昨日は1日中、今日は昼間だけ、東京は春のような暖かさでした。
ウメと散歩していると、もう沈丁花も咲いているし、桜も咲いていましたよ。桜は色々な種類があって1年中咲いているそうですが。

今日は、お知らせがあります。
色々悩んだのですが、このブログを書き始めて約10年半、そろそろこのへんで終わりにさせて頂こうと思います。今までお読み下さった皆様、本当に、本当に、有難うございました。厚く御礼申し上げます。

コウジ村の皆さんへは、先週お伝えしましたし、コウジ村名誉村長の東川悦子さん(元日本脳外傷友の会理事長)には、真っ先にお伝えしました。

理由は、第一は私の体調不良です。

詳しい話はご心配かけますし、あまり自分としても嬉しい話ではありませんので控えますが、まずは自分の健康、そして命を守るために、今後の高次脳機能障害に関する活動をやめることにした次第です。1年前にこの障害関係の雑用を根を詰めてしていた頃、睡眠不足(1日3時間睡眠)を3か月続けてひと段落した直後、意識が朦朧として救急搬送されました。それ以来、高次脳機能障害に関する用事をなにかしていると、どうも頭がしびれたりフワフワしたり、このまま失神してしまいそうな、死んでしまいそうな不安感、不快感を覚えるようになったのです。

10年以上この世界にいて、色々な方の相談を受けてきて(無報酬デス)、段々と色々な疲れや自分自身の将来的な不安などが溜まってきたんだと思いますし、来月58歳となる身は若くもないのでそろそろ無理するのも限界なんでしょう。ええ、多分無理をしてきたんでしょう。あまり自覚はなかったけれど、1人でエラそうに多くの方の相談に乗ってきたのは、無理があった、と今改めて思います。

とはいっても、このブログで受けるご相談はそんなに(というか、ほとんど)負担ではないのですが、振り返れば個人的に特にこの1年に頂いた、怒りや不満に溢れた大量のメールや電話が、結構負担だったなあ、と思います。時には脅しもあったり、侮辱もあったり。答えても答えても、全く解決せず、こちらも疲労困憊、気持ちが悪く滅入ってしまいました。

やはり私のような個人が相談に乗るよりも、行政や福祉、医療機関などでそういう方がたの対応をもっとして頂けると良いんです。そういうご職業の方がたはそれが仕事であり、それでお金を頂いているのですから。私のような手弁当の経験者や家族会は、そういう支援機関の後ろで助言する、というのがいい形であり理想なんです。

皆さん、国リハ(国立障害者リハビリテーションセンター)のHPの中の、高次脳機能障害支援センターのところをご覧下さいね。そこに各都道府県の支援拠点機関の表があります。ここにご相談下さい。http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/soudan/

そうですね、理由の第二は、経済的問題です。
私もコウジさんも、60歳近くになり、老後のことを考えるようになりました(コウジさんは考えていないようですけど。も~)。 
そうすると、まだ住宅ローンもすごく残っていますし、ワッチはまだ学生ですし、悠長に無報酬のことで疲弊して自分の首を絞めている場合ではなく、生活のために少しでもお金を稼がないといけないという現実に目が覚めます。それも自分の体調が良くてまだ若い、と思っていた時には見なかった現実でした。不調になって年もとってきて初めて、考えるようになりました。皆さんも、一所懸命仕事されてらっしゃいますよね。私も頑張らなくちゃ。当たり前のことですが。

それに、動物保護団体や各種障害者団体、恵まれない子供たちなどにこれからもご寄付を続けたいです。(はっきり申し上げますと、私は自分の年収より1年間に寄付する額の方が多かったです。これもちょっと身の程知らずで反省する点です。)

今朝掃除しながらワイドショーを横目で見ていたら、今なぜか株価がすごく上がっていて、お金持ちはどんどんお金持ちになっているんですってよ。昨日4千万円の時計を買っていった人もいたとか。コロナで海外旅行ができなくなった分、貴金属や高額な不動産を買う人が増えているそう。

そういう人たちが、動物保護団体とか恵まれない人たち、お金がなくて困っている人やところににどんどん寄付してくれたらいいのにね。

・・・話を戻しまして、私の頭の不調は多分メンタルが原因だそうですが、去年撮ったMRIに少々問題が写っていて、不調が続くため来月またMRIを撮ります。先週の受診時、医師からは、「もう(高次脳機能障害活動は)やめましょうよ。」「10年お疲れ様でした、と僕が言ってあげます。」「60が見えてきた今、好きなことをした方がいい。」と言われ、思わず診察室で涙がこぼれました。その時、(ああ、私はしんどかったんだな。)(本当は、こういう言葉を聞きたかったんだな。)とわかりました。勝手な言いぐさなんですけれど。

こうしてドクターストップをかけて頂き、きっと命拾いしたこれからは、元々やっていた好きなイラストレーターの仕事に戻ったり、大好きな動物たちを守り支援する活動をしていきたいと思います。それが私が純粋に好きなこと、やりたいことだからです。やっぱり、自分の好きなことをした方がいいですよね。それができるのでしたら。

最近の講演会で使った資料の表紙を、初めて愛犬ウメや愛猫ハルとチー、そしてプラナリア、自分の過去のイラストで埋め尽くされたものにしました。 そして講演タイトルはいつものように、「当事者には居場所を 介護者には支えを」とするところ、順序をあえて変えて、「介護者には支えを 当事者には居場所を」と、介護者ファーストにしました。

やはり介護者(家族)の立場に立つ私としては、介護者にこそ支えが必要で、介護者が元気であればこそ当事者の元気も実現する、と考えるからです。もちろん、当事者の方は大変ですし当事者の方1人で元気に頑張ってらっしゃる方もいらっしゃって、それは本当にすごいこと、偉いこと(そしてしんどいだろうこと)と思います。 

介護者(家族)として私が一番望むことは、何度もここで取り上げさせて頂いたり、講演資料に必ず入れたり、講演でお話してきた「介護者の権利章典」(児玉真美さん訳)の中にあります。

特に好きで頷く文章は、次の3つです。

★ 介護とはまた別の自分自身の生活、その人が健康であったら送っていたはずの私自身の生活を守ること。 私は介護している人のため無理のない範囲で自分にできることは全てやります。 同時に私には自分自身のために何かをする権利もあります。

★自分が成し遂げていることに誇りを持つこと。そして家族のニーズに応えるために時として奮い起こしている勇気に自ら拍手を送ること。

★一人の人間としての自分を守り、自分自身のための人生を作っていく権利を守ること。それをして初めて、家族が私のフルタイムの介護を必要としなくなった時にも私は私のままでいられるのだから。

これは児玉さんが2008年に発表された訳で、2011年には改訂版が出ましたが、私はこの2008年の方が好きなので、こちらをご紹介しました。

私が「その人が健康であったら送っていたはずの私自身の生活」や、「自分自身のために何かをする」ということを考える時、それは好きな絵を描くことと、好きな動物たちを守る活動をすることです。それで最近の講演会の表紙を、ウメとハルとチーとプラナリアと自分のイラストにしたのですが、このあたりから心境の変化があったわけです。

ただ、3つ目の「家族が私のフルタイムの介護を必要としなくなった時」というのは、どうなんでしょうね、私の方がコウジさんより先に逝くような気がするんですけどね、なんとなく。コウジさんはよくカッとしますが、それは障害ゆえのもので、病前は穏やかで平和な心を持った人でした。だから今も大体が、平和で優しいコウジさんです。
それにひきかえ私はいつもイライラ怒っていて、不平・不満・不安という煩悩に苦しんでいますからね(笑)。心が健康でないと体も健康でないでしょう。

コウジさんを見習い、私もなるべく心が純粋で平和な人間になりたいものです。(これもよくブログに書いているかもしれませんが、樹木希林さんが、内田裕也さんを「きれいな鏡」と称えたように。)

さて今日から1か月後の3月23日が、私の58歳の誕生日ですので、その日をこのブログの最後の日に致します。

それまでは今までのように、日々のことを綴っていきますが、たまっているお知らせ事項も記していきますね。

皆さんも、どうぞ体に気をつけて、なるべく好きなこと、やりたいことをしましょう。それが結局は自分のため、家族のため、社会のためになるんじゃないかと思います。
くれぐれも、無理は禁物ですよ。

夕方、木谷さんがコウジさんにzoomで囲碁を教えて下さいました。
毎月大森で行われていた「高次脳機能障害と囲碁」の会が、コロナでなくなって久しく、実家へも行かないようにしているので私の母と対局することもなく、コウジさんが囲碁をする機会は激減していました。
コウジさんは、休日は大体ヘッドホンで好きな音楽を聴いています。
ウメを逃がしてしまってからは、ウメの散歩の役も解かれ、ひたすら音楽を聴いているか昼寝しているか、でした。

そんな時に木谷さんがお声かけ下さって実現した囲碁の時間。
久しぶりにコウジさんは生き生きし、大きな声で楽しそうに木谷さんと会話しながら囲碁を教えて頂きました。
ああ、こういう時間はいいなあ、と私も隣でワクワクしました。木谷さん、有難うございました。

囲碁。
私はイラストと動物のほかに、囲碁も好きです。まだ5級ですけど、面白いです。
忙しかったり疲れていても、囲碁クエスト(ネット碁)は必ずやっています。囲碁クエストがいいのかわかりませんが、短時間で知らない人と対局、負けることが多いですけれど、気持ちと頭のリフレッシュになるんです。1日たった3分だけのことも、しばしばですけれどね。

木谷さんとの囲碁が終わり、コウジさんは元気づいて、私とウメの散歩にもついてきました(笑)。
北風が強く、「これ、気温10度ないよね。」と身を縮めながら一緒に散歩するのも、楽しかったです。

あまりに体が冷え込んだので、これから早いお風呂に入ります。
それから、夜ごはんはカレーうどんで温まりましょう。

これから少しゆっくりした生活に戻ろうと思うと、なんとなくほっとした気持ちです。
この10年、いつもやることの7割くらいが、できていない焦燥感を抱えていました。

それではまた!
 
最後に、それでもこのブログが少しでも、1人の方にでも、喜んでもらえていたなら、お役に立てていたなら、やっぱり嬉しいです。

有難うございました。