190423神奈川


今日の神奈川新聞に掲載された、高次脳機能障害と囲碁に関する記事です。

私は、「囲碁は高次脳機能障害者と家族に良い!」、という考えですが、その考えをうまくコンパクトにまとめて下さったと思います。熊谷記者様、有難うございました。あとは、専門家の方に、私の言葉の裏付けをして頂けたらいいな、と思っているところです。

この中で私は、「(囲碁は)いろいろな人とつながり、脳トレもでき、人の役にもたてる」、と申していますが、(人の役にたてるって、どういうこと?)と思われる人もいるかもしれませんね。

コウジさんは囲碁を2年前に始めたのですが、なんと今では入門されたばかりの人でしたら、教えられますよ。この「高次脳機能障害と囲碁&心の唄」の会では、元々囲碁をされていた、お強かった高次脳機能障害の方たちもいらっしゃるんですが、そういう方は今でも囲碁を覚えていて、私なんてこてんぱんにやられます。そういう囲碁経験のある当事者の方だって、今なお進化されていますしね。
ですから、こういう囲碁の集まりでは、当事者の方たちはインストラクターにもなれるのです。

私は、視覚障害をお持ちのUさんに教えて頂くのが、楽しみです。
Uさんはとても囲碁が強いのですが、アイゴ(視覚障害をお持ちの方用の碁盤セット)の上を両手で撫でながら碁盤の様子を確認、次の一手を打たれますので、長考派の私には、とてもペースが合って有難いのです。いえ、Uさんの方が私より早いですし、対局しながら「こっちへ打つとこうなりますからね」「ここはもう入れませんね」というように、まるで目が見えているかのように、笑顔でてきぱき教えて下さるので、びっくりするやら尊敬するやら。なので、部屋へ入るとすぐUさんの姿を探す私です。

でも高次脳機能障害のSさんとは、この間5子置かせてもらって辛勝しましたので、その続きで今度は3子置かせてもらってまた対局してもらいたいな、とも思っています。

その間、コウジさんは小久保さんや、ほかの優しい囲碁ボランティアの方たちに、次々教えて頂いていますので、大忙しです。でも心の唄バンドのミニコンサートが別室で始まると、途中でも席を立ち、コンサートへ行ってしまいます。コウジさんは、歌も大好きなんですよ。

このバンドには、盛岡出身の高次脳機能障害者、高山仁志さんもバイオリンで参加しています。高山さんは今世田谷で一人暮らしされながら、学校へ通っていますが、幼いころからバイオリンを習っていて、彼の弾かれる「情熱大陸」は素晴らしいです!皆さんにも、是非聴いて頂きたいなあ。
来月大船渡で開かれる囲碁まつりや、12月に大田文化の森で開かれる、この会のイベントでは演奏されますよ。

このように、歌・囲碁という、障害を持つ人たちが楽しめる場所を提供下さっているさぽーとぴあ(大田区立障がい者総合サポートセンター)は、本当に有難い場所です。そして世話役として動いて下さっている大田区、目黒区の当事者家族の方々には、感謝しかありません。ハイ、世田谷区の当事者家族として、私ももっともっと動きます。スミマセン。つい、囲碁ばかりやってしまう私です。だって面白いんだもの。
50代を越えて、こんなに面白いものに出会えるとは!皆さんも騙されたと思って(思わなくても)、一度やってみてくださいよ。

私も最初、よくわからなくて、(面白そうなのはわかるけれど、やっぱり私には向いてない気がする)と思った時期がありました。

そんな時、視覚障害をお持ちのSさんが、私の横に座っていた時に、ポツリとつぶやかれたんです。「いやあ、本当に囲碁って面白いっすよ。」って。

私は(え?)と驚き、Sさんに聞き返したんです。「囲碁って、そんなに面白いですか?」と。
するとSさんは、「ええ、面白いです!」と重ねて、しかも力強く言われたんです。

その時からです。私が囲碁に真剣に向き合うようになったのは。

目が不自由なSさんが面白いと思われている囲碁って、一体どういうものなんだろう。どこが面白いんだろう。目が見える私が、それがわからないなんて、きっと努力や意気込みが足りないに違いない。それは情けないことだ、と。

元々負けん気が強い私なので、これはやるしかない!とやる気になったのでした。そして今、「とても面白い」、と思っている自分がいます。やった~! まだ下手ですが、下手は下手なりに、面白いんです。うまくなったらもっと面白いに違いないので、つまり囲碁は永遠に人間の友なのです。

だから、視覚障害のSさんには、感謝しているんです。

高次脳機能障害、視覚障害、聴覚障害、身体障害、難病(パーキンソン病など)、高齢者、学生、会社員、学校の先生、そしてプロ棋士の方々など、誰でも気軽にこられ、碁盤をはさめばたちまち友達です。

こういう会が、全国のあちこちにできればいいな、と思っています。