昨夜、NHKで安楽死についての番組がありました。
再放送が明日深夜にありますので、ご覧になっていない方はご覧になった方がいいかもしれません。

NHKスペシャル(再放送)
「彼女は安楽死を選んだ」
6月5日(水)0時35分~1時24分(4日深夜)

NHKのHPから引用しますと、
「安楽死が容認され海外からも希望者を受け入れている団体があるスイスで、一人の日本人女性が安楽死を行った。3年前に、体の機能が失われる神経難病と診断されたAさん。歩行や会話が困難となり、医師からは「やがて胃瘻と人工呼吸器が必要になる」と宣告される。その後、「人生の終わりは、意思を伝えられるうちに、自らの意思で決めたい」と、スイスの安楽死団体に登録した。
安楽死に至るまでの日々、葛藤し続けたのが家族だ。自殺未遂を繰り返す本人から、「安楽死が唯一の希望の光」だと聞かされた家族は、「このままでは最も不幸な最期になる」と考え、自問自答しながら選択に寄り添わざるを得なくなった。そして、生と死を巡る対話を続け、スイスでの最期の瞬間に立ち会った。
延命治療の技術が進歩し、納得のいく最期をどう迎えるかが本人と家族に突きつけられる時代。海外での日本人の安楽死は何を問いかけるのかを見つめる。」

私はコウジさんと見ましたが、なんともいえない気持ちです。
回復が見込めないどころか、どんどん悪化していく難病を抱えてしまった女性の、「死ぬことは生きることと同じくらい大事なんだ。」という言葉はとても重たく、それを否定できるかというと、簡単なことではなく・・・。

彼女は何度も自殺未遂をされたほど、もう生きたくはなかったようですので、それほどその病が大変なものだったのでしょう。彼女は、安楽死という道があることを伝えたい、という気持ちから、取材を受けられたそうです。彼女の選択を尊重しなくては、という気になります。それでも・・・。

同じ病気を抱えながら、生きることを選択した別の女性も取材されています。

私ならどちらを選ぶか、あなたならどちらか。
その人のそれまでの人生、その人の置かれた環境によっても決断は分かれるかもしれませんが、私はできることなら、苦しくても最後まで命をまっとうしようとする女性と同じ道を選ぶだろうなあ・・・。せっかく授かった命だもの。それも、安楽死を選ぶのと同じくらい、強い精神力が必要だと思いますが。

とても考えさせられる番組ですので、どうぞ録画などされてご覧下さい。夜遅い時間の放送なので。

・・・昨日は、月に1回の、「高次脳機能障害と囲碁」の会でした。
また、色々なことがありました。

・まず、電車に乗る時から、コウジさんは上りか下りかわからず、「どっち?」と私に確認。毎月行っているのに。
・電車に乗ると混んでいて、すぐ目の前に男性がいるのに、コウジさんは私に向かって、「明日の朝のパン、買わなくちゃな!」と大声(我が家は朝はパン党です)。・・・家庭の朝食の話など、こんな混雑した電車の中でしないでほしい(怒)。
・別々に座れたので、私が詰碁の本を読んでいると、私の頭をツンツンつつく指。見上げると、コウジさんが、「どこで降りるの?」・・・なんかさあ、やっぱり恥ずかしいんですよね。大の男が、知らない人たちがいっぱいいる中で、子どもみたいな質問してくるの。それに乗る前に降りる駅名はちゃんと言ってあるのに。

そして、極めつけは・・・
家を出るのが遅くなったので、乗り換えでは私が先に立って急いで歩きました。でもコウジさんが心配なので振り返ると、5メートルくらい後ろを一所懸命私のあとを追ってくる彼の姿。コウジさんは私が振り返ったので片手を挙げて、周りを見ずに私めがけて嬉しそうにズンズン歩いてきました。

そして私が(あ!危ない!ぶつかる!)と慌てて注意しようとする間もなく、コウジさんは若い女性とぶつかりました。その女性は、すごく驚いて、かつ険しい顔をして、コウジさんを睨みつけていました。

おかまいなしに私のところに来たコウジさんに、「女の人にぶつかったじゃない!」と怒ると、「ぶつかってきたから、「痛えな!この野郎!」って言ってやった。」と答えるコウジさん。だから彼女はあんな表情をしたんだとわかり、申し訳ないやらコウジさんに腹が立つやら。

「ぶつかったのはあなた。あなたが斜めに歩いて、まっすぐ歩いていた女の人にぶつかったのよ。あなたが謝らなきゃいけないのに、なに言ってるの。」と諭すけれど、コウジさんはわからないようでした。いつも相手が悪いと思ってしまうコウジさんなので、相手がもしヤーさんとか、カリカリしだ男性で刃物を所持していたりしたら、とても危険です。いつも会社の行き帰りに、こんなことが度々あるのではないかと思うと、心配です。コウジさんは、「そんなことない。」と言うけれど、忘れているだけかもしれない。

囲碁は、元院生のNさんに懇切丁寧に教わり、コウジさんも喜んでいました。
囲碁の会に入った当時は、すぐ疲れて午前で帰っていましたが、今は慣れたのか体力がついたのか、お昼ごはんを皆で近くのお店に食べに行くのにも、一緒に行けるようになりました。

で、また事件が起きました。
おなかいっぱい食べたあと、打ち合わせのためまた会場のさぽーとぴあに戻ってイスに座った時、コウジさんがカバンを持っていないことに私は気づきました。(もっと早く気付けば良かったのだけど。)

「コウジさん、カバンは?」と私が聞くと、ハッとするコウジさん。「忘れてきた!どこだろう。お店だ。」と、お店でご飯を食べたことは覚えていたので嬉しいけれど、私はこれから大事な打ち合わせがあるので、近所だし、コウジさん一人で取りに行かせました。

コウジさんは、「わかるかなあ。」と不安そうでしたが、なにしろすぐそばの店だから・・・
Nさんが心配して、春奈さんにコウジさんについて行ってくれるよう頼みましたので、「大丈夫です、1人でやらせてみます。」と私が言うと、木谷さんも「奥さんが言うのだから、それでいいでしょう。奥さんに任せましょう。」と、皆でコウジさんの挑戦を見守ることにしました。

でも、全然帰ってきませんでした。携帯も、そのカバンの中なのです。

皆も心配し出し、私も段々心配になってきた頃、ようやくコウジさんから携帯電話がかかってきました。
携帯が使えるということは、お店に行けたということですから、ほっとしました。やっぱり心配でしたから。皆も、コウジさんがお店に着けたことを喜んでくれました。

でも、コウジさんは今度はここ、さぽーとぴあの場所がわからなくなり、迷っていました。どうやら逆方向に歩いているようだったので、一度お店に戻ってもらいました。「戻れるかなあ。よし、やってみる!」と電話の向こうで不安げながら決心しているコウジさん。

随分時間が経って、「お店に戻れた!」と喜びの声。こっちのみんなも、ハラハラして気にしていましたが、お店に戻れたことで笑顔に。
私がお店からさぽーとぴあへの戻り方を電話で教えると、時間はかかりましたが、戻ってこられました。その後3階の私たちがいる部屋までが、また時間かかりましたが、恐る恐る部屋を覗くコウジさんの姿を私は見つけ、手を挙げました。やれやれ、という表情で部屋に入ってきたコウジさんを、皆が拍手で出迎えたので、驚き恥ずかしがるコウジさん。

私が「ああ、良かった。まるでテレビの「はじめてのおつかい」みたいだ。」と言うと、みなも「そうだそうだ!」と笑いました。

携帯電話があったので、なんとかなりましたが、なかったら私はコウジさんが部屋を出て20分くらいしたところで探しに行ったことでしょう。大ごとにならずに済んで、本当に良かったです。

その後コウジさんも含めた皆で打ち合わせを続けましたが(12月1日にイベントを開くので)、やっぱりコウジさんは体力がついたなあ、と思いました。囲碁をし、昼食を食べ、かばんを取りに行って戻ってくるだけでも、彼はきっとものすごく体力と頭を使ったと思うのに、そのあとの打ち合わせにも参加できたのですから。

丸一日たった今でも、まだ私は思い出すとドキドキし疲れますが(笑)、非日常のもろもろは、いい頭のリハビリになるなあ、と改めて思いました。

それも、囲碁の会に入ったおかげです。
囲碁を始めて良かった~!