先日の町田市講演は、町田市役所でありました。

町田駅は大きくて、駅から外に出たぞ、と思ったら高架下で、方向感覚が狂い、地図を見たり、人に聞いたりしてやっと辿り着きました。冷たい北風が吹きつけ(役所近くには市民ホールなど高い建物があるので、ビル風?)、杖をついて来られるコウジ村のご夫妻のことを考えると、心配になりました。
講演にいらして下さった方たちは、ほとんどが町田市内の方だったなら、迷わなかったと思いますが・・・。

役所に着くと、ガーン、休みでした。土曜日ですからね。正面玄関が閉まっていて、中は真っ暗です。

でもよく目をこらしますと、小さな貼り紙がしてあり、講演会へは左奥の入り口(休日出入り口)から入れるとのこと。
う~ん・・・ ちょっとわかりづらいなあ。 そちらへ歩きながら、またコウジ村のご夫妻に「入口はわかりづらいですよ。左側から入るそうですよ。」とメールを打ちました。

大きくて新しい市役所は、6年前にできたそうです。吹き抜けがあり、明るくて、さすが約43万人を抱える町田市。
今回の会場は60人定員の、割と小さ目の会議室でしたけれど、日本に50万人いるという古いデータで換算しますと、町田市にはおそらく2000人くらい(以上)の高次脳機能障害者がいらっしゃるから、ご家族も含めると、もっと広くても良かった気がします(偉そうに、すみません)。 でも実際には、定員と同じくらいの方だけが集まって下さったそうです。そんなものかなあ~? と、ちょっと不思議に思いました(この点については、後述)。

私は、コウジさんのエピソードを交えながらいつも通りの話を1時間で早めの口調でお話し、そのあと多摩丘陵病院の三沢幸史さんが、作業療法士という仕事についての基本的なお話や、高次脳機能障害者への支援方法についてのお話をされました。作業療法士さんの仕事については、あまり深く知りませんでしたので、大変興味深く、勉強になりました。

そのあとの質疑応答では、時間の関係でお2人が質問されましたが、お2人とも「当事者の病識のなさ」にお困りでした。うちの夫も同じで、なかなかこの「病識のなさ」という問題は改善していかないので、私も困った顔を三沢さんに向けました。
三沢さんは、「できることを積み重ね、達成感を味わう。なんでできたかを考え、じゃあ次にやる時にどうしたらいいか、を考えることで、改善していく。」、とお答えになりました(言葉通りではありませんが、そういう感じのことを話されました)。

たしかにそうだ、と思いました。何かがうまくいった時、夫だけでなく誰でも嬉しいものですよね。褒められたりしたら、尚更。きっとここに、病識を持たせるための秘訣が隠れているような気がします。

また、講演会にいらっしゃる方とお話すると、ご本人やご家族が高次脳機能障害者になった原因で、初めて聞くものに出会うことがあります。
今回も、そうでした。それは、「ミトコンドリア脳筋症」という難病が原因で、当事者になった夫を持つ方がいらしていました。奥さんの話では、良くなってきたと思ったら再発して、を繰り返し、発病から10年経つ今でも、やっとB型作業所に辿り着いたところだそうです。なんとか、もう再発しないで、あとは良くなるだけになりますように。

帰宅すると早速その「ミトコンドリア脳筋症」をすぐ調べましたが、なんだか難しそうな病気でした(だから「難病」なのですが)。
高次脳機能障害の原因となる「難病」として、MS(多発性硬化症)もあります。これからも、まだまだ色々な病気が、原因として認定されるのではないでしょうか。

さて、今回の町田市の講演会情報ですが、私は自分が講師を務めるので、「町田市 柴本礼」で検索し、ひかり療育園のサイト内の「福祉講座」に辿り着けていました。

けれど、単に「町田市に、高次脳機能障害の講演会がないかな?」と思う方は、「町田市 高次脳機能障害」で検索されると思います。 すると、これがなかなか「福祉講座」に辿り着けないのです。

もしかしたら辿り着けなかった方も多かったのではないでしょうか。また、辿り着ける前に、諦めてしまった方もいらしたのではないか、と思います。

特に、講演会の1週間前くらいまでは、「福祉講座」も、検索しても出てきませんでした。
私が「町田市 柴本礼」で検索すると、私のブログしか出てきませんでした。う~ん・・・ (余談ですが、今同じように「町田市 柴本礼」で検索すると、またしても私のブログしか出ません。「福祉講座」で講演をした、という事実は、もう削除されています。早すぎる気が・・・)

とにかく、今回に限らず、今までも、これからも、高次脳機能障害関連の講演会があることを知らずにいる方が多いたとしたら、これほど残念なことはありません。講演会は、多くの時間と手間、スタッフの方がたのお力添えで実現するもので、どれだけの方にお世話になって私がお話できたかを考えると、感謝に堪えません。けれどそんな手間暇かけた講演会なのに、現実にこのブログへ、「昨日講演会があったのを知りませんでした。」という、おそらくは町田市在住の方からの残念そうなコメントを頂きました。

講演会というのは、情報を得たり、支援者と繋がったり、ほかの当事者家族と繋がったり、もちろん私と繋がったり、新たに一歩進める、とても貴重な機会です。 来たかったのに、知らなくて来られなかった方がいたら、勿体ないですし、申し訳なく思います。
すでに今回お世話になった担当の方々には、この問題点をお伝えし改善をお願いしましたが、年内には町田市に意見を書いて送ろう、と考えています(今、色々立て込んでいて、時間があまりなく)。
とにかく巨大都市である町田市なので、高次脳機能障害者は大勢いらっしゃるはずですし、発達障害などほかの障害者も沢山いらっしゃいます。
HP内の、障害者に関する情報をもっと多くすることと、そこへのアクセスのしやすさをお願いしたいと思いました。

講師としてお招き頂きながら、あれこれ注文や意見を申し上げるのは申し訳ない気もしますが、私が気づいたのも何かの縁ですし、ネットで情報を得ている人、ネットでしか情報を得られない人も沢山いますので、ほかの自治体にも同様のHPの充実をお願いするものです。宜しくお願いします。

ブツブツと書いていましたら長くなってしまい、木谷さんの「心の唄コンサート」の話が書けなくなりました。明日にします。すみません。

また、宮崎の「いのちのはうす保護家」さんでは、明日朝9時に命の期限を迎えてしまう犬が、1匹います。とても寂しげな眼をしているこのワンちゃんの里親になって下さる方がいらしたら、どうか宜しくお願いします。
うちはもうウメとハルとチーでいっぱいいっぱいで無理なので、申し訳ないです。助かりますように!

それから、講演先などで『日々コウジ中』『続・日々コウジ中』が手に入らなくて困っている方々に、謝りつづけてきましたが、このままではいけない、と思うようになりました。待っていても、一向に増刷される気配はありませんが、これからも増える高次脳機能障害者とそのご家族、支援者、一般の方のためにも、増刷をなんとしてでもお願いしなくては、と。

そこで、出版元である主婦の友社さんに相談した結果、嬉しいことに増刷がかないそうです。早くても来年1月下旬になるとのことですが、日にちが決まり次第、具体的な入手方法について、ここでお知らせしようと思います。

それまでご不自由おかけしますが、いましばらく、楽しみにお待ち下さい!
尚、2月18日(土)の相模原講演(場所は橋本です)では、本の販売をして頂けるようです。直接買われたい、お近くの方は、是非相模原講演にお越し下さい。

それでは、また。