多摩川猫物語



昨日、猫に熱湯をかけたり床に叩きつけたりして殺害した男が逮捕されました。大田区東雪谷に住んでいる、41歳の男だそうです。

なんてひどい! 自分より弱い者へのいたわり、憐み、愛情がないのでしょうか? 殺害動機とされている、自分のストレスを弱いものを殺すことによって解消しようと思う、あるいは解消できると思う、その頭の回路が理解できません。心が病んでいますよ。
第一、猫というこんなに可愛い生き物によく手を下せるものです。 (可愛くなくても、私は虫1匹殺せません。アリも、蚊も、ゴキブリも。ウメと散歩していてアリを踏んでしまっているかもしれませんが、アリさんごめんなさい。)

そのニュースを知った昨夜、はっと思い出したのは、『多摩川猫物語』(角川書店)の著者小西修さんのブログに書かれていた、今年2月にあった猫殺害事件のことです(私は小西さんのブログ、アニマルクラブ石巻のブログ、SORAアニマルシェルターのブログ、いばらきいきものねっとのブログ、ゆきんこさんのブログなど、犬猫里親探しをされている方や団体のブログをチェックしています)。

その事件の場所(等々力緑地)と東雪谷は地理的に近いので、もしや同じ犯人では・・・ と思ったのです(警察でないので、詳細は知りませんが、似たような残虐なことをする人があちこちにいると嫌ですから、同じ人であってくれた方がいい、と思いました)。

ところで皆さんはこの本と、小西修さん・美智子さんご夫妻のことをご存知でしょうか。度々新聞などに取り上げられていますし、私もそれで遅ればせながら2年以上前に知ったのですが、ご夫妻は1990年から雨の日も雪の日も 「1日も休まず」、多摩川べり(両岸)で生きる捨て猫たちの世話を続けられています。その距離は奥多摩から羽田河口まで138キロ!しかもその両岸です。

こんな方々がいらっしゃるということは、すごいことです。きっと小西様ご夫妻からしたら、「もっと同じような人がいて然るべきだ。」、と思われているかも知れませんが、なかなかできることではありません。本当にすごいご夫妻、としか言いようがありません。頭が下がります。

ご夫妻は猫たちに餌や水を与えたり、病気やけがの治療、不妊去勢手術、里親探しなどの活動のほか、ホームレスの方々の支援活動もされています。

『多摩川猫物語』には、心ない人間によって傷つけられ、殺されている猫たちの話が、これでもかというくらい出てきます。読んでいると、「人間はこれほど邪悪で凶暴になれるものなのか・・・」、と言葉を失います。ページをめくるのが怖いくらいです。(ほっとする話も、沢山ありますよ。)

例えば、若いカップルによって毒を与えられ殺害された9匹の猫たち、進入禁止のサイクリングロードを爆走するバイクによって轢き殺された猫、何者かによって背中からお尻まで刃物で深く大きく切られ、血だらけになりながらも必死になって飼い主のホームレスさんのところまで戻り、結局は死んだ猫、バーベキュー場にて何者かに熱湯をかけられた猫、フードを手にした初老の男は、近づいてくる猫の顔面を思い切り蹴飛ばし、顎の骨が折れ食べられずに衰弱死させられた猫、金属のような硬いもので撲殺された猫、リードをはずされた犬に追いかけられ、噛み殺された猫、あるいはそれが面白くてわざと飼い犬のリードをはずす飼い主たち・・・ そんな話ばかり出てきます (そういう鬼畜のような人間たちより、空き缶や古雑誌を売ったわずかなお金すら、猫の餌代にかえられて世話をしている、多くの心優しいホームレスさんたちの方が、ずっとずっと高潔な魂の持ち主だと思います)。

猫が可愛くて仕方ない私は、そういう人たちに息が止まるくらい憤激し、できることなら自ら毎日多摩川へ出向いて行き、目を光らせ、そういう病んだ人たちから猫を守ってやりたい、という思いでいっぱいになります。 けれど、多摩川までちょっと距離もあり、やることが多くて出かけていけない、情けない私・・・ 


「多摩川猫パトロール隊」、というものを作ったらいいかも知れません。138キロ X両岸 を5キロずつ、近くに住む猫好き住民達で手分けして・・・ 

とにかく、そういう活動をもう26年もの長きにわたり、お2人でされているのが小西ご夫妻なのです。
是非皆さんもこの本を読まれ、人間の醜さに共に驚き、がっかりし、怒って欲しいです。そしてご夫妻の活動を一緒に支えて頂きたいです。

私はたまたま夫が高次脳機能障害になり、『日々コウジ中』を書いてそれを世に出して頂き、この障害に関わる活動をすることになりました。 
けれど元々は、犬猫が大好きなイラストレーターでした。犬猫のイラストを描き、いつかは絵本作家になるという夢を11年前まで持っていて、家には好きな絵本が300冊くらいあります。その夢をまだ捨ててはいなかったのですが・・・

4か月前にとても頼りにしていた大事な父を亡くし、自分の人生について改めて考え直す日が増えてきました。

50歳を超えたらいつ死ぬかわからない、と思い出し、いつ死んでもいいように家の中の片付けに精を出しています。

そんな中で、この300冊の絵本は結構スペースを取っているので、もう自分は多分絵本作家にはならないだろうと最近やっと見切りをつけ、これを欲しいところへ寄付しようと、寄付先を探しているところです。

(それでも大好きな絵本作家のものは、いくつか手放さないつもりです。それは、かこたかしさん、林明子さん、佐野洋子さん、ましませつこさん、安野光雅さん、アロワ・カリジェ、ビネッテ・シュレッダー、バーバラ・クーニー、いわさきちひろ、バージニア・リー・バートン、ピーター・コリントン、エロル・ル・カイン・・・ らです。)

本もどんどん整理していますよ。やはり大好きな中野孝次さんや落合恵子さんなどの本はそばに置いておきますが。ちなみに私の一番好きな本は、北杜夫さんの『幽霊』です。ほかには中野孝次さんの『ハラスがいた日々』や、内田百聞の『ノラや』も勿論好きです。

画集も色々持っていますが、杉山寧さんとイワン・ラブジンだけ残して、ほかはいいかな。ダリや若冲やルソーやチャールズ・ワイコフスキーも好きですが。

今までの人生で後悔しているのは、ほとんど映画を見てきていないこと。映画はきっと色々教えてくれるのに。見たわずかな数の中で、一番好きなのは『ガラスの動物園』。兄役のジョン・マルコビッチが好きでした。 ・・・ 私は結構、内省的で暗い本や映画が好きみたいです。

きりがないので、今日はこのへんでやめます。

熊本の皆さん、お疲れがもう限界になっているのでは、と心配です。
いつまでも揺れている熊本を離れ、数か月でもゆっくり休める場所を政府は確保してあげてほしいです。もちろん無償で。

それにしても、舛添都知事の無駄遣いには、腹が立っています。飛行機はファーストクラスでなくてもビジネスでもエコノミーでもいいし、スイートルームでなくてもいいし、1年間毎週末箱根の別荘へハイヤーで通っていたなんて、都民のお金を何だと思っているのでしょう!自分のお金でやってほしいです。ムスカさんを見習って欲しい。