今週末は、東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨などで外出自粛要請が出されました。
東京のコロナウイルス感染者は、今日は過去最高の63人となり、今後の増加が懸念されます。

私も本当でしたら、今日は千葉に住む高齢の伯父と自宅周辺で花見の予定でしたが、自粛要請が出ずとも、感染拡大している現在、とても怖くて招けず、予定は中止していました。
その代り、心臓に持病のある伯父が心配で、食料や日用品を詰めて、昨日宅配で送りました。これで、近所に親しい人がいない伯父が数日くらい外に出なくても、大丈夫じゃないかな。伯父も喜んでくれました。

でも、花見を来週に延期したものの、来週に外出自粛要請が取りやめになっている保証はなく、日本はこのまま欧米のようにオーバーシュートへ向かってしまうのではないのか、とても心配です。

今日、コウジ村の1人から、「もし自分がコロナに感染してしまったら、当事者の旦那はどうなるのだろう?」と心配のメールを頂きました。それを読んだ私は、まだ自分が感染することについて現実的に考えていなかったことにハッとしました。

彼女は、「自分がもし感染したら、夫と愛犬を残して入院なんて無理! 親は高齢だったり、認知症だったりで夫と愛犬の世話をお願いできないし、どうしたらいいか。」「逆に夫が感染して入院となっても、こちらはきっとお見舞いには行けないし(彼女も感染して、高齢の親や職場の人にうつしてしまいますからね)、高次脳機能障害の人と生活する皆さんは、どう対応されるのでしょう?」と心配されていました。

本当にそうです。皆さん、今からきちんと考えておいた方がいいですよ!

それにもし私も夫(コウジさん)も感染したら、愛犬愛猫の世話は誰がするのでしょう?娘(ワッチ)? いえ、娘の大学(院)も、聞くところによると5月開始になったそうです。5月までだったら犬猫の世話はお願いできるけど、それ以降は・・・?
いやいや、もしワッチまで感染してしまったら、どうなるのでしょう? 犬猫は、動物病院にお世話をお願いする?
でも、そういう家庭ばかりになったら、動物病院もパンクするでしょうし、動物病院の先生やスタッフの方達が感染したら?

・・・考えれば考えるほど、どうなるのか想像できません。もうパニックなんてものじゃありません。みんな総倒れです。

わが家は私、夫、娘、犬猫という家族構成ですが、介護やお世話が必要な高齢者や障害者・児、子ども・幼児・赤ちゃんを抱えた家庭もあるでしょう。

家族1人や2人だけでなく、家族全員が感染したら?

そういう状況が、イタリアやスペインほか欧米で既に起きているのでしょう。テレビで疲弊した医療スタッフの様子を見ていると、恐ろしく、身が震えます。

なんとしてでも、感染爆発を起こしてはならないです。
そうならないよう、皆で協力しなくては。

ドイツのメルケル首相が、3月18日にテレビで国民に向けて行ったスピーチが話題となっています。私は、視覚障害のあるOさんからその全文和訳が送られてくるまで、内容は知りませんでした(Oさんの友人の友人が訳されたそうです。)
そこには、今私達が従うべき大事な内容が記されています。

是非1日も早く皆さんにもお読み頂きたいと思い、Oさんに、訳された方の了解を得たいとお願いしているのですが、なかなかお返事がありませんので、事後承諾ということでここにご紹介したいと思います。(その訳文は、Oさんが入られているメーリングリストで流されたものなので、多数の人が読ませて頂いてもいいと判断したのと、刻一刻を争う事態ゆえ、ご容赦頂きたいです。わかりやすい、素晴らしい訳です。)

以下、長文ですがメルケル首相のスピーチです。訳も素晴らしいですが、スピーチそのものは本当に素晴らしいです。今の日本の状況に当てはまります。
それでは皆様、どうかご自身やご家族の行動は、このスピーチにあるよう、くれぐれも慎重に願います。

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親愛なるドイツ国民の皆さん!
現在、コロナウィルスは私たちの生活を著しく変えています。日常生活、公的生活、社会的な人との関わりの真価が問われるという、これまでにない事態に発展しています。

何百万人もの人が職場に行けず、子供たちは学校や保育施設に行けない状況です。劇場、映画館、店などは閉鎖されていますが、最も辛いことは、これまで当たり前に会っていた人に会えなくなってしまったことでしょう。このような状況に置かれれば、誰もがこの先どうなるのか、多くの疑問と不安を抱えてしまうのは当然のことです。

このような状況の中、今日、首相である私と連邦政府のすべての同僚たちが導き出したことをお話ししたいと思います。 オープンな民主主義国家でありますから、私たちの下した政治的決定は透明性を持ち、詳しく説明されなければなりません。決定の理由を明瞭に解説し、話し合うことで実践可能となります。

すべての国民の皆さんが、この課題を自分の任務として理解されたならば、この課題は達成される、私はそう確信しています。 ですから、申し上げます。事態は深刻です。どうかこの状況を理解してください。東西ドイツ統一以来、いいえ、第二次世界大戦以来、我が国においてこれほどまでに一致団結を要する挑戦はなかったのです。
連邦政府と州が伝染病の中ですべての人を守り、経済的、社会的、文化的な損失を出来る限り抑えるために何をするべきか、そのためになぜあなた方を必要としているのか、そしてひとりひとりに何が出来るのかを説明したいと思います。

伝染病について私がこれから申し上げることは、ロベルト・コッホ研究所のエキスパート、その他の学者、ウィルス学者からなる連邦政府協議会からの情報です。世界中が全力で研究していますが、まだコロナウィルスの治療薬もワクチンも発見されていません。 発見されるまでの間に出来ることがひとつだけあります。それは私たちの行動に関わってきます。つまり、ウィルス感染の拡大の速度を落とし、その何カ月もの間に研究者が薬品とワクチンを発見できるよう、時間稼ぎをするのです。もちろん、その間に感染し発病した患者は出来る限り手厚く看護されなければなりません。

ドイツには優れた医療制度があり、世界でもトップクラスです。しかし、短期間に多くの重症患者が運び込まれた場合、病院には大きな負担がかかります。それは統計上の単なる抽象的な数字ではなく、父または祖父、母または祖母、パートナーであり、彼らは人間です。そして、私たちはすべての人の命に価値があることを知るコミュニティで生活しているのです。 まずこの場を借りて、医師、そして看護施設、病院などで働くすべての方にお礼を申し上げます。あなた方は最前線で戦っています。この感染の深刻な経過を最初に見ています。毎日、新しい感染者に奉仕し、人々のためにそこにいてくれるのです。あなた方の仕事は素晴らしいことであり、心から感謝します。

さて、ドイツでのウィルス感染拡大を遅らせるために何をするべきか。そのために極めて重要なのは、私たちは公的な生活を中止することなのです。もちろん、理性と将来を見据えた判断を持って国家が機能し続けるよう、供給は引き続き確保され、可能な限り多くの経済活動が維持できるようにします。

しかし、人々を危険にさらしかねない全てのこと、個人的のみならず、社会全体を害するであろうことを今、制限する必要があります。私たちは出来る限り、感染のリスクを回避しなければなりません。

すでに現在、大変な制限を強いられていることは承知しています。イベントは無くなり、見本市、コンサートは中止、学校も大学も保育施設も閉鎖、公園で遊ぶことさえ出来ません。州と国の合意によるこれらの閉鎖は厳しいものであり、私たちの生活と民主的な自己理解を阻むことも承知しています。こういった制限は、この国にはこれまであり得ないことでした。 旅行や移動の自由を苦労して勝ち取った私のような人間にとって(注※メルケル首相は東独出身)、そのような制限は絶対に必要な場合にのみ正当化されます。民主主義国家においては、そういった制限は簡単に行われるべきではなく、一時的なものでなくてはなりません。今現在、人命を救うため、これは避けられないことなのです。 そのため、今週初めから国境管理を一層強化し、最も重要な近隣諸国の一部に対する入国制限を施行しています。

経済面、特に大企業、中小企業、商店、レストラン、フリーランサーにとっては現在すでに大変厳しい状況です。今後数週間は、さらに厳しい状況になるでしょう。しかし、経済的影響を緩和させるため、そして何よりも皆さんの職場が確保されるよう、連邦政府は出来る限りのことをしていきます。企業と従業員がこの困難な試練を乗り越えるために必要なものを支援していきます。

そして安心していただきたいのは、食糧の供給については心配無用であり、スーパーの棚が一日で空になったとしてもすぐに補充される、ということです。スーパーに向かっている方々に言いたいのです。家にストックがあること、物が足りていることは確かに安心です。しかし、節度を守ってください。買い溜めは不要で無意味であり、全く不健全です。 また、普段、感謝の言葉を述べることのなかった人々に対しても、この場を借りてお礼を申し上げます。スーパーのレジを打つ方々、スーパーの棚に商品を補充される方々は、この時期、大変なお仕事を担われています。私たち国民のためにお店を開けていてくださって、ありがとうございます。

さて、現在急を要すること、それはウィルスの急速な拡散を防ぐために私たちが効果的な手段を使わない限り、政府の措置は意味を持たなくなるということです。私たち自身、誰もがこのウィルスに感染する可能性があるのですから、すべての人が協力しなければなりません。

まず、今日、何が起こっているかを真剣に受け止めましょう。パニックになる必要はありませんが軽んじてもいけません。すべての人の努力が必要なのです。 この伝染病が私たちに教えてくれていることがあります。それは私たちがどれほど脆弱であるか、どれほど他者の思いやりある行動に依存しているかということ、それと同時に、私たちが協力し合うことでいかにお互いを守り、強めることができるか、ということです。

ウィルスの拡散を受け入れてはなりません。それを封じる手段があります。お互いの距離を保ちましょう。ウィルス学者は明確にアドバイスしています。握手をしてはいけません。丁寧に頻繁に手を洗い、人と少なくとも1,5メートルの距離を置き、出来るだけお年寄りとのコンタクトを避けましょう。お年寄りは特にリスクが高いからです。 この要求が難しいことであることは承知しています。こういった困難な時期にこそ、人にそばにいてもらいたいものですし、物理的な近接、触れ合いこそが癒しとなるものです。残念ながら、現時点ではそれは逆効果を生みます。誰もが距離を置くことが大変重要であることを自覚しなくてはなりません。

善意のある訪問、不必要な旅行、これらはすべて感染を意味し、行ってはならないの
です。

専門家が「お年寄りは孫に会ってはいけない」と言うのには、こういった明白な理由があるからです。

人と会うことを避ける方は、毎日たくさんの病人の看護をしている病院の負担を軽減させているのです。

これが私たちが人命を救う方法なのです。

確かに難しい状況の人もいます。世話をしている人、慰めの言葉や未来への希望が必要な人をひとりにはさせたくはありません。私たちは家族として、あるいは社会の一員として、お互いに支えあう他の方法を見つけましょう。

ウィルスが及ぼす社会的影響に逆らうクリエイティブな方法はたくさんあります。祖父母が寂しくないように、ポッドキャストに録音する孫もいます。愛情と友情を示す方法を見つける必要があります。Skype、電話、メール、そして手紙を書くという方法もあります。郵便は配達されていますから。自分で買い物に行けない近所のお年寄りを助けているという素晴らしい助け合いの話も耳にします。この社会は人を孤独にさせない様々な手段がたくさんある、私はそう確信しています。

申し上げたいのは、今後適用されるべき規則を遵守していただきたい、ということです。政府は常に現状を調査し、必要であれば修正をしていきます。現在は動的な情勢でありますから、いかなる時も臨機応変に他の機関と対応できるよう、高い意識を保つ必要があります。そして説明もしていきます。

ですから、私からのお願いです。どうか私たちからの公式発表以外の噂を信じないでください。発表は多くの言語にも訳されます。

私たちは民主国家にいます。強制されることなく、知識を共有し、協力しあって生活しています。これは歴史的な課題であり、協力なしでは達成できません。 私たちがこの危機を克服できることは間違いありません。しかし、いったいどれほどの犠牲者となるのでしょう?どれだけの愛する人々を失うことになるのでしょう?それは大部分が今後の私たちにかかってきています。今、断固として対応しなければなりません。現在の制限を受け入れ、お互いに助け合いましょう。 状況は深刻で未解決ですが、お互いが規律を遵守し、実行することで状況は変わっていくでしょう。 このような状況は初めてですが、私たちは心から理性を持って行動することで人命が助けられることを示さなければなりません。例外なしに、一人一人が私たちすべてに関わってくるのです。

ご自愛ください。そしてあなたの愛する人を守ってください。ありがとうございます。