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毎日病院ですので、相変わらず家での時間がなく、帰りのバスや電車の中で、携帯を使ってこのブログ原稿のほとんどを書いています。

石巻の話の続きをしますと、

ちょうどその日(10月18日)、映画監督の宍戸大裕さんがアニマルクラブ石巻にいらして、私を南浜町(のあったところ)や、「がんばろう!石巻」の看板や、日和山へ案内してくれました。
同日のお昼からは、宍戸さんの最新映画 『風は生きよという 』 の上映会が、仙台市で催されるというのに、非常に親切な方です。このお人柄が、撮られる映画に出ています。

宍戸さんの映画 『犬と猫と人間と 2』 は、2011年3月11日の東北大震災が起きてまだ日が浅い頃の石巻の様子が写されていますが、その日私が見た石巻の海辺の風景は、がれきも取り除かれ、一面の野原でした。 かさあげ工事があちこちでされていますが、休日なので働く人もなく、ブルトーザーも動いていませんでした。

ここにはかつて賑やかな住宅街があり、活気に満ちた人々(や動物たち)の暮らしがあったのです。

その南浜町にご実家があった私の知人は、当時の何気ない町並みの写真を見せてくれました。それは、今私が住んでいる世田谷区の普通の住宅街と、何らかわりません。

それがあの大津波によって、一切合切流されたのです。
知人の立派なご実家も、ガレージの鉄筋の骨組みだけ残して(それもひしゃげてしまいましたが)、流されてしまいました。大切なお父様も一緒に・・・ です。
五井美沙さんのご自宅も。

セイダカアワダチソウがはびこっている野原の中をしばらく歩きましたが、ところどころに家があった痕跡が残っていたり、表札のついた壁の残骸を見かけました。

見ていると胸が苦しくなるそれらの光景から目を上げると、日和山や日和大橋、そして門脇小学校が見えました。門脇小学校の校舎は焼け焦げ、もう使われていません。

「がんばろう!石巻」の看板は、そこの敷地に家があった黒澤健一さんが、友人の佐藤光敏さんと、がれきの材木などを再利用して書いたもので、復興のシンボルとなっています。長渕剛さんやフランスのフィヨン首相などが訪れるなど、有名な場所になっていますが、近いうちこのあたりは石巻・南浜地区復興祈念公園として整備されるとのこと。

日和山に登って海側を見下ろすと、何にもありません。ただの野原です。

内陸側を見ると、町がありますが、それらの町も津波の被害を受けています。

アニマルクラブ石巻では、マメコとリコという犬2匹と、クララという猫1匹が犠牲になりました。
たまたまケージの中で留守番していたため、助けられなかったのですが、助けようとしていたボランティアスタッフの五井美沙さんも、流されたのです (五井さんは、犬猫を助けに家を出られたものの、あまりの津波の凄さに驚き、足の不自由な祖母を助けに自宅に向かい、そこで津波にさらわれた、と見られています)。

避難所となった小学校に、愛犬を連れてきて避難してきたものの、係の人に「犬は入れません」と言われ、泣く泣く校舎外の柱に犬を繋いで中に入り、その後来た津波で犬を失ってしまったという方もいました。

続く