない、あるいはほかに頭痛の原因があるのかもしれない、とわからないだらけの中、とりあえず入院病棟に移り、Iさんはご主人が帰ってくるので帰りました。

入院されたことがある方はご存知だと思いますが、病室で次々医師いや看護師、薬剤師さんらが来たり、記入すべき書類を沢山もらいます。色々な手続きをし、義母や母にも電話を一応入れ、入院に必要なものを取りいに、一旦家に戻りました。

運転しながら、(なんでこうなるかなあ。)と思う自分がいました。
愛情いっぱい?でお世話して一緒に暮らしてきたのに、それでも防げない病気がある。
いやいや、もし愛情いっぱいでお世話してこなかったなら、きっともっと早く病気になったのだろう。一度大病した人は、やはり普通の人よりはかない体をしているのだろう・・・なんて思いました。

ベッドに力無く横たわる青ざめたコウジさんを見た時、とても可哀想で、とても悲しくなりました。いつもあんなに元気なのに、すぐこうして弱くなってしまうんだな、と思うと、やっぱりもっと労わってあげないと、という気になりました。Iさんと、「元気でいると、色々頭にくること、嫌になることもあってガミガミ言っちゃうけど、本当は生きていてくれるだけでいいのよね。」と頷きあっては涙ぐみました。高次脳機能障害家族は、皆こういう気持ちを持っていると思います。

帰宅して、待ち構えていたウメをとりあえず散歩に連れ出し、またタオルや着替えや洗面用具、食べ物飲み物なんでも必要なものを持って、車でTセンターへ向かいました。ウメは、1日中いなかった私がまた家を出て行こうとするので、寂しいのでしょう、慌てて私を追いかけようとして足をもつれさせていました。可哀想でしたが、「また戻るからね。」と言って家を飛び出しました。

・・・忙し過ぎて、そのあとのことは今はもう覚えていません。
とにかく9時過ぎにコウジさんの病室を後にして、帰宅。ウメはソファで諦めたように寝ていました。お風呂に入ってから、コウジさんと食べた朝食の食器がまだ台所に洗われずに残っていたのを、11時頃洗いました。

コウジさんが寝ていた部屋で寝ると、肺炎の菌があるので、別の部屋に布団を敷いて寝ました。夜中目が覚めると、私の右足そばに猫のチー、左肩に大猫ハル、そして左足にウメがくっついて寝ていたので、おかしくなりました。幸せな気持ちでまた目を閉じました。

そして今日も病院へ。これから毎日病院通いです。病院へ行く前には、コウジさんの布団カバーやシーツもみんな洗いました。ウメの散歩もしました。とにかく忙しいです。

でも安心して下さい、今日のコウジさんは、とても元気になっていました。
適切な治療を受けられたおかげです。医師やスタッフの方々には、本当に感謝です。

午前はまた造影剤を使ったCT検査や血液検査がありましたが、酸素チューブもはずれていたので、2人で院内を散歩してコンビニで買い物したり、喫茶店でコーヒーまで飲めたんですよ。病室に戻り、「踊れる?」と聞きますと、コウジさんはいつものように、おどけて1人踊りを踊ってくれました。ほっとしました。嬉しかったです。

ただ、咳が出ますし、頭も痛いそうですし、疲れやすそうなので、2時間ほどの滞在で帰ってきました。

ということで、まだまだ肺炎の治療は続きますが、まずは一安心です。 

またご報告します。

今回、ラッキーだと思ったことは、良い医師との縁です。
私は最初、近所の信頼できる小児科へコウジさんを受診させようと思いました。
総合病院は混んでいるので、コウジさんも疲れるだろうと思って。

でも、高血圧や痛風で定期的に通っている近所の総合病院の方が、カルテも揃っていて何かあった時に都合がいいかもしれないと思い直し、そちらへ行かせたのでした。

そして木曜日の午前の担当だったその医師の対応が、とても良かったのです。もしその医師が、ただの風邪だと思って血液検査までしなければ、肺炎がわからなかったのではないでしょうか。(実際、その医師も、「このまま帰してもいいかな、という気もちょっとした。でもやっぱり気になって血液検査してみて良かった。」と言われていました。)
信頼している小児科医も、きっと風邪薬を処方してくれたとは思いますが、血液検査までして下さったかは、わかりません。してくれたかもしれませんけれど、とにかくラッキーだったのです。

さらにTセンターの医師の、温かなお人柄に、(ああ、この先生ならお任せできる。)と思いました。Iさんとも、「(不吉な話ですが)もしたとえ死ぬことになったとしても、診てくれる医師のことが好きで信頼できたら、その死も納得して受け入れられるよね。でも嫌いで信頼できない医師だったら、死なれたら絶対納得できないよね。」と話しました。

医師は技術も勿論大切ですが、やはり心が一番大切なのではないでしょうか。