昨日は良い天気に恵まれ、竹橋にある毎日ホールでのシンポジウムにも多くの方が集まってくれました。有難うございました。

そもそもこのシンポジウムは、5月11日、12日の2日間に大船渡市で行われる囲碁の本因坊戦に関係しています。(本因坊戦の井山さんの対局相手は、河野臨九段に決まりましたね!)
ここで何度もお知らせしてきましたが、その本因坊戦をはさんだ5月9日~13日に「第6回碁石海岸で囲碁まつり」というイベントがあり、イベントの中には本因坊戦の大盤解説もあれば、囲碁ファンだというジャズピアニストの山下洋輔さんのコンサートもあります。詳しくは、実行委員長の木谷正道さんのHPをご覧ください。http://kokorono-uta.net/kokorono-uta/

そして5月12日には、「高次脳フォーラム&高次脳機能障害囲碁大会」が開かれ、私が僭越ながら基調講演「囲碁は高次脳機能障害を救えるか?」をさせて頂いた後、パネルディスカッション「高次脳機能障害と囲碁」があります(これも木谷さんのHPに掲載されています)。
このフォーラムの中で、急遽王銘琬九段による囲碁指導も特別催されることになりました。やった~!是非お越し頂ける方はお越し下さいね。王先生にかかれば、10分で囲碁を覚えられるそうですよ。

そしてその「高次脳フォーラム&高次脳機能障害囲碁大会」のプレイベントが、毎日ホールでの昨日のシンポジウムだったんです。

でも、囲碁と高次脳機能障害の話というよりも、高次脳機能障害そのものの話、特に松本方哉さんという男性介護者と、私という女性介護者が、それぞれ思っていることを、時に比較しながら、時に共感しながらお話させて頂いたのでした。
男性介護者というのは、概して会社には家族の障害や病気のことをなるべく教えないものだそうで、教えることはマイナスになるのだそうです。え~、そいつあ~大変だ。しんどいですね。私なんて、元々おしゃべりなせいもありますが、誰にでもコウジさんの障害についてオープンに話しています。勿論、会社ともコウジさんについて密に連絡し合える関係です。男性介護者もそうだったらいいのに。そうできる環境、社会だったらいいのに。

松本さんは奥様や息子さんのお話のほか、介護保険制度についての疑問や、このままでは2025年にはクライシス(危機)が来ますよ!高次脳機能障害者組は、今みんなで協力してふんばらないと!というお話をされました。

私もいつものように、「当事者には居場所を 介護者には支えを」というお話をする中で、夫コウジさんの居場所は、家庭、会社のほかに、2年前から囲碁が加わったということもお伝えしました。

最前列に座っていたコウジさんに前に来てもらって、彼にとっての囲碁について、少し話してもらいました。コウジさんは、「囲碁、いいですよ!皆さんも、囲碁をやりましょう!」と満面の笑顔で二言三言話すと、すぐ席に戻ってしまいました(笑)。もっと長く話してよ~。

それから、私からの提言として、今どことも繋がれていない、埋もれている当事者が沢山いらっしゃるはずなので、そういう人たちを見つけて支援に繋げる必要を訴えました。一言で言うなら、「コージ―をさがせ!」。(ウオーリーをさがせ!のパクリです)。
ちょっとふざけた文言ですが、キャッチ―で明るくて、いいでしょう?
その言葉には、病院で高次脳機能障害と診断してくれる医師の必要性(まだまだ専門医が少ないので)、不便な土地に住んでいたり、悪意のある家族に邪魔されたりで情報に届いていない当事者を救い出したい思いが入っています。

そして2008年の調査(もう随分前ですね)で50万人と推計された高次脳機能障害者数が、実はもっと多いことがわかれば、それこそ支援法制定へ向けてはずみがついたり、松本さんが要望されていらっしゃるような、介護認定調査にも高次脳機能障害に関する項目が追加されることでしょう。この障害を取り巻く制度が充実化してくることでしょう。

・・・講演にいらして下さった方々から、ブログへのコメントや、メールを頂いていますが、今日はお返事できずすみません。

昨日講演から帰宅してすぐ、愛犬ウメを病院へ連れていったり、娘ワッチが大風邪から喘息発作を起こしていたり、ずっとバタバタしております。

最後に、シンポジウムの場を提供して下さいました、毎日新聞社様に、心よりお礼申し上げます。
今後も、高次脳機能障害へのご理解とご支援を賜り、社会に向けて引き続き啓発して下さいますよう、宜しくお願い致します。

大船渡での本因坊戦第1局を、楽しみにしています。
(私は別室で行われる、大盤解説会が大好きです。前回大船渡で行われた棋聖戦では、一力遼さんの次の一手を当てて、大盤解説をされていた宮崎龍太郎七段のサイン入り色紙をゲットしたのです!わ~い。)